2008/8/15 気管食道シャント法 多量の空気で 発声再び YOMIURI ONLINEより転載
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東京都の調理師Aさん(57)は2002年秋、咽頭(いんとう)の下部にできたがんの手術を受けた。声帯などを摘出したため声を失い、食道の粘膜を震わせて発声する食道発声の訓練を受けたがうまくいかなかった。05年秋、癌研有明病院(江東区)で、肺から吐き出した空気を食道に送り込んで発声する「気管食道シャント法」の手術を受けたところ、話せるようになった。(佐藤光展)
のどの奥から気管につながる喉頭(こうとう)や、食道につながる咽頭にがんができると、声帯を含む周辺組織の広い切除が必要になることがある。喉頭を切除すると、口や鼻から肺に至る空気の道が途切れるため、のど元に「永久気管孔」と呼ばれる穴をあけて呼吸をする。また、咽頭の下部や食道の上部を広範囲に切除すると、口から胃に至る食べ物の道が途切れてしまうため、患者の小腸の一部(空腸)などを使って咽頭や食道を再建する。
手術後、多くは食道発声の訓練を受ける。空気をのみ込み、げっぷの要領で空気を送り出して、食道の粘膜を震わせる。だが、一度にのみ込める空気の量が少ないため粘膜は震えにくく、習得できる患者は半数程度にとどまる。特に、食道を再建した患者は発声が困難な傾向がある。
そこで考案されたのが、気管食道シャント法。気管と食道をシリコン製の短いチューブ(プロボックスなど)でつなぎ、気管孔を指などでふさぐと、肺から多量の空気がチューブを通って食道に入り、粘膜が震えて発声できる。
オランダなど欧州では、以前から多く行われていた方法で、近年、チューブの安全性が高まったことから、国内で増えてきた。患者に静脈麻酔をかけ、口から内視鏡を入れて手術を行う。手術時間は約15分。5日前後の入院が必要になる。
同病院では、05年に導入した。これまで40人に実施し、37人が発声できるようになった。特に発声練習の必要はなく、通常は、手術の翌日の発声確認の段階で会話ができる。かぜで多少かすれたような声になるが、肺の空気を使うため声量は十分で、食道発声よりも聞き取りやすい声になることが多い。
同病院頭頸(とうけい)科医師の福島啓文さんは「主に食道を再建した患者さんに行いますが、食道を残した患者さんでは、手術前とあまり変わらない声が出ることもある。対象を広げていきたい」と話す。
ただ、この方法は日々の手入れが欠かせない。挿入したチューブは、毎日、気管孔から専用のブラシを入れて掃除する。菌の繁殖などを防ぐため、約3か月に一度はチューブ交換が必要。交換は外来ですぐにできる。
健康保険が、手術(プロボックスは3割負担で入院費含め13万円前後)やチューブ交換(同3割負担で1万2000円)にはきく。しかし、手入れ用品などに毎月1〜2万円かかる。
気管食道シャント法の手術を行う主な病院 | |
|---|---|
| 日本海総合病院耳鼻咽喉科(山形県酒田市) | (電)0234・26・2001 |
| 癌研有明病院頭頸科(東京都江東区) | (電)03・3520・0111 |
| 神戸大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科(神戸市) | (電)078・382・5111 |
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ドクター ご紹介 - http://kanja.ds-pharma.jp/health/yotsu/doctor/078/index.htmlから転載







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