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京都市下京区/富士鍼灸整骨院(ふじしんきゅうせいこついん)

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2008/10/27 ネアンデルタール人 その絶滅の謎(1)(2) @nifty.comより転載

ネアンデルタール人 その絶滅の謎(1)
 
 
 
2008年10月20日(月)0時0分配信 ナショナル ジオグラフィック日本版
 
掲載: ナショナル ジオグラフィック日本版 2008年10月号
 
文=スティーブン・S・ホール 写真=デビッド・リトシュワガー
復元模型製作=ケニス&ケニス 復元模型撮影=ジョー・マクナリー
 
現生人類と共存していた時代、ネアンデルタール人の身に何が起きたのか。なぜ彼らだけが滅びたのか。そのヒントはDNAと歯に隠されていた。
 
 Photograph by David Liittschwager, with permission of the Museum for Pre- and Early History, State Museum of Berlin (SMB) and Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology, Leipzig, Germanyフランスのル・ムスティエ遺跡で見つかった4万2000年前の歯が、ネアンデルタール人の成長過程を教えてくれる。少年にしては臼歯(きゅうし)がよく発達している。このことは、ネアンデルタール人は成年に達するのが早く、集団生活の中で脳が発達する期間が短かったことを示唆している。(c)2008 National Geographic 
Photograph by David Liittschwager, with permission of the Museum for Pre- and Early History, State Museum of Berlin (SMB) and Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology, Leipzig, Germany
フランスのル・ムスティエ遺跡で見つかった4万2000年前の歯が、ネアンデルタール人の成長過程を教えてくれる。少年にしては臼歯(きゅうし)がよく発達している。このことは、ネアンデルタール人は成年に達するのが早く、集団生活の中で脳が発達する期間が短かったことを示唆している。
(c)2008 National Geographic

 人間の骨を二つ見つけた―94年3月、スペイン北部ビスケー湾のすぐ南にある洞窟(どう くつ)を踏査していた探検家たちから、地元の警察にこんな連絡が舞い込んだ。エル・シドロンと呼ばれるその洞窟は、人里離れた森にあり、スペイン内戦のとき、人民戦線の兵士たちがフランコ軍の攻撃を逃れて隠れていた場所だ。当時の人骨ではないか。そう考えての通報だった。だが、駆けつけた警官が発見したのは、それよりもはるかに古い時代に起きた、悲劇の現場の跡だった。
 警察は数日間でざっと140の骨を掘り出し、首都マドリードの科学捜査研究所に分析を依頼。6年近い歳月を費やして調べた結果、意外な事実が浮かび上がった。なんとその骨は、約4万3000年前にこの地域で暮らしていたネアンデルタール人の集団の化石骨だったのだ。
 その後、エル・シドロン洞窟の古人骨の調査は、マドリードの国立自然科学博物館の学芸員アントニオ・ロサスに引き継がれた。2000年以降、彼のチームは、少なくとも9人のネアンデルタール人のものとみられる、1500の骨のかけらを発掘した。ロサスは、最近見つけた頭部や腕の骨の破片を見せてくれた。どちらも端がぎざぎざになっている。
 「これは誰かにたたき割られた跡です。脳や骨髄が目当てだったのでしょう」。骨には石器で肉をそぎとった跡もあり、骨の持ち主が人肉食の犠牲になったことを物語っている。飢えを満たすためか、それとも儀式のためか - 誰が何の目的で食べたのかは定かでない。わかっているのは、死後まもなく(おそらく数日以内に)、骨の下の地面が突然崩れたことだ。骨は動物に荒らされることもなく、土砂もろとも地下20メートルの鍾乳洞に落下し、温度の安定した洞窟で砂と粘土にそっと包まれた。そのため、ネアンデルタール人の謎を秘めた貴重な遺伝子が、現代まで保たれてきたのだった。
 ネアンデルタール人は、私たちに最も近かった人類の仲間で、ほぼ20万年間にわたって、ユーラシア大陸に散らばって暮らしていた。その分布域は今の欧州全域から中東やアジアにまで及び、南は地中海沿岸からジブラルタル海峡、ギリシャ、イラク、北はロシア、西は英国、東はモンゴルの近くまで達していた。西ヨーロッパで最も多かった時期でも、その数はせいぜい1万5000人程度だったと推定されている。
 エル・シドロン洞窟の悲劇が起きた4万3000年前には、気候が一段と寒くなり、ネアンデルタール人は欧州のイベリア半島と中欧、地中海沿岸の限られた地域に追い込まれていた。加えて、アフリカから中東、さらにその西へと向かう現生人類の進出も、分布域の縮小に追い打ちをかけた。それから1万5000年ほどで姿を消し、あとにはわずかな骨と多くの謎が残された。
 ネアンデルタール人と現生人類の分布域が重なっていた約4万5000〜3万年前に、いったい何が起きたのか。なぜ一方だけが生き残ったのか。エル・シドロン洞窟に眠っていた骨に、その手がかりが残されているのかもしれない。
 
ネアンデルタール人をめぐる謎
 
 Reconstruction by Kennis & Kennis / Photograph by Joe McNally化石の骨格とDNA情報をもとに初めてつくられた、ネアンデルタール人女性の復元模型。少なくとも一部のネアンデルタール人は、赤毛で色白だったと考えられている。(c)2008 National Geographic
Reconstruction by Kennis & Kennis / Photograph by Joe McNally
化石の骨格とDNA情報をもとに初めてつくられた、ネアンデルタール人女性の復元模型。少なくとも一部のネアンデルタール人は、赤毛で色白だったと考えられている。
(c)2008 National Geographic
 
 現生人類の進出以前に、欧州にほかの人類がいた痕跡が初めて注目されたのは、150年ほど前のこと。1856年8月、ドイツの都市デュッセルドルフからほど近いネアンデル渓谷( タール )で、石灰岩を切り出していた労働者が骨を発見した。まゆの部分が極端に張り出した頭骨(とう こつ)の一部と、数本の太い手足の骨だった。
 洞窟に住む、知能の低い粗暴な原始人 - ネアンデルタール人については発見当初から、そんなイメージが広がり、長いこと信じられてきた。確かに、化石の大きさや形から、体型は筋肉質でずんぐりしていて(男の平均は身長約160センチ、体重約84キロ)、大きな肺をもっていたと推測される。ネアンデルタール人の男が寒い地域でその体を維持するには、1日5000キロカロリーのエネルギーが必要だったという試算もある。これは、3000キロ以上の道のりを走り抜く過酷な自転車レース、ツール・ド・フランスの出場選手並みの消費カロリーだ。
 とはいえ、低いドーム状の頭骨に収まった彼らの脳は、私たちの脳の平均をわずかながら上回る大きさだ。道具や武器は、欧州に住みついた現生人類のものと比べると原始的だったが、その頃アフリカや中東にいた現生人類の技術レベルには決して劣らなかった。
 ネアンデルタール人と現生人類の遺伝的な関係をめぐっては、ずっと激しい議論が繰り広げられてきた。約6万年前にアフリカを出始めた現生人類には、ネアンデルタール人との間で種を越えた血の交わりがあったのか。1997年、当時ミュンヘン大学にいた遺伝学者スバンテ・ペーボ(現在はドイツ・ライプチヒのマックス・プランク研究所所属)が、混血説に大打撃を与える研究結果を発表した。
 ペーボらは、ネアンデル渓谷で発見された腕の骨からミトコンドリアDNA(細胞内のミトコンドリアに含まれるDNAで、進化の系統を調べるのによく使われる)の断片を抽出した。その378個の塩基の配列を解読し、現生人類と比較した結果、両者の分岐した時期は、現生人類がアフリカを出るよりもはるか前だったことがわかった。共通の祖先から枝分かれした後、異なる地域で、別々に進化を遂げたと考えられる。
 ペーボらの解析で、ネアンデルタール人が現生人類と別種であることが裏づけられたようにも思えるが、なぜネアンデルタール人だけが滅びてしまったのかは、依然として謎のままだ。
 よく言われるのは、現生人類のほうが賢く、高度な技術をもっていたから生き残れた、というものだ。最近までは、4万年前頃に欧州で脳の発達上の“大躍進”が起きたと考えられていた。ネアンデルタール人の石器文化は、南仏のル・ムスティエ遺跡で発見されたことから「ムスティエ文化」と呼ばれるが、石器の種類が限られている。だが、4万年前あたりを境にこの文化は消え、より多様な石器や骨器、装飾品など、現生人類の登場を物語る、象徴的な思考に基づく表現の痕跡が認められるようになった。脳の遺伝子に起きた大きな変化(言語能力の発達に関連すると考えられる)によって、初期の現生人類が勢力を広げ、ネアンデルタール人を衰退に追いやったと主張する人類学者もいる。
 だが、考古学的な証拠を見ると、それほど単純ではなさそうだ。1979年にフランス南西部のサン・セゼールでネアンデルタール人の骨格が発見されたが、そのまわりには、典型的なムスティエ文化の石器だけでなく、驚くほど高度な道具類が埋まっていた。1996年には、フランスのアルシー・シュル・キュール洞窟群に近い別の洞窟で、マックス・プランク研究所のジャン=ジャック・ユブランらがネアンデルタール人の骨を発見。同じ地層からは、動物の歯に穴を開けたものや象牙の指輪など、それまで現生人類に特有とみられていた、高度な加工を施した装飾品が出土した。
 英国の古人類学者ポール・メラーズのように、こうした遺物が発見されたことは「あり得ないような偶然」にすぎないとみる向きもある。滅びる直前のネアンデルタール人が、アフリカから来た新参者、つまり現生人類の装飾品などをまねしただけだというのだ。
 
 
 
 
 
ネアンデルタール人 その絶滅の謎(2)
 
 
 
2008年10月27日(月)0時0分配信 ナショナル ジオグラフィック日本版
 
文=スティーブン・S・ホール 写真=デビッド・リトシュワガー
復元模型製作=ケニス&ケニス 復元模型撮影=ジョー・マクナリー
 
 Reconstruction by Kennis & Kennis / Photograph by Joe McNally現生人類がおよそ4万5000年前にアフリカを出てユーラシア大陸に渡ったとき、そこには先客、ネアンデルタール人が暮らしていた。DNA配列の99.5%は私たちと同じだが、ユーラシアの寒冷な気候下で暮らした20万年の間に進化を遂げ、独自の骨格をもつようになった。(c)2008 National Geographic
Reconstruction by Kennis & Kennis / Photograph by Joe McNally
現生人類がおよそ4万5000年前にアフリカを出てユーラシア大陸に渡ったとき、そこには先客、ネアンデルタール人が暮らしていた。DNA配列の99.5%は私たちと同じだが、ユーラシアの寒冷な気候下で暮らした20万年の間に進化を遂げ、独自の骨格をもつようになった。
(c)2008 National Geographic
 
 しかしその後、新たな証拠が見つかった。フランスのペシュ・ド・ラゼ洞窟で、クレヨンに似た二酸化マンガンの塊が何百個も出土したのだ。この洞窟には、現生人類の欧州進出よりもずっと前に、ネアンデルタール人が暮らしていたことがわかっている。分析したボルドー大学のフランチェスコ・デリコらの考えでは、これらの塊はネアンデルタール人が体に装飾を施すのに使った黒い顔料で、彼らが象徴的な思考の能力を独自に獲得していた証拠だという。
 ネアンデルタール人から現生人類への移行期には、両者の「基本的な行動は似たようなもので、違いはあったとしてもわずか」だっただろうと、米国ワシントン大学の古人類学者エリック・トリンカウスは話す。トリンカウスは、ネアンデルタール人と現生人類の混血もあったと考えている。ルーマニアのムイエリイ洞窟で出土した3万2000年前の頭骨など、一部の化石骨には、両者の特徴が認められるというのだ。「当時はあたりを見わたしても、人影はほとんどなかった。その状況でなんとかして相手を見つけ、子孫を残す必要があったのです」
 混血があったとしても、それほど頻繁ではなく、はっきりした痕跡を残すにはいたらなかったと、ほかの研究者はみている。マックス・プランク研究所のカテリーナ・ハルバティは、ネアンデルタール人と初期の現生人類の化石骨を3次元形状計測法で詳しく解析し、混血の骨がどんな形になるかを予測した。今のところ、この形に合致する化石骨は見つかっていない。
 ネアンデルタール人研究ではこのように、権威ある古人類学者たちが同じ骨を調べて、互いに矛盾する解釈をすることは決して珍しくない。解剖学的な研究は今後も続くだろうが、一方で新たな角度から、ネアンデルタール人を現代によみがえらせる研究も進んでいる。
 
DNAに秘められた素顔
 
 DNA解析に好都合な標本が残されていたのは、偶然のたまものだ。先史時代にたまたま人肉食の習慣があったことが、この研究には幸いした。肉がそぎ落とされた骨には、微生物などのDNAが混じりにくいからだ。その一つ、エル・シドロン洞窟の骨からは、ネアンデルタール人の外見と行動を知る有力な手がかりが得られた。
 ライプチヒ大学のホルガー・レンプラーらは2007年10月、エル・シドロン洞窟の骨から、メラニン色素の生産にかかわるMC1R遺伝子を分離したと発表。この遺伝子に特定のパターンの変異が認められたことから、少なくとも一部のネアンデルタール人は赤毛・色白で、ひょっとしてそばかすがあったとも考えられる。
 だが、このネアンデルタール人の遺伝子に見られる変異は、現代人の赤毛のものとは異なっている。つまり、両者はおそらく同じような環境下で、それぞれ独自に赤毛・色白に進化したのだ(日照量の少ない高緯度地方では、体内でビタミンDを生産するために、紫外線をよく吸収する色白の肌のほうが環境に適応しやすい)。
 この発表のわずか数週間前に報告された、遺伝学者ペーボらによる研究の成果も、驚くべきものだった。エル・シドロン洞窟で出土した二人のネアンデルタール人の骨から抽出された、発語と言語能力にかかわるFOXP2遺伝子に、現生人類と同じ変異型が認められたというのだ。この遺伝子は、脳の働きだけでなく、顔の筋肉を制御する神経ともかかわっている。
 ネアンデルタール人が歌などの比較的原始的な音声コミュニケーションを用いていたのか、もっと高度な言語能力があったのか、まだはっきりしていない。だが、私たちのように複雑な発声ができる咽頭部(いん とう ぶ)の構造を部分的に備えていたことは、最近の研究で示唆されている。
 現在、ペーボを中心に、野心的な研究が進んでいる。ネアンデルタール人のゲノム、つまり30億に及ぶ塩基対の配列をすべて解読しようという試みで、今年11月に完了する予定だ。
 化石骨に残されたDNAの痕跡は、かすかなものだ。しかも、ネアンデルタール人と現代人のDNAはとてもよく似ている。ゲノム解読では、現代人のDNAが混入しないよう、標本の取り扱いに細心の注意が必要だ。
 今回ペーボが解読に使うDNAのほとんどは、30年ほど前にクロアチアのビンディヤ洞窟で発見された、3万8000年前の脚の骨から抽出された。この骨は発見当時あまり重要視されず、これまでほとんど人に触れられることもないまま、ザグレブの博物館の収納庫にそっとしまわれていたものだ。
 
 Reconstruction by Kennis & Kennis / Photograph by Joe McNally氷期でもおそらく温暖な夏の間は、たくましい体から熱を発散させるために裸で過ごしたと考えられる。ネアンデルタール人の遺跡で見つかった顔料から着想を得て、ケニス兄弟は体に模様を描いた。(c)2008 National Geographic
Reconstruction by Kennis & Kennis / Photograph by Joe McNally
氷期でもおそらく温暖な夏の間は、たくましい体から熱を発散させるために裸で過ごしたと考えられる。ネアンデルタール人の遺跡で見つかった顔料から着想を得て、ケニス兄弟は体に模様を描いた。
(c)2008 National Geographic
 
 目当てのDNAを取り出す作業は困難をきわめたが、ペーボらは2006年秋に、およそ100万対の塩基配列を解読できたと発表した(同時に、カリフォルニア州にある米エネルギー省合同ゲノム研究所のチームも、ペーボが提供したゲノム断片を別の方法で解読した)。彼らのサンプルにはほかの生物のDNAが混入しているのではないかという批判は再三あった。だが、ペーボらはその後、解読の精度を改善したとして、昨年までに全体のおよそ2%にあたる、約7000万の塩基対を解読した。
 「人間とチンパンジーではDNAの塩基配列が98.7%同じことがわかっていますが、ネアンデルタール人はそれよりも私たちに近いはずです」と、ペーボの研究チームで生物数学班を率いるエド・グリーンは話す。
 だが、0.5%足らずのわずかな違いから、この二つの系統がおよそ70万年前に枝分かれしたことが確認できる。ペーボらは、ウズベキスタンとシベリア南部で出土した二つの化石骨からミトコンドリアDNAを抽出することにも成功した。ウズベキスタンのものは少年の骨で、以前からネアンデルタール人のものだとされてきたが、今回の解析で研究者たちを大いに驚かせたのは、シベリアの骨もネアンデルタール人のものだとわかったことだ。これで、ネアンデルタール人が、それまで知られていた分布域から2000キロも東まで進出していたことが判明した。
 こうした新たなDNAのデータは、ネアンデルタール人が私たちと異なる種であることを裏づけているように見える。だが同時に、彼らが言語を獲得していた可能性があること、また、これまで考えられていたよりも、ユーラシア大陸のはるかに広い範囲に進出していたことも示唆している。いずれにせよ、最初の疑問の答えはまだ出ていない。彼らはなぜ滅びたのだろう?

 

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近畿京都府京都市
ひろしまクリニック 院長
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 腰痛の発生頻度や原因について教えてください。
上半身の重さは体重の約70%といわれています。その重さを支えているのが腰椎です。腰椎には椎体という骨の部分と椎間板という骨と骨の間に入っている部分があります。椎体は機械的な負荷により変形が進行し、また骨粗鬆症の進行とともに脆くなっていきます。椎間板も年齢とともに変性していきます。驚くことにこの変性は10歳の子供たちのすでに9%に起こっていると報告されています。治療を要する腰痛の発生頻度の調査では20歳代以上の年齢層ではほぼ同じくらい(40〜65%)で発生していることが報告されています。このような背景から近年、腰痛はもっとも有訴率が高い疾患になっています。大半の腰痛は数日間で治りますが、臀部痛や下肢痛を伴う腰痛は専門的な治療が必要になる場合も多いので注意しましょう。
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生活に影響をおよぼす腰痛疾患として、ぎっくり腰、ヘルニアなどをよく耳にしますが、とくに高齢の方に多い「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」という疾患もあります。あまり知られていませんが、加齢現象の1つとして腰骨(腰椎)が変性したために周辺の神経が圧迫され、立つ・歩くなどの負荷に伴って、いわゆる坐骨神経痛と言われるお尻から太腿の後ろ側にかけた痛みや、つっぱり感、しびれなどが起こるものです。長い距離が歩けなくなり、重症の場合は100mでも困難になりますが、しばらく前かがみで休むと再び歩けるようになるという「間欠跛行(かんけつはこう)」も特徴的な症状の一つです。
 年を重ねることで、腰椎の変性が起こる方もあれば起こらない方もあり、変性したからといって必ず症状があらわれるとも限りません。腰部脊柱管狭窄症が進行した場合、もっとも典型的にあらわれる症状は残尿感ひいては失禁などの膀胱直腸障害ですが、このように重症化する方もあれば、慢性的な症状に悩みながら一生付き合っていく方、あるいは急激な痛みのピークを過ぎた後に沈静化する方もあり、全ては人それぞれです。しかし、症状が進行し始めると一気に悪くなり始めるポイントがあり、やがては脱力感や麻痺などが起こります。
 症状のあらわれ方は千差万別ですが、50代以上で思い当たる症状のある方は、適切な治療を受けることで改善する可能性が十分あります。よほど重症化していない限り、治療は血流改善剤や鎮痛剤などの内服薬と、コルセットや運動、牽引などの理学的な施術を併用する保存療法が効を奏します。さらに急性期の痛みにはブロック麻酔を数回行い、それでも患者さんが満足を得られる結果にならなければ手術を検討するというように、治療は段階的に効果を確かめながら進みます。
 手術では、100%とまではいきませんが、痛みの症状を中心に6〜7割の改善は見られます。ただし、一度傷ついた神経の細胞は元に戻らないため、進行していればしているほど残る症状も多く、程度も大きくなります。しかし、手術そのものの危険は少なく、方法も確立されているため、高齢であることを理由に手術を避ける必要はありません。
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 元気に動けるときはどんどん動き、立ったり歩いたりといった基本動作に支障があらわれたとき、あるいは1カ月以上原因の思い当たらない腰痛に悩んでいるときは、自己判断で放置しないでください。足腰の痛み・しびれを起こす病気には血管の病気も含まれます。それを鑑別するためにも、ぜひ整形外科を受診してください。



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田中 真砂史(たなか まさし) 先生
自己診断で治療を始める前に、腰痛の原因を正確に診断することが大切です
最近は鍼治療の研究も進んできたので、まず接骨院や鍼灸治療に行かれる腰痛の患者さんも少なくないようです。患者さんにとっては痛みが取れればよいわけですから、比較的入りやすい窓口に行かれる気持ちはよく分かります。
しかし、これらの治療を長く受けていた後、整形外科に回ってきた患者さんのなかには、がんの転移が腰痛の原因だったケースもあります。腰痛は骨や関節など運動器の障害だけでなく、がんや感染症、内臓疾患や心理面から起こるものなど、さまざまな原因によって起こることを知っておいてください。
私は、西洋医学(整形外科)と東洋医学(鍼治療など)のどちらの窓口から慢性の腰痛の治療に入っても構わないと思っていますが、腰痛の原因を検査しておく必要があります。そこで、一度は整形外科で正確な診断をしておけば、安心して腰痛の治療を続けられるのではないでしょうか。
腰部脊柱管狭窄症の治療法には、さまざまな選択肢があります
腰痛の原因疾患のなかでも、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)は60〜70歳代によくみられる疾患です。腰部脊柱管狭窄症は、下肢のしびれ感や痛み、間欠性跛行(かんけつせいはこう)(しびれや痛みが出てきて休み休みでないと歩き続けられなくなる状態)が特徴です。いずれも、生活を送るうえでの大きな障害となります。間欠性跛行は閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)のような足の血管の動脈硬化でも同じように起こるため、このような患者さんに下肢の動脈硬化の状態を測定することもあります。また、下肢痛は糖尿病による末梢神経障害でも起こります。そこで、見た目は腰部脊柱管狭窄症のような症状であっても、他の原因で起こった症状かどうかを詳しく診断する必要があります。
腰部脊柱管狭窄症を含めて慢性腰痛の約5割は薬物治療で改善し、3〜4割はブロック注射で痛みが取れています。整形外科を受診すると「すぐに手術」と心配される患者さんもいるようですが、保存的な治療から開始し、患者さんと相談して手術の必要な人には手術をお勧めします。
腰部脊柱管狭窄症の治療は、まずは血流を改善するプロスタグランジンE1(PGE1)製剤や筋弛緩薬の内服から始めます。とくに、PGE1製剤は間欠性跛行の改善が期待でき、服用し始めてから2〜3週間で「長く歩けるようになった」など、患者さん自身で効果を実感することができます。胃潰瘍などの副作用を予防するため、消炎鎮痛剤は痛みが強いときだけ服用してもらうようにしています。これらの薬物治療を1か月ほど試し、症状が改善していればこのまま続けるか、内服量を減らしていき、内服を中止する方向へもって行きます。
薬物治療で改善がみられない患者さんには薬物治療に加えて理学療法(牽引や温熱療法など)、神経ブロック(仙骨硬膜外ブロックや神経根ブロック)、あるいはトリガーポイント注射などを行います。
治療法の選択肢は、腰痛の原因によってさまざまです。医師と相談して適切な治療に取り組んでください。


腰痛 ― 予防体操 ―
(10)予防体操まとめ 8ポーズ1日2回理想
2007年9月7日 読売新聞)

 今回は最終回。腰痛予防に効果的と思われる動きを、一連の流れに組み込んだ体操を紹介する。これまで紹介した動きも入っている。時間に余裕のあるときなどに試してほしい。それぞれの動きを各10回行う。
 〈1〉床に寝て、ひざを軽く曲げ、背中で床を押すように、おなかに力を入れる。
 〈2〉続いて、同じ姿勢から腰を浮かせる。頭や肩、足の裏を床につけておくのがポイント。
 〈3〉同じ姿勢で、片ひざを胸に引きつけ、お尻などの筋肉を伸ばす。左右交互に。
 〈4〉両ひざを抱え、ひざに頭を近づけるように体を丸め、背中の筋肉を伸ばす。
 〈5〉もう一度寝ころび、片足ずつ、ひざを伸ばしたまま、できるだけ高く上げる。つま先を上げるようにして、アキレスけんも含め、足の後ろ側全体を伸ばす。
 〈6〉両ひざを曲げて寝ころび、へそをのぞき込むように、両肩を持ち上げる。腹筋に力を入れるのが狙い。
 〈7〉四つんばいになって、足を片方ずつ上げ、まっすぐ伸ばす。お尻の筋肉を鍛えるのが狙い。腰を反らしたり、ひねったりしないよう注意する。
 〈8〉イスに座って、足を開き、上体を前にかがめ、背中の筋肉を伸ばす。
 この一連の体操を、1日2回できれば理想的だ。(埼玉医大整形外科准教授・白土修さん監修)