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京都市下京区/富士鍼灸整骨院(ふじしんきゅうせいこついん)

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2009/1/13 脊椎手術が、運動療法や内科的治療よりも4年間にわたり優れている @nifty.comより転載

脊椎手術が、運動療法や内科的治療よりも4年間にわたり優れている

 

提供:Medscape

4年間追跡したSPORT試験の最新分析により、腰椎椎間板ヘルニアに対しては非手術手法よりも脊椎手術のほうが、症状の解消が迅速かつ程度が大きく、機能改善の程度も大きいことが示された。
Pauline Anderson
Medscape Medical News


【12月30日】
 
 腰椎椎間板ヘルニアの患者には、非外科的治療よりも脊椎手術のほうが症状の解消が迅速でその程度が大きく、機能改善の程度も大きいという以前に出された2年間結果が最新研究で4年間に拡張された。
 手術は非手術的手法ほど患者を迅速に職場復帰させることはできないが、手術のほうが費用効果が高いというエビデンスが豊富にある。
 「患者、家族、保険者や行政が知りたいのは、この治療効果がどのくらい長く続くのかだ。短期間なのか、それとも長期間有効なのか?」と論文著者の一人であるダートマス・ヒッチコック医療センター(ニューハンプシャー州レバノン)のWilliam Abdu, MDが述べている。「その答えは、現在の4年間までの段階では、手術群のほうが依然として非手術群よりも良好であった。いずれの治療群とも大きな有害合併症はなく、4年に至るまでそれに変化はなかった。」
 この「脊椎転帰臨床試験(SPORT)」の最新結果は、『Spine』12月1日号に掲載されている。
 
患者全員が改善
 
 手術を受けた患者は理学療法・運動療法・鎮痛剤で治療した患者よりも良好であったとは言え、試験に参加した患者は全員が改善しており、これは「患者に決断を下すためのより多くの情報を提供する」とAbdu博士は語った。
 SPORT試験は、米国の脊椎クリニック13カ所において、腰痛、下肢痛、その他の症状を引き起こす腰椎椎間板ヘルニアの病歴が6週間以上ある患者1244例を対象に、手術(椎間板切除術)を受けた患者と非手術的治療を受けた患者の転帰を比較した。登録は2000年3月に開始し、2004年11月に終了した。試験開始時において手術コホートと非手術コホートは、きわめて一致しており、今回の分析時点での被験者全体の平均年齢は41.7歳であった。
 試験は、2群で構成された。501例の患者を手術(245例)と非手術(256例)のいずれかにランダム割付けし、743例の患者には2種類の手術法のどちらかを選ばせた(最初に手術を選択した者は521例、最初に非手術的治療を選択した者は222例だった)。
手術は標準的な開放椎間板切除術とし、非手術プロトコールには少なくとも、能動的理学療法、カウンセリング、在宅運動指導、忍容性があるならば非ステロイド消炎薬を含めるようにした。
 身体疼痛(BP)と身体機能(PF)の尺度と、Oswestry機能障害指標(ODI)改変版を用いて、試験開始時からの変化の平均値を、6週間後、3カ月後、その後は年に1回評価した。二次転帰には、就労状態と患者の自己申告による改善度を含めた。
 4年後において、手術にランダム割付けされた患者のうち手術を受けた者の割合は59%だったが、非手術にランダム割付けされた患者のうち45%も手術を受けた。観察コホートでは、最初に手術を選択した患者の95%と、最初に非手術治療を選択した患者の24%が、手術を受けた。合計すると、4年間で手術を受けた患者数は805例であった。すなわち、非手術治療から手術に交差した患者は112例(24%)だったのに対し、手術から非手術治療に交差した患者は89例(19%)だった。転帰は、「intent to treat」(最初にランダム割付けされた治療法)と「as treated」(当初の分類に関係なく、実際に受けた治療法)として分類された。
 ひとつのコホートから別のコホートへの交差があったために、intent-to-treat分析での手術の効果が過小評価された可能性があると、Abdu博士はMedscape Neurology & Neurosurgeryに語った。
 
as-treated分析が検出力に優れる
 
 こうした交差現象があったために、観察的すなわち「as-treated」分析のほうが重要になったとAbdu博士は言う。「as-treated分析は、転帰に影響する可能性のある既知の変数すべてについて調整することが可能なので、検出力にも優れている。」それにより、今回の研究は「とてもとても高度に統計的調整がされた」ものになったと博士は言い添えた。
 4年後の複合as-treated分析によれば、手術を受けた患者のほうが、転帰のひとつの項目を除いてすべての転帰項目で良好だった。手術を受けた患者の疼痛スコアは、非手術の患者に比べて、100ポイント尺度で平均して15ポイント良好だった(変化幅の平均は45.6 対 30.7)。手術を受けた患者の改善の幅は、身体機能の測定項目(44.6対29.7)でも、機能障害の項目(-38.8 対 -34.9)でも大きかった。手術の治療効果は、6週間後という早い段階から見られ始め、4年経過後も持続した。
 同様に、自分の状態に大きな改善があったと回答した患者は、手術群では79.2%、非手術群では51.7%であった。
 手術合併症の全体像は、ランダム割付けコホートと観察コホートとで差がなかった。もっとも多かった手術合併症は硬膜からの漏出(dural tear)であり、周術期死亡例はなかった。再手術率も両群で差がなかった。
 今回のSPORTの新知見について米国脳神経外科学会会長のJames Bean, MDに尋ねたところ、Bean博士は、「intent-to-treat」群と「as-treated」群を比較することで、治療転帰はもともとの治療計画に依存するとしていた当初の研究デザインがはらんでいた欠点が修正されると語った。
 Bean博士によれば、今回の分析では「試験のランダム化されていない部分であっても(ランダム化された部分で)同じ転帰の差を示していることから、今回の分析はランダム化を試みることによる問題を受けずに検討ができたほぼ妥当なやり方であった」。今のところ、この試験結果は堅実であると、博士はさらに言う。
 「研究グループは試験を4年間継続し、根拠を持って欠点を正しく同定した。だからこの論文は優れたものだと思う。結論で述べられていることのすべてに私は同意する。」
 
職場復帰状況も同じ
 
 手術群が非手術群よりも有意に良好でなかった唯一の項目が職場復帰であり、復帰した患者の割合は78.4%対84.4%であった。著者らによれば、就労状況は脊椎手術の成功を測定する重要な項目のひとつとされることが多い。「しかし、職場復帰は受けた治療には関係ないようであり、疼痛、機能の改善や、治療満足度には繋がっていない」と著者らは記している。
 今回の試験では非手術群の患者もある程度は改善しており、それが4年間にわたって維持されたことをAbdu博士は強調している。博士によれば、この試験の目的は、ひとつの治療法が正しくてもうひとつの治療法は正しくないことを証明するのではなく、情報に基づいた治療法の選択ができるように患者に情報を提供することである。
 「疼痛がどんなにひどくても手術を受けたくないと考える患者にとっては、今回の論文は非手術的治療で合併症なしで、つまり麻痺にならずに改善できることを示しているので、患者はかなりうまくやっていけるだろう」と博士は言う。「その一方で、下肢痛がひどくて生活機能に制限を受け、SPORTの採用基準に合致しているが、手術を受けるとどれくらい良くなるかと考えている患者には、平均値に基づけば統計的に言ってとてもよく改善するはずだと告げることができる。実際、こうした患者は手術なしよりも手術の方がずっとうまくいくし、リスクもきわめて小さい。」
 手術の便益が4年以降も持続するかどうかについては、まだ実証されていない。「この患者群をもっと長い期間、8年から10年くらいまで追跡できる資金の援助を待っているところだ」とAbdu博士は語った。
 
費用効果のデータが蓄積される
 
 当面の間は、費用効果の研究が手術有利を支持している。今回の試験に引き継がれた2年間の分析において、腰椎椎間板ヘルニアの手術と非手術治療の直接・間接経費と便益とが計算された。それによると、非手術治療を基準に手術で獲得された健康的期間の指標である「生活の質で調整した生存年(QALY)あたりの経費」は69,403ドル(95%CIは49,523 – 94,999ドル)であった。この疾患においては「手術のほうが確実に費用効果が高かった」とAbdu博士は述べている。
 最近発表された別の分析が、SPORTコホートとは異なる脊椎疾患の患者を対象に、同様の計算を行っている。『Annals of Internal Medicine』12月16日号に発表されたこの論文は、脊柱管狭窄のみの症例と脊柱管狭窄に脊椎すべり症を伴う症例とを対象にして、脊椎手術と非手術治療の費用効果を比較した。それによると、2年間における脊柱管狭窄に対する手術の経費は、獲得されたQALYあたりおよそ77,000ドルであった。しかし、脊椎すべり症の手術の経費は、獲得されたQALYあたりおよそ115,000ドルであり、米国で費用効果があるとされる手技の上限である100,000ドルを超えていた。
 「脊柱管狭窄手術の2年間での経済的価値は、多くの介入手段に遜色なかった」と著者らは結論で述べている。「変性性脊椎すべり症の手術は、2年間ではそれほど費用効果が高くないが、もっと長い期間をみれば価値が示される可能性がある。」
 ブリガム女性病院(ボストン)のJeffrey N. Katz, MDと Elena Losina, PhDは『Annals of Internal Medicine』の論文に付随する解説記事において、経費は通常は初年の負担が大きいが、長所や一部の合併症は10年かそれ以上経たないと認識できないのが一般的であり、費用効果について結論を下すのは時期尚早だとコメントしている。
 米国人の80%が生涯のどこかで腰痛になってしまうので、脊椎手術の経費を判断することが重要であるともAbdu博士は言う。(手術と非手術介入を含めた)腰痛治療の推定医療費は、1年あたりおよそ1000億ドルである。「患者が自分の脊椎の問題についてできるだけ最良の情報と治療を受け、それが費用効果の高い治療や手技であることを強く望む。」
 
 この試験は、米国関節炎筋骨格皮膚疾患研究所(NIAMS)、女性健康研究局(Office of Research on Women's Health)、米国衛生研究所、疾病予防管理センター米国労働安全衛生研究所の支援を受けている。集学的筋骨格疾患臨床研究センター(Multidisciplinary Clinical Research Center in Musculoskeletal Diseases)はNIAMSの資金援助を受けている。共著者でダートマス・ヒッチコック医療センターのDr. Jon D. Lurieは、NIAMSの研究経歴助成金から支援を受けている。
 
Spine. 2008;33:2789-2800. Abstract

Medscape Medical News 2009. (C) 2009 Medscape

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わが街  京都  ドクター ご紹介 - http://kanja.ds-pharma.jp/health/yotsu/doctor/078/index.htmlから転載
ドクターからのメッセージ
患者さん一人ひとりに合った治療を目指して
近畿京都府京都市
ひろしまクリニック 院長
廣島 芳城 先生
ひろしまクリニックについてはこちら
 腰痛の発生頻度や原因について教えてください。
上半身の重さは体重の約70%といわれています。その重さを支えているのが腰椎です。腰椎には椎体という骨の部分と椎間板という骨と骨の間に入っている部分があります。椎体は機械的な負荷により変形が進行し、また骨粗鬆症の進行とともに脆くなっていきます。椎間板も年齢とともに変性していきます。驚くことにこの変性は10歳の子供たちのすでに9%に起こっていると報告されています。治療を要する腰痛の発生頻度の調査では20歳代以上の年齢層ではほぼ同じくらい(40〜65%)で発生していることが報告されています。このような背景から近年、腰痛はもっとも有訴率が高い疾患になっています。大半の腰痛は数日間で治りますが、臀部痛や下肢痛を伴う腰痛は専門的な治療が必要になる場合も多いので注意しましょう。
 高齢者の下肢痛を伴う腰痛の多くは腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)という病気です。また激しい腰痛の場合、脊椎圧迫骨折のほか、非常にまれですが背骨の感染症(化膿性椎間板炎など)があります。免疫力が低下している方、糖尿病、ステロイドを内服中の方が罹りやすいので、患者さんは診察の時に既往歴や飲んでいる薬剤についても必ず医師に伝えていただきたいと思います。
 腰部脊柱管狭窄症の手術について教えてください。
最近では内視鏡を使った手術も増えてきました。内視鏡手術は患部が明るく拡大されて安全に行えることに加えて小さな傷と手術中の筋肉の損傷が少ない(低侵襲)ため早期に社会復帰できるという利点があります。しかしすべての方に内視鏡手術がよいという訳ではありません。狭窄箇所が多数ある場合などは内視鏡手術では従来の手術と比べて時間が長くなることもあり、心臓や肺などの病気であまり体力がない方などにとっては、総合的に考えて低侵襲とはいえないからです。どのような手術方法がその患者さんにとっていいのか、医師がメリットだけでなくデメリットについても説明しますので納得したうえで選択していただきたいです。
 腰痛の患者さんを診察するにあたってどのようなことを感じていらっしゃいますか?
腰痛の治療には画一的なものはありません。患者さんの病態がまったく同じものがないことは勿論のこと、治療には患者さんの社会的背景や満足度などを考慮することが必要だからです。
 いままで急性腰痛と慢性腰痛の違いはその罹患期間の違いと考えられてきましたが、近年、functional MRIを用いた研究が進み、痛みを感じたとき脳のどの部分が活動しているかわかるようになってきました。様々な研究報告によれば、慢性腰痛は急性腰痛と単に病気の期間の違いではなく、患者さんの心理社会的要因がかかわっている可能性が示されています。事実そうであれば、たとえ外傷で起こった急性腰痛も心理的な要因で慢性期に移行していく可能性があります。そうするとお医者さんと患者さんの関係は大変重要になります。お医者さんが患者さんを励まし、勇気づけ、また、安心感を与えることによって、急性腰痛が慢性に移行することを防ぐことができるかもしれないからです。利害得失の説明や、個人的、社会的背景を考慮した治療方法の提示。そして、患者さんのQOLや満足度の重視。この三つをもって、患者さんの価値観を尊重し、個人個人に合う治療法を提示するというのが、今一番求められていることなのではないかと感じています。





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ドクターからのメッセージ
放っておいて大丈夫?その痛み、そのしびれ
近畿京都市東山区
京都第一赤十字病院整形外科 副部長
大澤 透 先生
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 立つ、歩く・・・このような生活の基本というべき動作に支障を感じることはありませんか?
生活に影響をおよぼす腰痛疾患として、ぎっくり腰、ヘルニアなどをよく耳にしますが、とくに高齢の方に多い「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」という疾患もあります。あまり知られていませんが、加齢現象の1つとして腰骨(腰椎)が変性したために周辺の神経が圧迫され、立つ・歩くなどの負荷に伴って、いわゆる坐骨神経痛と言われるお尻から太腿の後ろ側にかけた痛みや、つっぱり感、しびれなどが起こるものです。長い距離が歩けなくなり、重症の場合は100mでも困難になりますが、しばらく前かがみで休むと再び歩けるようになるという「間欠跛行(かんけつはこう)」も特徴的な症状の一つです。
 年を重ねることで、腰椎の変性が起こる方もあれば起こらない方もあり、変性したからといって必ず症状があらわれるとも限りません。腰部脊柱管狭窄症が進行した場合、もっとも典型的にあらわれる症状は残尿感ひいては失禁などの膀胱直腸障害ですが、このように重症化する方もあれば、慢性的な症状に悩みながら一生付き合っていく方、あるいは急激な痛みのピークを過ぎた後に沈静化する方もあり、全ては人それぞれです。しかし、症状が進行し始めると一気に悪くなり始めるポイントがあり、やがては脱力感や麻痺などが起こります。
 症状のあらわれ方は千差万別ですが、50代以上で思い当たる症状のある方は、適切な治療を受けることで改善する可能性が十分あります。よほど重症化していない限り、治療は血流改善剤や鎮痛剤などの内服薬と、コルセットや運動、牽引などの理学的な施術を併用する保存療法が効を奏します。さらに急性期の痛みにはブロック麻酔を数回行い、それでも患者さんが満足を得られる結果にならなければ手術を検討するというように、治療は段階的に効果を確かめながら進みます。
 手術では、100%とまではいきませんが、痛みの症状を中心に6〜7割の改善は見られます。ただし、一度傷ついた神経の細胞は元に戻らないため、進行していればしているほど残る症状も多く、程度も大きくなります。しかし、手術そのものの危険は少なく、方法も確立されているため、高齢であることを理由に手術を避ける必要はありません。
 現在は、ただ寿命を長くすることよりも、すこやかに過ごせる寿命―「健康寿命」を延ばすことの大切さが言われています。腰部脊柱管狭窄症など腰痛を伴う病気は命にかかわるものではありませんが、その症状によって、立つ・歩くなど生活の基本的な動作をはじめ、仕事や趣味などの活動にも大きな影響がおよびます。好きなことが好きなようにできることは、生活に満足感を得るための大切な要素ですが、腰痛によって動作や活動に制限が生じると、生活の満足感が損なわれる可能性があります。しかしそのとき、症状に合わせて活動の幅をせばめてしまうか、今の生活に合わせられるように症状を改善するかはあなた次第です。従来は50〜60歳の方が多かった腰部脊柱管狭窄症の患者さんですが、最近は70代、80代の方も大勢おられます。とくに高齢の方でも元気な方、元気だからこそ「腰痛を治してもっと動きたい」と思う方が、病院を受診されています。また、日頃から活発に出歩いているからこそ、不調にも早く気付くことができるのでしょう。
 元気に動けるときはどんどん動き、立ったり歩いたりといった基本動作に支障があらわれたとき、あるいは1カ月以上原因の思い当たらない腰痛に悩んでいるときは、自己判断で放置しないでください。足腰の痛み・しびれを起こす病気には血管の病気も含まれます。それを鑑別するためにも、ぜひ整形外科を受診してください。



ドクターからのメッセージ
腰痛のさまざまな対処法をアドバイスします
近畿京都府京都市
京都市立病院 整形外科
田中 真砂史(たなか まさし) 先生
自己診断で治療を始める前に、腰痛の原因を正確に診断することが大切です
最近は鍼治療の研究も進んできたので、まず接骨院や鍼灸治療に行かれる腰痛の患者さんも少なくないようです。患者さんにとっては痛みが取れればよいわけですから、比較的入りやすい窓口に行かれる気持ちはよく分かります。
しかし、これらの治療を長く受けていた後、整形外科に回ってきた患者さんのなかには、がんの転移が腰痛の原因だったケースもあります。腰痛は骨や関節など運動器の障害だけでなく、がんや感染症、内臓疾患や心理面から起こるものなど、さまざまな原因によって起こることを知っておいてください。
私は、西洋医学(整形外科)と東洋医学(鍼治療など)のどちらの窓口から慢性の腰痛の治療に入っても構わないと思っていますが、腰痛の原因を検査しておく必要があります。そこで、一度は整形外科で正確な診断をしておけば、安心して腰痛の治療を続けられるのではないでしょうか。
腰部脊柱管狭窄症の治療法には、さまざまな選択肢があります
腰痛の原因疾患のなかでも、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)は60〜70歳代によくみられる疾患です。腰部脊柱管狭窄症は、下肢のしびれ感や痛み、間欠性跛行(かんけつせいはこう)(しびれや痛みが出てきて休み休みでないと歩き続けられなくなる状態)が特徴です。いずれも、生活を送るうえでの大きな障害となります。間欠性跛行は閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)のような足の血管の動脈硬化でも同じように起こるため、このような患者さんに下肢の動脈硬化の状態を測定することもあります。また、下肢痛は糖尿病による末梢神経障害でも起こります。そこで、見た目は腰部脊柱管狭窄症のような症状であっても、他の原因で起こった症状かどうかを詳しく診断する必要があります。
腰部脊柱管狭窄症を含めて慢性腰痛の約5割は薬物治療で改善し、3〜4割はブロック注射で痛みが取れています。整形外科を受診すると「すぐに手術」と心配される患者さんもいるようですが、保存的な治療から開始し、患者さんと相談して手術の必要な人には手術をお勧めします。
腰部脊柱管狭窄症の治療は、まずは血流を改善するプロスタグランジンE1(PGE1)製剤や筋弛緩薬の内服から始めます。とくに、PGE1製剤は間欠性跛行の改善が期待でき、服用し始めてから2〜3週間で「長く歩けるようになった」など、患者さん自身で効果を実感することができます。胃潰瘍などの副作用を予防するため、消炎鎮痛剤は痛みが強いときだけ服用してもらうようにしています。これらの薬物治療を1か月ほど試し、症状が改善していればこのまま続けるか、内服量を減らしていき、内服を中止する方向へもって行きます。
薬物治療で改善がみられない患者さんには薬物治療に加えて理学療法(牽引や温熱療法など)、神経ブロック(仙骨硬膜外ブロックや神経根ブロック)、あるいはトリガーポイント注射などを行います。
治療法の選択肢は、腰痛の原因によってさまざまです。医師と相談して適切な治療に取り組んでください。


腰痛 ― 予防体操 ―
(10)予防体操まとめ 8ポーズ1日2回理想
2007年9月7日 読売新聞)

 今回は最終回。腰痛予防に効果的と思われる動きを、一連の流れに組み込んだ体操を紹介する。これまで紹介した動きも入っている。時間に余裕のあるときなどに試してほしい。それぞれの動きを各10回行う。
 〈1〉床に寝て、ひざを軽く曲げ、背中で床を押すように、おなかに力を入れる。
 〈2〉続いて、同じ姿勢から腰を浮かせる。頭や肩、足の裏を床につけておくのがポイント。
 〈3〉同じ姿勢で、片ひざを胸に引きつけ、お尻などの筋肉を伸ばす。左右交互に。
 〈4〉両ひざを抱え、ひざに頭を近づけるように体を丸め、背中の筋肉を伸ばす。
 〈5〉もう一度寝ころび、片足ずつ、ひざを伸ばしたまま、できるだけ高く上げる。つま先を上げるようにして、アキレスけんも含め、足の後ろ側全体を伸ばす。
 〈6〉両ひざを曲げて寝ころび、へそをのぞき込むように、両肩を持ち上げる。腹筋に力を入れるのが狙い。
 〈7〉四つんばいになって、足を片方ずつ上げ、まっすぐ伸ばす。お尻の筋肉を鍛えるのが狙い。腰を反らしたり、ひねったりしないよう注意する。
 〈8〉イスに座って、足を開き、上体を前にかがめ、背中の筋肉を伸ばす。
 この一連の体操を、1日2回できれば理想的だ。(埼玉医大整形外科准教授・白土修さん監修)