【4月29日】(トルコ、イスタンブール)以前高コレステロール値と闘ったのと同様、21世紀はウエスト周囲径との新たな闘いであり、高リスクの腹部肥満患者のリスクファクターを真に改善するには臨床医は体重以外の因子も考慮すべきであると、進行中の生活習慣修正研究の首席治験責任医師であるJean-Pierre Despr醇Ps博士(ラバル大学、ケベック州ケベックシティ)は断言した。 イスタンブールで開催されたEAS 2008:第77回アテローム性動脈硬化症欧州会議において、Despr醇Ps博士はSYNERGIE試験の中間結果を発表した。この試験は、メタボリックシンドロームの特性を有する肥満男性に、心臓代謝リスクを低下させることを意図して食事および運動習慣を修正するために食事療法士および運動療法士の指導を定期的に受けさせることの臨床的ベネフィットを評価するために設計された「シンプルな研究」である[1]。 「少なくとも世界中の多数の国々における喫煙、高コレステロール値、および他のリスクファクターとの闘いにおいては、我々は顕著な改善を成し遂げたと私は考えている」とDespr醇Ps博士は述べ、臨床医が高血圧およびアテローム性動脈硬化との闘いに使用する薬剤はほぼすべて揃っているとも言及している。「しかし残念ながら我々には腹部肥満や2型糖尿病に伴うウエスト径の問題が残されている。これは心臓血管疾患リスクを低く維持するには問題を引き起こすだろう」。 体脂肪の分布を変える Despr醇Ps博士はSYNERGIEの1年経過後の知見を発表する記者会見で、患者の体重がどのように増加しているかについて、もっと大きな関心をもつ必要があると述べた。同様の体重超過の被験者の中でも、腹腔脂肪または内臓脂肪組織の多い被験者は、過剰な皮下脂肪組織を有する被験者と比較して、心臓血管疾患のリスクがより大きかった。腹部脂肪の大まかで簡単な尺度であるウエスト周囲径の測定によってこのリスクファクターを測定することができたが、実際に測定している臨床医は約25%しかおらず、代わりに、あてにならないBMIに頼ることを選択している。 SYNERGIEの目的は、食事療法士と運動療法士の指導を月1回受けることによって、他のメタボリックシンドロームの因子と同様に内臓脂肪を減らせるかどうかを明らかにすることであったと、Despr醇Ps博士は説明した。食事療法士は患者が食べそうにない食物を押しつけるのではなく、患者の好みを配慮しつつ健康によい食事に修正するため被験者と協力し、運動療法士は生活習慣に合った方法で身体的活動性を高めることを試みた。「我々の目標は被験者をマラソンランナーにすることではなかった」とDespr醇Ps博士は述べた。 治験責任医師らは、ウエスト周囲径≧90cm、トリグリセリド>150mg/dL、および高比重リポ蛋白(HDL)コレステロールレベル<40mg/dLの患者を研究対象に含め、経口耐糖能試験によるスクリーニングの後、糖尿病の患者を除外した。合計144例の患者を生活習慣修正プログラムに、26例の患者を通常の臨床治療に無作為に割付けた。スクリーニングを受けた患者の約40%が耐糖能障害を有しており、無作為割り付けに含められた。 SYNERGIEの治験責任医師らは、生活習慣修正プログラムによってメタボリックシンドロームの多数の因子が有意に改善したことを明らかにした。ベースラインと比較して、血漿トリグリセリドレベルは有意に低下し、HDL-コレステロールレベルは上昇した。生活習慣修正プログラムに無作為に割り付けられた患者は、低比重リポ蛋白(LDL)-コレステロール粒子の大きさおよび炎症マーカーと同様に、アポリポ蛋白Bおよび重要なコレステロール比も改善した。身体の健康に関しては、より多くの生活習慣修正群の患者が運動をしており、トレッドミルで測定した身体的作業能力および様々な心拍数の尺度が顕著に改善した。 重要なことは、生活習慣の修正によって、一部の患者は体重が変化しなかったにもかかわらず、ウエスト周囲径が約9cm減少したことであった。しかしCTの分析から、食事療法士と運動療法士の指導を受ける群に無作為に割り付けられた患者における脂肪の分布が有意に変化したことが明らかになった。1年後の時点で内臓脂肪は半分以上減ったと、Despr醇Ps博士は報告した。 外は毒だらけのジャングル... メディアに対して、Despr醇Ps博士は、大部分の患者は少なくとも診察室では食事および運動の習慣を変える気になっているが、最も多く食べられている食品がフレンチフライ(フライドポテト)であり平均的な人が1日に5 - 6時間テレビを観るような現実世界の「toxic jungle」(少なくともカナダではそうである)に一旦戻ると、それが非常に難しいことがわかると述べた。「予防は効果があったが、我々は患者に運動すべきだ、ダイエットをすべきだと言うだけですませてはならない。なぜならもしそれらの気の毒な患者が何のサポートや支援も得られなければ、それらには効果がないだろう」と博士は述べた。 食事療法士と運動療法士の指導を月1回受けるための費用は年間約1000ドルであり、心臓と代謝に関して非常に大きなベネフィットがあることを考えると、これは手ごろな金額である。興味深いことに、通常の治療群の患者は1年の間にカロリー摂取量を減らしたと報告し、治験責任医師に食事のカロリーを1日に500kcal以上減らしたと述べていることに、Despr醇Ps博士は注目した。患者は何をどのくらい食べているかを実際にはわかっていなかった。なぜならそれほどカロリーを減らせば体重が有意に減少しただろうが、実際にはそうではなかったと、Despr醇Ps博士はheartwireに語った。「もし患者が健康に良い食事をしていると言っても、それは信用してはいけない」と博士は述べた。ほとんどの糖尿病クリニックは患者に年2回しか受診を求めておらず、そのようなレベルのモニタリングでは不十分であると、博士は述べた
出典 1.Despr醇Ps JP on behalf of the SYNERGIE investigators. Lifestyle management of abdominal obesity and related cardiometabolic risk: the SYNERGIE trial. EAS 2008: 77th European Atherosclerosis Society Congress; April 27, 2008; Istanbul, Turkey. |