2008/1/25 スポーツ科学と疲労回復 (4)脳に刺激、頭から休める YOMIURI ONLINEより転載
スポーツ科学と疲労回復
(4)脳に刺激、頭から休める
(2008年1月25日 読売新聞)

休養しても疲労がとれず、成績向上に結びつかない。そんなスポーツ選手の疲労回復に科学の光がさし始めた。元日本陸上競技連盟科学委員長の小林寛道・東大名誉教授(東大生涯スポーツ健康科学研究センター)は「持続的な疲労をとる方法として、競技と無関係なことをする積極的休養があるが、これでも効果のない選手が多い。脳科学の進歩で、生命を維持する神経が集中する脳幹自体の疲れが原因であることがわかってきた」と語る。
小林さんが注目するのは、脊髄(せきずい)など中枢神経に影響を及ぼす筋肉をほぐすホメオストレッチ。脳に刺激を与えるストレッチの一種で、それを実践する各種学校「BTU」(本部・福岡市)と共同研究を始めた。

ホメオストレッチは、うつぶせの状態で、人間の歩行にかかわる筋肉「抗重力筋」をゆっくりとほぐす。抗重力筋は通常のストレッチでのばす関節より脳神経に強い信号を送るからだ。
BTUと浜松医大の共同研究では、抗重力筋の背中の筋肉(脊柱起立筋)やおしりの筋肉(大臀(だいでん)筋)を20分間ほぐした時の脳の変化を陽電子放射断層撮影(PET)で撮影。心地よさを与えるβエンドルフィンが出る脳幹の一部、中脳が活性化し、感情の安定を示す部位(側坐核(そくざかく))の活動も確認された。ストレスホルモンが減少し、脳波もリラックス状態を示した。
BTU東京本校の鈴木絢士校長は「実はストレスが筋肉のこわばりを生み、それが疲労につながる。疲労回復だけでなく、ストレス解消にもホメオストレッチは有効だ」と説明。大阪市立大医学部と共同で、急増する慢性疲労症候群の治療に対する効果の検証も始まる。
小林さんは「脳を物理的に活発に働かせる視点が大事。寝そべって全身の筋肉の力を抜き、足、腰をふるわせたり、柔軟体操を継続したりするだけでも違う。ぜひお試しを」と語る。(科学部 長谷川聖治、吉田昌史)
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2008/1/24 スポーツ科学と疲労回復 (3)栄養フルコースで体作り YOMIURI ONLINEより転載
スポーツ科学と疲労回復
(3)栄養フルコースで体作り
昨年9月ブラジルで開かれた柔道の世界選手権。谷亮子選手が史上最多7度目の優勝を飾った。日本代表に帯同した「明治製菓ザバス スポーツ&ニュートリション・ラボ」の管理栄養士、奈良典子さんは毎日、代表選手らの希望でニンニク料理を提供した。
選手らはニンニクが疲労の予防・回復に役立つことを熟知している。運動に必要なエネルギーはご飯などの炭水化物から生み出されるが、その際に必要なのが豚肉やウナギ、玄米などに含まれるビタミンB1。ニンニクは、そのビタミンB1を体内に効率良く吸収させる働きのある成分アリシンを多く含む。
奈良さんはスポーツ選手のように、食生活を通して疲労しにくい体作りはできるという。そこで提案するのが、5項目を毎回そろえる「栄養フルコース型」食事(=表、写真)だ。炭水化物、たんぱく質など5大栄養素摂取の面倒な計算はいらない。不足分は間食で補ってもよい。

奈良さんが提案する「栄養フルコース型」の食事(奈良さん提供)
注意するのはカロリー過多。食事量は年齢や運動量によって異なり一律ではない。健康であればカロリー計算しなくても毎朝の体重計測でよいという。測定開始から1か月後の体重(体脂肪)が増えていれば、カロリーが多い。女性は月経前後の体重が数キロ・グラム変わるケースもあるので慌てないことが大切だ。
食欲が減退し体重が減る時は、主食にのどごしの良いめん類を加えたり、カレーなどの香辛料を使って食欲を促したりする工夫も効果的。奈良さんは「ビールでコップ1杯程度のアルコールは食欲を促すが、飲み過ぎは、ビタミン類を消耗し、疲れがたまってしまう」と警告する。
疲労予防や回復に効果があるサプリメントとしてアミノ酸などがあるが、東大の八田秀雄准教授は従来、疲労の原因物質とされてきた乳酸が、サプリメントとして有効だと語る。「マウスに乳酸を与えたところ、与えなかったマウスよりも長時間運動できることがわかった。乳酸はエネルギーだ」
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2008/1/23 スポーツ科学と疲労回復 (2)カプセルで酸素に浸る YOMIURI ONLINEより転載
スポーツ科学と疲労回復
(2)カプセルで酸素に浸る
(2008年1月23日 読売新聞)

マラソンの本番に備え、疲労をとるため高気圧カプセルに入る松本さん
2006年夏の甲子園を沸かせた早稲田実業の斎藤佑樹投手(現、早稲田大)。炎天下の連投の疲れをとるのに利用したことで注目が集まったのが「高気圧カプセル」だ。大気圧よりも高い1・2〜1・3気圧程度に加圧したカプセル内に40分間ほど横になるだけで、多くの酸素が血液に溶け込んで全身に行き渡り、体内にたまった疲労物質の分解が促進されるとともに、激しい運動で傷んだ組織の修復も早くなるとされる。
マラソンシーズンの冬を迎えると、東京・江戸川区の瑞江整形外科(金成道院長)にランナーが多く訪れる。高気圧カプセル「オアシスO2」に入り、マラソン本番に備えるのが目的だ。
東京・台東区の会社役員、松本泰三さん(43)もその一人。月3回程度、利用する。
昨年2月の東京マラソンでは、多忙で練習不足が懸念されたが、普段と変わらない4時間15分台で完走できた。松本さんは、「マラソンは30キロを過ぎたあたりから疲労との戦い。カプセルを利用してから、くたびれにくい体になった」と喜ぶ。
カプセルの効果を実証する科学的データはまだ少ないが、陸上の実業団チームなどのドクターも務める金院長は「スポーツ選手の疲労回復など体調管理には欠かせない健康器具だ」と強調する。
京都大の石原昭彦教授(健康科学)は、体内により多くの酸素を取り込ませるため、濃縮した酸素を送り込む「高気圧・高酸素カプセル」を開発した。これまで2000人が利用し、運動後の疲労回復のほかに冷えや腰痛の改善、血圧や血糖値の安定などに効果が見られたという。
高気圧カプセルの料金は30分程度で数千円から。スポーツクラブや医療機関などに設置されている。石原教授は「効果には個人差がある。利用する時は、効果を示したデータを見て、納得した上で利用することが重要」と話す。
| ◇高気圧カプセルが利用困難な人(金成道・瑞江整形外科院長による) |
|---|
| 〈1〉閉所恐怖症の人 〈2〉ペースメーカーの利用者 〈3〉妊娠中の女性 〈4〉糖尿病でインスリンを使っている人 〈5〉風邪などで鼻がつまっていたり耳の病気にかかっていたりして耳抜きができない人 |
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2008/1/22 スポーツ科学と疲労回復 (1)水風呂で血行促進 YOMIURI ONLINEより転載
スポーツ科学と疲労回復
(1)水風呂で血行促進
(2008年1月22日 読売新聞)

疲労回復のため水風呂(手前)と温かい風呂(奥)に入るサントリーラグビー部の選手たち
心身の疲労を早くとりたい。そのヒントをスポーツ選手の科学的な疲労回復法に探った。
◇
筋骨たくましい選手たちが、水風呂と温かい風呂に交互に入る。水風呂には全身すっぽりつかる人、足、腰だけの人も。氷入りのバケツで足首を冷やす(アイシング)選手もいる。
東京・府中市のサントリーラグビー部のクラブハウス。練習後の選手が体を癒やす浴場の光景だ。湯温42度の風呂、水温15〜20度の水風呂に交互に入るのは「温冷浴(交代浴)」と呼ばれ、おのおの3〜5分、1〜2分入るのを3回前後繰り返す。冬は温風呂が先。
トレーナーの吉岡淳平さんは「筋肉の収縮と拡張で血行や新陳代謝が促進され、疲労回復に大きな効果がある。水圧が疲労物質の除去にも役立っているようだ」と話す。現役最年長の坂田正彰選手(35)は「この年までやってこられたのは水風呂の交代浴のおかげ。ストレッチ体操でも届かない体の芯の筋肉がほぐれて、疲れが残らない」と効果を語る。
氷入り風呂(アイスバス)も毎試合持ち運び、活用する。吉岡さんは「疲れの蓄積はけがのもと。けが持ちの人ほど積極的。効果が実感できるのが大きい」と強調する。
日本人男子初のプロホッケー選手でベルギーで活躍する飛田尚彦さん(30)も疲労回復に水風呂を使う。「血行を良くするのは温かい風呂と思っていたが、体の軽さ、リフレッシュなどの効果は断然水風呂」と絶賛する。水風呂を使えない時はシャワーで代用するという。
「野球の投手が氷のうを肩にあてるアイシングも筋肉の疲労回復に役立つことがわかった」と慶応大学スポーツ医学研究センターの石橋秀幸研究員は語る。「市民ランナーも足首などの疲労回復にアイシングを活用してもよい」
武田信玄は戦の疲れを体温より低い冷泉に長時間入り、癒やした。温冷浴に詳しい近畿大医学部の甲田勝康准教授はこう指摘する。「ストレス発散の効果も確認され、疲れる現代人に有効だが、まだ不明なことも多い。血圧の高い人などは注意が必要」


ドクター ご紹介 - http://kanja.ds-pharma.jp/health/yotsu/doctor/078/index.htmlから転載







腰痛の発生頻度や原因について教えてください。
上半身の重さは体重の約70%といわれています。その重さを支えているのが腰椎です。腰椎には椎体という骨の部分と椎間板という骨と骨の間に入っている部分があります。椎体は機械的な負荷により変形が進行し、また骨粗鬆症の進行とともに脆くなっていきます。椎間板も年齢とともに変性していきます。驚くことにこの変性は10歳の子供たちのすでに9%に起こっていると報告されています。治療を要する腰痛の発生頻度の調査では20歳代以上の年齢層ではほぼ同じくらい(40〜65%)で発生していることが報告されています。このような背景から近年、腰痛はもっとも有訴率が高い疾患になっています。大半の腰痛は数日間で治りますが、臀部痛や下肢痛を伴う腰痛は専門的な治療が必要になる場合も多いので注意しましょう。





