鍼灸・整骨の治療だけでなく、身体バランス調整を通した健康的な美容までのトータルケアを

京都市下京区/富士鍼灸整骨院(ふじしんきゅうせいこついん)

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2008/10/4 病院の実力 糖尿病治療 [Q&A]副作用の少ない新薬も YOMIURI ONLINEより転載

病院の実力 糖尿病治療
 
 
 
[Q&A]副作用の少ない新薬も
 
2008年9月26日  読売新聞)
 

門脇孝(かどわき たかし)日本糖尿病学会・理事長 東京大学糖尿病・代謝内科教授 1978年、東京大学医学部卒。2003年から現職。2008年、日本糖尿病学会理事長に就任。
 
 治療・研究の最前線について、日本糖尿病学会理事長の門脇孝さんに聞きました。
 
 
 ――糖尿病は、どんな原因で起きるのですか。
 
 糖尿病には主に1型と2型の二つのタイプがあります。膵臓(すいぞう)がインスリンホルモンを分泌する働きを失ってしまうのが1型です。注射によるインスリン補充が必要になります。
 2型は遺伝的な要因に、過食や運動不足、肥満などの生活習慣の乱れが加わって発症します。日本人患者の約90%以上を占めます。
 
 ――糖尿病患者が増えているのはなぜですか。
 
 国の調査によると日本人の糖尿病患者数は820万人、予備軍を含めると1870万人で、4年前の調査に比べて250万人増えています。
 日本人は、血糖値を下げる膵臓からのインスリンホルモン分泌量が、欧米人の半分ほどしかありません。食生活が肉食を中心とした欧米型に変わっても、もともとの体質は変わりませんから、糖尿病になりやすいのです。アジアの発展途上国でも同様に糖尿病の増加が問題になっています。
 
 ――糖尿病が怖いのは、合併症のせいだと聞きます。
 
 主な失明原因である網膜症、毎年1万5000人が人工透析が必要になる腎症、足の壊疽(えそ)を招く原因になる神経障害が、3大合併症です。また、脳卒中や心臓病を起こしやすくなり、糖尿病に高血圧や肥満などが加わると危険性が高まります。
 
 ――予防のために気を付けたいことは何ですか。
 
 食べすぎや肥満、運動不足は、インスリンを効きにくくさせますので、こういった生活習慣の改善が第一です。健康診断で肥満を指摘された人は、今よりもまず体重を3キロ、ウエストを3センチ減らすことを目指しましょう。
 
 ――新しい治療法の研究は進んでいますか。
 
 血糖値に加え、血圧、脂質の三つすべてを良好に保つことで、脳卒中や心臓病の発症がどれだけ減らせるのかを調べる大規模研究が、国内85施設、3000人(予定)の糖尿病患者さんの協力を得て、2013年をゴールに始まっています。
 現在の治療薬は、血糖値を必要以上に下げてしまう低血糖の心配や、肥満を招きやすいなどの難点があります。欧米では最近、こういった副作用の起きにくい新薬が登場しました。日本でもすでに承認申請が終わったものもあります。これからの糖尿病治療は、一人ひとりの患者の状態に応じた最適な治療法の選択が重要で、選択の幅が広がることが期待されています。(田村良彦)

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2008/10/2 病院の実力 糖尿病治療 「足外来」で壊疽防ぐケア YOMIURI ONLINEより転載

病院の実力 糖尿病治療
 
 
 
「足外来」で壊疽防ぐケア
 
2008年9月25日  読売新聞)
 

足の裏を念入りに手入れする足外来担当の総看護師長、杉田和枝さん(丸の内病院で)
 
 糖尿病の怖い合併症のひとつに、神経障害がある。
 足先などがしびれて痛みを感じにくくなり、ちょっとした傷などの発見が遅れてしまう。そこにばい菌が感染すると、体の抵抗力が落ちているうえ血行も悪いため治りが悪く、最悪の場合は組織が腐ってしまう「壊疽(えそ)」に至る。そうなると、手術で切断しなければならない。
 壊疽による足切断は年間3000件。演歌歌手の故・村田英雄さんが糖尿病で両足を切断したニュースを覚えていらっしゃる方も多いだろう。
 そんな糖尿病に伴う足の合併症を未然に防ごうというのが、「フットケア」の取り組みだ。
 横浜市の男性(73)は、東京・千代田区の朝日生命成人病研究所付属丸の内病院の「足外来」を月1回程度受診し、足の手入れをしてもらっている。
 50歳代ごろから会社の健診で糖尿病を指摘されてきたが、多忙さから治療を怠り、「素足で歩いても足裏の感覚がない」ほどまで悪化させてしまった。血糖値を下げるため、妻と一緒に毎朝ウオーキングするのが日課だが、「うっかり足を傷つけてはそれすらできなくなる」と、足の手入れには日ごろから気を使っている。
 足外来では、神経障害や傷などがないか調べたうえで、傷の元になりやすいウオノメやタコ、水虫のひび割れやじくじくした部分、靴擦れなどを手入れする。
 同病院足外来を担当する総看護師長の杉田和枝さんは、「壊疽の予防のためには、まず糖尿病患者さんに、自分の足に関心をもってもらうことです」と話す。患者自身が日ごろ足に異常がないかよく観察し、不潔にならないように努める「セルフケア」の方法を身につけてもらうのも、フットケアの大切な目的だ。
 フットケアは今年度から、足切断や神経障害などがある通院患者に対し、研修を受けた看護師が、一定の基準を満たしたケアや指導を行った場合には、保険で診療報酬(1700円、3割の患者負担は510円)が医療機関に支払われるようになった。
 これに伴いフットケア外来は急速に普及し、読売新聞社が先月、日本糖尿病学会の研修認定施設に行ったアンケートでも、回答のあった約370施設のほとんどが「フットケア外来がある」と答えた。
 ただし、保険適用の対象は、神経障害や切断手術歴などがある重症患者に限られ、患者一人に30分以上かかるにしては診療報酬が低い。患者と医療者双方から、充実を求める声が寄せられている。
 

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2008/10/1 病院の実力 糖尿病治療 初期からインスリン注射 YOMIURI ONLINEより転載

病院の実力 糖尿病治療
 
 
 
初期からインスリン注射
 
2008年9月24日  読売新聞)
 

早期のインスリン導入によって下がった血糖値のグラフを手に説明する出雲博子さん(東京都中央区の聖路加国際病院で)
 
 水をいくら飲んでも、すぐのどが渇く。頻繁な尿意のため、30分に1回はトイレに。だるさで、立っているのもつらい。
 そんな症状を訴え、今年3月、近くの診療所を受診した東京都の会社員男性Aさん(31)。すぐに救急車で聖路加国際病院(東京都中央区)に運ばれ、そのまま緊急入院した。
 血糖値は、基準値(食後2時間で140ミリ・グラム/デシ・リットル)をはるかに超える514。一般に自覚症状が出にくいとされる糖尿病だが、高血糖が激しいと、のどの乾きや多飲、多尿などを伴う。
 血液検査では、ケトン体という糖の代謝異常による物質も増えていた。これがさらにひどくなると、意識を失う糖尿病性昏睡(こんすい)に陥り命にもかかわる。Aさんは点滴で水分を十分に補給され、血糖値を下げるインスリンの点滴治療を受けた。
 「ジュース類や甘いものが大好き」なAさんは、1メートル66の身長に、体重は当時98キロ。会社の健診でも血糖値が高いことを指摘されていたが、仕事の忙しさから治療を怠っていた。
 診察した同病院内分泌・代謝科部長の出雲博子さんは、「減量に取り組むこと」を強調。そして、退院後もしばらくはインスリンを自己注射するよう指示した。
 「このまま一生、注射を打ち続けるのか」と落ち込みかけたAさん。ところが、出雲さんの説明は違った。
 生活習慣を背景とする2型糖尿病の治療は、運動や食事療法からまず始め、それで不十分な場合には飲み薬、さらにはインスリン治療へと至るのが一般的だ。しかし、「発症後1年以内と間もないAさんのような場合には、まずインスリンを注射で補って膵臓(すいぞう)を助けることで、インスリンを分泌する能力と効きやすさを改善できる」と出雲さん。そうなれば、注射はやめることができる場合が多い。
 2型糖尿病は、膵臓からのインスリン分泌が枯渇して、注射が不可欠な1型糖尿病とは異なる。
 1週間の入院生活を終え、半信半疑ながらも1日4回のインスリン自己注射を始めたAさん。入院時に12・7%だったヘモグロビンA1c(基準値は5・8未満)は徐々に下がり、並行してインスリンの注射の量も徐々に減らした。2か月後には、出雲さんの説明通り注射は不要になり、インスリンを効きやすくする飲み薬による治療に切り替えることができた。
 現在は、ヘモグロビンA1cは5・7%にまで下がった。体重は88キロ。「やせれば、飲み薬もいらなくなりますよ」という出雲さんの言葉を励みに、さらなる減量に取り組んでいる。
 

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2008/9/30 病院の実力 糖尿病治療 逆紹介 専門医の負担軽減 YOMIURI ONLINEより転載

病院の実力 糖尿病治療
 
 
 
逆紹介 専門医の負担軽減
 
2008年9月23日  読売新聞)
 

「次の受診は半年後の来年2月ですね」と話す増田さん(手前)と井村さん(静岡県焼津市立総合病院で)
 
 糖尿病の治療をしている静岡県焼津市の増田和吉(わきち)さん(77)には、二人の主治医がいる。一人は市立総合病院の糖尿病専門医で、もう一人は近くの開業医だ。
 若いころから血糖値が高いと指摘されていた増田さん。漁師の仕事の忙しさを理由に受診を怠っているうち、病気が進行し、56歳の時にインスリン治療が必要になった。朝晩の2回、自分でインスリンの注射を打つ。病状の方はおかげで安定している。
 通院していた同病院代謝内分泌科長の井村満男さんから、開業医への“逆紹介”の説明を受けたのは2006年7月のことだ。
 開業医から病院へ、が普通の流れ。その反対の逆紹介の狙いは、治療は必要だが病状の落ち着いている患者については、できるだけ一般の開業医で診てもらおうというものだ。井村さんは「周辺の4市4町で専門医のいる病院はここしかなく、すべてを診るのは無理。急増する糖尿病患者に対処するには、開業医を含めた地域全体で診る仕組みが必要」と話す。
 とは言っても、患者にとって病院を離れるのは不安だ。かかりつけの開業医がいない増田さんはなおさらで、「見放されるのでは」と、最初は心配になった。
 そこで井村さんが導入したのが、病院と開業医との二人主治医制だ。患者はふだんは開業医に通い、増田さんのようにインスリン治療をしている場合は半年に1度、その他の患者は年に1度、病院で詳しい検査を受け、専門医に診てもらう仕組みだ。約3000人いた同病院の糖尿病患者のうち500人を、この2年余りで、計33か所の協力開業医へ逆紹介した。
 近くの内科開業医を紹介された増田さん。病院では3か月ごとの受診だったのが、開業医へは月1回通院している。「病院は予約があっても診てもらうまで半日がかりだったので、今の方が便利」と話す。
 血糖値が下がりすぎたためインスリンの量を減らした――こうした治療の変更情報などは文書でやり取りされ、二人の主治医の間で情報が共有される。
 心臓の持病もある増田さんにとって、いざという時のために病院とつながっている安心感もある。病院の眼科には糖尿病網膜症の治療のため、今も通っている。
 読売新聞社が全国の主要施設に行った「病院の実力」アンケートでも、専門医に患者が集中している実態が明らかになった。逆紹介を普及させるには、患者の側の理解も大切だ。

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2008/9/30 病院の実力 糖尿病治療 間食やめ散歩 正常値に YOMIURI ONLINEより転載

病院の実力 糖尿病治療
 
 
 
間食やめ散歩 正常値に
 
2008年9月22日  読売新聞)
 

色とりどりのサラダをたっぷり作る。これが佐藤さんのダイエットのひけつだ(千葉県船橋市の自宅で)
 
 千葉県船橋市の主婦佐藤暎子(てるこ)さん(64)は2006年5月、近くの三咲内科クリニックを頭痛などで受診した際に、検査で偶然、糖尿病が見つかった。過去1〜2か月間の血糖状態を示す検査値(ヘモグロビンA1c)は11・7%(基準は5・8未満)。血糖値は260ミリ・グラム/デシ・リットル(同・食後2時間で140以下)もあった。
 そのころの佐藤さんは、1メートル43の身長に体重は58キロと明らかに太め。院長で糖尿病専門医の栗林伸一さんからは「肥満は血糖を下げるインスリンホルモンの効きを悪くします。運動と食事療法でまず減量しましょう」と言われた。
 1週間後の受診時には、口にしたものを全部記録して持参。管理栄養士から、「間食はやめ、三食を規則正しく取ること」などの指導を受けた。
 お酒は全く飲まず、甘党の佐藤さん。改めて生活を振り返ると、お菓子の袋を開けては始終口に運んでいる自分に気づいた。友人グループで趣味のカラオケに行っても、歌っている時以外はずっと食べていた。
 「これでは太らないわけがない」と思った。
 佐藤さんは、その日から間食をぴたりとやめた。おなかがすかないよう、朝昼の食事では、生野菜をたっぷり取ることにした。
 レタスに水菜、大根、タマネギ、トマト、パプリカ、アスパラ、ブロッコリー、海藻のワカメやキノコ類。冷蔵庫にはサラダの材料を豊富にそろえ、最低でも一度に5、6種類は使う。「キャベツだけのダイエットではあきると思ったので」と、佐藤さん。市販のノンオイルドレッシングも異なる3〜4種類を常備して、気分で使い分ける。
 7時前に朝食を終えると、30分間の散歩。夕方にも30分歩く。「散歩しないと一日が始まらない」ほどの習慣になった。
 検査値のヘモグロビンA1cは、2か月後に8・3%、4か月後には6・9%へと低下。みるみる表れる効果に佐藤さん自身驚き、また励みになった。7か月後には、5・8%とほぼ正常値になり、1年後以降は5%台の前半を保っている。体重は月1キロのペースで減り続けた後、44キロで落ち着いた。
 栗林さんは「このように、薬を使わずに運動と食事療法で良くなる患者は珍しくない」と強調する。佐藤さんは「病気は先生に治してもらうものではなく、自分が生活を改めることだと学びました」と話す。
 
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/

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新着記事

月別

わが街  京都  ドクター ご紹介 - http://kanja.ds-pharma.jp/health/yotsu/doctor/078/index.htmlから転載
ドクターからのメッセージ
患者さん一人ひとりに合った治療を目指して
近畿京都府京都市
ひろしまクリニック 院長
廣島 芳城 先生
ひろしまクリニックについてはこちら
 腰痛の発生頻度や原因について教えてください。
上半身の重さは体重の約70%といわれています。その重さを支えているのが腰椎です。腰椎には椎体という骨の部分と椎間板という骨と骨の間に入っている部分があります。椎体は機械的な負荷により変形が進行し、また骨粗鬆症の進行とともに脆くなっていきます。椎間板も年齢とともに変性していきます。驚くことにこの変性は10歳の子供たちのすでに9%に起こっていると報告されています。治療を要する腰痛の発生頻度の調査では20歳代以上の年齢層ではほぼ同じくらい(40〜65%)で発生していることが報告されています。このような背景から近年、腰痛はもっとも有訴率が高い疾患になっています。大半の腰痛は数日間で治りますが、臀部痛や下肢痛を伴う腰痛は専門的な治療が必要になる場合も多いので注意しましょう。
 高齢者の下肢痛を伴う腰痛の多くは腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)という病気です。また激しい腰痛の場合、脊椎圧迫骨折のほか、非常にまれですが背骨の感染症(化膿性椎間板炎など)があります。免疫力が低下している方、糖尿病、ステロイドを内服中の方が罹りやすいので、患者さんは診察の時に既往歴や飲んでいる薬剤についても必ず医師に伝えていただきたいと思います。
 腰部脊柱管狭窄症の手術について教えてください。
最近では内視鏡を使った手術も増えてきました。内視鏡手術は患部が明るく拡大されて安全に行えることに加えて小さな傷と手術中の筋肉の損傷が少ない(低侵襲)ため早期に社会復帰できるという利点があります。しかしすべての方に内視鏡手術がよいという訳ではありません。狭窄箇所が多数ある場合などは内視鏡手術では従来の手術と比べて時間が長くなることもあり、心臓や肺などの病気であまり体力がない方などにとっては、総合的に考えて低侵襲とはいえないからです。どのような手術方法がその患者さんにとっていいのか、医師がメリットだけでなくデメリットについても説明しますので納得したうえで選択していただきたいです。
 腰痛の患者さんを診察するにあたってどのようなことを感じていらっしゃいますか?
腰痛の治療には画一的なものはありません。患者さんの病態がまったく同じものがないことは勿論のこと、治療には患者さんの社会的背景や満足度などを考慮することが必要だからです。
 いままで急性腰痛と慢性腰痛の違いはその罹患期間の違いと考えられてきましたが、近年、functional MRIを用いた研究が進み、痛みを感じたとき脳のどの部分が活動しているかわかるようになってきました。様々な研究報告によれば、慢性腰痛は急性腰痛と単に病気の期間の違いではなく、患者さんの心理社会的要因がかかわっている可能性が示されています。事実そうであれば、たとえ外傷で起こった急性腰痛も心理的な要因で慢性期に移行していく可能性があります。そうするとお医者さんと患者さんの関係は大変重要になります。お医者さんが患者さんを励まし、勇気づけ、また、安心感を与えることによって、急性腰痛が慢性に移行することを防ぐことができるかもしれないからです。利害得失の説明や、個人的、社会的背景を考慮した治療方法の提示。そして、患者さんのQOLや満足度の重視。この三つをもって、患者さんの価値観を尊重し、個人個人に合う治療法を提示するというのが、今一番求められていることなのではないかと感じています。





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ドクターからのメッセージ
放っておいて大丈夫?その痛み、そのしびれ
近畿京都市東山区
京都第一赤十字病院整形外科 副部長
大澤 透 先生
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 立つ、歩く・・・このような生活の基本というべき動作に支障を感じることはありませんか?
生活に影響をおよぼす腰痛疾患として、ぎっくり腰、ヘルニアなどをよく耳にしますが、とくに高齢の方に多い「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」という疾患もあります。あまり知られていませんが、加齢現象の1つとして腰骨(腰椎)が変性したために周辺の神経が圧迫され、立つ・歩くなどの負荷に伴って、いわゆる坐骨神経痛と言われるお尻から太腿の後ろ側にかけた痛みや、つっぱり感、しびれなどが起こるものです。長い距離が歩けなくなり、重症の場合は100mでも困難になりますが、しばらく前かがみで休むと再び歩けるようになるという「間欠跛行(かんけつはこう)」も特徴的な症状の一つです。
 年を重ねることで、腰椎の変性が起こる方もあれば起こらない方もあり、変性したからといって必ず症状があらわれるとも限りません。腰部脊柱管狭窄症が進行した場合、もっとも典型的にあらわれる症状は残尿感ひいては失禁などの膀胱直腸障害ですが、このように重症化する方もあれば、慢性的な症状に悩みながら一生付き合っていく方、あるいは急激な痛みのピークを過ぎた後に沈静化する方もあり、全ては人それぞれです。しかし、症状が進行し始めると一気に悪くなり始めるポイントがあり、やがては脱力感や麻痺などが起こります。
 症状のあらわれ方は千差万別ですが、50代以上で思い当たる症状のある方は、適切な治療を受けることで改善する可能性が十分あります。よほど重症化していない限り、治療は血流改善剤や鎮痛剤などの内服薬と、コルセットや運動、牽引などの理学的な施術を併用する保存療法が効を奏します。さらに急性期の痛みにはブロック麻酔を数回行い、それでも患者さんが満足を得られる結果にならなければ手術を検討するというように、治療は段階的に効果を確かめながら進みます。
 手術では、100%とまではいきませんが、痛みの症状を中心に6〜7割の改善は見られます。ただし、一度傷ついた神経の細胞は元に戻らないため、進行していればしているほど残る症状も多く、程度も大きくなります。しかし、手術そのものの危険は少なく、方法も確立されているため、高齢であることを理由に手術を避ける必要はありません。
 現在は、ただ寿命を長くすることよりも、すこやかに過ごせる寿命―「健康寿命」を延ばすことの大切さが言われています。腰部脊柱管狭窄症など腰痛を伴う病気は命にかかわるものではありませんが、その症状によって、立つ・歩くなど生活の基本的な動作をはじめ、仕事や趣味などの活動にも大きな影響がおよびます。好きなことが好きなようにできることは、生活に満足感を得るための大切な要素ですが、腰痛によって動作や活動に制限が生じると、生活の満足感が損なわれる可能性があります。しかしそのとき、症状に合わせて活動の幅をせばめてしまうか、今の生活に合わせられるように症状を改善するかはあなた次第です。従来は50〜60歳の方が多かった腰部脊柱管狭窄症の患者さんですが、最近は70代、80代の方も大勢おられます。とくに高齢の方でも元気な方、元気だからこそ「腰痛を治してもっと動きたい」と思う方が、病院を受診されています。また、日頃から活発に出歩いているからこそ、不調にも早く気付くことができるのでしょう。
 元気に動けるときはどんどん動き、立ったり歩いたりといった基本動作に支障があらわれたとき、あるいは1カ月以上原因の思い当たらない腰痛に悩んでいるときは、自己判断で放置しないでください。足腰の痛み・しびれを起こす病気には血管の病気も含まれます。それを鑑別するためにも、ぜひ整形外科を受診してください。



ドクターからのメッセージ
腰痛のさまざまな対処法をアドバイスします
近畿京都府京都市
京都市立病院 整形外科
田中 真砂史(たなか まさし) 先生
自己診断で治療を始める前に、腰痛の原因を正確に診断することが大切です
最近は鍼治療の研究も進んできたので、まず接骨院や鍼灸治療に行かれる腰痛の患者さんも少なくないようです。患者さんにとっては痛みが取れればよいわけですから、比較的入りやすい窓口に行かれる気持ちはよく分かります。
しかし、これらの治療を長く受けていた後、整形外科に回ってきた患者さんのなかには、がんの転移が腰痛の原因だったケースもあります。腰痛は骨や関節など運動器の障害だけでなく、がんや感染症、内臓疾患や心理面から起こるものなど、さまざまな原因によって起こることを知っておいてください。
私は、西洋医学(整形外科)と東洋医学(鍼治療など)のどちらの窓口から慢性の腰痛の治療に入っても構わないと思っていますが、腰痛の原因を検査しておく必要があります。そこで、一度は整形外科で正確な診断をしておけば、安心して腰痛の治療を続けられるのではないでしょうか。
腰部脊柱管狭窄症の治療法には、さまざまな選択肢があります
腰痛の原因疾患のなかでも、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)は60〜70歳代によくみられる疾患です。腰部脊柱管狭窄症は、下肢のしびれ感や痛み、間欠性跛行(かんけつせいはこう)(しびれや痛みが出てきて休み休みでないと歩き続けられなくなる状態)が特徴です。いずれも、生活を送るうえでの大きな障害となります。間欠性跛行は閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)のような足の血管の動脈硬化でも同じように起こるため、このような患者さんに下肢の動脈硬化の状態を測定することもあります。また、下肢痛は糖尿病による末梢神経障害でも起こります。そこで、見た目は腰部脊柱管狭窄症のような症状であっても、他の原因で起こった症状かどうかを詳しく診断する必要があります。
腰部脊柱管狭窄症を含めて慢性腰痛の約5割は薬物治療で改善し、3〜4割はブロック注射で痛みが取れています。整形外科を受診すると「すぐに手術」と心配される患者さんもいるようですが、保存的な治療から開始し、患者さんと相談して手術の必要な人には手術をお勧めします。
腰部脊柱管狭窄症の治療は、まずは血流を改善するプロスタグランジンE1(PGE1)製剤や筋弛緩薬の内服から始めます。とくに、PGE1製剤は間欠性跛行の改善が期待でき、服用し始めてから2〜3週間で「長く歩けるようになった」など、患者さん自身で効果を実感することができます。胃潰瘍などの副作用を予防するため、消炎鎮痛剤は痛みが強いときだけ服用してもらうようにしています。これらの薬物治療を1か月ほど試し、症状が改善していればこのまま続けるか、内服量を減らしていき、内服を中止する方向へもって行きます。
薬物治療で改善がみられない患者さんには薬物治療に加えて理学療法(牽引や温熱療法など)、神経ブロック(仙骨硬膜外ブロックや神経根ブロック)、あるいはトリガーポイント注射などを行います。
治療法の選択肢は、腰痛の原因によってさまざまです。医師と相談して適切な治療に取り組んでください。


腰痛 ― 予防体操 ―
(10)予防体操まとめ 8ポーズ1日2回理想
2007年9月7日 読売新聞)

 今回は最終回。腰痛予防に効果的と思われる動きを、一連の流れに組み込んだ体操を紹介する。これまで紹介した動きも入っている。時間に余裕のあるときなどに試してほしい。それぞれの動きを各10回行う。
 〈1〉床に寝て、ひざを軽く曲げ、背中で床を押すように、おなかに力を入れる。
 〈2〉続いて、同じ姿勢から腰を浮かせる。頭や肩、足の裏を床につけておくのがポイント。
 〈3〉同じ姿勢で、片ひざを胸に引きつけ、お尻などの筋肉を伸ばす。左右交互に。
 〈4〉両ひざを抱え、ひざに頭を近づけるように体を丸め、背中の筋肉を伸ばす。
 〈5〉もう一度寝ころび、片足ずつ、ひざを伸ばしたまま、できるだけ高く上げる。つま先を上げるようにして、アキレスけんも含め、足の後ろ側全体を伸ばす。
 〈6〉両ひざを曲げて寝ころび、へそをのぞき込むように、両肩を持ち上げる。腹筋に力を入れるのが狙い。
 〈7〉四つんばいになって、足を片方ずつ上げ、まっすぐ伸ばす。お尻の筋肉を鍛えるのが狙い。腰を反らしたり、ひねったりしないよう注意する。
 〈8〉イスに座って、足を開き、上体を前にかがめ、背中の筋肉を伸ばす。
 この一連の体操を、1日2回できれば理想的だ。(埼玉医大整形外科准教授・白土修さん監修)