2008/10/28 皮膚がん [Q&A]早期なら切除で治る YOMIURI ONLINEより転載

日本皮膚悪性腫瘍学会理事長・斎田 俊明(さいだ・としあき)さん 東京大卒。埼玉がんセンター医長、東京大助教授などを経て、1989年、信州大教授。98年から日本皮膚悪性腫瘍学会理事長。
日本皮膚悪性腫瘍 学会理事長の斎田俊明さんに聞きました。
――国立がんセンターがん対策情報センターのまとめによると、国内の皮膚がん患者は1980年代には4000人前後でしたが、2002年には8000人を超えています。なぜ増えているのでしょうか。
「多くのがんと同様、患者は高齢者に多く、社会の高齢化とともに着実に増えています。発生頻度が多い順に、基底細胞がん、有棘 細胞がん、メラノーマ(悪性黒色腫)などが挙げられますが、性質には大きな違いがあります。メラノーマが非常に転移しやすく、怖いがんであるのに対し、基底細胞がんは基本的に転移の心配がありません。
有棘細胞がんは日光紫外線との関連が強く、その前段階症状と考えられている日光角化症なども含めると、基底細胞がんよりも発生頻度は高くなります」
――発症の最大の原因はやはり紫外線ですか。
「皮膚がんは、紫外線から皮膚を守るメラニン色素が少ない白人に圧倒的に多く、黒人に少ないことや、皮膚がん細胞の遺伝子異常の研究からも、紫外線は最も重要な発症原因のひとつとされています。
しかし、紫外線のほか、慢性的な外部からの刺激なども発症の引き金になると考えられています。日本人で最もメラノーマができやすい足の裏は、様々な刺激を受けやすい場所です。また有棘細胞がんが、深いやけどや外傷の跡に発症することも知られています」
――自分ですぐに見つけられるでしょうか。
「皮膚表面にできるので、早くから症状に気づきますが、進行が遅いものも多く、ただのホクロや湿疹 と思って、受診が遅れがちです。気になったら放置せず、皮膚科を受診すべきです。ただ、早期の病変は診断が難しい例もありますので、大学病院やがん専門病院など、皮膚がん専門の皮膚科医がいる病院が望ましいです」
――治療はどのように行われていますか。
「基本は切除手術で、ほとんどの皮膚がんは、表層にとどまる早期段階なら切除のみで治ります。近年は、拡大鏡を使った診断法ダーモスコピーや、リンパ節への転移の有無を確認するセンチネルリンパ節生検などの技術が進歩し、不要な手術を避けたり、切除範囲を縮小したりできるようになってきました。日本皮膚悪性腫瘍学会で主な皮膚がん4種の診療指針を作成し、学会のホームページ(http://www.skincancer.jp/index.html)に掲載しています。
一方、転移した場合は抗がん剤や放射線などによる治療を行い、有棘細胞がんなどでは効果が期待できますが、メラノーマでは良い治療成績は得られていません。早期の診断と治療が大切なことは今も変わりません」(藤田勝)
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2008/10/27 皮膚がん しみる陰部 パジェット病 YOMIURI ONLINEより転載

皮膚がんは体表面にできるため、異常に早く気づくことが多いが、陰部にできやすいため、見逃しやすいのが「乳房外パジェット病」だ。
東京都内のC子さん(73)は16年前、トイレに行くたびに陰部がしみるようになった。人に見せたくないため、病院に行く気にはならなかった。自宅の外用薬を塗ってみたが治らず、しみる感じは一層強くなった。
自分では患部が見づらいため、夫に見てもらうと、ブツブツした赤い湿疹 のようなものがあった。思い切って近くの病院に行くと、皮膚組織の一部を切って調べる検査が行われ、「がんの一種」と診断された。虎の門病院(東京・港区)皮膚科を紹介され、乳房外パジェット病と説明を受けた。
乳房外パジェット病は高齢者に多く、男女比は2対1。陰部やわきなど、アポクリン腺と呼ばれる汗腺が集中する場所に発症しやすい。患部は、通常のただれやシミのような外観だ。色は赤や茶のほか、脱色している場合もある。見た目からは、がんのような特別な病気とは気づきにくい。
同院皮膚科部長の大原国章さんは「他人に見せたくないので、最初はインキンタムシなどと思って、自分で薬を塗っているが、どうしても治らず、医者に行く人が多い」と話す。
他の皮膚がん同様、治療は切除が基本。面積が広くても表皮内にとどまっていれば切除で完治する。しかし、表皮の下の真皮に達すると転移する。陰部の場合は、まず恥骨近くのリンパ節、次に足の付け根のリンパ節、さらに腹部に広がっていく。
大原さんが200人以上治療成績を調べたところ、1か所の転移ならがんを取り切れるが、2か所以上だと難しい。放射線や抗がん剤を使うしかないが、経過は思わしくない。
最近の進歩は、乳がんやメラノーマで、切除範囲を狭くするために行われている「センチネルリンパ節生検」の導入だ。がんはリンパ管を通って、他の臓器などに転移していく。手術前に、患部から色素を入れて、がん細胞が最初に到達するリンパ節を特定する。その組織を採取して、転移の有無を調べ、転移がなければリンパ節は摘出しない。リンパ節切除の必要性を判断できるようになり、手術による後遺症を減らせるようになった。
C子さんの場合、幸いに転移はなく、患部の皮膚を切除し、太ももの皮膚を移植した。「もう少し遅かったら、転移していたかもしれない。手術後5年くらいは再発が心配だったが、今は不安はない」と話す。
皮膚がんは、ほかの疾患と見た目では区別が難しいので、気になる異常があったら、専門の医療機関を受診したい。
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2008/10/25 皮膚がん 赤い発疹 実はリンパ腫 YOMIURI ONLINEより転載

全身に紫外線を照射する装置と菅谷さん(東大病院で)
東京都内のC子さん(66)の手や足に、赤い発疹 ができ始めたのは7年前のこと。「はれもかゆみもなかった」と話す。
2年後、心配になって近くの病院の皮膚科を受診した。炎症を抑える錠剤を服用すると一時的に症状が消えたが、再び悪化し、以前よりもひどくなった。そのうち、左足のふくらはぎに、うずらの卵程度の大きさの赤いふくらみができた。
ふくらみの一部を取り、組織を調べてもらった。その結果、医師から入院を勧められ、入院手続き用の書類に「悪性リンパ腫の疑い」とあることに目に留めた。「亡くなった芸能人もいたと思って、足がガタガタふるえた」
悪性リンパ腫は、血液に含まれる白血球の一種であるリンパ球のがん。リンパ節が腫れるのが普通だが、皮膚組織に入り込んで増殖することがある。「皮膚悪性リンパ腫」という。
新規患者数が年間約400人とまれな病気で、半数近くは、発疹ができるだけで、がんとは言っても寿命に影響はしない。だが、患者の十数%は数年で亡くなる。がん細胞の増殖を抑える作用がある紫外線照射を主体とした治療を行う。
C子さんは、東大病院皮膚科で詳しく検査を受け、発疹だけではなく、腫瘍 ができやすいタイプとわかった。定期的な紫外線照射に加え、腫瘍ができた場合は、より強い効果がある放射線治療を行う。
C子さんは、顔や尻、かかと、ひじなどに計6回、入院や通院で放射線治療を受け、2週間に1回、紫外線照射を続けている。紫外線や放射線は、がん細胞を殺すと同時に、皮膚組織の中で、がん細胞を誘引したり、増やす原因となる物質を減らす効果があると考えられている。
担当医の菅谷誠さんは「原因のリンパ球は体内に潜むため、完治は難しい。良好な状態を維持するのが治療の狙い」と言う。
C子さんは、「完治しないと聞き、落ち込んだこともあるが、今は大丈夫」と語り、幸い治療が良く効いており、症状は抑えられている。
皮膚悪性リンパ腫は、見た目がアトピー性皮膚炎と似ており、組織を調べないと診断できない。もし、アトピーと誤診して免疫抑制剤を使うと、がん細胞を殺す免疫機能を抑えるため、リンパ腫は悪化してしまう。
菅谷さんは「検査目的で皮膚を切るのをいやがる人も多いが、疑わしい場合は積極的に検査を受けてほしい」とアドバイスする。
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2008/10/23 皮膚がん 顔に「イボ」手術で切除 YOMIURI ONLINEより転載

(上)目の上にできた基底細胞がん(下)切除後、ほとんど目立たない(竹之内さん提供)
新潟市の主婦B子さん(64)は16年ほど前、鼻の右脇に黒いイボのようなものができた。5年くらいは1センチ足らずのまま変化がなかったが、その後、次第に大きくなり、3年前、かかりつけの内科医に相談した。「イボだからだいじょうぶ」の言葉に安心した。いちおう皮膚科に紹介状は書いてくれたが、行かなかった。
「悪いものと分かれば行っていたが……。勇気もなかった。7年前に腎臓がんの手術を受け、少しのことでもおびえてしまう」
放っておいた結果、イボは最近1年で直径約2センチにまでなり、表面がデコボコしてきた。タオルでこすると血が出ることもある。子供たちも心配し、治療を勧めた。7月末、地元の皮膚科を受診すると、すぐに新潟県立がんセンターを紹介してくれた。
同センター皮膚科部長の竹之内辰也さんは、拡大鏡でイボを観察し、基底細胞がんと診断、「他の臓器に転移する危険は低いが、取った方がいい」と説明した。B子さんは少しほっとしたが、顔にメスが入るのが心配だった。しかし、「放っておけば骨まで穴があく」と言われて、覚悟を決めた。
基底細胞がんは、毛の元になる毛芽ががん化したものと考えられている。皮膚がんの中で最も多く、日本人の患者は毎年10万人に5人以上。7〜8割が顔にでき、9割以上がホクロのように黒い。他の皮膚がんと違い、転移は極めてまれだ。発症原因ははっきりしないが、白人の場合は紫外線との関連が指摘されている。
普通は切除すれば治る。高齢者など手術による負担が大きい場合は、放射線療法や凍結療法が行われている。最近、欧米では外用薬や光線を使った新しい療法が広まり、国内でも普及が期待されている。
竹之内さんは「顔に多いので、手術後の見た目も無視できない。ホクロのようなイボの表面が崩れたり、出血したりしたなら、基底細胞がんを疑うべきだ」と話す。
B子さんは8月中旬、局所麻酔で1時間あまりの手術を受けた。がんは皮膚の浅いところでとどまっており、皮下組織を深く切る必要はなかった。患部を中心に皮膚を丸く切除し、すぐ下の顔の皮膚を移植した。
B子さんは「今は鼻のあたりにしびれが残っている程度だが、手術直後は、顔が内出血ではれて大変だった。気付いていたのだから、もっと早く受診すべきだった」と話している。
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2008/10/22 皮膚がん ホクロ似「メラノーマ」 YOMIURI ONLINEより転載

拡大鏡で観察する診断法で、足の裏などのメラノーマとホクロが見分けられるようになった(信州大学病院で)
長野県千曲市の主婦A子さん(63)は十数年前、夫の実家の農作業を手伝い、汚れた靴下をぬいだ時、左足の裏にうす茶色のシミを発見した。小指の付け根近くにあり、長さ2センチ弱の細長い三角形だった。「生まれつきのものかなと、あまり気にしなかった」
5年ほどたつとホクロのように色濃くなり、気にはなったが、深刻な病気とは想像もしなかった。その後、夫の勧めもあり、2005年に近くの病院の皮膚科を受診した。最初に気づいてから10年以上経過していた。たまたま信州大学病院から来ていた若い医師に診てもらうと、すぐに詳しい検査を勧められた。
同病院皮膚科では、拡大鏡で患部を観察するダーモスコピーと呼ばれる診断法で、「メラノーマ」(悪性黒色腫)が疑われた。周囲1〜2ミリの範囲を摘出し、検査の結果、メラノーマと確認された。ただ、皮膚表面にとどまる早期で、転移の心配はないと判定された。念のため、さらに4〜5ミリ広く切除して完治した。
メラノーマは、紫外線から皮膚を守る色素を作る細胞メラノサイトが、がん細胞になって生じる。日本人の患者は毎年、人口10万人に2人程度で、発症部位は手足に多く、特に足の裏が30%を占める。転移しやすく、進行すると有効な治療法がない。最も恐れられているがんの一つだ。A子さんは「治療後に怖さを周りに教えられた」と言う。
発症原因について、同大医学部皮膚科教授の斎田俊明さんは「手のひらや足裏は白いが、メラノサイトは色素を作らない状態で存在している。そこに、けがなどの外的刺激が引き金になり、がんになると推測される」と話す。
患部の面積が広くても表層内にとどまる段階なら、周囲3〜5ミリ離して切れば完治する。しかし、厚さが4ミリ以上になると転移の危険性が高くなる。
早期はホクロに似ており、以前は少し疑わしいと切除していた。しかし、斎田さんらが1990年代前半にダーモスコピーにより、ホクロとメラノーマの違いを世界に先駆けて発見し、不要な手術は避けられるようになった。手のひらや足裏には指紋に相当する凹凸があり、メラノーマは丘が黒く、ホクロは溝が黒いという違いがあるからだ。この診断法は06年に保険適用された。
斎田さんは、メラノーマの外観の特徴として、〈1〉大きさが7ミリ以上〈2〉形が不規則〈3〉色に濃淡差がある――などを挙げる。「気になったら、大学病院やがんの専門病院などを受診してください」と話す。
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2008/10/20 皮膚がん 直径1センチ いびつな赤み YOMIURI ONLINEより転載

自宅でゴルフのクラブを振る荒川さん。耳の皮膚がんの手術をしてから、紫外線には注意するようになった
東京都狛江市の荒川敏雄さん(74)は8年ほど前、右の耳たぶに小豆粒大のしもやけのようなしこりができた。入浴時、やわらかくなったしこりの表面のかさぶたを取ると、血は出ないが真っ赤になる。痛みやかゆみはなかった。
3年後、かかりつけの診療所で、近くの大学病院を紹介された。皮膚がんが疑われ、少し皮膚を切って調べると、表皮の中間層にある有棘 細胞のがんとわかった。
この「有棘細胞がん」と「メラノーマ(悪性黒色腫)」「基底細胞がん」が三大皮膚がんとされる。高齢化とともに増えているが、皮膚がん全体でも患者数は年間約8000人と、少ないがんだ。
有棘細胞がんは、ただれた肉のかたまりのように見えたり、初期には湿疹 や治りにくい傷にも見えたりし、「赤い皮膚がん」と言われる。紫外線が関係しているが、やけどや外傷跡などにもできやすい。一方、他の二つは黒っぽい。
荒川さんの場合、幸いに他への転移はなかったが、耳は丸ごと取り、あばら骨の軟骨で耳の形を作る、という手術の説明に驚いた。いったんは耳を失う覚悟をしたが、会社の同僚に勧められて、国立がんセンター皮膚科を受診、「なるべく耳を残したい」と相談すると、引き受けてくれた。
同センター皮膚科医長の山崎直也さんは「顔や手の甲などに直径1センチ程度のいびつな赤みができて、出血が続いたり、かさぶたがとれても治らなかったりした場合は、有棘細胞がんの可能性がある」と話す。
荒川さんは定年退職まで毎日、ダムの調査設計会社の営業担当として全国の山間部の工事現場を駆け回っていた。「車を運転して移動することも多くて、腕や顔が日焼けしてシミも多かった」と振り返る。
治療の基本は切除手術。山崎さんは「皮膚がんは目につきやすいが、放置してリンパ節に転移すると、有棘細胞がんの5年生存率は4割台と低い。唇など手術で切れない場所や、手術の負担が大き過ぎる患者には放射線も有効」と話す。
荒川さんの場合、根治に必要な最小限の範囲を切り、病理検査でがんを取り切れたことが確認できた。右耳は少し小さくなったが、左耳と比べないと分からない。今も3か月に1回通院するが、再発の兆候はない。定年後の趣味は月2〜3回のゴルフで、「帽子と日焼け止めで紫外線には気をつけている」と笑顔で話す。


ドクター ご紹介 - http://kanja.ds-pharma.jp/health/yotsu/doctor/078/index.htmlから転載







腰痛の発生頻度や原因について教えてください。
上半身の重さは体重の約70%といわれています。その重さを支えているのが腰椎です。腰椎には椎体という骨の部分と椎間板という骨と骨の間に入っている部分があります。椎体は機械的な負荷により変形が進行し、また骨粗鬆症の進行とともに脆くなっていきます。椎間板も年齢とともに変性していきます。驚くことにこの変性は10歳の子供たちのすでに9%に起こっていると報告されています。治療を要する腰痛の発生頻度の調査では20歳代以上の年齢層ではほぼ同じくらい(40〜65%)で発生していることが報告されています。このような背景から近年、腰痛はもっとも有訴率が高い疾患になっています。大半の腰痛は数日間で治りますが、臀部痛や下肢痛を伴う腰痛は専門的な治療が必要になる場合も多いので注意しましょう。





