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京都市下京区/富士鍼灸整骨院(ふじしんきゅうせいこついん)

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2008/10/28 皮膚がん [Q&A]早期なら切除で治る YOMIURI ONLINEより転載

皮膚がん
 
 
 
[Q&A]早期なら切除で治る
 
2008年10月21日  読売新聞)
 

日本皮膚悪性腫瘍学会理事長・斎田 俊明(さいだ・としあき)さん 東京大卒。埼玉がんセンター医長、東京大助教授などを経て、1989年、信州大教授。98年から日本皮膚悪性腫瘍学会理事長。
 
 日本皮膚悪性腫瘍(しゅよう)学会理事長の斎田俊明さんに聞きました。
 
 ――国立がんセンターがん対策情報センターのまとめによると、国内の皮膚がん患者は1980年代には4000人前後でしたが、2002年には8000人を超えています。なぜ増えているのでしょうか。
 
 「多くのがんと同様、患者は高齢者に多く、社会の高齢化とともに着実に増えています。発生頻度が多い順に、基底細胞がん、有棘(ゆうきょく)細胞がん、メラノーマ(悪性黒色腫)などが挙げられますが、性質には大きな違いがあります。メラノーマが非常に転移しやすく、怖いがんであるのに対し、基底細胞がんは基本的に転移の心配がありません。
 有棘細胞がんは日光紫外線との関連が強く、その前段階症状と考えられている日光角化症なども含めると、基底細胞がんよりも発生頻度は高くなります」
 
 ――発症の最大の原因はやはり紫外線ですか。
 
 「皮膚がんは、紫外線から皮膚を守るメラニン色素が少ない白人に圧倒的に多く、黒人に少ないことや、皮膚がん細胞の遺伝子異常の研究からも、紫外線は最も重要な発症原因のひとつとされています。
 しかし、紫外線のほか、慢性的な外部からの刺激なども発症の引き金になると考えられています。日本人で最もメラノーマができやすい足の裏は、様々な刺激を受けやすい場所です。また有棘細胞がんが、深いやけどや外傷の跡に発症することも知られています」
 
 ――自分ですぐに見つけられるでしょうか。
 
 「皮膚表面にできるので、早くから症状に気づきますが、進行が遅いものも多く、ただのホクロや湿疹(しっしん)と思って、受診が遅れがちです。気になったら放置せず、皮膚科を受診すべきです。ただ、早期の病変は診断が難しい例もありますので、大学病院やがん専門病院など、皮膚がん専門の皮膚科医がいる病院が望ましいです」
 
 ――治療はどのように行われていますか。
 
 「基本は切除手術で、ほとんどの皮膚がんは、表層にとどまる早期段階なら切除のみで治ります。近年は、拡大鏡を使った診断法ダーモスコピーや、リンパ節への転移の有無を確認するセンチネルリンパ節生検などの技術が進歩し、不要な手術を避けたり、切除範囲を縮小したりできるようになってきました。日本皮膚悪性腫瘍学会で主な皮膚がん4種の診療指針を作成し、学会のホームページ(http://www.skincancer.jp/index.html)に掲載しています。
 一方、転移した場合は抗がん剤や放射線などによる治療を行い、有棘細胞がんなどでは効果が期待できますが、メラノーマでは良い治療成績は得られていません。早期の診断と治療が大切なことは今も変わりません」(藤田勝)
 

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2008/10/27 皮膚がん しみる陰部 パジェット病 YOMIURI ONLINEより転載

皮膚がん
 
 
 
しみる陰部 パジェット病
 
2008年10月20日  読売新聞)
 

 
 皮膚がんは体表面にできるため、異常に早く気づくことが多いが、陰部にできやすいため、見逃しやすいのが「乳房外パジェット病」だ。
 東京都内のC子さん(73)は16年前、トイレに行くたびに陰部がしみるようになった。人に見せたくないため、病院に行く気にはならなかった。自宅の外用薬を塗ってみたが治らず、しみる感じは一層強くなった。
 自分では患部が見づらいため、夫に見てもらうと、ブツブツした赤い湿疹(しっしん)のようなものがあった。思い切って近くの病院に行くと、皮膚組織の一部を切って調べる検査が行われ、「がんの一種」と診断された。虎の門病院(東京・港区)皮膚科を紹介され、乳房外パジェット病と説明を受けた。
 乳房外パジェット病は高齢者に多く、男女比は2対1。陰部やわきなど、アポクリン腺と呼ばれる汗腺が集中する場所に発症しやすい。患部は、通常のただれやシミのような外観だ。色は赤や茶のほか、脱色している場合もある。見た目からは、がんのような特別な病気とは気づきにくい。
 同院皮膚科部長の大原国章さんは「他人に見せたくないので、最初はインキンタムシなどと思って、自分で薬を塗っているが、どうしても治らず、医者に行く人が多い」と話す。
 他の皮膚がん同様、治療は切除が基本。面積が広くても表皮内にとどまっていれば切除で完治する。しかし、表皮の下の真皮に達すると転移する。陰部の場合は、まず恥骨近くのリンパ節、次に足の付け根のリンパ節、さらに腹部に広がっていく。
 大原さんが200人以上治療成績を調べたところ、1か所の転移ならがんを取り切れるが、2か所以上だと難しい。放射線や抗がん剤を使うしかないが、経過は思わしくない。
 最近の進歩は、乳がんやメラノーマで、切除範囲を狭くするために行われている「センチネルリンパ節生検」の導入だ。がんはリンパ管を通って、他の臓器などに転移していく。手術前に、患部から色素を入れて、がん細胞が最初に到達するリンパ節を特定する。その組織を採取して、転移の有無を調べ、転移がなければリンパ節は摘出しない。リンパ節切除の必要性を判断できるようになり、手術による後遺症を減らせるようになった。
 C子さんの場合、幸いに転移はなく、患部の皮膚を切除し、太ももの皮膚を移植した。「もう少し遅かったら、転移していたかもしれない。手術後5年くらいは再発が心配だったが、今は不安はない」と話す。
 皮膚がんは、ほかの疾患と見た目では区別が難しいので、気になる異常があったら、専門の医療機関を受診したい。
 

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2008/10/25 皮膚がん 赤い発疹 実はリンパ腫 YOMIURI ONLINEより転載

皮膚がん
 
 
 
赤い発疹 実はリンパ腫
 
2008年10月17日  読売新聞)
 

全身に紫外線を照射する装置と菅谷さん(東大病院で)
 東京都内のC子さん(66)の手や足に、赤い発疹(ほっしん)ができ始めたのは7年前のこと。「はれもかゆみもなかった」と話す。
 2年後、心配になって近くの病院の皮膚科を受診した。炎症を抑える錠剤を服用すると一時的に症状が消えたが、再び悪化し、以前よりもひどくなった。そのうち、左足のふくらはぎに、うずらの卵程度の大きさの赤いふくらみができた。
 ふくらみの一部を取り、組織を調べてもらった。その結果、医師から入院を勧められ、入院手続き用の書類に「悪性リンパ腫の疑い」とあることに目に留めた。「亡くなった芸能人もいたと思って、足がガタガタふるえた」
 悪性リンパ腫は、血液に含まれる白血球の一種であるリンパ球のがん。リンパ節が腫れるのが普通だが、皮膚組織に入り込んで増殖することがある。「皮膚悪性リンパ腫」という。
 新規患者数が年間約400人とまれな病気で、半数近くは、発疹ができるだけで、がんとは言っても寿命に影響はしない。だが、患者の十数%は数年で亡くなる。がん細胞の増殖を抑える作用がある紫外線照射を主体とした治療を行う。
 C子さんは、東大病院皮膚科で詳しく検査を受け、発疹だけではなく、腫瘍(しゅよう)ができやすいタイプとわかった。定期的な紫外線照射に加え、腫瘍ができた場合は、より強い効果がある放射線治療を行う。
 C子さんは、顔や尻、かかと、ひじなどに計6回、入院や通院で放射線治療を受け、2週間に1回、紫外線照射を続けている。紫外線や放射線は、がん細胞を殺すと同時に、皮膚組織の中で、がん細胞を誘引したり、増やす原因となる物質を減らす効果があると考えられている。
 担当医の菅谷誠さんは「原因のリンパ球は体内に潜むため、完治は難しい。良好な状態を維持するのが治療の狙い」と言う。
 C子さんは、「完治しないと聞き、落ち込んだこともあるが、今は大丈夫」と語り、幸い治療が良く効いており、症状は抑えられている。
 皮膚悪性リンパ腫は、見た目がアトピー性皮膚炎と似ており、組織を調べないと診断できない。もし、アトピーと誤診して免疫抑制剤を使うと、がん細胞を殺す免疫機能を抑えるため、リンパ腫は悪化してしまう。
 菅谷さんは「検査目的で皮膚を切るのをいやがる人も多いが、疑わしい場合は積極的に検査を受けてほしい」とアドバイスする。
 

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2008/10/23 皮膚がん 顔に「イボ」手術で切除 YOMIURI ONLINEより転載

皮膚がん
 
 
 
顔に「イボ」手術で切除
 
2008年10月16日  読売新聞)
 

(上)目の上にできた基底細胞がん(下)切除後、ほとんど目立たない(竹之内さん提供)
 
 新潟市の主婦B子さん(64)は16年ほど前、鼻の右脇に黒いイボのようなものができた。5年くらいは1センチ足らずのまま変化がなかったが、その後、次第に大きくなり、3年前、かかりつけの内科医に相談した。「イボだからだいじょうぶ」の言葉に安心した。いちおう皮膚科に紹介状は書いてくれたが、行かなかった。
 「悪いものと分かれば行っていたが……。勇気もなかった。7年前に腎臓がんの手術を受け、少しのことでもおびえてしまう」
 放っておいた結果、イボは最近1年で直径約2センチにまでなり、表面がデコボコしてきた。タオルでこすると血が出ることもある。子供たちも心配し、治療を勧めた。7月末、地元の皮膚科を受診すると、すぐに新潟県立がんセンターを紹介してくれた。
 同センター皮膚科部長の竹之内辰也さんは、拡大鏡でイボを観察し、基底細胞がんと診断、「他の臓器に転移する危険は低いが、取った方がいい」と説明した。B子さんは少しほっとしたが、顔にメスが入るのが心配だった。しかし、「放っておけば骨まで穴があく」と言われて、覚悟を決めた。
 基底細胞がんは、毛の元になる毛芽ががん化したものと考えられている。皮膚がんの中で最も多く、日本人の患者は毎年10万人に5人以上。7〜8割が顔にでき、9割以上がホクロのように黒い。他の皮膚がんと違い、転移は極めてまれだ。発症原因ははっきりしないが、白人の場合は紫外線との関連が指摘されている。
 普通は切除すれば治る。高齢者など手術による負担が大きい場合は、放射線療法や凍結療法が行われている。最近、欧米では外用薬や光線を使った新しい療法が広まり、国内でも普及が期待されている。
 竹之内さんは「顔に多いので、手術後の見た目も無視できない。ホクロのようなイボの表面が崩れたり、出血したりしたなら、基底細胞がんを疑うべきだ」と話す。
 B子さんは8月中旬、局所麻酔で1時間あまりの手術を受けた。がんは皮膚の浅いところでとどまっており、皮下組織を深く切る必要はなかった。患部を中心に皮膚を丸く切除し、すぐ下の顔の皮膚を移植した。
 B子さんは「今は鼻のあたりにしびれが残っている程度だが、手術直後は、顔が内出血ではれて大変だった。気付いていたのだから、もっと早く受診すべきだった」と話している。
 

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2008/10/22 皮膚がん ホクロ似「メラノーマ」 YOMIURI ONLINEより転載

皮膚がん
 
 
 
ホクロ似「メラノーマ」
 
2008年10月15日  読売新聞)
 

拡大鏡で観察する診断法で、足の裏などのメラノーマとホクロが見分けられるようになった(信州大学病院で)
 
 長野県千曲市の主婦A子さん(63)は十数年前、夫の実家の農作業を手伝い、汚れた靴下をぬいだ時、左足の裏にうす茶色のシミを発見した。小指の付け根近くにあり、長さ2センチ弱の細長い三角形だった。「生まれつきのものかなと、あまり気にしなかった」
 5年ほどたつとホクロのように色濃くなり、気にはなったが、深刻な病気とは想像もしなかった。その後、夫の勧めもあり、2005年に近くの病院の皮膚科を受診した。最初に気づいてから10年以上経過していた。たまたま信州大学病院から来ていた若い医師に診てもらうと、すぐに詳しい検査を勧められた。
 同病院皮膚科では、拡大鏡で患部を観察するダーモスコピーと呼ばれる診断法で、「メラノーマ」(悪性黒色腫)が疑われた。周囲1〜2ミリの範囲を摘出し、検査の結果、メラノーマと確認された。ただ、皮膚表面にとどまる早期で、転移の心配はないと判定された。念のため、さらに4〜5ミリ広く切除して完治した。
 メラノーマは、紫外線から皮膚を守る色素を作る細胞メラノサイトが、がん細胞になって生じる。日本人の患者は毎年、人口10万人に2人程度で、発症部位は手足に多く、特に足の裏が30%を占める。転移しやすく、進行すると有効な治療法がない。最も恐れられているがんの一つだ。A子さんは「治療後に怖さを周りに教えられた」と言う。
 発症原因について、同大医学部皮膚科教授の斎田俊明さんは「手のひらや足裏は白いが、メラノサイトは色素を作らない状態で存在している。そこに、けがなどの外的刺激が引き金になり、がんになると推測される」と話す。
 患部の面積が広くても表層内にとどまる段階なら、周囲3〜5ミリ離して切れば完治する。しかし、厚さが4ミリ以上になると転移の危険性が高くなる。
 早期はホクロに似ており、以前は少し疑わしいと切除していた。しかし、斎田さんらが1990年代前半にダーモスコピーにより、ホクロとメラノーマの違いを世界に先駆けて発見し、不要な手術は避けられるようになった。手のひらや足裏には指紋に相当する凹凸があり、メラノーマは丘が黒く、ホクロは溝が黒いという違いがあるからだ。この診断法は06年に保険適用された。
 斎田さんは、メラノーマの外観の特徴として、〈1〉大きさが7ミリ以上〈2〉形が不規則〈3〉色に濃淡差がある――などを挙げる。「気になったら、大学病院やがんの専門病院などを受診してください」と話す。
 

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2008/10/20 皮膚がん 直径1センチ いびつな赤み YOMIURI ONLINEより転載

皮膚がん
 
 
 
直径1センチ いびつな赤み
 
2008年10月13日  読売新聞)
 

自宅でゴルフのクラブを振る荒川さん。耳の皮膚がんの手術をしてから、紫外線には注意するようになった

 東京都狛江市の荒川敏雄さん(74)は8年ほど前、右の耳たぶに小豆粒大のしもやけのようなしこりができた。入浴時、やわらかくなったしこりの表面のかさぶたを取ると、血は出ないが真っ赤になる。痛みやかゆみはなかった。
 3年後、かかりつけの診療所で、近くの大学病院を紹介された。皮膚がんが疑われ、少し皮膚を切って調べると、表皮の中間層にある有棘(ゆうきょく)細胞のがんとわかった。
 この「有棘細胞がん」と「メラノーマ(悪性黒色腫)」「基底細胞がん」が三大皮膚がんとされる。高齢化とともに増えているが、皮膚がん全体でも患者数は年間約8000人と、少ないがんだ。
 有棘細胞がんは、ただれた肉のかたまりのように見えたり、初期には湿疹(しっしん)や治りにくい傷にも見えたりし、「赤い皮膚がん」と言われる。紫外線が関係しているが、やけどや外傷跡などにもできやすい。一方、他の二つは黒っぽい。
 荒川さんの場合、幸いに他への転移はなかったが、耳は丸ごと取り、あばら骨の軟骨で耳の形を作る、という手術の説明に驚いた。いったんは耳を失う覚悟をしたが、会社の同僚に勧められて、国立がんセンター皮膚科を受診、「なるべく耳を残したい」と相談すると、引き受けてくれた。
 同センター皮膚科医長の山崎直也さんは「顔や手の甲などに直径1センチ程度のいびつな赤みができて、出血が続いたり、かさぶたがとれても治らなかったりした場合は、有棘細胞がんの可能性がある」と話す。
 荒川さんは定年退職まで毎日、ダムの調査設計会社の営業担当として全国の山間部の工事現場を駆け回っていた。「車を運転して移動することも多くて、腕や顔が日焼けしてシミも多かった」と振り返る。
 治療の基本は切除手術。山崎さんは「皮膚がんは目につきやすいが、放置してリンパ節に転移すると、有棘細胞がんの5年生存率は4割台と低い。唇など手術で切れない場所や、手術の負担が大き過ぎる患者には放射線も有効」と話す。
 荒川さんの場合、根治に必要な最小限の範囲を切り、病理検査でがんを取り切れたことが確認できた。右耳は少し小さくなったが、左耳と比べないと分からない。今も3か月に1回通院するが、再発の兆候はない。定年後の趣味は月2〜3回のゴルフで、「帽子と日焼け止めで紫外線には気をつけている」と笑顔で話す。
 

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月別

わが街  京都  ドクター ご紹介 - http://kanja.ds-pharma.jp/health/yotsu/doctor/078/index.htmlから転載
ドクターからのメッセージ
患者さん一人ひとりに合った治療を目指して
近畿京都府京都市
ひろしまクリニック 院長
廣島 芳城 先生
ひろしまクリニックについてはこちら
 腰痛の発生頻度や原因について教えてください。
上半身の重さは体重の約70%といわれています。その重さを支えているのが腰椎です。腰椎には椎体という骨の部分と椎間板という骨と骨の間に入っている部分があります。椎体は機械的な負荷により変形が進行し、また骨粗鬆症の進行とともに脆くなっていきます。椎間板も年齢とともに変性していきます。驚くことにこの変性は10歳の子供たちのすでに9%に起こっていると報告されています。治療を要する腰痛の発生頻度の調査では20歳代以上の年齢層ではほぼ同じくらい(40〜65%)で発生していることが報告されています。このような背景から近年、腰痛はもっとも有訴率が高い疾患になっています。大半の腰痛は数日間で治りますが、臀部痛や下肢痛を伴う腰痛は専門的な治療が必要になる場合も多いので注意しましょう。
 高齢者の下肢痛を伴う腰痛の多くは腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)という病気です。また激しい腰痛の場合、脊椎圧迫骨折のほか、非常にまれですが背骨の感染症(化膿性椎間板炎など)があります。免疫力が低下している方、糖尿病、ステロイドを内服中の方が罹りやすいので、患者さんは診察の時に既往歴や飲んでいる薬剤についても必ず医師に伝えていただきたいと思います。
 腰部脊柱管狭窄症の手術について教えてください。
最近では内視鏡を使った手術も増えてきました。内視鏡手術は患部が明るく拡大されて安全に行えることに加えて小さな傷と手術中の筋肉の損傷が少ない(低侵襲)ため早期に社会復帰できるという利点があります。しかしすべての方に内視鏡手術がよいという訳ではありません。狭窄箇所が多数ある場合などは内視鏡手術では従来の手術と比べて時間が長くなることもあり、心臓や肺などの病気であまり体力がない方などにとっては、総合的に考えて低侵襲とはいえないからです。どのような手術方法がその患者さんにとっていいのか、医師がメリットだけでなくデメリットについても説明しますので納得したうえで選択していただきたいです。
 腰痛の患者さんを診察するにあたってどのようなことを感じていらっしゃいますか?
腰痛の治療には画一的なものはありません。患者さんの病態がまったく同じものがないことは勿論のこと、治療には患者さんの社会的背景や満足度などを考慮することが必要だからです。
 いままで急性腰痛と慢性腰痛の違いはその罹患期間の違いと考えられてきましたが、近年、functional MRIを用いた研究が進み、痛みを感じたとき脳のどの部分が活動しているかわかるようになってきました。様々な研究報告によれば、慢性腰痛は急性腰痛と単に病気の期間の違いではなく、患者さんの心理社会的要因がかかわっている可能性が示されています。事実そうであれば、たとえ外傷で起こった急性腰痛も心理的な要因で慢性期に移行していく可能性があります。そうするとお医者さんと患者さんの関係は大変重要になります。お医者さんが患者さんを励まし、勇気づけ、また、安心感を与えることによって、急性腰痛が慢性に移行することを防ぐことができるかもしれないからです。利害得失の説明や、個人的、社会的背景を考慮した治療方法の提示。そして、患者さんのQOLや満足度の重視。この三つをもって、患者さんの価値観を尊重し、個人個人に合う治療法を提示するというのが、今一番求められていることなのではないかと感じています。





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ドクターからのメッセージ
放っておいて大丈夫?その痛み、そのしびれ
近畿京都市東山区
京都第一赤十字病院整形外科 副部長
大澤 透 先生
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 立つ、歩く・・・このような生活の基本というべき動作に支障を感じることはありませんか?
生活に影響をおよぼす腰痛疾患として、ぎっくり腰、ヘルニアなどをよく耳にしますが、とくに高齢の方に多い「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」という疾患もあります。あまり知られていませんが、加齢現象の1つとして腰骨(腰椎)が変性したために周辺の神経が圧迫され、立つ・歩くなどの負荷に伴って、いわゆる坐骨神経痛と言われるお尻から太腿の後ろ側にかけた痛みや、つっぱり感、しびれなどが起こるものです。長い距離が歩けなくなり、重症の場合は100mでも困難になりますが、しばらく前かがみで休むと再び歩けるようになるという「間欠跛行(かんけつはこう)」も特徴的な症状の一つです。
 年を重ねることで、腰椎の変性が起こる方もあれば起こらない方もあり、変性したからといって必ず症状があらわれるとも限りません。腰部脊柱管狭窄症が進行した場合、もっとも典型的にあらわれる症状は残尿感ひいては失禁などの膀胱直腸障害ですが、このように重症化する方もあれば、慢性的な症状に悩みながら一生付き合っていく方、あるいは急激な痛みのピークを過ぎた後に沈静化する方もあり、全ては人それぞれです。しかし、症状が進行し始めると一気に悪くなり始めるポイントがあり、やがては脱力感や麻痺などが起こります。
 症状のあらわれ方は千差万別ですが、50代以上で思い当たる症状のある方は、適切な治療を受けることで改善する可能性が十分あります。よほど重症化していない限り、治療は血流改善剤や鎮痛剤などの内服薬と、コルセットや運動、牽引などの理学的な施術を併用する保存療法が効を奏します。さらに急性期の痛みにはブロック麻酔を数回行い、それでも患者さんが満足を得られる結果にならなければ手術を検討するというように、治療は段階的に効果を確かめながら進みます。
 手術では、100%とまではいきませんが、痛みの症状を中心に6〜7割の改善は見られます。ただし、一度傷ついた神経の細胞は元に戻らないため、進行していればしているほど残る症状も多く、程度も大きくなります。しかし、手術そのものの危険は少なく、方法も確立されているため、高齢であることを理由に手術を避ける必要はありません。
 現在は、ただ寿命を長くすることよりも、すこやかに過ごせる寿命―「健康寿命」を延ばすことの大切さが言われています。腰部脊柱管狭窄症など腰痛を伴う病気は命にかかわるものではありませんが、その症状によって、立つ・歩くなど生活の基本的な動作をはじめ、仕事や趣味などの活動にも大きな影響がおよびます。好きなことが好きなようにできることは、生活に満足感を得るための大切な要素ですが、腰痛によって動作や活動に制限が生じると、生活の満足感が損なわれる可能性があります。しかしそのとき、症状に合わせて活動の幅をせばめてしまうか、今の生活に合わせられるように症状を改善するかはあなた次第です。従来は50〜60歳の方が多かった腰部脊柱管狭窄症の患者さんですが、最近は70代、80代の方も大勢おられます。とくに高齢の方でも元気な方、元気だからこそ「腰痛を治してもっと動きたい」と思う方が、病院を受診されています。また、日頃から活発に出歩いているからこそ、不調にも早く気付くことができるのでしょう。
 元気に動けるときはどんどん動き、立ったり歩いたりといった基本動作に支障があらわれたとき、あるいは1カ月以上原因の思い当たらない腰痛に悩んでいるときは、自己判断で放置しないでください。足腰の痛み・しびれを起こす病気には血管の病気も含まれます。それを鑑別するためにも、ぜひ整形外科を受診してください。



ドクターからのメッセージ
腰痛のさまざまな対処法をアドバイスします
近畿京都府京都市
京都市立病院 整形外科
田中 真砂史(たなか まさし) 先生
自己診断で治療を始める前に、腰痛の原因を正確に診断することが大切です
最近は鍼治療の研究も進んできたので、まず接骨院や鍼灸治療に行かれる腰痛の患者さんも少なくないようです。患者さんにとっては痛みが取れればよいわけですから、比較的入りやすい窓口に行かれる気持ちはよく分かります。
しかし、これらの治療を長く受けていた後、整形外科に回ってきた患者さんのなかには、がんの転移が腰痛の原因だったケースもあります。腰痛は骨や関節など運動器の障害だけでなく、がんや感染症、内臓疾患や心理面から起こるものなど、さまざまな原因によって起こることを知っておいてください。
私は、西洋医学(整形外科)と東洋医学(鍼治療など)のどちらの窓口から慢性の腰痛の治療に入っても構わないと思っていますが、腰痛の原因を検査しておく必要があります。そこで、一度は整形外科で正確な診断をしておけば、安心して腰痛の治療を続けられるのではないでしょうか。
腰部脊柱管狭窄症の治療法には、さまざまな選択肢があります
腰痛の原因疾患のなかでも、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)は60〜70歳代によくみられる疾患です。腰部脊柱管狭窄症は、下肢のしびれ感や痛み、間欠性跛行(かんけつせいはこう)(しびれや痛みが出てきて休み休みでないと歩き続けられなくなる状態)が特徴です。いずれも、生活を送るうえでの大きな障害となります。間欠性跛行は閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)のような足の血管の動脈硬化でも同じように起こるため、このような患者さんに下肢の動脈硬化の状態を測定することもあります。また、下肢痛は糖尿病による末梢神経障害でも起こります。そこで、見た目は腰部脊柱管狭窄症のような症状であっても、他の原因で起こった症状かどうかを詳しく診断する必要があります。
腰部脊柱管狭窄症を含めて慢性腰痛の約5割は薬物治療で改善し、3〜4割はブロック注射で痛みが取れています。整形外科を受診すると「すぐに手術」と心配される患者さんもいるようですが、保存的な治療から開始し、患者さんと相談して手術の必要な人には手術をお勧めします。
腰部脊柱管狭窄症の治療は、まずは血流を改善するプロスタグランジンE1(PGE1)製剤や筋弛緩薬の内服から始めます。とくに、PGE1製剤は間欠性跛行の改善が期待でき、服用し始めてから2〜3週間で「長く歩けるようになった」など、患者さん自身で効果を実感することができます。胃潰瘍などの副作用を予防するため、消炎鎮痛剤は痛みが強いときだけ服用してもらうようにしています。これらの薬物治療を1か月ほど試し、症状が改善していればこのまま続けるか、内服量を減らしていき、内服を中止する方向へもって行きます。
薬物治療で改善がみられない患者さんには薬物治療に加えて理学療法(牽引や温熱療法など)、神経ブロック(仙骨硬膜外ブロックや神経根ブロック)、あるいはトリガーポイント注射などを行います。
治療法の選択肢は、腰痛の原因によってさまざまです。医師と相談して適切な治療に取り組んでください。


腰痛 ― 予防体操 ―
(10)予防体操まとめ 8ポーズ1日2回理想
2007年9月7日 読売新聞)

 今回は最終回。腰痛予防に効果的と思われる動きを、一連の流れに組み込んだ体操を紹介する。これまで紹介した動きも入っている。時間に余裕のあるときなどに試してほしい。それぞれの動きを各10回行う。
 〈1〉床に寝て、ひざを軽く曲げ、背中で床を押すように、おなかに力を入れる。
 〈2〉続いて、同じ姿勢から腰を浮かせる。頭や肩、足の裏を床につけておくのがポイント。
 〈3〉同じ姿勢で、片ひざを胸に引きつけ、お尻などの筋肉を伸ばす。左右交互に。
 〈4〉両ひざを抱え、ひざに頭を近づけるように体を丸め、背中の筋肉を伸ばす。
 〈5〉もう一度寝ころび、片足ずつ、ひざを伸ばしたまま、できるだけ高く上げる。つま先を上げるようにして、アキレスけんも含め、足の後ろ側全体を伸ばす。
 〈6〉両ひざを曲げて寝ころび、へそをのぞき込むように、両肩を持ち上げる。腹筋に力を入れるのが狙い。
 〈7〉四つんばいになって、足を片方ずつ上げ、まっすぐ伸ばす。お尻の筋肉を鍛えるのが狙い。腰を反らしたり、ひねったりしないよう注意する。
 〈8〉イスに座って、足を開き、上体を前にかがめ、背中の筋肉を伸ばす。
 この一連の体操を、1日2回できれば理想的だ。(埼玉医大整形外科准教授・白土修さん監修)