2009/7/5 シラミ:正しい知識知り、正しく予防 枕など共用しない/月1回は頭髪点検 毎日jpより転載
シラミ:正しい知識知り、正しく予防 枕など共用しない/月1回は頭髪点検
毎日新聞 2009年7月5日 東京朝刊
保育所や幼稚園、小学校でプールが始まった。子どもの頭髪に寄生するシラミが気になる保護者も多いが、感染ルートなどについては誤解もある。予防のためには正しい知識を身につける必要がある。【中西拓司】
◇×「プールの水で」「不潔のせい」/〇衣類、頭の接触で感染
シラミのうち、小学生以下の子どもの頭髪に寄生して血を吸うのは主にアタマジラミだ。かゆみが出るが、戦中戦後にはやったコロモジラミと異なり、病気を運ぶことはまずない。保育所などの集団生活で発生するケースが多いが、「プールの水を経由して寄生する」というのは誤解だという。
長年、アタマジラミの相談を受けてきた東京都豊島区池袋保健所の矢口昇さん(環境衛生担当)は「プールの水を経由して感染することはない。むしろ、ロッカーやかごの中で、脱いだ衣類を通じて感染する可能性がある。衣類は個別の袋に入れるなどして管理する必要がある」と指摘する。
帽子やブラシを貸し借りしたり、枕や布団、シーツなどを共用した場合も感染の恐れがある。また、子ども同士が固まってマンガを読んだり、ゲームをするような場面も要注意だ。清潔にしていても、感染する可能性は十分ある。
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寄生したアタマジラミはどうやって見つけるのだろうか。「鈴の木こどもクリニック」(東京都品川区)の鈴木博院長は「アタマジラミはうなじや側頭部(耳の上周辺)に寄生しやすい。そこを中心にチェックしてください」とアドバイスする。
アタマジラミの卵は髪の毛にしっかり張り付いている。フケのようなものがついていたら、髪を払って落とすが、それでも取れずに残っているようなら卵の疑いがある。卵は約0・5ミリなので見つけにくいが、目を凝らせば「涙のしずく」のような形をして髪にへばりついているのが見える。シラミの親も卵の周辺にいる可能性が高いという。親は2〜3ミリなので比較的見つけやすい。感染した子どもに兄弟や姉妹がいる場合は、全員の頭髪をチェックする必要がある。
駆除の手っ取り早い方法は、殺虫剤のスミスリンを含んだ市販のシャンプーを使用し、目の細かいシラミ対策用のクシですきとること。矢口さんは「家にあるベビーオイルやリンスを使う方法もある。普通のクシでも、斜め向きにすきとれば効果がある」と語る。普段からのケアも大切だ。小学生程度なら、スキンシップを兼ねて月に1、2回、頭髪をチェックする機会を作るのもいい方法だという。
◇増加の背景に親の知識不足
東京都環境衛生課のまとめによると、アタマジラミに関する相談件数は07年度に過去最高の1935件に達したが、08年度はほぼ半減した。同年に啓発用のパンフレットを配布したことが奏功したという。
祖父母世代と異なり、親世代にシラミの知識が乏しいことも、近年の増加傾向の一因とみられている。
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2009/7/2 やってみよう! 太極拳で筋力アップ! YOMIURI ONLINEより転載
(2009年7月2日 読売新聞)
太極拳と言えば、ゆったりとした独特の動きが印象的だ。本格的なのは、ちょっと難しそうだけど……。
動きゆったり
太極拳のポーズを披露するタレントの椿姫彩葉さん=栗原怜里撮影
まっすぐに立ち、片足を1歩後ろに引いて、ゆっくりと重心を移動させる。両手はまるで空気を包み込むかのように、体の前でふんわりと大きく円を描く。
しなやかな動きを披露してくれたのは、タレントの椿姫彩菜さん(24)。太極拳の動きを取り入れたフィットネスのDVDを4月に発売した。
太極拳はもともと武術の一種だが、老若男女問わずできる健康体操として中国で広く普及している。足の運びなど本来は24種類の細かな動きの決まり事があるが、DVDでは専門家の指導の下、「ゆったりとした動き」の基本的な部分を参考にしている。
「無理な動きがなく、体が硬い私でも大丈夫」なのがお気に入りとか。飛んだり跳ねたりする激しい動きはないが、1日5分程度で、「じんわりと汗ばむ」ぐらいが良い感じなのだそうだ。得意の格好をお願いしたところ、手のひらを前に出す攻撃のポーズ「押し手」で決めてくれた。
でもそんな緩い動きで、効果の方はどうなのだろう。福島県立医大教授(公衆衛生学)の安村誠司さんは、「ゆっくりと足を上げて重心を移動する太極拳の動きは、背骨や腰を支える筋肉を鍛える効果がある」と話す。
福島県喜多方市は、市役所に「太極拳のまち推進係」を設けるなど、太極拳を通じた健康づくりに熱を入れている。高齢者の転倒予防にと、安村さんらの監修で、「太極拳ゆったり体操」を作成した。静かな音楽に合わせ、両手を前に出して軽くひざを曲げたり、片足を前に出してかかとをつけ前かがみになったり。65歳以上の高齢者に5か月間試してもらったところ、「歩く速度が約1割アップした」と安村さんは話す。
心肺機能向上
30年近く太極拳の研究に取り組む雪谷大塚クリニック(東京・大田区)院長の雨宮隆太さんは、「ゆっくりした動きで鍛えられる筋肉には、酸素を多く取り込む働きがあるため、心肺機能を高めることができる」と解説する。
太極拳は呼吸法にも特徴がある。深く吸って長い時間をかけてゆっくりと吐き出すことで、「気持ちを落ち着かせるリラックス効果も期待できる」(雨宮さん)。同クリニックでは、太極拳をしない人にも呼吸法の効果を感じてもらおうと、月1回、「呼吸法教室」を開いている。 (利根川昌紀)
「後ろ歩き」足腰に効く
太極拳の動きを取り入れた「後ろ歩き」で足腰を鍛えよう。
〈1〉片足を上げて後ろに出し、重心は軸足に置いたまま、つま先で着地。
〈2〉軸足のひざを曲げ、後ろに出した足のかかとを地面につける。
〈3〉後ろ足にゆっくりと重心を移す〈4〉前の足を後ろに引き寄せる。
左右の足を替えて繰り返す。1歩につき5秒程度かけてゆっくり行うと良い。5分間を目安に続ける。(雨宮隆太さん監修)
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2009/6/28 “心の風邪”では片付けられないうつ病をどう乗り越えるか nifty.comより転載
“心の風邪”では片付けられないうつ病をどう乗り越えるか
2009年6月27日(土)7時30分配信 ITmediaエンタープライズ
仕事や家庭での悩みから心や体のバランスが崩れ、うつ病になってしまう人が後を絶たない。うつ病から自殺に至るケースも多いとも言われ、個人や企業にとってうつ病への取り組みは重要な課題だ。
メンタルヘルスケアを手掛けるセーフティネットの山崎敦社長は、「“心の風邪”という表現もあるが、もっと真剣に向き合うべきもの」と話す。
山崎氏は、1967〜1999年まで海上自衛隊に在席し、第6航空隊指令や下総教育群指令などを歴任したが、退官までの6年間に3人の部下を自殺で失った。「悩みを抱える人の受け皿があれば、自殺に至るケースを少しでも減らせるのではないかと考えている」と山崎氏は話し、人材会社パソナの支援を受けてセーフティネットを創業した。
セーフティネットは、約400社の企業から委託を受けて、従業員やその家族からの悩み相談に応えている。1日当たり約100件の相談が電話やメール、面談で寄せられ、50人ほどの専門家が24時間体制で受け付けている。対応する専門家は、産業カウンセラーや看護士、弁護士、警察OBなど、さまざまなキャリアを持つベテランばかりだ。
●なぜうつ病が増えるのか?
うつ病は、雇用や経済的な不安、人間関係、家庭問題、身体の変化といった悩み事を日常的に抱え込むことで発症することが多いといわれる。うつ病になる人のタイプは、真面目で責任感が強いという特徴が指摘がなされるが、山崎氏はそれらに加えて、ストレスの発散や息抜きが苦手なタイプである場合が多いという。
「スポーツをしたり、人と会話をしたりするのが苦手であり、悩み事を常に考えている状態が続いてしまう。本来は悩みとは別のことに目を向け、脳を休める機会を持つのが望ましい」と山崎氏。
また、悩みの愚痴を言いたくても言えず、愚痴を聞いてくれる環境が失われていることも、うつ病が増加の背景の一つにあるのではないかともいう。「ストレスが増えたというよりも、ストレスを解消できる場面が少ない」(山崎氏)
例えば、かつては仕事帰りに上司と部下が飲みに行くというのが職場における一つのコミュニケーションだった。「上司が部下の悩みや愚痴を聞くようで、実際には上司も愚痴をこぼす。お互いがストレスを解消できる機会だった」(山崎氏)
また核家族化や集合住宅に暮らす人が増え、近隣住民と顔を合わせる機会も少なくなった。以前であれば、ちょっとした井戸端会議での雑談や愚痴がストレス発散の場になっていた。「こうした人間関係はわずらわしいと感じつつも、お互いにストレスを発散、吸収する仕組みとして機能していたと思う。個人的には残念に思う」(山崎氏)
●社員の悩みは会社のリスク
近年、相談が増えている業種がIT関連や製造である。IT関連企業ではプロジェクトのカットオーバーに対する周囲の圧力や、他社に常駐していることで人間関係が希薄になってしまうことなどが引き金となり、うつ病に至ってしまうケースが多いという。
「予算や納期に追われることで自責の念に駆られたり、仕事自体にのめり込んでしまったりする人も多い。深夜遅くまで働くなど長時間労働が続くだけでなく、帰宅してもインターネットやゲームを楽しむ人も多いため、体を休める時間がまったくないようだ」と山崎氏。
製造系企業の50代の幹部社員は、部下の指導方法について悩みを抱えていたという。かつては先輩社員の技を盗んで体得せよという指導方針だったが、自身が指導する立場になると若い後輩社員がついてこない。その結果、休職を余儀なくされるほどの深刻な事態になってしまった。
うつ病にまで至ってしまった場合、山崎氏は本人ばかりではなく、家族や同僚、企業の人事担当者までも巻き込んでしまうケースが多いと指摘する。周囲の人間も本人に対してどのように接すべきかについて悩み、常に気をつかってしまう。「特に人事担当者は本人の復帰後も含めて対応しなくてはならず、大きな負担を抱えてしまう。人事担当者もうつ病になってしまい、休職してしまうケースもある」(山崎氏)
うつ病を軽い病気だと安易にとらえる企業経営者も多く、適切な対応を取らなければ悩みを抱える社員を自殺に追い込む危険もある。その結果、悩みの原因が職場であれば企業には安全管理義務の責任を問われてしまう。遺族が労災認定を求めて訴訟に起こす事例も多く、企業側の責任が適切に果たされていないことが明確になり、多額の補償金を支払うケースも多い。
こうした状況を受けて、近年は大企業を中心に産業カウンセラーを配置するケースも増えつつある。しかし、相談者が「人事考課に影響するのではないかと懸念したり、相談内容によって適切なアドバイスができなかったりするケースもあり、十分に機能していないという課題を抱える。
同社でも当初は相談者のプロフィールを確認していたが、会社に報告されるのではないかという懸念に配慮して、相談者が明らかにするまで尋ねない。相談内容は企業経営や犯罪を助長するようなものを除いて制限しておらず、可能な限りアドバイスや解決手段を提供するようにしているという。
例えば従業員の家族から「子供のオムツはどの製品がいいか」という相談もあった。母親の立場では知人に尋ねづらい悩みであるものの、同社ではそうした心配をせずに、気軽に相談できる環境を目指してしているという。
「幸いにもさまざまな人生経験を持つ人々が支援してくれるようになり、日常生活に関するものから法的に対処しなければならないものまで、さまざまな相談に答えられるようになった」(山崎氏)
寄せられた相談やアドバイスした内容は、週一回のミーティングでカウンセラー同士が共有するようにしており、対応者が異なった場合でもスムーズに相談を受けるようにしている。
●うつ病を防ぐには
企業で社員がうつ病に至らないようにするには、社員本人やその周囲が少しでも違和感を覚えたら、直ちに休養することが大事だと山崎氏。
「熟睡できない、食欲がないという日が続いたら注意すべき。すぐに仕事から離れて体や脳を休め、うつ病を予防してほしい」(山崎氏)
しかし、本人がそうした対処をできない場合もある。周囲では、例えば労働時間などを基準にして残業時間が1カ月に80時間を越えているような場合に、本人が訴えなくとも直に休ませるなどの対応が不可欠だという。
「自殺にまで至ってしまうと、必ず周囲の人間に“異変や兆候がなかったのか”“事前に気付けなかったのか”と問い詰める声がある。周囲の人も“言われれば心当たりがあったが、その時は気付けなかった”という気持ちがほとんど。自殺を防げなかったことに強く責任を感じて悩み込む人もいる」と山崎氏は話す。
うつ病は目に見える兆候が分かりづらいことから、早い段階で気持ちを切り替えられるきっかけを作ったり、相談の場を設けたりすることで、予防していくことが重要なようだ。
また、うつ病から復帰できた後にも配慮が欠かせないと山崎氏は指摘する。本人にはうつ病を再発するのではないかという不安を抱えている場合が多い。「周囲ではうつ病に対する理解が欠かせない。“前みたいに仕事ができるだろう”という上司の声などは特に危険」(山崎氏)
うつ病に至った原因を本人と周囲が共有できるようであれば、可能な範囲で改善に取り組むことや、そこまでの対応が難しい場合には本人が自分ペースを取り戻せるまで、周囲が無理のないペースで見守っていくことで、再発を防げる可能性が高まる。
「過剰な対応は、むしろ周囲にうつ病のリスクを広げる恐れがある。われわれも悩み事を根本から解決できる支援を心掛けている。1人でも多く自殺者を減らしたい」(山崎氏)
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2009/6/26 やってみよう! 間食しても太りたくない! YOMIURI ONLINEより転載
チョコにケーキにおせんべい、どれも食べたいと悩むタレントの武井咲さん=川口正峰撮影
お菓子は食べたいけど、太りたくない……。これって、女優さんでなくても、女性に共通の悩みでは。そこで食べても太らない「間食のオキテ」を探った。
めんを好む傾向
「国民的美少女」としてモデルデビューし、8月からドラマ「オトメン」への出演も決まった期待の15歳、武井咲さん。仕事を離れれば普通の高校1年生で、チョコレートにケーキと、甘いものが大好きな年頃だ。
でも、最近気になるのは雑誌に載る自分の写真。「ちょっとした体形の変化でも、すぐ表れるんです」。そこで、強い味方にご登場いただいた。「間食コントロール」の専門家、横浜創英短期大学教授の則岡孝子さん(栄養指導)だ。
まずは鋭いツッコミが。「咲ちゃんは、めん類が好きでしょう?」。形は違うが、同じ糖質類。菓子類が好きな人はめん類を好む傾向があるという。
「大好きです。特におうどんとか」。やっぱり。糖質が多いとエネルギーオーバーになるだけでなく、めん類の中でも消化がいいうどんは体脂肪として取り込まれやすい。もし菓子を食べるなら、めん類は控えたり、より硬いパスタやそばなどに切り替えたりするのがお勧めだ。
また、「ロケバスでの移動中についお菓子を食べてしまうんです」との咲さんの悩みには、「なるべく油やバターを使っていないものを食べましょう。朝食でよく食べるシリアルなどもいいですよ。チョコレートがついていたりするけれど、チョコそのものを食べるよりはずっといい」
「無意識食い」禁物
一般的な間食コントロールの6か条は以下の通り。
〈1〉甘い間食は午前中から午後3時くらいまでに→早い時間に食べると、その後にエネルギーとして消費されるし、意識してその日の食べる量を調節することもできる。
〈2〉小皿に盛って食べる→袋から直接食べると、食べた量がわからず、ついつい全部平らげてしまう危険が。
〈3〉揚げ物と甘いものを同じ日に食べない→脂肪分と糖分は体脂肪になりやすい組み合わせだ。
〈4〉洋菓子より和菓子を選ぶ→より脂肪分が少ない。
〈5〉低カロリーのシュガーレスガムを食べる→その間、ほかのものを食べずに済む。
〈6〉間食の量は1日の摂取カロリーの中で調整する→間食してもカロリーオーバーを防げばOK。
「夜は家族とおしゃべりしながらお菓子を食べてます」と咲さん。これは、むしろいい傾向だそう。「1人でテレビを見ながら、が一番悪い。食べたくもないのに『無意識食い』になってしまいます。おしゃべりしながらだと、食べる量も少なくなりますよ」
そんな優しい教授も「10代は食べても太りにくい年頃なんです。今、間食コントロールの習慣をつけないと、20歳を超えて徐々に太っていきますよ」とクギを刺す。咲さん思わず「コワイです!」。
もちろん、この間食コントロール法、幾つになっても始めるのに遅くはないですよ。(梅崎正直)
よくかんで満腹中枢刺激
よくかむことは、間食コントロールにもよい。群馬大講師の清水弘行さん(内分泌糖尿病内科)は、「かむことで、脳の視床下部にある満腹中枢に刺激が与えられ、満腹感を覚えるようになる。それにより、食欲を抑えられる可能性がある」と説明する。
英国の研究では、ガムを1回15分間、1時間おきに2度(または3度)かんだ人は、かまなかった人に比べ、その後の間食用スナックを食べた量が8%少なかった。最近は、カロリーコントロールを目的としたガムもあるので、試してみては。
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2009/6/18 やってみよう! 「ロコモ」知り 介護を予防 YOMIURI ONLINEより転載
スクワットをする「高齢者疾患研究所」の会員ら(東京・板橋区で)=小浜誓撮影
「ロコモティブシンドローム」という言葉を耳にしたことはありますか。略称はロコモ。メタボに似ているけど、ロコモってなに?
歩行などの能力
ロコモの言い出しっぺは日本整形外科学会理事長の東大教授、中村耕三さん。「介護予防の重要性をアピールするため、新しい言葉を作った」と話す。昨年から同学会ホームページで紹介している。
「ロコモティブ」とは、骨、筋肉、関節などの運動器を示す英語。「ロコモティブシンドローム」は日本語に訳せば「運動器症候群」となるが、訳を見てもピンと来ない。
中村さんの解説では、加齢に伴い、骨や筋肉、関節が弱って歩行などの移動する機能が落ちてきた状態。必ずしも「変形性ひざ関節症」「骨粗しょう症」などの疾患ではなく、移動の能力に着目した考え方だ。
「足腰が弱り、介護が必要な状態や、将来介護が必要になる危険が高い状態のこと」と説明する。介護が必要な人は一昨年に450万人を突破。2割は足腰など運動器の障害が原因となっている。
日本整形外科学会では、ロコモ判定の目安として、次の5項目を挙げる。通称「ロコチェック」だ。
〈1〉片足立ちで靴下がはけない〈2〉家の中でつまずいたり、滑ったりする〈3〉階段を上るのに手すりが必要〈4〉青信号で横断歩道を渡りきれない〈5〉15分ぐらい続けて歩けない――。一つでも当てはまったらロコモの危険がある。
足腰を強くする
同学会では「介護予防、改善のためのトレーニング『ロコトレ』(やってみよう参照)を始めよう」と呼びかける。
運動で足腰の筋肉を鍛えると、ひざなどの関節にかかる負担が減り、痛みが減る。運動で骨に適度な負荷がかかると骨粗しょう症の予防にもなるとされる。
静岡県の藤野整形外科医院院長、藤野圭司さんの調査では、ロコモに該当する65〜90歳の軽度要介護者88人に半年間、ロコトレを続けてもらったところ、42%に当たる37人の介護度が軽くなり、41%(36人)が現状を維持したという。また、ダイナミックフラミンゴ療法で転倒が減るとの報告もある。
ロコトレは自宅でできる。NPO法人「高齢者運動器疾患研究所」代表の整形外科医、石橋英明さんは「ロコモは健康な人を病人扱いし薬の服用を勧めるものではない。自主トレが基本」と話す。
おなかぽっこりのメタボは日常会話にも出るほど認知されたが、「ロコモはまだまだ。介護の問題は、本人だけでなく家族にも影響を与える。もっとがんばって広めたい」と中村さんは話す。(高橋圭史)
「片足立ち」徐々に長く
【主なロコトレ】
〈1〉ダイナミックフラミンゴ療法 要するに片足立ち。転倒しないように、何かにつかまって行う。足を高く上げる必要はない。床につかない程度で十分。左右1分間ずつが理想だが最初は15秒ぐらいから。1日3回ぐらい行いたい。
◎特に足腰が弱い人は、前に置いた机などに両手をついて行う。
〈2〉スクワット 安全のため、イスやソファの前で。つま先はかかとから30度ぐらい外に開いて。ゆっくりお尻をおろす。ひざは、痛めないために、90度以上曲げない。また、曲げたときにひざがつま先より前に出ないようにする。
深呼吸するペースで5、6回。1日3度ぐらい行いたい。
◎足腰が弱い人は、イスに腰掛け、前に置いた机などに手をついて、ゆっくり立ち上がる。立ち上がる力のない人は、腰を浮かそうとするだけでもよい。
ロコトレは上記二つに限らない。ウオーキング、ラジオ体操など、無理のない範囲の運動はお勧め。 (東大教授・中村耕三さん監修)
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2009/6/12 やってみよう! 牛乳で栄養 食費も節約 YOMIURI ONLINEより転載
牛乳って、成分無調整とか、低脂肪とか、いろんな表示を見かける。そもそも牛乳は体にいいの?
冷蔵庫にいつも
サッカー元日本代表の北沢豪さん(40)の家族は、大の牛乳好きだ。自宅の冷蔵庫には、1リットル入りの牛乳パックが2本、必ず入っており、中1の長男から5歳の長女まで、3人の子どももごくごく飲んでいる。
北沢さん自身は、朝晩1杯ずつ。「寝る前に飲むと、お通じもよくなる感じがするんです」と笑う。
北沢さんは幼いころ、牛乳が苦手だった。ところが、小学1年でサッカーを始めると、勧められて牛乳を飲むほど、なぜか技術も上達していくのを実感したそうだ。けがをしても、牛乳を飲むことで回復が早まるような気さえした。
現在は週4日、東京・世田谷区などでサッカー教室を開いており、少年たちには、「よく練習し、よく食べる。そして、よく寝ること」に加えて、体験談を交えながら牛乳を飲むよう助言している。
牛乳の栄養効果は、成長期の子どもに限らない。一緒にゴルフを楽しむこともある父親(67)は、プレー後のクラブハウスで、ビールではなく、牛乳を注文する。北沢さんは「父も昔から牛乳を飲む。元気なのは、やはり、体にいいからでは」と感じている。
カルシウム摂取
女子栄養大教授の上西一弘さんは「冷蔵庫に牛乳のある家庭は、食生活全体のバランスが取れていることが多い」と話す。牛乳なら、日本人に不足しがちなカルシウムを効果的に摂取できるのが一番の特徴という。
コップ1杯(200ミリ・リットル)のカルシウム量は227ミリ・グラム。牛乳のカルシウムの吸収率は、小魚や緑黄色野菜などより高く、「特に骨量が最大になる20歳前後までに、多く摂取すると丈夫な骨ができあがります」とも強調する。
「牛乳を飲めば太る」という誤解が一部に広がってもいるが、上西さんは女子学生らに、折に触れては牛乳の効果を説いて、飲用を勧めている。
ただし、「牛乳を飲んだら腹具合がおかしくなる」という人もいる。日本人には結構多い体質といわれ、それを嫌って、牛乳を口にしない人も多い。上西さんは「温めた牛乳を少しずつ飲んで慣れていくのもいいし、ヨーグルトやチーズなどの乳製品で代替してもいいでしょう」とアドバイスする。
牛乳の効果は、栄養コストの点からも注目されている。
管理栄養士の小山浩子さんによると、厚生労働省の栄養摂取基準を満たすような食事を作る場合、メニューに牛乳を1本加えるだけで、それに見合う栄養を持つ材料を買いそろえるより、全体で1割程度安くなるという。「料理教室では、簡単でおいしく、しかも節約できる料理に関心を持つ人が増えている。牛乳を使えば、栄養バランスを保ちつつ、食費も抑えられるわけです」とアピールする。
牛乳は、ウイルスの侵入を抑えたり、ウイルスと闘うリンパ球を増やして免疫力を高めたりする効果のほか、便秘や不眠の悩みを緩和することも知られている。(内田健司)
種類様々 比べて
原材料が生乳100%の商品だけが「牛乳」と表示されている。それ以外は、加工乳や乳飲料に分類され、コーヒーやイチゴ風味のものは、乳飲料に該当する。「毎日骨太」「明治ラブ」「森永カルシウムの達人」などの商品も、牛乳ではなく乳飲料だ。
コレステロールが気になる人には、脂肪の少ないものがお薦め。カロリーは低いものの、たんぱく質やカルシウム量には差がないからだ。成分調整牛乳のうち、乳脂肪0.5〜1.5%が「低脂肪牛乳」、0.5%未満が「無脂肪牛乳」になる。
飲み比べて自分にあった牛乳を探し出すのもおもしろい。
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2009/6/6 「傾聴」が元気引き出す 聞き上手というボランティア YOMIURI ONLINEより転載
「傾聴」が元気引き出す
聞き上手というボランティア
(2009年6月5日 読売新聞)
カウンセリングの手法を身につけ、お年寄りの話を聴く「傾聴ボランティア」が根付いてきた。同じ世代の人の話に耳を傾ける高齢者のボランティアを養成する講座も盛況だ。話を聴いてもらうことで生きる意欲がわく。ボランティアを行う側も充実感が得られる。
千葉県船橋市の傾聴ボランティアグループ「みみずく」には約250人が登録、施設や個人宅を訪れ、さみしさや悩みを抱えた高齢者の話し相手となる活動を続けている。船橋市福祉サービス公社が7年前から、60歳以上を対象に養成講座を開いており、登録しているのはその修了生。
飯塚加津子さん(69)もそのひとり。月2回、特別養護老人ホームをボランティア仲間と訪問している。テーブルでくつろぐ高齢者から一人一人、話を聴く。同じ話を繰り返す人も多いが、その点を指摘することはせず、穏やかに聴く。「なかなか話をしてくれなかった人がある日、生き生きと話してくれることもある。やりがいを感じます」
「みみずく」には、「親の介護をきっかけに福祉に興味を持った」「地域に貢献したい」「人と接するのが好き」など様々な動機の人が集まっている。養成講座では、40時間かけ、高齢者の心理、カウンセリング手法などを学ぶ。毎年、定員を上回る応募があるという。
日本では約10年前にボランティア養成などが始まった。日本での活動の草分け的存在であるNPO法人「ホールファミリーケア協会」理事長の鈴木絹英さんは「人は話を聴いてもらうことで、自分が認められたと感じることができる。生きる意欲も高まる。ただ、話を聴くことには、技術も必要」と話す。
基本は、話を聴く相手の尊厳を大切にすること。寝たきりであっても、認知症であっても、人生の先輩として敬う気持ちを忘れない。そして、相手を否定せずに、聴くことに徹する。今の生活に対する愚痴、他人の悪口などを口にすることも多いが、「おつらいんですね」などと気持ちを受け止めることが重要。安易に励まさないなど、注意すべき点もある=表参照。
一方、傾聴ボランティアを行う側の高齢者にとっても、利点はある。社会に貢献しているという充実感が得られたり、ボランティア仲間ができたりするからだ。船橋市でボランティアを行う男性(73)は「自分の考えを押しつけず、相手を理解しようとする態度が身につく。自分が変わったと感じる」と話す。
受講に特別な資格は必要ないが、論文などの事前審査がある場合も。講座は、ホールファミリーケア協会など民間団体のほか、社会福祉協議会などが開いている。広報紙などで告知している。
傾聴する時の注意点
・話の途中で口を挟まない。質問されない限り、自分の経験を話すことは控える。
・「元気を出して下さい」「きっとだいじょうぶですよ」などの安易な励ましや根拠のないなぐさめは逆効果。辛抱強く話を聴く。
・「(家族などと)話し合ってみたら」というアドバイスは控える。出来るなら、すでにそうしているはず。聴いているうちに、相手が「話し合ってみよう」と言い出したらいい聴き方。
・同じ話でも「前にも聴きました」とは言わない。話し手にとって、とても大事なことだと思って聴く。
傾聴ボランティアについての情報入手先
・各自治体、社会福祉協議会など
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2009/6/5 五十肩:謎の痛み 骨など異常なく、原因も不明 毎日jpより転載
五十肩:謎の痛み 骨など異常なく、原因も不明
2009年6月5日 毎日新聞 東京朝刊
◇安静が第一 痛み引いたら適度な運動を
スーツを着ようとすると右肩が痛くて上がらない。寝るとき、右半身を下にすると痛む。東京都大田区の男性会社員(43)は、昨年秋からこんな症状に悩まされた。痛みは次第に増し、今年3月、近くの病院で診察を受けた。レントゲン撮影では骨折は発見されなかった。炎症や上腕骨と肩甲骨をつなぐ腱板(けんばん)の断裂もなかった。
医師から「これといった異常はない。典型的な五十肩ですね」と言われ、痛み止め薬と湿布を処方された。同時に、「痛みがやわらいだら意識的に肩を動かしてください。今回のように半年も放置しないように」と注意された。男性は「異常がないのに強い痛みを伴う。不思議だ」と思った。
●江戸時代から
このような症状は、「四十肩」「五十肩」と呼ばれる。江戸時代中期の辞書には「五十腕」という項目があり、「五十腕とも五十肩ともいう。また長命病という」と説明されている。当時は平均寿命が50歳以下で、「肩が痛くなったら長生きの証拠」と考えられていたとみられる。
医療現場では「五十肩」と呼ばれることが多く、「明らかな起因を証明しにくい初老期の疼痛(とうつう)性肩関節制動症」と定義される。海外では、「フローズン・ショルダー(凍結肩)」と言われる。一般に、まず「痛みが強く動きにくくなる時期」があり、続いて「動きが制限される時期」、やがて「動きが回復する時期」と推移する。
江戸時代から人々を悩ませてきた痛みだが、実態は今もよく分かっていない。「40〜50歳の人に多い肩関節の動きが制限される痛み」であることは明確だが、なぜ起きるのか、原因となる生活習慣があるのか、男女で違いはあるのか、なぜ回復するのかなど、未解明部分が多い。
肩関節のトラブルに詳しい高岸憲二・群馬大教授(整形外科)は「五十肩の患者を検査しても、これといった異常が見つからない。ただ、肩関節を包む袋(関節包)が厚く、硬くなっており、結果として肩が動きにくくなったり、痛みが生じるようだ」と説明する。また、糖尿病や高脂血症の人に五十肩が多く、治りにくいといわれる。これらの病気の患者は末梢(まっしょう)血管に障害が出やすいことが関連している可能性がある。
五十肩の症状が出たら、どう対処すればよいのか。高岸教授は「痛みがひどいときは安静に、痛みが少しやわらいだら、肩を動かせる範囲で動かした方が回復は早い」と話す。
ひどい痛みのときは、なるべく肩を動かさないようにし、三角巾(きん)を使うことも勧められる。重い荷物は厳禁だ。患部を温めると、痛みがやわらぐ。我慢ができない痛みが続く場合は、ステロイドやヒアルロン酸、大量の生理食塩水を注射する治療法もある。
肩が少し動かせるようになったら、痛みが出ない範囲で動かすことを心がける。イラストのような運動も効果があるとされる。夜の痛みは、日中の活動が過剰な場合に出やすいので、運動量などの目安にするとよい。
●整形外科受診を
放っておいても、多くの人が1〜2年で治る。ただ、高岸教授が164人の患者を対象に実施した調査では、1年以上たっても運動や作業をする際に痛みが残っている患者が3割いた。「五十肩と思っても、腱板断裂など別の障害が起きている可能性がある。自分で判断せず、整形外科の診察を受けてほしい」と高岸教授は呼びかける。【永山悦子】
==============
■こんな時に痛むと五十肩が疑われる
・シャツや上着を着る
・髪をとかしたり結う
・帯を結ぶ
・腕を真上に上げる
・腕を頭の後ろに回す
・腕を背中に回す
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2009/6/5 やってみよう! のど刺激 しゃっくりピタッ YOMIURI ONLINEより転載
しゃっくりが止まらず、眠れないこともあります。どうやったら、止めることができるのですか。
胎児にも
里田まいさんが見せるしゃっくりの止め方。驚いてみる=高橋美帆撮影
タレントの里田まいさん(25)は子供の頃から3か月に1回ほどの割合で、しゃっくりに悩まされている。
「百回以上、しゃっくりが続くと死んじゃうと聞くけど、私は、いつも、それ以上」
舞台げいこ中、演出家から「里田!」と注意されて、「ヒック」と、しゃっくりで答えて苦笑いされたことがある。あるラジオ番組では、しゃっくりが止まった時を狙って、さっと収録する「しゃっくり止まり待ち」も。
里田まいさんが見せるしゃっくりの止め方。水を飲んでみる=高橋美帆撮影 水を一気に飲むなど、よく知られた止め方を試してみたが、効果はあまりない。ただし、コンサートの舞台では別。ステージに立った瞬間は必ず、それまで出ていたしゃっくりが止まるという。
「でも、こんなに多くしゃっくりが出る人は私の周りにいない」。里田さんが自分のブログ(http://blog.oricon.co.jp/satodamai/)に、しゃっくりの悩みを書き込んだら、止め方の情報がたくさん寄せられるなど反響を呼んだ。ちなみに、今月17日に発売する新曲「Don’t leave me」の録音では、しゃっくりに襲われることはなかったとか。 しゃっくりは、体内で胸と腹を隔てる横隔膜がけいれんして収縮し、同時に声帯が閉鎖することで発生する。横隔膜の収縮で急速に吸い込まれた空気が、閉じかけた声帯を通過するときに特有の「ヒック」という音を出す。
胎児もしゃっくりをするという。胎児は羊水中のゴミなどが鼻やのどに付着することがあり、しゃっくりはそれを取り除くためという学説があるそうだ。
脳が抑制
里田まいさんが見せるしゃっくりの止め方。息を止めてみる=高橋美帆撮影
しゃっくりの研究を15年以上続ける土浦協同病院(茨城県土浦市)麻酔・集中治療科部長の近藤司さんによると、のどの上部、奥側の部分にしゃっくりを引き起こす部分があることが分かってきた。
慌ててご飯を食べたり、炭酸水を勢いよく飲んだりすると、その部分の神経を刺激し、しゃっくりが出ることがあると考えられる。
また、通常はしゃっくりが出ないように脳が抑える信号を出しているが、酒を飲んで抑制が外れると、しゃっくりが出やすくなる。左党のお父さんが千鳥足で「ヒック」と言いながら家路につく姿をよく見かけるのは、そのせいだ。
ただし、不思議なことに、しゃっくりを引き起こす部分と抑える部分は、のどの近い場所にあると考えられている。冷水を一気に飲むとしゃっくりが止まることがあるのは、その部分の神経を上手に刺激できたためと思われる。
しゃっくりは、たいていはほどなく治まるが、数日にわたってほぼ間断なく続き、眠れない、吐く、息が苦しいなどの症状がある時は、脳卒中などの病気がしゃっくりを引き起こしている可能性がある。
近藤さんは「脳の病気で35年間、しゃっくりが続いた男性を診察し、薬で治したことがある。心配な人は、脳の病気など幅広い分野の患者を診ることができる『総合診療科』を受診して」と話している。(坂上博)
成功率7割「舌を引っ張る」
土浦協同病院の近藤司さんが勧める方法。一つ目は「耳を指で押さえる方法」。爪を切った左右の人さし指で、両耳穴を30秒間、痛みを覚えるほど強く押さえる(イラスト〈1〉)。中耳炎など耳に病気がない人向き。
二つ目は「舌を引っ張る方法」。乾いたガーゼのようなもので舌をつかみ、30秒ほど強く引っ張る(イラスト〈2〉)。
成功率は7割ほどという。ただし、心筋梗塞の経験者やぜんそくの持病がある人などは、痛みをきっかけに発病する可能性があるので、やめてほしい。
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2009/6/4 欄干のない橋:防げ駅ホーム事故(2)/上・中・下 毎日jpより転載
欄干のない橋:防げ駅ホーム事故/上 失明の弟、命奪われ
2009年6月2日 毎日新聞 東京朝刊
「孝司(たかし)が死んだ。遺体を確認に行くところだ」。東京都新宿区に住む上野正博さん(82)は、36年前の73年2月1日深夜の出来事を鮮明に覚えている。
旧国鉄高田馬場駅前の商店街。正博さんは仕事からの帰宅途中、父と姉婿にばったり会い、全盲の弟孝司さんが同駅のホームから線路に転落し電車にひかれて死亡したと知らされた。3人で警察署に向かった。「あまりに急で……。本当なのか、ピンとこなかった」。正博さんは振り返る。
孝司さんは戦時中、広島県呉市で勤労動員に駆り出され、港の潜水艦内で作業をしていた際に、事故で片目を失明。成人後、工事現場での労災事故で全盲になった。
上京後、あん摩マッサージ指圧師免許の取得を目指して高田馬場駅近くの学校に入学。免許を取り、学校で出会った目の不自由な女性と婚約もしていた。視力をなくした失意の日々から自立に向けた生活へ。当時42歳。第二の人生の一歩を踏み出そうとした矢先の転落事故死だった。
高田馬場駅周辺には当時から視覚障害者施設が多く、道路には点字ブロックが敷設されていたが、ホームにはなかった。両親が原告となり、旧国鉄を相手取った損害賠償訴訟では、1審勝訴。控訴審で和解し、旧国鉄側に視覚障害のある乗客の安全対策に努力するよう求める和解条項が入った。この「上野訴訟」後、全国の駅ホームで点字ブロックの敷設が普及した。
しかし、昨年2月には、JR山陽線前空駅(広島県廿日市市)でしんきゅう師の男性(47)がホームから転落死するなど視覚障害者の事故は今も絶えない。
今年2月1日、正博さんの姿が高田馬場駅にあった。「上野訴訟」を支援した「全日本視覚障害者協議会」(東京都)が9年前から、孝司さんの命日を「鉄道死傷事故ゼロの日」と定め、ホームで献花して孝司さんの冥福を祈る。正博さんも約30人の参加者とともに、駅ホームの安全を目指す歩みを刻み続けることを誓った。
◇
視覚障害者にとって駅のホームは「欄干のない橋」に例えられるほどに危険な場所だ。安心して利用できる駅ホームのあり方を探る。【遠藤哲也】
欄干のない橋:防げ駅ホーム事故/中 善意の死、無駄にせぬ
「線路に散った勇気・善意」。翌日の新聞には大きな見出しが躍った。駅ホームから転落した男性を助けようと、韓国人留学生と日本人カメラマンが線路に飛び降り、電車にはねられ死亡した。01年1月、JR山手線の新大久保駅(東京都新宿区)での事故である。
「自分にそんな行動ができるだろうか」。千葉県柏市の元しんきゅう師で全盲の青山茂さん(59)は、事故のニュースを聞き、自問自答した。留学生らの自己犠牲の行動に心を打たれたという。
転落した男性は視覚障害者ではなく、酒に酔っていた。障害のない人にとっても駅ホームがどれほど危険か。青山さんは「留学生たちの死を無駄にしたくない」との思いで、友人の主婦らに呼びかけて05年9月、小さな市民団体を作った。「駅にホーム柵を! 日本会議」(事務局・柏市)。ホームからの転落を防ぐ可動式ホーム柵の普及を目指す。青山さん自身、JR上野駅のホームから転落し鎖骨骨折した経験がある。約50人のメンバーと共に、シンポジウムの開催や駅のバリアフリー化の調査など地道な活動を重ねる。
◇
可動式ホーム柵は、国も着目している。国土交通省が新大久保駅の事故をきっかけに設置した「ホーム柵設置促進に関する検討会」の報告書(03年12月)ではホーム柵を「事故防止に有効」と位置づけた。
バリアフリー新法に基づく省令では、一定の条件に合う新設駅でのホーム柵設置を義務付ける。
だが、設置状況は、鉄道各社で大きな差がある。毎日新聞の調査では、地下鉄が横浜、福岡両市で全駅完備するなど全体で約30%に達するのに対し、大手民鉄とJRでは各1%に満たない。
そうした中で、注目されているのが、東京の山手線だ。JR東日本は「特定の事故や団体要望がきっかけではない」としながらも、18年度をめどに、全29駅に可動式ホーム柵を約550億円かけて設置することを決めた。
◇
青山さんは39歳で網膜色素変性症のため光を失った。失明後、障害者が社会に正当に位置付けられていないと疑問に感じ続けてきた。「まっとうな給料を得て税金の払える障害者が増えていく社会にしたい」。そのためには、どこにでも移動できる「歩行の自由」が最低限必要と考える。山手線のホーム柵導入は、全国に広がるきっかけになると期待を寄せる。【遠藤哲也】
欄干のない橋:防げ駅ホーム事故/下 選択肢を増やして
2009年6月4日 毎日新聞 東京朝刊
「駅のエスカレーターから視覚障害者を遠ざけるのは、かえって危険だ」。全盲の元盲学校教諭、長谷川貞夫さん(74)=東京都練馬区=は先日、都心の駅を歩いていて改めて感じた。ホームの端から端まで200メートル以上を点字ブロックに沿って歩く間、誰かのかばんにぶつかり、後続の電車が脇をかすめた。午後3時半ごろのすいた時間帯。単独歩行に熟達した長谷川さんでさえ、ヒヤリとした。
「視覚障害者は階段のある位置までホーム上を長く歩かざるを得ない。これが、多発する転落事故の一因だ」
白杖(はくじょう)や足裏を使って、視覚障害者が進行方向や警告を感じ取る黄色の点字ブロック。階段とエスカレーターのある駅舎では、点字ブロックは階段につながっている。このため、便利な位置にあるエスカレーターを全盲の人が使えず、障害のない人がエスカレーターの利便性を享受する“逆転現象”が起きている。
エスカレーターへ点字ブロックが誘導されていないのは、国のバリアフリー整備ガイドラインに示されていないため。国土交通省鉄道局技術企画課は「一律禁止ではないが、上り下りを間違えると危険」と説明する。
近くに盲学校があるJR目白駅(豊島区)は例外の一つ。同駅を時々使う「東京視覚障害者協会」の山城完治さん(52)は「一人で外出する障害者の多くはエスカレーターが使えると助かる」と話す。
長谷川さんは「手すりにちょっと触れて上り下りを確認し、白杖で1段先を探っていれば、視覚障害者もエスカレーターを乗り降りできる」。何より「階段やエスカレーター、エレベーターをどれでも自分の意思で使えるよう、選択肢を増やしてほしい」と願う。
◇
ハード面と共に駅ホームの安全策で欠かせないのが人によるソフト面の支援の充実だ。JR東日本などでは、身体障害者や高齢者をサポートする「サービス介助士」資格の取得を社員に広げている。
全盲で四天王寺大大学院教授の愼英弘(シンヨンホン)さん(62)は、大阪と京都の駅ホームで3回転落した経験がある。「『危ないと思いながらも(障害者に)声を掛けずにいたら、やっぱり落ちた』と証言する事故目撃者は多い」と指摘し、「一般の人も(視覚障害者の)命を助けるという意識を持ってほしい。白杖を持っている人には気軽に声を掛けて」と訴えている。【鶴谷真、遠藤哲也】
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2009/6/2 欄干のない橋:防げ駅ホーム事故(1)/上・中・下 毎日jpより転載
欄干のない橋:防げ駅ホーム事故/上 36年前の悲劇で普及、点字ブロック
<点字の父ブライユ 生誕200年>
◇無事故へ、広がる祈り
「孝司(たかし)が死んだ。遺体を確認に行くところだ」。東京都新宿区に住む上野正博さん(82)は、36年前の73年2月1日深夜の出来事を鮮明に覚えている。
旧国鉄高田馬場駅前の商店街。正博さんは仕事からの帰宅途中、父と姉婿にばったり会い、全盲の弟孝司さんが同駅のホームから線路に転落し電車にひかれて死亡したと知らされた。3人で警察署に向かった。「あまりに急で……。本当なのか、ピンとこなかった」。正博さんは振り返る。
孝司さんは戦時中、広島県呉市で勤労動員に駆り出され、港の潜水艦内で作業をしていた際に、事故で片目を失明。成人後、工事現場での労災事故で全盲になった。
上京後、あん摩マッサージ指圧師免許の取得を目指して高田馬場駅近くの学校に入学。免許を取り、学校で出会った目の不自由な女性と婚約もしていた。当時42歳。第二の人生の一歩を踏み出そうとした矢先の転落事故死だった。
高田馬場駅周辺には当時から視覚障害者施設が多く、道路には点字ブロックが敷設されていたが、ホームにはなかった。両親が原告となり、旧国鉄を相手取った損害賠償訴訟では、1審勝訴。控訴審で和解し、旧国鉄側に視覚障害のある乗客の安全対策に努力するよう求める和解条項が入った。この「上野訴訟」後、全国の駅ホームで点字ブロックの敷設が普及した。
しかし、昨年2月にはJR山陽線前空駅(広島県廿日市市)でしんきゅう師の男性(47)がホームから転落死するなど視覚障害者の事故は今も絶えない。
今年2月1日、正博さんの姿が高田馬場駅にあった。「上野訴訟」を支援した「全日本視覚障害者協議会」(東京都)が9年前から、孝司さんの命日を「鉄道死傷事故ゼロの日」と定め、ホームで献花して孝司さんの冥福を祈る。正博さんも約30人の参加者とともに、駅ホームの安全を目指す歩みを刻み続けることを誓った。
× × ×
視覚障害者にとって駅のホームは「欄干のない橋」に例えられるほどに危険な場所。安心して利用できる駅ホームのあり方を探る。【遠藤哲也】
欄干のない橋:防げ駅ホーム事故/中 救出事故死の山手線、柵設置へ
2009年5月30日 毎日新聞 大阪朝刊
<点字の父ブライユ 生誕200年>
◇「勇気、無駄にせぬ」
「線路に散った勇気・善意」。翌日の新聞には大きな見出しが躍った。駅ホームから転落した男性を助けようと、韓国人留学生と日本人カメラマンが線路に飛び降り、電車にはねられ死亡した。01年1月、JR山手線の新大久保駅(東京都新宿区)での事故である。
「自分にそんな行動ができるだろうか」。千葉県柏市の元しんきゅう師で全盲の青山茂さん(59)は、事故のニュースを聞き、自問自答した。留学生らの自己犠牲の行動に心を打たれたという。
転落した男性は視覚障害者ではなく、酒に酔っていた。障害のない人にとっても駅ホームがどれほど危険か。青山さんは「留学生たちの死を無駄にしたくない」との思いで、友人の主婦らに呼びかけて05年9月、小さな市民団体を作った。「駅にホーム柵を! 日本会議」(事務局・柏市)。ホームからの転落を防ぐ可動式ホーム柵の普及を目指す。青山さん自身、JR上野駅のホームから転落し鎖骨骨折した経験がある。約50人のメンバーと共に、シンポジウムの開催や駅のバリアフリー化の調査など地道な活動を重ねる。
◇ ◇
可動式ホーム柵は、国も着目している。国土交通省が新大久保駅の事故をきっかけに設置した「ホーム柵設置促進に関する検討会」の報告書(03年12月)ではホーム柵を「事故防止に有効」と位置づけた。バリアフリー新法に基づく省令では、一定の条件に合う新設駅でのホーム柵設置を義務付ける。
だが、設置状況は、鉄道各社で大きな差がある。毎日新聞の調査では、地下鉄が横浜、福岡両市で全駅完備するなど全体で約30%に達するのに対し、大手民鉄とJRでは各1%に満たない。
そうした中で、注目されているのが、東京の山手線だ。JR東日本は「特定の事故や団体要望がきっかけではない」としながらも、18年度をめどに、全29駅に可動式ホーム柵を約550億円かけて設置することを決めた。
◇ ◇
青山さんは39歳で網膜色素変性症のため光を失った。失明後、障害者が社会に正当に位置付けられていないと疑問に感じ続けてきた。「まっとうな給料を得て税金の払える障害者が増えていく社会にしたい」。そのためには、どこにでも移動できる「歩行の自由」が最低限必要と考える。山手線のホーム柵導入は、全国に広がるきっかけになると期待を寄せる。【遠藤哲也】
欄干のない橋:防げ駅ホーム事故/下 「エスカレーター、使いたいのに…」
2009年5月31日 毎日新聞 大阪朝刊
<点字の父ブライユ 生誕200年>
◇誘導なく「ヒヤリ」
「駅のエスカレーターから視覚障害者を遠ざけるのは、かえって危険だ」。全盲の元盲学校教諭、長谷川貞夫さん(74)=東京都練馬区=は先日、都心の駅を歩いていて改めて感じた。ホームの端から端まで200メートル以上を点字ブロックに沿って歩く間、誰かのかばんにぶつかり、後続の電車が脇をかすめた。午後3時半ごろのすいた時間帯。単独歩行に熟達した長谷川さんでさえ、ヒヤリとした。
「視覚障害者は階段のある位置までホーム上を長く歩かざるを得ない。これが、多発する転落事故の一因だ」
白杖(はくじょう)や足裏を使って、視覚障害者が進行方向や警告を感じ取る黄色の点字ブロック。階段とエスカレーターのある駅舎では、点字ブロックは原則として、階段につながっている。このため、便利な位置にあるエスカレーターを全盲の人が使えず、障害のない人がエスカレーターの利便性を享受する“逆転現象”が起きている。
エスカレーターへ点字ブロックが誘導されていないのは、国のバリアフリー整備ガイドラインに示されていないため。国土交通省鉄道局技術企画課は「一律禁止ではないが、上り下りを間違えると危険」と説明する。
近くに盲学校があるJR目白駅(豊島区)は例外の一つ。同駅を時々使う「東京視覚障害者協会」の山城完治さん(52)は「一人で外出する障害者の多くはエスカレーターが使えると助かる」と話す。
長谷川さんは「手すりにちょっと触れて上り下りを確認し、白杖で1段先を探っていれば、視覚障害者もエスカレーターを乗り降りできる」。何より、障害のない人と同様に「階段やエスカレーター、エレベーターをどれでも自分の意思で使えるよう、選択肢を増やしてほしい」と願う。
◇ ◇
ハード面と共に駅ホームの安全策で欠かせないのが、人によるソフト面の支援の充実だ。JR東日本などでは、身体障害者や高齢者をサポートする「サービス介助士」資格の取得を社員に広げている。
全盲で四天王寺大大学院教授の愼英弘(シンヨンホン)さん(62)は、大阪と京都の駅ホームで3回転落した経験がある。「『危ないと思いながらも(障害者に)声を掛けずにいたら、やっぱり落ちた』と証言する事故目撃者は多い」と指摘し、「一般の人も(視覚障害者の)命を助けるという意識を持ってほしい。白杖を持っている人には気軽に声を掛けて」と訴えている。【鶴谷真、遠藤哲也】
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2009/5/28 やってみよう! 自転車 つらさなく効果大 YOMIURI ONLINEより転載
ヘルメット姿でさっそうと。都内の移動は自転車を利用するという、経済評論家の勝間和代さん=吉川綾美撮影
健康にいいという自転車だけど、ゆっくり走ると歩くよりラクをしている気がする。どう乗ったら、いいの?
心肺機能18歳並み
「うちは坂の上にあるので、どこへ出かけても最後は上り坂。夏は汗だくになります」
こう話すのは、テレビでもおなじみの経済評論家、勝間和代さん(40)。東京都内の自宅から事務所まで、さらに都内での移動の多くで自転車を使う。1日の走行距離は20〜30キロという。自転車に「目覚めた」のは、外資系コンサルティング会社に勤めていた8年前。超多忙でスポーツクラブにも通えず、運動不足に悩んでいた時、自転車通勤を勧める本を読み、すぐ実行に移した。結果、体重は6キロ減、心肺機能は「18歳並み」に。
「そりゃ、それだけ乗れば効果もあるでしょう」と言うなかれ。勝間さんほど乗らなくとも、健康効果を得ることはできるのだ。
まず、ほかの運動に比べ、自転車はどこが優れているのか。高石鉄雄・名古屋市立大大学院准教授(応用生理学)は、「最大のメリットは、けっこうきつい運動なのに、つらく感じないことです」と説明する。
自転車を時速16〜17キロぐらいの速さでこぐと、若い女性でも1分間の心拍数が140を超える。ウオーキングに比べて30拍ぐらい多い。スポーツクラブの自転車マシンだと、汗だくになって20分でも嫌になるレベルだ。しかし、外を走れば、風で体の熱が冷まされることもあり、しんどさをあまり感じずにすむ。そのため、高齢者や太った人でも取り組みやすい。
血糖値も低下
国内に約2000万人いるとされる糖尿病患者と予備軍には特にお勧めだ。
体内では、血液の中の糖質(血糖)と脂質が筋肉に取り込まれて燃え、運動のエネルギーになる。軽い運動の場合、使われる糖質と脂質の割合はほぼ1対1。激しい運動になるほど、糖質の割合が増える。さらに、自転車は、太ももの筋肉を主に使うため、局所的に大きな負荷がかかる。すると糖質がより多く使われ、効率よく血糖値を下げることができる。また、悪玉コレステロールを下げる効果もある。中高年では180から年齢を引いたぐらいの心拍数を目安にしよう。きつくなりすぎないよう、時々心拍数をチェックすることが大事だ。
「坂を含むコースを、それなりの速さで、最低20分ぐらい走るのがいい。自転車通勤がぴったりだが、週に2、3回でも大丈夫」と、高石准教授は指南する。
「呼吸に気をつけると、疲れずに長く走れます」とアドバイスするのは、自転車歴50年という日本サイクリング協会の小林博さん(60)。まず、呼吸と同じタイミングでペダルを踏むよう意識する。息を吐く時に足に力が入るので、「スッスッハッ」と2回鼻から吸って口から吐き、左右の足、交互に力がかかるようにするとよいという。
もちろん、自転車で怖いのは事故。「左側通行、信号は守る、など交通ルールを守りましょう」と、小林さんは呼びかけている。(針原陽子)
上り坂だと効率よく
自転車で健康効果を出すには、上り坂を走行するのがよい。1%の傾斜の坂道(100メートルで1メートル上がる)でも、エネルギー消費量は平地の1.7倍、2%だと2.3倍になる。ひざ関節への負担が気になる人は、軽いギアで走っても、回転数を上げれば、健康効果は変わらない。
また、停止、発進を繰り返すのも好ましい。走り出しの時は、走行中に比べ、筋力を多く使うためだ。
スピードは、ママチャリなら、高齢者で時速14〜15キロ、中年なら16〜17キロぐらい。スポーツ車なら、その8〜10キロ増しぐらいで。
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2009/5/22 やってみよう! 泣けば気分スッキリ YOMIURI ONLINEより転載
(2009年5月21日 読売新聞)
落ち込んだ時には思いっきり泣くことで、かえって気分がスッキリした経験はありませんか。そんな、涙の癒やし効果を探ってみました。
「いつでも涙」芸
瞬時に泣ける特技を持つ、クワバタオハラの小原正子さん(東京・港区の日本テレビで)=栗原怜里撮影
人気お笑いコンビ、クワバタオハラの小原正子さんは、学生時代に演劇部で泣き方を学んだのをきっかけに、好きな時に自由に涙を流せる技を身に着けたという。
本当かどうか、涙の瞬間を目撃しようと、テレビの楽屋を訪ねた。「では、どうぞ。泣いてください」
目を大きく開け、まばたきを止めた小原さん。真正面で一眼レフを構える同行の小柄な女性カメラマンを見つめ、「こんな大きなカメラ持って、頑張ってるなあ、大変やなあ」と、ポツリ。
目がみるみる赤くなるや、両目から大粒の涙がこぼれ、二筋、三筋とほおを流れ落ちていく。この間、わずか10秒。
周囲の人や物に勝手に同情しては悲しい気分になりきり、涙を流すのが小原流とのこと。「寝る前に泣くと、適度な疲れも感じてよく眠れるので、週に一度は家でわざと泣く」という。
ここまで来ると、もはや「芸」の域だが、専門家によれば、悲しみや喜びなど感情の高ぶりによってなぜ涙が出るのか、はっきりした仕組みは、実は分かっていない。
涙は、上まぶたの奥にある涙腺で作られ、雑菌などから目を守るため、1日0・6〜1ミリ・リットル分泌される。98%は水分で、微量のカリウム、ナトリウム、ブドウ糖、たんぱく質などを含む。
ストレス物質排除
泣く時には、感情などをつかさどる脳の前頭前野など、脳の多くの部位が活発に働く。女性に多いホルモン(プロラクチン)が涙腺を刺激するという研究もある。女性の方が涙もろいことの説明にもなりそうだが、「詳しいことは不明です」と、精神科医の柏瀬宏隆さんは説明する。
ちなみに、うれし泣きや悲しい時の涙に比べ、怒りのあまり浮かぶ涙は濃い味だ。「怒っている時は、『戦うか逃げるか』の態勢にあり、緊急に必要のない涙腺の分泌が抑えられるため、水分量が少ないしょっぱい涙になる」(柏瀬さん)のだそうだ。
涙の後のすっきり感は、なぜ生まれるのか。
米国の研究者が、目を守るための涙と、悲しい時やうれしい時に泣いた涙の成分を比較した。すると泣いた際の涙は、たんぱく質の濃度が20%以上高かった。ストレスによって増えたある種のたんぱく質を排除しているのではないかという。
また、過剰だとうつを引き起こすとの研究もあるミネラル成分のマンガンや、ストレスで増える副腎皮質刺激ホルモンなども涙には含まれている。柏瀬さんは「泣くことは、ストレスに関係するこれらの物質を排出する役割があるのかもしれない」と話す。これがストレス解消につながっているのではという。
また年を取ると涙もろくなるのは、「人生経験が豊かになると物事への共感が増す」一方、「年と共に膨れあがる心身のストレスに対処する自己防衛」とも言えるそうだ。(佐藤光展)
感動の映画をどうぞ
泣きたい時に、映画やDVDを見るのは定番だろう。主人公が死ぬお決まりの展開では涙腺を刺激されない人のために、本紙ホームページ「ヨミウリ・オンライン」の「発言小町」に投稿者が寄せた、泣ける映画を紹介しよう。 「ロッキー」(76年米国)、「ニュー・シネマ・パラダイス」(89年イタリア)、「シザーハンズ」(90年米国)、「陽のあたる教室」(95年米国)、「シャイン」(95年オーストラリア)、「運動靴と赤い金魚」(97年イラン)、「初恋のきた道」(00年中国)、「ジョゼと虎と魚たち」(03年日本)、「ラブストーリー」(03年韓国)、「マルタのやさしい刺繍」(06年スイス)、「ALWAYS三丁目の夕日」(05年日本)。
寅さんシリーズやドラえもん、クレヨンしんちゃんなども「意外に泣ける」という。
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2009/5/12 医療ナビ:熟睡するためには 注意点と対策は何ですか。 毎日jpより転載
医療ナビ:熟睡するためには 注意点と対策は何ですか。
毎日新聞 2009年5月12日 東京朝刊
◆熟睡するためには 注意点と対策は何ですか。
◇脳を興奮させない 無呼吸症候群に注意
◇20〜40代の会社員、8割に悩み 食事は3時間前まで/寝る前テレビ見ない
「なかなか寝付くことができない。病気でしょうか」。4月、東京都内で開かれた「睡眠時無呼吸症候群」の市民講座で、出席者の一人が訴えた。
講演した「グッドスリープ・大森クリニック」(東京都大田区)の斎藤恒博院長(59)は「脳が興奮していると眠れない。睡眠前にテレビを見ないようにしてほしい。お風呂でリラックスするのもお勧め。それでも改善しない人は医師に相談してください」と応じた。
小林製薬(大阪市)が05年に実施した調査では、20〜40代の会社員の86%が「睡眠時間が足りない」など睡眠に何らかの不満を感じている。忙しすぎる仕事に、長い通勤時間。多くの人が深夜までストレスから解放されず、睡眠不足に苦しめられているという。
× ×
眠れない原因として、生活上の問題と病気の2点に大別されている。まず、生活のどこに問題があるのかを分析する=表。
夕食は睡眠の3時間前までに済ませたい。消化器が活発に活動していると、それをコントロールする脳も休めないからだ。人によってはカフェインの効果が持続するので夕方以降は摂取しない。アルコールは眠気を誘うが睡眠の質を悪化させ、量が多すぎると、肝臓の働きが活発化し、脳も休めなくなる。すっきりと目を覚ますため、斎藤院長は、(1)睡眠中に汗で失った水を補給する(2)シャワーを浴びる(3)ストレッチで血行を促す−−などを助言している。
× ×
生活上の問題が見当たらないのに、日中眠くて仕方ない人は、神経や体の病気が眠りを邪魔している恐れがあり、専門医の診察が必要になる。
最も疑われる病気が睡眠中に呼吸が何回も止まる「睡眠時無呼吸症候群」で、国内に約200万人の患者がいると推定されている。症状には、激しいいびき、起床時の頭痛や倦怠感(けんたいかん)がある。日中の居眠りを誘い、交通事故などを起こす要因として社会問題化している。検査では脳波や心電図、血中の酸素量などを測る端子を付け一晩観察。空気の通り道の気道が部分的または完全に閉じてしまうのが原因で、気道が狭くなりがちな肥満体の人やあごが小さい人に多い。
グッドスリープ・クリニック(東京都港区)の星作男院長(51)が患者630人を対象にした調査では、体格指数(BMI)が大きいほど、睡眠1時間当たりの無呼吸の頻度が多かった。軽症の人には減量を指導する。喫煙していると肺気腫を発症する恐れがある。血中の酸素濃度を低下させ症状を悪化させるので、禁煙を勧める。中症−重症の人は、鼻マスクから気道に空気を送り込み、気道が閉塞(へいそく)するのを防ぐCPAP(シーパップ)療法を使う。
このほか、睡眠障害の原因には、脳の神経細胞の伝達物質の異常で起きる「うつ病」や過眠症の一つの「ナルコレプシー」、ふくらはぎがむずかゆくて眠れない「むずむず脚症候群」も考えられる。どこの診療科を訪れたらいいのか悩むが、星院長は「多くの睡眠クリニックは耳鼻科や精神科と連携している。まず相談をしてほしい」と話す。【田中泰義】
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◇睡眠力チェックシート(斎藤恒博院長の資料を基に作成)
□ (1)明け方、寒さや暑さを感じて目覚めることがある(C)
□ (2)朝、起床時刻が不規則だ(D)
□ (3)週末、「寝だめ」することが多い(D)
□ (4)起床時、体がだるい(F)
□ (5)朝起きたとき、首が痛いと感じることが多い(C)
□ (6)朝、食べないことが多い(B)
□ (7)部屋にあまり日が差さない(A)(C)
□ (8)夜勤・準夜勤が多い(A)
□ (9)車で通勤している(E)
□(10)日中オフィスから出ることがほとんどない(A)(E)
□(11)昼寝をすることが多い(D)
□(12)外食が多い(B)
□(13)日中、ぼーっとすることが多い(F)
□(14)階段で動悸(どうき)が激しくなることがある(E)
□(15)日中、熱があるように感じることが多い(G)
□(16)1日に3000歩以上歩く日が少ない(E)
□(17)疲れやすいと感じる(F)
□(18)日中、よくのどが渇く(G)
□(19)夕食が夜10時を過ぎることが多い(B)
□(20)食べすぎ、飲みすぎになることが多い(B)(G)
□(21)夕食後にコーヒー、お茶を飲む(B)
□(22)肩こりがひどい(C)
□(23)目が疲れる(F)
□(24)ソファやいすで寝てしまっていることがよくある(D)
□(25)部屋の照明は天井の蛍光灯だけ(A)
□(26)暗いところが怖いと思うことがある(G)
□(27)寝室にテレビ、パソコンがある(C)
□(28)足が冷たくて寝つけないことが多い(E)
□(29)オフィスで寝泊まりすることがよくある(A)(D)
□(30)「寝酒」を飲むことが多い(B)
□(31)布団に入っても手足、肩が冷える(E)
□(32)床に就く時刻が日によってまちまちだ(D)
□(33)寝ている間に物音が気になることがある(C)
□(34)夢に仕事が出てくることが多い(F)
□(35)夜中に目を覚ますことが多い(G)
■(A)〜(G)がそれぞれ三つ以上ある場合の診断
(A)「日光・光に関する行動に問題あり」深夜も明るくしていると体内時計がずれる
(B)「食事のとり方に問題あり」夕食が遅いと就寝後も内臓が活発に働き熟睡できない
(C)「睡眠環境に問題あり」安眠には快適な温度、湿度、暗さ、静かさが必要。まくらや布団が合っていない可能性も
(D)「睡眠習慣に問題あり」規則正しい生活をしないと体内時計が乱れる
(E)「運動・体温調整に問題あり」快眠の条件は良好な血行。適度な運動や入浴を
(F)「過労が原因」緊張が続くと寝付けない。寝る前にストレッチを
(G)「ストレスや不安が問題」リラックスできないと寝付きにくい
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2009/5/7 やってみよう! 美しいラジオ体操 YOMIURI ONLINEより転載
「新しい朝が来た」のフレーズでおなじみのラジオ体操が最近、見直されているって本当?
バレエに近い
女優真矢みきさんと4月に結婚式を挙げたバレエダンサーの西島千博さん(37)。バレエの動きを取り入れた新しいラジオ体操を考案したと聞いて、さっそく訪ねた。
ピアノとバイオリンによる伴奏は、ゆったりと美しい音色だが、メロディーはおなじみのラジオ体操だ。西島さんは背筋をピンと伸ばし、流れるような動き。指先まで美しい。まさにバレエ、でもラジオ体操。記者もラジオ体操愛好者だが、やる人によってこれほど違うとは……。
ラジオ体操は、音楽に合わせて体を動かす点では、バレエと共通する。そこで西島さんは、バレエ人気の拡大も期待して、この体操に取り組んだ。すると、発見があった。 「呼吸やストレッチ、リズムなどを通し、全身の細胞を活性化させる感覚はバレエに非常に近い。最初に考えた人はすごいと思います」
西島さんのラジオ体操はDVD「バレエ・ストレッチ 西島千博」(ポニーキャニオン)に収められている。動画の一部は、読売新聞のホームページ「ヨミウリ・オンライン」で見ることができる。
80年超す歴史
ラジオ体操放送開始から昨年で80年。実は体育の専門家もその効果を見直している。
「図解 本当はすごい『ラジオ体操』健康法」(中経出版)を監修した中京大学体育学部長の湯浅景元さんは、「次々と新しい体操が登場しますが、筋力重視だったり、素早さがなかったり、バランスのいいものは少ない。その点、ラジオ体操には3タイプの運動が含まれています」と指摘する。3タイプとは、〈1〉有酸素運動〈2〉筋肉トレーニング〈3〉ストレッチだ。
ウオーキングに代表される有酸素運動は、持続的な運動で酸素を消費し、脂肪を燃やす効果がある。ラジオ体操は第1、第2が各3分。短いようだが、一方だけでも最小限の有酸素運動になる。
ただし、ウオーキングだけでは脚力は維持できない。筋力は50%以上の力の発揮で維持されるが、歩行は15%しか使わない。その点、ラジオ体操はひざの曲げ伸ばしなどで、50%以上の力が必要になる。そして、ふだん使わない全身の筋肉や関節を動かすため、ストレッチ効果も十分だ。
湯浅さんは「音楽を聴きながらやるので、脳も活性化されます」と話す。
1999年まで28年間、NHKの番組でラジオ体操を指導した元日本体育大教授の青山敏彦さんは「ラジオ体操は継続が大切。運動習慣があれば、基礎代謝が10〜15%増えます。目覚めて3時間しないと体は正常に働かないので、早起き習慣をつけることも意味があります。地域で集まってやれば、住民のコミュニケーションにもなりますよ」と多面的な効用を語る。(藤田勝)
朝はゆったり午後はハードに
いつでも、どこでも、だれでもできるラジオ体操。強度も自由に調整できる。個々の動作を速めたり、ひざを深く曲げたりすれば、筋肉への負荷は大きくなる。湯浅さんは、時間帯で強度を変えることを勧める。朝は体を目覚めさせる意味もあるのでゆったりと、午後は少しハードに行い、筋肉を鍛える。美を追究したい人は、西島さんを手本にするのも楽しい。既存のラジオ体操会場探しは、全国ラジオ体操連盟のホームページ(http://www.rajio-taiso.jp/)が便利だ。 | 動画メモ バレエダンサーの西島千博さんがラジオ体操を指導するDVDから、一部をご覧いただけます。 |
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2009/5/3 性の問題、その治療とは cabrain.netより転載
性の問題、その治療とは
【第59回】榎本稔さん(榎本クリニック・理事長)
榎本クリニックは性依存症者に対する治療的な試みとして、SAG(Sexual Addiction Group-meeting)と称する治療グループを開催するなど、全国でもまれな取り組みを進めている。榎本稔理事長は5月9日に立ち上げられる、幅広く性の諸問題を扱う「日本『性とこころ』関連問題学会」の大会長も務める。性依存症とはどのような病気なのか、その治療とはどのように進められていくのか、話を聞いた。

―性の多様化が叫ばれていますが、同時にさまざまな問題が浮かび上がってきていると指摘する声があります。
昔は姦通罪で女性が厳しく取り締まられていましたが、戦後、男女交際が自由になりました。いわゆる性の規制緩和、自由になってきたんですね。これが性の多様化に結びついたということです。
性の問題というのは、社会が作り出す病気だと僕は思います。そして、何も今更始まったことではない。
男の性意識、性欲は基本的にずっと変わっていない。ただ、それを社会的に規制しようとすると、いろいろな問題が出てくるのではないかと考えています。
―インターネットの発達などによる急速な情報化社会への転換の影響を危惧する声もあります。
これは統計を取っていないので断言はできません。ネット上では、倒錯的なサイトはたくさんあります。盗撮系や小児性愛、死体性愛など異常性愛を専門にしているサイトというのは、本人が持っている病理を深めることになるのかなと個人的には思います。
情報を選択する力がある時に見るのと、まだその力がないような幼い時に見るのとでは、違うと思います。女性と交際した経験があって、女性の裸に対してある程度免疫がある人が見る場合は、倒錯的なものを見たとしても情報を選択できますよね。これは有害だ、これは有害でないと。それが子どものように情報の選択力が全くない場合、そういうものなのだと思ってしまいます。
携帯電話はもっと規制しにくいですよね。
―榎本クリニックは性依存症者に対する治療的な試みとして、SAGを開催するなど、全国でもまれな取り組みを進めています。
誤解しないでほしいのですが、性犯罪者イコール性依存症ではありません。反復性があって、衝動的、強迫的、貪欲的であるという依存症の定義を満たしている必要があります。例えば、強姦や痴漢が一回だけで終わっている人もいる。性依存症というのは病気なので、一回で終わっている人はそうではないと判断していますが、一回でも行動化してしまうことが「病気」に相当するのか、これは難しいところです。
今までの性犯罪の処遇の歴史というのは、犯人が性依存症であっても、厳罰を追求するだけで、治療は一切行われませんでした。
ただ、2004年に起きた奈良県の少女誘拐殺人事件がきっかけで、変化が起きました。この犯人は、過去に児童に対する性的犯罪の前科があり、何回か繰り返しているということが分かりました。ここで、初めて厳罰化だけでなく、更生するには治療が必要だという視点が加わったのです。
また、海外では性犯罪者に対する司法と連携したプログラムがあり、実際に成果を上げています。
わたしたちは、治療を「依存症」という枠組みでやっていますが、依存症かどうかというのは断言できない側面を持っています。ただ、繰り返しているし、衝動性が高いし、強迫的で、貪欲的であるという「依存症」の条件を満たしている。では、それを実証するような研究があるかというとほとんどない。
ただ、多くの人に理解されて、支持されないとこの取り組みの普及はできません。その中で、一番分かりやすい枠組みというのは、依存症でした。
ですから、これは政治的な戦略です。やはり、多くの人に支持されて初めてこの取り組みは実を結んでいくと考えています。結局、一般市民の人に理解されずに、いくら治療を進めていたとしても、ただ、性犯罪者を囲って何か教えているだけだと思われる。そこに理論的な枠組みがあって、かつ多くの人に理解されたものでないと取り組みが広がっていかないのです。
これまで医療の中で培って来た依存症の治療、すなわちアディクションモデルというのは、歴史が長い。こうして使ってきた依存症の治療の枠組みを上手に当てはめながら、いわゆる性的な逸脱行動を繰り返す人々の治療に一番合う形はどういうものがあるか、加工しながらやっているというのが今の段階です。
―性依存症は他の依存症と違い、性犯罪につながりやすく、結果として被害者が出てしまうという問題がありませんか。
その通りです。性犯罪が起きると世間の目は被害者側につくわけです。「なんというひどい犯人だ、あいつはどうにかしないといけない、もう閉じ込めておけ」という声の中で、加害者(が性依存症であった場合)の治療プログラムを行うにしても、「あいつは治るわけない」と思われるわけです。では、そういうプログラムをやっているところは、もしかしたら加害行為に加担しているのではないかと思う人もいるわけですよ。
ここで、使えるのがアディクションモデルです。被害者が加害者を理解するのは無理ですが、回復のための治療を受けていく過程の中で、加害者について考えるときが必ず出てきます。その時に、あれは性依存症という病気なのだという理解の仕方ができることで自分の問題を整理するときに有効であると感じます。
ただ、病気という枠組みをつくることで、加害者の中には開き直る人が出てくる。俺は病気だ、俺は悪くない、病気だから仕方ないじゃないかと。つまり、病気であるということには、メリット・デメリットがあり、あまりにも病理化してしまうと、本人が背負う責任を免じさせてしまう機能を持っている。この辺りが非常にデリケートなところです。
―性依存症の治療は、逸脱した性行動を正常に戻すということなのでしょうか。
そういう考えではありません。例えば、アルコール依存症の人は酒を飲みたいという気持ちは一生続くといいます。
性依存症も、例えば露出したいといった願望が頭に浮かぶことは止めようがない。ただ、それをどうコントロールするかという方法を教えることしかないと考えています。気持ちそのものは我々にはどうすることもできない。それが統合失調症などの治療と違うところです。統合失調症の幻覚や妄想は、薬を出せば抑えられる。私たちは、性依存症の患者が、SAGに通うことによって社会問題化させないことを目指しているわけです。
―こうしたさまざまな問題が起きている中、なかなか治療が広がっていかない現実があるようですね。
医療を考えてみると、本来は自分から病気であると認識し、自ら進んで病院に来る。医師も患者の言うことを信じた上で治療します。
ところが依存症はそうではない。自分から、「私はアルコール依存症です」、「性依存症です」という人はまずいない。周りが困ったり、あるいは警察に捕まったりして、治療を受けに来る。彼らは病気であるという意識がないのです。それに、酒が飲みたいのに医師は酒を飲ませてくれない。だから、命よりも大切な酒を取り上げた憎らしい存在と医師について思う。しかも、依存症の人は医師の言うことを絶対に聞かない。だから、普通の精神科の医師はなかなか対応したがらない。
―普及という課題を解決する方策はどのように考えますか。
SAGのグループができて、3年がたちましたが、まだ性依存症を治療するための受け皿はほとんどないのが現状です。来る5月9日に「日本『性とこころ』関連問題学会」を立ち上げますが、私たちの取り組みなどの周知を進めたいという狙いがあったからです。
そもそも治療自体についても、従来のアディクションモデルで対応できる部分もあるのですが、やはりどうしても解明できていない部分が存在して、これはどうすればいいのかということで、まだ答えが出ていないんですよね。学会の中でも「性犯罪者は更生できるのか」という根本的な議論をしたいと考えています。
結局、性依存症、性同一性障害、結婚活動の話もすべて性とこころということをフィールドに、そこから派生している問題です。これを学術的に、エビデンスをしっかりと積み重ねた議論をできる場所が日本にあるのかというとありません。それでうちの特徴としてなかったら作ろうと(笑)。
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2009/5/2 関心高まる闘病記:/上 患者の気持ち、知りたい 毎日jpより転載
関心高まる闘病記:/上 患者の気持ち、知りたい
2009年5月1日 毎日新聞 東京朝刊
患者が病気や治療の体験をつづった闘病記が注目されている。同じ病を抱える患者や家族が読むだけでなく、医療側も患者の気持ちを理解したり、病気を詳しく知るために活用する取り組みも始まっている。【細川貴代】
◇元看護師らが朗読会、大学医学部で収集
◇「生活の視点なかった」反省/悩み語る契機にも
大阪府立大看護学部(羽曳野市)では06年夏から毎月1回、学生が集まり闘病記の朗読会を開いている。参加者の多くは、看護師として働いた経験を持つ学生たちだ。
3月上旬のある日。集まった9人は、糖尿病で両足を切断することになった新聞記者の本を読んだ。本には患者が病院の設備や規則に縛られた入院生活をおくる様子がつづられていた。「患者さんのためと思いながら、病院の規則を押しつけていた」「結局、患者さんを管理したいだけだったかも」。朗読後、感想とともに自身の看護経験に対する気付きや反省を語りあった。
大学院生の有井千恵さん(35)は10年間看護師として働いた後、同大に編入した。読み始めたころは、自分の過去の満足いかない看護体験が思い出され、無力感で落ち込んだという。
「読んで初めて患者さんがどんな思いで闘病していたのかも分かった。病院には生活の視点が全くなく、働いていた自分も患者さんに病院生活を強要していたと気付きました」。有井さんは朗読会をきっかけに、生活の視点を重視した看護のあり方を考え始めた。
医学生の間でも、患者の気持ちや疾患を深く学ぶ資料として関心が高まっている。「患者さんは医師の細かな様子や反応を敏感に気付き、不安を感じていることが分かりました」と話すのは、愛媛大医学部6年生の小金丸茂博さん(24)だ。
同大医学部の図書館には闘病記約740冊を集めたコーナーがある。学生は実習で患者と接するまでに数年要するため、「学生が少しでも患者側の気持ちを知るために」と小金丸さんら医学生らが大学側に働きかけ、06年に実現した。授業で学んだ疾患を詳しく理解する資料としても、医学生に活用されている。
*
闘病記が注目され始めたのには、各地の図書館に闘病記コーナーが整備され始めたことが大きい。東京都立中央図書館(港区)には05年6月、国内で初めて闘病記コーナー「闘病記文庫」が設置された。がんや心臓病、脳卒中など、疾患分類ごとに約1500冊の闘病記が並ぶ。
設立に協力したのは、図書館司書や看護師らでつくる民間グループ「健康情報棚プロジェクト」(事務局・東京、石井保志代表)。病名も書名に明記されていないため図書館の棚にばらばらに収蔵されていた闘病記を収集し、病名や臓器ごとに分類した。各地の図書館に選定や分類の仕方を紹介しており、現在全国約75カ所の公共図書館、病院図書館などで闘病記コーナーが設置され、さらに広がりをみせる。
大阪府立大で闘病記朗読会を企画した和田恵美子講師(38)は、同プロジェクトのメンバーだ。「闘病記からは患者さんの気持ちや人生を読み取ることができる。闘病記が医療者の患者への理解や、患者の視点を大切にした医療の実現にもつながってほしい」と期待する。
また、和田さんは、闘病記朗読が看護職の人たちにとって自分が抱える思いと向き合うきっかけになっているとも感じている。「看護の中で感じる迷いや悩みを語る場はない。闘病記は、それらの思いを語らせるきっかけになっていると思う」。和田さんは今後、病院で働く理学療法士や看護師らを対象に、闘病記の朗読会を開けないかと考えている。
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2009/5/1 やってみよう! 「体内年齢」楽しく競う YOMIURI ONLINEより転載
運動を始めてみても、忙しくて、なかなか長続きしません。無理なく続けられる方法はない?
体組成計を利用
ブリキのおもちゃのコレクターで知られる北原照久さん(61)は、テレビ番組の収録や講演、国内外の出張で大忙しの日々を送る。健康をテーマにしたラジオ番組での対談をきっかけに、体内年齢が表示される体組成計を利用し始めたところ、40歳代だった年齢が、半年余りで「36歳」まで若返ったそうだ。
「すごいでしょ」
どんなことをしたのか尋ねてみたら、「毎日の記録がグラフに表示される。より意識しながら、毎日歩いたりするようになりました」
えっ、たった、それだけ?
「体内年齢を競うライバルがいて、負けず嫌いだったことも大きいね。何事も楽しんでやればできるんですよ」
そのライバルとは文化放送アナウンサーの竹内靖夫さん(54)だ。体重や体脂肪率、体内年齢などの身体データを番組のホームページで公開しており、北原さんの数値も合わせて番組で公表するようになった。不特定多数の人たちの目に触れる。そんな緊張感も手伝って、竹内さんも、81キロまで増えた体重を8キロほど絞り込むことに成功している。
北原さんは、50歳過ぎからウクレレやエレキギター、ダイビング、ゴルフと、次々に趣味を広げた。どんなに忙しくても、マイルールを決めて実践するのが上達のコツ、とか。運動では毎日、運動器具を使った全身の屈伸運動を10回3セット、ゴルフのパットを10回連続で入れることを欠かさない。
そして2人に共通する“心がけ”。それを列挙すると、「食事の量を減らす」「夜遅い時間には食べない」「近い距離は歩く」「なるべく階段を使う」――だった。
日常生活で効果
そんなに簡単に生活習慣を変えられるんだろうか。
「まず、今までより意識して活発に体を動かすことが大切です」と話すのは、国立健康・栄養研究所の運動ガイドラインプロジェクトリーダーの宮地元彦さんだ。
日本人には三つの知識不足があると警鐘も鳴らす。三つとは〈1〉運動不足が生活習慣病の危険因子〈2〉どのくらいの運動をすれば生活習慣病のリスクを減らせるか〈3〉今現在、自分がどの程度の運動をしているか。
厚生労働省は、身体活動の量を表す「エクササイズ」という単位の普及に力を入れる。身体活動の強さ(メッツ)に実施時間(分)をかけたもので、「週23エクササイズの運動を」と提唱する。
例えば、階段の上がり下り。普通に歩くのに比べて2倍の強度がある。運動時間を延ばさなくても、日常生活での運動量を増やすだけで効果が出てくる、という。
歩数計などの計測機器には、エクササイズなど身体活動量を表示する機種も出ている。ご活用を。(内田健司)
「週23エクササイズ」目標に
週23エクササイズ(Ex)なら1日平均約3Ex。1Exの目安は、普通に歩けば20分、早歩きなら15分だ。
通勤や営業の外回りなどでさっそうと歩けば、25分で1.5Ex。階段を上がれば4分で0.5Ex。家事では、風呂掃除が16分で1Exなど=表=が参考になる。
エクササイズに体重(キロ)をかければ、ほぼエネルギー消費量に換算できる。体重75キロの人が15分早歩きすれば75×1Exで75kcalというわけだ。
運動の効果が実感できるようになれば、継続が楽しくなること請け合いだ。
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2009/4/29 特集:日本・スウェーデン認知症フォーラム 認知症ケアの未来像 毎日jpより転載
特集:日本・スウェーデン認知症フォーラム 認知症ケアの未来像
2009年4月29日 毎日新聞 東京朝刊
◇〜認知症の診断・治療・介護のあり方〜
スウェーデンの認知症対策に学ぶフォーラム「認知症ケアの未来像〜認知症の診断・治療・介護のあり方」が3月25日、東京都千代田区の全電通ホールで開かれた。西島英利参院議員が「日本の認知症対策〜特に医療と介護の取り組み」と題して基調講演した後、スウェーデンと日本の専門家が認知症の診断や治療の現状と課題について話し合った。会場には約300人が集まり、熱心に耳を傾けていた。(パネルディスカッションの司会は斗ケ沢秀俊・毎日新聞東京本社科学環境部長)
■あいさつ
◇人生の晩年に尊厳を−−スウェーデン高齢者福祉・国民健康担当大臣、マリア・ラーション氏
高齢者の大半は活動的で独立した暮らしをしていますが、年齢を重ねるにつれて、アルツハイマー病などの病気のリスクは高まります。スウェーデンでは高齢者の93%が住宅で暮らしつつ、時折、広範囲にわたる介護を受けています。施設で介護を受けることは、それ以外の選択肢がなくならない限り、ありません。施設に入居している高齢者のうち70%以上は何らかの認知症を患っています。
BMI(体格指数)30以上、高血圧、高コレステロールが認知症発病のリスクを高めることが研究で明らかになっています。私たちが生活習慣を変えることでリスクを減らせるのです。あらゆる活動は脳に良い影響を与えます。身体的、知的、社会的活動をすることで、発病を抑制することができます。
病気を抱えた本人と家族の双方にとって、介護の質が高いほど、生活の質も高くなります。社会が負担するコストの抑制にもつながります。自分自身の要求を伝えられない人々に安心感を与え、尊厳や人権を尊重することは医療上の課題であるだけでなく、倫理的義務でもあります。私たちの目標は一人ひとりの人生の晩年を、尊厳が守られ、個人の意思が尊重される時期にすることです。
国際的なレベルで意見を交換し、経験や優れた取り組みを共有することは重要です。協力関係をさらに充実させるために、このフォーラムは大きな意義があると思います。
■基調講演
◇患者急増への対応課題に−−参院議員・精神科医、西島英利氏
認知症はかつて老人性痴呆と呼ばれていました。しかし、この言葉では差別や偏見がなくならないという議論があり、04年に老年医学会が認知症という名称に変えようと決め、それからこの言葉が使われるようになりました。認知症という言葉の歴史は浅いのです。 認知症の治療も確立していませんでした。大声を出す、徘徊(はいかい)するといった問題行動と呼ばれる行為をする方は精神科病院で治療、というよりは収容されているという時代が長く続きました。特別養護老人ホームは寝たきりの方の施設として作られましたが、認知症の方も入るようになりました。ここでもケアの仕方が確立していませんでした。
精神科がきちんと病気として治療しなければならないということで、私の病院は92年に認知症専門病棟を設立しました。88年から認知症疾患センターが全国約120カ所に作られました。06年までありましたが、ほとんど機能していなかった。偏見がありましたし、治療法もきちんとしていなかったためです。センターがなくなるという話を聞いて、私は国会で質問し、結局、認知症疾患医療センターが新たに設けられることになりました。
認知症で入院、通院している患者数は94年に約11万人でしたが、05年には約32万人になりました。入院理由の8割は問題行動とそれによる家族の疲労です。問題行動を伴う場合は治療が必要です。向精神薬に対する偏見がありますが、向精神薬をうまく使えば、患者さんが落ち着きます。特別養護老人ホームや在宅でも対応できるようになります。
厚生労働省の研究班による推計値では、65歳以上で認知症の方の数は05年に204万人だったのが、15年には302万人、25年には386万人と急増します。どう対応するかは国の重要な課題です。08年度から始まった認知症疾患医療センターは全国150カ所に設置され、相談、治療にあたります。地域の医療機関や介護施設との連携もする中核機関になります。医療から介護への切れ目のないサービスを提供できるよう、関係機関が連携して、地域で安心して暮らせる体制を築きたいと考えています。
◆地域、家庭で支えよう 早期発見、治療のカギ
◇シルビアホーム財団CEO、ヴィルヘルミーナ・ホフマン氏
◇ウメオ大教授、グスタフ・ブフト氏
◇スウェーデン補助器具研究所作業療法士、インゲラ・モーンソン氏
◇厚生労働省老健局老人保健課長・鈴木康裕氏
◇熊本大大学院医学薬学研究部脳機能病態学分野(神経精神科)教授・池田学氏
ホフマン氏 シルビアホーム財団はシルビア王妃の発案で96年に設立され、認知症の患者・家族を支援しています。王妃自身がお母さんの認知症で苦しんだ経験をお持ちです。シルビアホームは、デイケアと教育をしています。認知症の種類に応じて、どのような介護の手法が必要かを教育しています。医師や看護師など延べ9000人が受けました。家族のための教育プログラムもあります。1日だけですが、家族同士のネットワークができます。
ブフト氏 認知症研究者は資金不足に悩んできました。認知症患者はエイズ患者の10倍もいるのに、研究費は20分の1にすぎません。研究は断片的で結果が医療者にきちんと伝わっていない問題もあります。これを改善するには、人々の姿勢を変えることが必要です。
モーンソン氏 国家プロジェクト「技術と認知症」が昨年まで3年間実施されました。認知症患者と家族にさまざまな福祉機器を使ってもらい、その状況を記録しました。記憶力支援のための電子カレンダー、1日にすべきことを音声や振動で伝えるハンドコンピューターなどです。外に出ようとすると介護者に連絡が入るセーフティーアラームを使うと、徘徊(はいかい)の心配がいらなくなります。福祉機器の使用は早期に始め、継続することが重要だということが分かりました。
池田氏 認知症かどうかは本人や家族にとって極めて重要な問題です。認知症外来に来る方の20%は認知症ではなく、正常老化による物忘れやうつ病、せん妄と呼ばれる意識障害です。物忘れと認知症の違いは、自覚があるかどうか。認知症では、これが薄れます。自覚のあるなしを丁寧に見分けることが必要です。
認知症にはいくつもの種類があり、それぞれ治療方法が違います。アルツハイマー病のように、現在の医療では完全に治療できないものもありますが、脳血管障害の後遺症である脳血管性認知症は脳梗塞(こうそく)が予防できると防ぐことができます。
アルツハイマー病の症状で最も多いのは、「物とられ妄想」です。「うちの嫁が財布をとった」など、身近に介護している人に向きます。初期に出るので、その時点で介入することが重要です。介護をしている人にあらかじめそれを説明したり、デイケアを最大限活用して接触時間を減らすといったことで、介護者の負担を減らします。それでも対応できない場合、慎重に向精神薬を使います。
鈴木氏 軽度以上の認知症の方は約150万人いますが、半数近い73万人は自宅にいます。高齢者の3人に2人は夫婦だけで、あるいは独りで暮らしており、今後は独りで暮らす高齢者が増える見込みです。高齢者用アパートや有料老人ホームなどを増やし、独りで生活できない認知症の方にサービスを提供する形にしたいと考えています。
家庭や地域の方に認知症について理解してほしいということで、05年から10年計画を進めています。認知症サポーターを100万人つくるという目標で、今は72万人います。オレンジ色のリストバンドをしています。
斗ケ沢 福祉機器の使用者の感想は。
モーンソン氏 家族からは「もっと早く使いたかった」という声が多いです。
池田氏 日本では、自治体によっては初期の認知症の方に、電磁調理器の購入補助をしているところもあります。介入のタイミングが重要で、一歩遅れると、慣れたガスコンロから電磁調理器に替えられません。
斗ケ沢 認知症の早期発見の意義は。
ブフト氏 早く発見できれば、早く治療に取り組むことができます。地域の医師や看護師が早い段階で患者に会い、診断することが重要です。それができるようになるには研修が必要です。
池田氏 家族が正しい知識を持ち、おやっと思った時にかかりつけ医に相談していただくことが大事です。
斗ケ沢 認知症サポーターはどんなことをするのですか。
鈴木氏 認知症とはこういう病気で、何か変だと思ったらどうすればよいかという知識の普及役です。身近にサポーターがいたら、ぜひ話を聞いてほしいと思います。
ホフマン氏 サポーター制度は素晴らしいですね。アイデアとして持ち帰ることができると思います。スウェーデンでは高齢者介護をする人の多くが引退の時期を迎えていて、若い人に入ってきてもらわなければ困る状況になっています。若い人たちに、介護が魅力ある分野だと知らせる活動に取り組んでいます。
斗ケ沢 在宅と施設のどちらを重視するのでしょうか。
鈴木氏 国が決めるのではなく、個人や家族の思いが大事だと思います。在宅と施設を行ったり来たりするという選択があってもよい。地域に介護施設がある程度存在して、患者・家族が選べるという状況をどう作るかが行政の役目です。
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主催 毎日新聞社
特別後援 スウェーデン大使館
後援 厚生労働省、日本医師会、日本精神科病院協会、日本精神科看護技術協会、日本精神保健福祉士協会、ぼけ予防協会
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■人物略歴
◇マリア・ラーション
1956年生まれ。ヴェクショー教育大卒。中学校教員などを経て、98年国会議員に。キリスト教民主党主席副代表。06年から現職。3児の母。
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■人物略歴
◇にしじま・ひでとし
1948年生まれ。日本医科大医学部卒。北九州市医師会理事、日本医師会常任理事などを経て、04年参院議員。参院自民党国会対策副委員長、厚生労働委員会委員などを務める。
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■人物略歴
◇ヴィルヘルミーナ・ホフマン
1960年生まれ。カロリンスカ医科大で医学博士号取得、認知症の疫学研究に取り組む。08年から現職。スウェーデン認知症センターの所長も務めている。
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■人物略歴
◇グスタフ・ブフト
1943年生まれ。ウメオ大で医学博士号を取得。87年から現職。老年精神病学、地域医療、コンピューターによる意思決定支援システム開発に取り組む。
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■人物略歴
◇インゲラ・モーンソン
1949年生まれ。カロリンスカ医科大で作業療法学などを学ぶ。認知症患者支援に関する国家プロジェクトなどのコーディネーターを務めている。
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■人物略歴
◇すずき・やすひろ
1959年生まれ。慶応大医学部卒後、厚生省へ。環境省環境保健部、世界保健機関局長、厚生労働省医政局研究開発振興課長などを経て、06年から現職。
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■人物略歴
◇いけだ・まなぶ
1960年生まれ。東京大理学部、大阪大医学部卒。大阪大大学院で医学博士号取得。東京都精神医学総合研究所、愛媛大助教授などを経て、07年からから現職。
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2009/4/29 ヘルシーリポート:青魚の脂 EPA摂取で脂質改善 動脈硬化を防ぎ、血液サラサラ 毎日jpより転載
ヘルシーリポート:青魚の脂 EPA摂取で脂質改善 動脈硬化を防ぎ、血液サラサラ
2009年4月29日 毎日新聞 東京朝刊
◇イワシ、サンマ、サバ、アジ
日本人の食生活は戦後、大きく変わった。最も大きな変化は動物性たんぱく質と脂肪の摂取量の増加だ。食の欧米化に伴い、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞など動脈硬化性疾患が増えた。どうすれば防げるのか。イワシやサバなど魚をもっと食べ、脂肪の取り方を変えてみるのも方法のひとつだ。今回のキーワードは「魚の脂」。【小島正美】
■40年間で2〜3倍に
心臓病や脳卒中を引き起こす要因には、動脈壁の硬化や血栓などがある。血管の内側に脂肪がたまると血管が狭くなり、しなやかさがなくなる。これが進行すると脳や心臓の血管が詰まり、脳梗塞や心筋梗塞が起きる。
「こうした疾患の増加をもたらす大きな要因のひとつが、動物性食品や脂肪の取り過ぎだと言ってもいいでしょう」。こう語るのは、血栓症や脂質代謝の研究で知られる秦葭哉(よしや)・三鷹病院(東京都三鷹市)院長(元杏林大学高齢医学教授)。過去約40年間で、日本人の肉類や脂肪の消費量は約2〜3倍も増えた。これは家庭の食卓や外食で、肉類や油を使った料理を食べる機会が多くなったためだ。
■低温で固まりにくく
ところが、北極園に暮らす先住民のイヌイットは肉食の生活ながら心臓病での死亡率が極めて低いことが1960年代に分かり、注目された。
イヌイットは主にアザラシやクジラなどを食べ、野菜や果物をほとんど取らないのに、なぜなのか。デンマークの研究者らが調べた結果、イヌイットの人たちの血中にはEPAという多価不飽和脂肪酸が多いことが分かった。
EPAはエイコサペンタエン酸の略で、イワシやサンマ、サバ、アジなど青魚に多く含まれる脂肪酸だ。牛肉や豚肉、鶏肉の脂肪は温度が低いと固まりやすいのに対し、冷たい海に生息するアザラシやクジラ、魚の脂はEPAが多く、水温が低くても固まりにくい。この固まりにくさが、いわゆる血液のサラサラ状態を保つ。同じ肉食でも、牛肉や豚肉を食べるのと魚肉を食べるのとでは、血液の脂質や血栓のもとになる血小板への影響が異なるわけだ。
EPAは健康に欠かせないが、人間が体内で作り出せず食事で摂取しなければならない必須脂肪酸。秦さんは「戦後60年の食生活を振り返ると、EPAが多く含まれる魚の消費量が減っている」と、魚を中心とする和食の大切さを改めて強調する。
■脳卒中のリスク低下
ではEPAを摂取すれば、脂質は改善されるのか。
秦さんらがヒトの臨床試験を行ってきた結果、EPAを摂取すると中性脂肪が減り、善玉のコレステロール(HDL)が増え、脂質が改善されることが分かった。
しかし、病気を防ぐにはもっと有効な方法もあることが、高脂血症患者への大規模な臨床試験で分かった。
この試験は総コレステロール値が1デシリットルあたり250ミリグラム以上の高脂血症患者約1万8600人(40〜75歳)を二つのグループに分け、一方にコレステロールを下げるスタチン系薬剤(高脂血症薬)だけを、もう一方にはEPA製剤(1日あたり1800ミリグラムの摂取)と高脂血症薬の両方を摂取してもらい、狭心症や心筋梗塞の発症率に差が生じるかを約5年間追跡した。
その結果、EPA製剤と高脂血症薬を併用したグループの方が発症が少なかった。
また、別の解析ではEPA製剤と高脂血症薬を併用すると、脳卒中の再発リスクが低くなるとの結果も得られた。
中性脂肪が高く善玉コレステロールの低い人にEPAの摂取が有効なことなどから、EPAはサプリメント(栄養補助食品)だけでなく、医薬品(製品名「エパデール」など)にもなっている。
■徐々に体質を変化
肥満を特徴とするメタボリックシンドロームに含まれる高脂血症、高血糖、高血圧といった異常が多い人ほど、血液中に含まれるEPAの濃度が低いという研究も報告されている。秦さんは「EPAの摂取はメタボの改善にもなる」と話す。
EPAは摂取し続けると体内の細胞に少しずつ取り込まれ、徐々に体質を変えてゆく。マラソン選手での試験では、赤血球の膜に取り込まれると血球の変形能力が高くなり、酸素供給能力が高まるという結果が出ている。また、糖尿病で皮膚に壊疽(えそ)ができた場合、EPAの摂取で症状が改善されたとの報告もある。
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◆EPA
多価不飽和脂肪酸の一種で、元は海の藻類や一部の植物に含まれている。イワシやサンマに多いのは藻類を食べるため。血小板の凝固を抑えることから、血液の抗凝固(血栓防止)作用がある。中性脂肪を低下させる特定保健用食品(トクホ)としても市販されている。しその葉に似た植物のエゴマにも不飽和脂肪酸のα(アルファ)−リノレン酸が多く、人の体内でEPAやDHA(ドコサヘキサエン酸)に変わる。EPAやDHAはアトピー性皮膚炎や花粉症にも効果的という報告もある。
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2009/4/28 高齢者に笑顔「劇的変化」 遊んでリハビリ 玩具療法 YOMIURI ONLINEより転載
90人に効果
介護職員(中央)とパズルを楽しむ高齢者(東京都台東区で)=杉本昌大撮影
「かわいいでしょ? とてもお利口で、なでると動くのよ」。84歳の女性は、白い猫のぬいぐるみをなでながら目を細めた。パズルに夢中になっていた75歳の男性も、「難しいねえ」と言いながら真剣な表情だ。
東京都台東区にある区立デイサービスセンター「あさくさ高齢者在宅サービスセンター」には、ぬいぐるみ、パズル、塗り絵など十数種類のおもちゃが置かれている。昨年2月に、おもちゃを使ってリハビリ効果をあげる玩具療法を導入。併設の特別養護老人ホームの入居者を含め、認知症高齢者約130人のうち、約90人に効果が認められた。
トイレや入浴を拒む男性(82)は、ぬいぐるみを抱いていると安心した表情を見せ、職員の誘いを嫌がらなくなった。パズルで遊び、うつが緩和された例もあった。山昌幸施設長は、「多くの高齢者が笑顔になるなど、劇的な変化がある。職員の負担軽減にもつながっている」と話す。
街おこしも
介護職員(中央)と一緒にぬいぐるみで遊ぶ高齢者
同センターがある台東区は、バンダイやセガトイズなど玩具メーカー約30社が本社を構える「おもちゃの街」。認知症ケアの向上と「街おこし」を狙い、同区では今年度から、他の区立施設でも職員を対象にした玩具療法の研修を始める。区内の玩具メーカーも、おもちゃを割引価格で販売するなど、支援する意向だ。
玩具療法は、おもちゃで遊ぶことで楽しい気持ちになる効果を、認知症の症状改善に応用した療法。2001年に、医師や福祉関係者らで作る「玩具福祉学会」が始めた。同学会が05〜06年度に行った厚生労働省の研究事業では、認知症高齢者の意欲が高まり、コミュニケーションが豊かになる効果が実証された。東京都や千葉県など、全国十数か所で導入されている。
手軽に実践
認知症には、音楽、回想など様々な療法があるが、「玩具療法のいいところは、導入が容易で、費用も比較的安いこと。重度の人でも、人形で遊ぶことなどで、癒やし効果が得られる」と、医師で、「いらはら診療所」(千葉県松戸市)理事長の苛原実さんは言う。
ただし、玩具選びには注意する必要がある。拳玉など、昔遊んだおもちゃでも、難しいものになるとかえって自信をなくしてしまう場合があるからだ。「その点、磁石付きのダーツなどは、力がなくても的に当たるので、遊びやすい。学会では、目的別に適したおもちゃも紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい」と玩具福祉学会理事長の小林るつ子さんは話している。
◆おもちゃを選ぶポイント |
|---|
・扱い方が簡単 ・安全 ・1人でも数人でも遊べる ・体や手、足、指などを使う ・かわいい、色が美しい |
◆目的別に見たおもちゃ |
|---|
・コミュニケーションを促す=ブロックタワー積みなど ・運動機能を高める=磁石付きダーツなど ・リハビリ効果がある=日本地図パズルなど ・心が癒やされる=おしゃべりする人形やぬいぐるみなど |
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2009/4/28 医療ナビ:結核 芸能人の入院で注目。風邪に似た症状で年間の死者は2千人超 毎日jpより転載
医療ナビ:結核 芸能人の入院で注目。風邪に似た症状で年間の死者は2千人超
毎日新聞 2009年4月28日 東京朝刊
◆結核 芸能人の入院で注目。風邪に似た症状で年間の死者は2千人超
◇早期発見で拡大予防 BCG効果、有限/空中の菌で感染も
日本では07年、2万5311人が新たに結核と診断され、2194人が死亡した。きちんと対処すれば治せる病気だが、感染を完全に防ぐことはできない。専門家は「最大の予防は早期発見」と強調する。
埼玉県の男性会社員(43)は今年3月上旬、肺結核と診断された。昨年末から、寝返りをうつと胸が痛んだり、少し動くだけで息苦しくなることがあった。仕事が忙しく病院に行きそびれているうちに激しくせき込むようになり、3月に入って総合病院を受診した。男性の胸部エックス線写真を見た医師は「肺がんか結核」と診断し、結核治療の実績がある複十字病院(東京都清瀬市)を紹介した。
病院では男性のたんを調べ、含まれる結核菌の量から中程度の感染力があると判断。男性は即日入院した。感染時期や経路は不明。保健所の接触者検診では、同居している妻子は感染していなかった。治療は順調で、5月上旬には退院し、その後も服薬を続けて完治を目指す。
同病院の吉山崇・結核病棟長によると、患者の多くは風邪を引いたと思って病院を訪れる。せき、熱、たんなど、症状が風邪に似ているためだ。処方された風邪薬を飲んでも治らないため再受診し、エックス線検査で判明するケースが目立つという。
入院は感染を広げないための措置で、周りへの感染力がなければ外来治療も可能だ。通常、4種類の薬を併用する。感染力がなくなれば退院できるが、その後も半年以上薬を飲み続ける必要がある。治療を中断すると、再発して重症化する恐れがある。体内に残った菌が薬への耐性を持ち、再発した時に効く薬が限られたり、耐性菌をまき散らす可能性もある。現在の標準治療は「6〜9カ月の投薬」で、平均的な入院期間は2カ月だ。
感染は防げるか。吉山医師は「感染を受ける側が努力しても防ぐことはできない」という。
国内では生後6カ月未満の乳児全員に予防接種(BCG)を勧めている。これで発病の危険は減らせるが万全ではなく、効果は一生は続かないとされる。
多くの人が集まる場所に患者がいれば、周囲の人は感染の危険がある。せきによる飛沫(ひまつ)を浴びる以外にも、飛沫の水分が蒸発して結核菌が空中を漂い、それを吸い込んで感染する場合もある。職場や学校、病院などで20人以上が感染する集団感染は、06年に23件起きた。
吉山医師は「大切なことは早く見つけて確実に治すこと。いつもと違うせきが2週間以上続いたり、夜、寝汗をかくような時は受診してほしい。結核と診断されたら、周囲の人は保健所による接触者検診を受けるなど、感染を広げないために協力してほしい」と言う。【元村有希子】
◇「終わった病気」ではない
財団法人結核予防会結核研究所名誉所長の森亨医師(公衆衛生学)に、現状と対策を聞いた。
◇
日本の結核罹患(りかん)率(人口10万人あたりの発生患者数)は07年で19・8。カナダ(4・4)や米国(4・5)の4倍以上で、罹患率だけを見ると日本の結核対策は米国より50年近く遅れている。
日本は、結核が流行してからの歴史が、他の先進国より短い。国民の半数が結核菌に感染し、結核が死亡原因の上位だった1950年代に青年期を過ごした人たちが今も生存しており、結核が世代を超えて受け継がれている。
罹患率を下げるには、検診の徹底による早期発見・早期治療だけでなく、ハイリスク群対策も重要だ。糖尿病や胃かいよう患者、免疫を抑えるステロイド剤を服用している人などは結核に感染しやすい。医療を受ける機会が少ない路上生活者などの社会的弱者にも結核が広がりやすい。結核は、先進国では「終わった病気」と思われがちだが、国としてきちんと体制を組み、努力を続ける必要がある。
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■主要各国の結核罹患率(06年、厚生労働省)
国 罹患率
日本 20.6
アメリカ 4.5
カナダ 4.4
イギリス 13.5
フランス 7.9
スウェーデン 5.4
韓国 78.8
シンガポール 30.0
フィリピン 170.8
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2009/4/24 遺伝子使わずiPS作製 がん化懸念少ない手法 米独チーム 【1】 他【2】 m3.comより転載
遺伝子使わずiPS作製 がん化懸念少ない手法 米独チーム 【1】
さまざまな組織に成長できる新型万能細胞「iPS細胞」を、遺伝子を使わずに作製することにマウスの実験で成功したと米スクリプス研究所など米独チームが24日、米科学誌セル・ステム・セルに発表した。
がん化などの懸念が少ない安全な手法として注目される。
京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授らが開発したiPS細胞は、皮膚などの細胞に4つの遺伝子を組み込んで作る。米独チームの方法では、遺伝子は入れず、遺伝子が作るタンパク質をあらかじめ別に作ってから細胞に入れる。
タンパク質をマウスの胎児の皮膚細胞に入れて約1カ月培養すると、iPS細胞になった。肝臓や心筋、神経の細胞などに分化することも確認した。
また4つの遺伝子のうち、がん遺伝子を除いた3種類で作ったタンパク質を入れても、iPS細胞ができたという。
細胞膜を透過させてタンパク質を細胞の中へ入れるのは、タンパク質が大きいため通常は難しい。だが富沢一仁(とみざわ・かずひと)熊本大教授(生理学)が、末端にアルギニンというアミノ酸11個を付けて効率的に入れる方法を開発。米独チームはこの方法を利用し、アルギニンを作る遺伝子とiPS細胞作製に必要な遺伝子を組み合わせ、細胞の中に入りやすいタンパク質を大腸菌に作らせた。
iPS細胞は、ウイルスを使って遺伝子を皮膚細胞などに組み込んで作り、がん遺伝子を省略しても作製できるが効率は落ちる。導入に使うウイルスも細胞をがん化させる恐れがあるほか、細胞に外から遺伝子を入れると染色体に何らかの影響を与える恐れがあり、安全な手法開発への取り組みが進んでいる。
安全性問題は決着か 識者談話 【2】
米独チームが使った手法を開発した富沢一仁(とみざわ・かずひと)熊本大教授(生理学)の話 細胞に遺伝子を入れる手法では、染色体への影響を完全に排除することはできない。タンパク質を直接入れるなら、心配はなくなる。iPS細胞の安全面での競争はこれで決着がついたのではないか。また細胞に遺伝子を導入してできるタンパク質は、大腸菌に作らせた場合と性質が違う場合もあるが、iPS細胞ができたという点でほぼ同等と考えて良いだろう。
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2009/4/24 やってみよう! 動体視力 鍛えられる? YOMIURI ONLINEより転載
猛スピードで動く指標を真剣な表情で追いかける巨人軍・中井大介選手(川崎市のジャイアンツ寮で)=杉本昌大撮影
目の動体視力を鍛えるトレーニングがブームらしい。テレビゲームのソフトも人気だ。動体視力を鍛えれば、日常生活でも何かいいことがあるのだろうか?
スポーツでは盛ん
動体視力とは文字通り、動くものを目でとらえる能力。スポーツの世界では、医師やトレーナーらによる研究会が1980年代半ばに発足するなど研究が盛んという。
セ・リーグ3連覇を目指すプロ野球・ジャイアンツも、今シーズンから練習に取り入れたと聞き、二軍の本拠地・ジャイアンツ球場(川崎市)を訪ねた。2年目の野手、中井大介さん(19)ら若手選手が、動体視力の測定を行っている場面を取材した。
視力検査で使う「C」に似たマークが、スクリーンを左右に猛スピードで移動するのを、一瞬にして読み取る。超一流選手では10メートル先を時速300キロ・メートルで動く輪の切れ目も判別できるそうだ。
ジャイアンツ・二軍トレーニングコーチの伊藤博さん(43)によると、2月の二軍キャンプから動体視力トレーニングを導入した。個々の選手のデータは企業秘密だそうだが、「イレギュラーバウンド(不規則にはねるゴロ)への反応が良くなるなど、実戦でも効果が出ている」(伊藤さん)という。
そういえば、かつて「ボールが止まって見えた」と言った大打者もいた。将来が楽しみだ。
しかし、一般人には、時速150キロ・メートルの剛速球を打つことも、イレギュラーバウンドを華麗に守備する必要もない。「スポーツ以外でも何か役に立ちますか?」
スポーツビジョン研究会幹事で愛知工業大教授の石垣尚男さんによると、動体視力は5歳ごろから成長し始め、20歳ごろピークを迎えた後、緩やかに下降線をたどる。「トレーニングで落ち込み幅を減らせれば、何もしないより10%程度は能力をアップできる」という。
ゲームで実験
石垣さん監修の携帯ゲーム機ソフト「DS眼力トレーニング」を使った実験では、20歳前後の若者と平均年齢55歳の中高年各8人に、1日15分、週3回トレーニングを2か月半続けてもらい比較。中高年では、トレーニング開始前の若者レベルにまで得点がアップしたという。
「車を運転していて歩行者などの飛び出しに素早く気づいたり、歩行者なら、車が近づいてくるスピードが分かりやすくなったり、一般の人でも役立ちますよ」と石垣さん。なるほど、アンチエイジング(抗加齢)ブームの世の中で、「目の若返り」を期待する向きには良いかもしれない。もちろん、スポーツを楽しむ人にも恩恵はありそう。
また、DSの実験では、縦書きの文章を読む速度がわずかに速くなった。ちなみに横書きは変わらず、「眼球運動の複雑な上下動の方が効果が表れやすいのでは」(石垣さん)とみている。(渡辺理雄)
視線を移動2か月で効果
両腕を伸ばして目の高さに上げ、親指を立てて顔の幅にセット。左右の親指の爪を交互に見つめる。親指の距離は顔の幅から始め、慣れたら広げる。
左右の運動と同様に、両腕を上下に伸ばして視線を上下に動かしたり、片方の腕を曲げて顔に近づけ視線を遠近に移動させたりする。左右、上下、遠近をセットにして行う。手拍子などに合わせ、だんだん速く。
顔を動かさず、眼球の動きだけで、素早く視線を切り替える。1日約10分、週3回を、2か月続けると効果が出るという。
| 動画メモ 家庭でできる動体視力トレーニングをスポーツビジョン研究会代表の真下一策さんが指導します。 |
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2009/4/19 iPSで日本抜かれた 「米に1勝10敗」開発者の山中教授 YOMIURI ONLINEより転載
iPSで日本抜かれた
「米に1勝10敗」開発者の山中教授
山中伸弥・京都大教授が世界に先駆けてつくった新型万能細胞(iPS細胞)は、アルツハイマー病や骨髄損傷などの治療を可能にする再生医療につながるとして、世界中で研究競争が激化している。
しかし、日本は米国に押され気味だ。さらに再生医療に力を入れるオバマ政権誕生で、日本発のiPS細胞も、その果実はさらわれつつある。(ワシントン支局 山田哲朗、科学部 木村達矢、米山粛彦)
オバマ大統領は再生医療重視
「オバマ大統領は生命科学に理解が深く、これで再生医療が前進すると、業界は沸き立ってますよ」。全身の筋力が徐々に失われる筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者に対し、世界初の再生医療の臨床試験を、今夏にも始めるニューラルステム社(米メリーランド州)のリチャード・ガー社長(56)が語る。
同社は、神経の元になる特殊な細胞(神経幹細胞)を中絶胎児から採取し、培養・凍結保存する技術を確立。この細胞を患者18人の脊髄に注射し、失われた神経の働きを取り戻す方針だ。
ALSは往年のメジャーリーガー、ルー・ゲーリッグが発症した病気として知られ、治療法がない。ガー社長は「毎日のように、世界中から研究の進み具合を尋ねる電子メールが届きます」と誇らしげだ。
ブッシュ前大統領は生命倫理の観点から、人間の受精卵を壊して作る胚性幹細胞(ES細胞)研究への連邦政府助成を禁じていた。iPS細胞とほぼ同じ性質を持つ万能細胞のことだ。これに対し、オバマ大統領が3月9日、助成を解禁する大統領令に署名すると、経済危機で低迷していた同社の株価は反転上昇した。
ジェロン社(カリフォルニア州)も今夏、人間のES細胞を使って、脊髄損傷患者8〜10人を治療する世界初の臨床試験をスタートさせる。オバマ大統領が就任した3日後、米食品医薬品局が臨床試験を承認したと、同社が発表した。日本の患者団体「日本せきずい基金」の大浜真理事長は、「日本でも早く同様の治療を始めてほしい」と期待する。日本では、米国のような動きはまだないからだ。
悲壮感
「研究競争は非常に激しいが、iPS細胞というと必ず日本が出てくる状況を5年後、10年後も何としても維持したい」。3月31日、優れた医学研究者に贈られるガードナー国際賞の受賞記者会見で、受賞の感想を聞かれた山中教授の発言には悲壮感すら感じられた。
主要科学誌に昨年掲載された国別のiPS細胞関連の論文数は、日本の1本に対し、米国が7本、ドイツが1本。日本オリジナルだったはずのiPS細胞研究はすでに、「1勝10敗」(山中教授)と、苦戦を強いられている。
米の研究者・予算は日本の10倍
治療活用などの技術、特許化狙う
こうした日米格差は、なぜ生まれるのか。一つは研究者数の違いだ。ES細胞やiPS細胞などの研究者が集まる国際幹細胞研究学会の会員数は米国人1128人。日本人は118人で10倍の開きがある。
研究予算も差がある。米国は再生医療研究に、国立衛生研究所だけで年間約940億円の予算を組む。オバマ大統領は科学技術予算の上積みを決めており、研究費はさらに増える見通し。カリフォルニア州が10年で3000億円、メリーランド州が1年で23億円など、各州政府も独自に助成する。
日本政府もiPS細胞を将来の産業の柱として位置づけ、今年度に55億円の研究費を支出する。再生医療全体では200億円を投入。景気対策の補正予算でも大幅な上積みをめざすが、「日米の研究費には10倍以上の差がある」(内閣府)のが実情だ。
大学での研究成果を産業につなげる手法も確立されていない。ニューラルステム社のような再生医療関連の企業数は、米国内で80社超。対する日本は10社余りしかない。京大は昨年9月、マウスや人間のiPS細胞作製方法について国内特許を取得した。しかし、世界の医薬品市場(66兆円)の半分を占める米国で、誰がiPS細胞の特許を握るかは米特許商標庁が審査中で、まだ見えてこない。
米国の研究者たちは、山中教授とは別の手法で、より効率的で安全性の高いiPS細胞を作製したり、iPS細胞を心筋や神経など様々な細胞にして治療に活用したりする技術の特許化を狙う。カリフォルニア州にあるアイズミ・バイオ社は、製薬大手のバイエルが山中教授とは別手法でつくって特許出願したiPS細胞を使い、臨床応用を急ぐ。
このままでは山中教授のノーベル賞受賞はあっても、政府が膨大な予算を投じる研究成果の大半がさらわれかねない。ガー社長は、「山中教授は研究以外の雑務にも忙しいはず。日本型モデルは大学に頼りすぎているのではないか」と指摘している。
廃棄受精卵の使用がES細胞助成の条件…米国立衛生研
【ワシントン=山田哲朗】
米国立衛生研究所(NIH)は17日、胚性幹細胞(ES細胞)の研究指針を公表した。オバマ大統領がES細胞研究への助成を解禁する大統領令に署名したのを受けたもので、指針は、連邦予算による助成対象を、不妊治療施設で余ったため廃棄される運命の受精卵を使った研究に限定した。最初から研究目的で受精卵を作るなど論争の多い手法に対しては助成を禁じた。
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2009/4/19 予防接種:どう変わった? 毎日jpより転載
予防接種:どう変わった?
2009年4月19日 毎日新聞 東京朝刊
乳幼児の予防接種は時期の決まった定期接種だけでも数多く、安全面も含めて分かりにくい。近年実施方法が変わった麻疹(ましん)・風疹、日本脳炎についてまとめた。【大和田香織】
◇麻疹・風疹−−「混合」で2回
麻疹・風疹は06年度から、混合ワクチン(MRワクチン)で1歳時と就学前の2回接種制になった。07年に10〜20代で流行が起き、昨春から5年間に限り13歳(中学1年)と18歳(高校3年)も定期接種が行われている。06年以前は麻疹・風疹を単独で1回ずつ接種していた。
1歳でどちらか、あるいは両方を接種した子が混合ワクチンを注射して問題ないのだろうか。
国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長は「医学的に、また2回制が普及する海外の実例からも問題はない」という。厚生労働省は過去2年で全国約1600人を調べ、2月の麻しん対策推進会議で「重篤な副反応の報告はない」としている。岡部さんは「風疹は診断がつきにくく、かかったと思い免疫を得る機会を逃すことのほうが心配」とも指摘する。
麻疹が2回接種になった主な理由は(1)1回接種で免疫の付かない人がいる(2)長期間に免疫の効力が下がる人がいる−−などだ。症状が軽く、知らないうちに周囲に感染させるケースもある。定期接種に指定されているのは社会全体のリスクが大きいためだ。そのため重い健康被害が出た場合は国の救済制度の対象になる。
◇日本脳炎−−新ワクチンできたが
日本脳炎は一般に3〜4歳で3回、9歳で1回の予防接種が行われていたが、急性散在性脳脊髄(せきずい)炎(ADEM)との因果関係が疑われ、05年に積極的勧奨中止の通知が出された。予防接種を強く勧めないという意味だ。
今年3月、新しいワクチンの使用が決まったが、厚労省結核感染症課によると「積極的勧奨中止」はまだ続いている。自治体が地域の状況を見て準備していくが、ワクチンは急に大量生産できず、対象年齢全員にすぐ接種できないのが実情らしい。
岡部さんによると、日本脳炎はヒトからヒトに直接感染しない。ブタの飼育などの衛生管理も進み、感染の機会は減少している。発病は感染者の100〜1000人に1人程度で、近年は国内の患者数は年10人以内。勧奨中止で患者が増えたとの報告はないという(07年は全国で患者10人、うち死者2人)。
ただし、日本脳炎ウイルスが国内に濃厚に存在する点は変わらず、熱帯アジアの国々では病気が多数発生している。岡部さんは「緊急性はないが、少し長い目で見れば、予防は必要。地域の状況などを医師と相談して受けてください」と話す。
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◇麻疹(はしか)
麻疹ウイルスは感染力が強い。せきなどの飛沫(ひまつ)や接触で感染する。空気感染も多い。症状は1週間以上の高熱、発疹など。肺炎のほか1000人に約1人が脳炎を起こし、死亡したり中枢神経系の後遺症を残す(致死率0.1〜0.2%)。
◇日本脳炎
日本脳炎ウイルスに感染したブタから蚊を経由し感染する。症状は高熱、意識障害、けいれんなど。致死率は2〜4割。生存者の5〜7割も後遺症が残る。
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2009/4/18 私立歯大のうち6割で定員割れ…読売新聞社調査 歯科医過剰が背景 YOMIURI ONLINEより転載
私立歯大のうち6割で定員割れ…読売新聞社調査
歯科医過剰が背景
(2009年4月18日 読売新聞)
全国17の私立歯科大・歯学部のうち6割強の11校で、今春の入学者が定員割れを起こしていることが、読売新聞社の調査でわかった=別表=。
中には定員の4割以上にあたる35〜43人の欠員が出た大学が3校あった。受験者総数も4973人と、前年より約2800人減少した。大幅な定員割れで質的に一定レベルの入学者を確保できないおそれもある。「歯科医療の崩壊につながりかねない」として日本私立歯科大学協会も危機感を強め、対策等の検討を始める。
定員割れとなった11校のうち、奥羽大歯学部(定員96人に対し入学者53人)、松本歯科大(80人に対し45人)、日本歯科大新潟生命歯学部(96人に対し57人)の3校の欠員は定員の4割以上に達した。さらに、北海道医療大歯学部、岩手医科大歯学部、神奈川歯科大も、1割〜3割の定員割れだった。予定されていた入試終了後に、急きょ追加募集を行いながら、定員に届かなかった学校も5校あった。これほど大幅な定員割れは初めてという。また、2006年度までは1万人を上回り安定していた私立大の受験者総数も、今春は4973人だった。国公立大で定員を満たさなかったのは1校だけだった。
大手予備校などによると、受験者が減少した最大の原因は、歯科医師の過剰感。歯科医師数は90年の7万4000人から、06年には9万7000人に年々増加。それに対し歯科医療費の総額は伸びておらず、過当競争が目立つ。開業が難しいため、若手の歯科勤務医の場合、年収300万円以下というケースもあり、「かつての高収入のイメージが崩れている」と予備校関係者は指摘する。
定員割れに伴い、入学金を含め、一般に700万〜1000万円といわれる初年度の納入金も減るため、学校経営にも大きな打撃となる。各校では今後、来年の入試に向けた検討を行うが、即効性のある対策は難しいという声が多い。
安井利一・日本私立歯科大学協会副会長の話 「志願者減少は覚悟していたが、これほど多くの学校が定員割れしたのは予想外。協会として、歯科医療の必要性を国民にアピールしていくしかない」
[解説]定員見直し質維持を
定員割れの背景には、歯科医師の過剰感のほか、様々な要因が指摘される。一つが医学部の定員増。医師不足解消のため、今春医学部の定員が700人増やされ、歯科医志望者の一部が流れたとの指摘もある。
不況も影を落とす。高額な私立歯学部の学費。さらに開業ともなれば多額の費用がかかる。国家試験の難易度も上がり、歯学部離れに拍車をかける。
超高齢社会を迎え、歯科医療の役割は大きくなる。健康な歯を維持し、食事をすることができるかどうかは、生活の質に大きくかかわるからだ。国の主導で、国公立も含めて定員を早急に見直すなどし、質の高い志願者を確保するとともに、長期的な視野に立ち歯科医療の将来像を示すべきだ。(社会保障部 阿部文彦)
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2009/4/17 やってみよう! 焼酎の効用って何なの? YOMIURI ONLINEより転載
焼酎って、二日酔いしにくいとか、低カロリーっていうけど、どこがほかのお酒と違うの?
癒やしの香り
「健康ワイド」焼酎の効用用・壁一面に焼酎のびんが並ぶカウンターで乾杯!(東京・銀座の「夢酒みずき」で)=菅野靖撮影
超人気の高級焼酎から、離島の焼酎まで、豊富な品ぞろえを売りにしているダイニングバー「夢酒みずき」(東京・銀座)を訪ねてみた。黒を基調にしたおしゃれな店内には、100種類を超える焼酎のビンやかめが並ぶ。
「焼酎はまず、香りを楽しんでほしいんですよ」
日本酒や焼酎のソムリエといわれる「酒匠」、森隆さんが差し出したのは沖縄が誇る泡盛の古酒(クース)。長く寝かせただけあり、ナッツとチョコレートを混ぜたような熟成した香りが鼻腔をくすぐる。「気持ちを穏やかにしてくれるでしょ。癒やしの効果がある」と森さん。
焼酎は、麦、芋などを蒸留して造る。米、麦、ブドウを発酵させて製造する、日本酒、ビール、ワインなどの醸造酒に比べて、糖分が含まれていない分、カロリーが低い。また、お湯割りにするなどして、自分の好みで飲むことができ、日本酒などに比べて二日酔いをしにくい。健康に優しい大衆酒として、ブームを呼ぶゆえんだ。
血栓を溶かす
しかし、ちょっと待った。焼酎にはさらに隠された効能がある、と指摘するのは、倉敷芸術科学大学の須見洋行教授(食品機能学)だ。
須見教授の研究によると、焼酎には、脳梗塞などを引き起こす、血管内の血栓(血の塊)を溶かす効果があるという。例えば、脳梗塞の治療薬として注目を浴びるt―PA(組織性プラスミノーゲン活性化因子)。血栓にくっついて効率よく溶かす作用を持つ。t―PAは血管内の内側にある内皮細胞で作られるため、血液中にごく微量含まれているが、須見教授の実験では、焼酎を飲んでから1時間後には、1・5倍以上に増えていた。
「まだ正体は分かっていないが、焼酎に含まれる成分が作用しているようだ。ワインなども同様の効能を持つが、焼酎の方が強い」と須見教授。
この成分は、揮発性があり、香りをかぐだけでも、t―PAは増えるという。ブランデーグラスを人肌で温めて、かぐのが須見教授のおすすめ。あなたの脳は、芳醇な香りで、脳内ホルモンが放出されて癒やされるとともに、全身の血液もさらさらになる。
このほか、焼酎には善玉コレステロールを増やす効果もあるという。動脈硬化の予防にもなる。
健康長寿を誇る沖縄ではかつて、家ごとに家宝のかめがあり、親指の先ほどの小さな杯で古酒を客人にふるまい、なめるように大切に味わったという。「産地の食材とともに、その土地の焼酎を味わえば、どんな土地か知りたくなる。足を延ばせば、健康維持にもつながる」と森さんは話している。
(阿部文彦)
体重70キロ→水割り2.5合限度
適量のお酒を飲んでいる人の死亡率は、まったく飲まない人よりも低いとされる。だが、多量の飲酒が長期間続くと、肝硬変、依存症などで健康を損ないかねない。適量を計る目安の一つとなるのが、肝臓が1時間当たりに処理できるアルコール量だ。個人差があるが、体重1キロ当たり約0.1グラムとされる。気分良く、翌朝を迎えるためにも、就寝中にアルコールを処理したい。体重70キロの人の場合、5:5の水割り焼酎約2.5合が限度。血液サラサラ効果も、一定量を超えると落ちてしまう。
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2009/4/15 夜間頻尿:メタボご注意 やせた人でも…日本人特有です m3.comより転載
夜間頻尿 メタボご注意 やせた人でも…日本人特有です
欧米では高齢の太った人に多いとされる夜間頻尿の症状が、日本人では、やせた人でも多く発症することが、福井大の横山修教授(泌尿器科学)の研究で分かった。欧米の研究では、高血圧、高血糖、高脂血症といったメタボリック症候群の因子を抱えた人ほど夜間頻尿になりやすいとされるため、やせた人が夜間頻尿になった場合、メタボリック症候群の因子が潜んでいる可能性があるという。
夜間頻尿とやせ形との関連を示す報告は初めて。16日から岡山市である日本泌尿器科学会総会で報告する。
横山教授らは、05年に福井県の健康診査を受けた女性1万8952人の検査結果を基に、肥満度と夜間2回以上トイレに起きる夜間頻尿、高血圧などの疾患の関係を調べた。
肥満度は国際的な指標となっている体格指数(BMI)を使用。60歳以上、70歳以上、80歳以上の各年代とも、正常BMIの人に比べ、BMI25以上の「肥満」と同18・5以下の「やせ形」の人で夜間頻尿の割合が高く、やせ形の夜間頻尿の割合は、80歳以上で15%、70歳以上で9%、と肥満の各8%を上回った。前立腺検診を受けた男性3624人の分析でも、60歳以上ではやせ形ほど夜間頻尿の症状がみられた。
横山教授は「日本人は、やせた人でも高血圧や糖尿病になると指摘されているが、夜間頻尿でも同様のようだ。夜間頻尿になったら、やせた人でもこれらの病気を疑い、医療機関などで検査した方がよい」と話している。【高野聡】
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2009/4/14 虫歯が急に痛み出したら… r25.jpより転載
虫歯が急に痛み出したら…
4月14日(火)11時0分 R25
忘れたころにやってくるものといえば?
ボクにとっては、天災だけじゃなくって、歯の痛みもそうなんです(泣)。
うがいをするたびジクジクしみていた、右の奥歯のアソコ。
ふだんはなんとなくごまかしていられるけど、いつしか息をするたびにズッキンズッキン…なんて時ほどつらいものはないっスから。
ということで、今回は「いくつになってもイヤ?」な歯医者の治療を真っ正面から取り上げてみたいと思います!
もう注射は痛くない!? イマドキの歯科医治療
厚生労働省によると、歯科医院の数は全国で6万7798施設(2007年10月現在)。全国に約4万店あるというコンビニより、はるかに多いんです。治療・サービスをいい意味で競い合う、ボクらにとってはベストな時代が到来してますね。取材に協力いただいた南青山デンタルクリニックも、歯科医院とは思えないシックな内装です
子どものころのトラウマか? いまだに歯医者さんが苦手な人は多いですよね。かくいうボクもその一人です。今も、奥歯にちょっと気になる虫歯候補があるんです。だけど…
「あー、口の中、すごいことになってるねぇ」
「なんでこうなるまで放っておいたの!?」
なんて言われるんじゃないか? と思うと、つい歯医者さんから足が遠のいてしまうんです。でも、歯を磨いてガマンしていると、痛みもいつしか消えちゃったりして。これって一種の精神力がなせる業? 南青山デンタルクリニックの青山健一院長先生、そもそも虫歯ってどうして痛くなるんでしょう?
「歯の表面では、“脱灰”と“再石灰化”が常に生じています。プラーク(歯垢)中の細菌が酸を作り、歯を溶かすことを“脱灰”といいます。一方、その酸を洗い流し、唾液中のカルシウムが歯を再生させるのが“再石灰化”。脱灰の方が勝てば虫歯になるし、再石灰化が勝てば虫歯にはなりません」
歯は一番外側がエナメル質、その内側が象牙質。さらにその内側に歯の神経があります。要治療! なのは虫歯の進行度合いでいうと「C2」の虫歯とか。このレベルでは虫歯が象牙質まで達していて、痛みやしみる、といった自覚症状が出てきます。エナメル質の虫歯「C1」程度なら、むしろ治療を控える傾向にあるそう。
「歯の表面が黒っぽくなっている程度の虫歯は、最も硬いエナメル質に限定した虫歯です。この場合、早期治療ということで削ってしまうと、虫歯なら数年かけて進むものを一瞬で削ってしまう、ことにもなりかねません。再石灰化を促進するフッ素を使うなどして、経過を見ていくのがベターなのです」(同)
ああ…。治療について話が及ぶと、あの「チュイ〜ン」というドリル音を思い出して鬱になってきました。しかし最近では、ヘッドホンでクラシック音楽や好きな音楽を流して、あのイヤ〜な音を緩和する歯医者さんも増えているそう。あのドリル音、そして注射の怖さも、ボクらの足を歯医者さんから遠ざけたネガティブファクターなわけですけど。
「ステップをきちんと踏んだら、麻酔注射はそんなに痛くないんですよ。以前は、一歯科医院あたりの患者 さんが多すぎたため、麻酔液を早く注入せざるを得なかったんです。結果的に、非常に痛いものになっていた。現在では、麻酔液の温度を体温に近づけたり、麻酔をできるだけゆっくり注入したりする、といった工夫で、痛みを軽減させることができています」(同)
そんな青山先生は、「今や歯科医もサービス業の一つ」と言い切ってくれました。なるほど、これなら、患者が痛みや不満をガマンしつつ通うことはないのかも。よ〜し、そろそろ重い腰を上げて…歯医者さんの予約を取ってみようかな!?
虫歯と歯周病 本当に怖いのはどっち?
歯ブラシに歯間ブラシ、デンタルフロス(糸ようじ)、洗口液と、店頭で一大コーナーを形成しているデンタルケアグッズ。みなさん、歯にはどれだけお金を使ってます?
他の人と同じように歯磨きしているつもりなんだけど、なんで虫歯になりやすいんだろ?
ブラッシングしながら、素朴な疑問が浮かびました。そういや、歯磨きを熱心にしてなくても、あまり虫歯にならないっていう人もいますよね。南青山デンタルクリニックの青山健一院長、これってちょっと理不尽じゃないですか?
「確かに、虫歯のなりやすさには個人差があります。ある程度遺伝的な要因があり、歯自体が強く、虫歯になりにくい人はいます。しかし、そのような方は歯の手入れがおろそかになりがち。歯、口中のケアに無頓着だった場合、歯周病がなだれ式に悪化して数本単位で歯がダメになり、最終的に総入れ歯になってしまう可能性も決して低くはありません」
「総入れ歯」って、なんだかおだやかじゃないですよ! 事実、「25歳(男女とも)の約80%が歯周病」という調査もあります(2005年:厚生労働省歯科疾患実態調査)。しかし、歯ぐきがグラグラになって歯が抜けちゃうだけが歯周病、というわけじゃないようです。
「『25歳の約80%が歯周病』という調査は、軽い歯肉炎まで含んだ数字ですから、R25世代ならそれほど深刻ではないとは思います。しかし、歯周病は歯をダメにするだけではなく、全身に悪影響を及ぼします。歯周病の人はそうでない人と比べて、心疾患が2.5倍、脳卒中は3.5倍、肺炎は2.5倍もの発症率が指摘されています。わかりやすい例でいうと、親知らずを抜いた場合です。口中の細菌が少ない人は痛みも少ないですが、歯周病患者で口中の細菌が多い場合、3日ぐらい熱が出ることも」(同)
歯周病といえば…その昔「リンゴをかじると、歯ぐきから血が出ませんか?」なんてCMがありました。ボクも最近、歯を磨いていると軽〜く出血したんですが。
「歯 ぐきから血が出る状態というのは、口中の細菌が歯と歯ぐきの周りに付着して、歯周病を進行させようとしている状態。これで歯ぐきが腫れて炎症になってお り、“歯肉炎”と呼ばれます。出血は、“歯ぐきに炎症がありますよ”というサイン。しばらく意図的にブラッシングで血を出すようにしたら、そのうち出血しなくなりますよ」(同)
歯周病は痛みもなく進む病気なので、気づいたときは手遅れになっていることも多いそう。「総入れ歯の不安」「キツい口臭」というリスクを考えると、将来的には歯周病のほうが怖いっスよね…って、ボクの場合、虫歯&歯周病のリスクがあるってこと? ヤバいなぁ。
ともあれ、現在歯医者に通う必要を感じていないラッキーな皆さんも、歯周病の危険をしっかり知っておくことが必要かと。最近歯医者さんに行っていないという方は、定期検診を受けるのがおすすめですよ!
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2009/4/14 医療ナビ:介護職の医療的ケア。どこまで可能? 毎日jpより転載
医療ナビ:介護職の医療的ケア。どこまで可能?
2009年4月14日 毎日新聞 東京朝刊
◆介護職の医療的ケア。どこまで可能?
◇簡単な処置のみ容認 実態は看護師不足で幅広く実施
◇現場に不安の声も…研修義務化、範囲見直し不可欠
愛知県安城市の会社員、加藤克助さん(62)は認知症の母親(93)を介護している。脳内出血で体が不自由になり、食事の飲み込みもできない。胃に管を通す胃ろう法で栄養補給しているが、朝昼夜の1日3回、栄養剤の注入が必要だ。
胃ろうは「医療行為」とされ、医師、看護師、家族に限られる。看護師の訪問は週1回のため、昼は職場から帰って注入。自由に動けるのは、月2回利用している介護施設の短期滞在(2泊3日)のときだけだ。加藤さんは「在宅介護では、毎日訪問してくれる介護士の存在は欠かせない。医師や看護師の指導や管理のもと、胃ろうなどを介護士ができるようにしてほしい」と訴える。
*
介護職の医療行為の問題はこれまでもたびたび議論になった。厚生労働省は現在、特別養護老人ホーム(特養)での介護職による医療行為の是非を検討している。2月の検討会初会合では、厚労省が昨秋、特養6083施設に実施した「医療的ケアに関する実態調査」結果が公表された。
それによると、午前9時〜午後5時に看護師が勤務している施設は全体の99・8%だが、午後8〜10時は3・4%、午後10時〜翌午前6時は2・6%に過ぎない。しかし、医療行為とされるたんの吸引の約20%は、看護師がほとんどいない夜間に行われていた。
たんの吸引や経管栄養は介護職が行えば医師法などに抵触する。しかし、看護師がいなければ、介護職が実施せざるを得ないのが実態だ。背景には、生活の場である特養でも医療的管理を必要とする人が増えていることがある。日本介護福祉士会の木村晴恵副会長は「特養で医療職の配置が十分なら問題はない。しかし、現実にはそうした態勢が整っておらず、実情を踏まえた対応が必要だ」と話す。
厚労省は介護職の医療行為をまったく認めていないわけではない。03年、在宅療養のALS(筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症)患者に限り、家族以外によるたん吸引を「当面のやむをえない措置」として認める通知を出した。その後、ALS以外の在宅療養患者も容認した。
04年には養護学校などで、児童・生徒のたん吸引、経管栄養など一部の医療行為を教員が行うことを認めた。いずれも家族の負担軽減や、看護師の配置が十分でない実情を踏まえた措置だ。また05年、血圧測定、軟膏(なんこう)の塗布、つめ切りなどを「医療行為でないと考えられる行為」として、介護職に認める通知をした。
*
八戸大の篠崎良勝准教授が実施した07年の調査では、厚労省の05年通知で認めていない医療行為を介護職が行っている実態が浮かぶ。在宅では褥瘡(じょくそう)(床ずれ)のガーゼ交換を28%が経験。介護施設ではたん吸引を30%、経管栄養処置を24%、インスリン注射を20%がそれぞれ行っていた。
その一方で、医師や看護師などには介護職による医療行為に対し、慎重な声が根強い。検討会では「たんの吸引は窒息を起こす場合もある命にかかわる行為。医療行為ができる施設を増やすべきだ」「行為の安全性を考える必要がある」などの意見が出た。
介護職にも戸惑いや不安がみられる。八戸大調査では、「技術も経験も未熟で行っている。利用者を傷つけないか心配」「介護職がどこまでできるかを利用者が理解しておらず、(医療行為を)強要される」などの声が寄せられた。
篠崎准教授は「介護職は研修の義務化もないまま、業務を超えた仕事を担わされている。利用者、介護職の双方の安全のためにも、充実した研修制度が不可欠。現場の実情に合わせて医療行為・介護行為の範囲を定期的に見直せる検討会を国は設置すべきだ」と指摘する。【下桐実雅子】
==============
■厚生労働省が05年通知で介護職に認めた行為
・検温
・自動測定器で血圧測定
・動脈血酸素量を測定するパルスオキシメーターの装着
・軽い切り傷、すり傷、やけどなどの処置
・軟膏の塗布(床ずれの処置を除く)
・湿布の張り付け
・目薬の点眼、鼻粘膜への薬の噴霧の介助
・薬の内服
・座薬挿入
・つめ切り
・歯ブラシや綿棒などを使った口の中の清掃
・耳あか除去
・人工肛門(こうもん)のパウチ(袋)にたまった排せつ物の廃棄
・排尿補助でのカテーテルの準備、体位の保持
・市販の器具を用いた浣腸(かんちょう)
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2009/4/8 気になる! 結核 今も侮れない病気 YOMIURI ONLINEより転載
人気お笑いコンビ、ハリセンボンの箕輪はるかさん(29)が肺結核で入院したことが波紋を広げている。「過去の病気」と思われがちな結核だが、実は国内で毎年約2万5000人以上が発病する感染症。どんな病気なのだろうか。
厚生労働省などによると、結核は、「結核菌」が体内に入ることで引き起こされる。主に肺で菌が増殖して発病。せきやタンが止まらなくなる。
だが、体内に入っても免疫が正常に働けば簡単には感染しない。また、感染しても発病するのは免疫力が落ちた人などで、その割合は5〜10%とされる。現在は投薬治療で完治する。
1950年の結核による国内の死亡者は12万1769人(人口10万人当たり146・4人)で死因別のトップだった。その後、治療薬の開発や感染防止対策などが進み、2007年は2188人(同1・7人、死因別で27位)まで減少した。ただ、07年の新規発病者は2万5311人で、人口10万人当たりでは19・8人。カナダ(同4・4人)や米国(同4・5人)などの先進国と比べるとかなり高い。
結核菌は、発病者がくしゃみやせきをした時に飛まつに乗って、周囲の人に感染する。感染から2年以内に発病するケースが多いが、中には数十年後の発病もあるという。
東京都内の保健所は管轄区域のテレビ局などに対し、箕輪さんと接触した共演者やスタッフを洗い出すよう指示したが、テレビなど週9本のレギュラー番組を持つ人気タレントだけに、「調査対象者がどこまで増えるか見当もつかない」(都福祉保健局)という。所属事務所「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」によると、相方の近藤春菜さん(26)は発病していないが、6日に血液検査を受け、今週中にも感染の有無が分かるという。
都が6日に設けた専用電話には、箕輪さんが出演した東京・新宿の劇場「ルミネtheよしもと」に足を運んだ観客を中心に、7日午後8時までに677件の相談が寄せられた。
都福祉保健局は「劇場などの広い空間では、菌が拡散して、人が感染する可能性は低い」として、パニックを起こさないよう呼びかけている。
とはいえ、軽く見てはいけない。結核予防会結核研究所(東京都清瀬市)の石川信克所長は「最近は医者でも結核を疑わないケースがあるが、放っておくと自分の命だけでなく、周囲に感染を広げる危険性もある。せきが長引くようなら感染を疑い、早めに診察を受けてほしい」と指摘する。
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2009/4/7 医療ナビ:女性の尿漏れ 出産、加齢などに伴い、悩む人増加。治療法は。 毎日jpより転載
医療ナビ:女性の尿漏れ 出産、加齢などに伴い、悩む人増加。治療法は。
2009年4月7日 毎日新聞 東京朝刊
◆女性の尿漏れ 出産、加齢などに伴い、悩む人増加。治療法は。
◇緩んだ骨盤底筋、鍛えて−−いつでもどこでも運動、8週間で効果
「テニス中に足を踏み込んだら尿が漏れた」。「尿漏れが気になって、楽しみだった孫との遊びを控えるようになった」。東京都済生会中央病院(港区)の女性泌尿器科専門外来には、尿失禁(尿漏れ)の悩みを抱える女性が相次いで訪れている。毎週火曜午後の診療は、1カ月先まで予約で埋まっている。
近くの内科医を受診して「年だから仕方ない」と言われて治療をあきらめた、と打ち明ける女性や、外出時の尿漏れを心配して家にこもりがちになっていたと話す女性もいるという。
専門外来開設のきっかけは05年2月、同病院を訪れる患者や家族、職員ら計658人の女性を対象に行った尿漏れのアンケート。40代の4割以上、80代以上の7割近くが「尿漏れの経験がある」と答えたことから、同年4月に開設した。中村聡副院長は「悩んでいる女性は多かったのだろうが、通常の外来では男性患者の目が気になって、なかなか受診しにくかったのでは」と話す。
尿漏れはどのようにして起きるのか。
ぼうこうに尿がたまると尿意を感じるが、トイレに行くまでは尿道の周囲にある筋肉の「骨盤底筋(ていきん)」が縮んで、尿をせき止めている。
だが、女性は男性に比べて尿道が短く、もともと尿道を閉める括約筋が弱い。そのうえ、骨盤底筋は出産や加齢が原因で緩み、くしゃみやせき、運動などでおなかに圧力がかかると、尿が漏れてしまう。これが「腹圧性尿失禁」で、女性の尿漏れの7割を占めるという。
症状が軽い場合は骨盤底筋を鍛える体操で改善が期待される。骨盤底筋は、骨盤の底にハンモックのような形で張り渡されている。排尿の途中で尿を止めるときに使う筋肉だ。この部分を肛門(こうもん)から膣(ちつ)、尿道と順番に締めていき、5秒間数えた後、緩める運動を繰り返す。布団の中で、台所で、電車で座ったままでなど、外出先でも家でもできる=イラスト参照。
排せつケアに取り組むNPO「日本コンチネンス協会」(東京都杉並区)の西村かおる会長は「効果が表れるまで6〜8週間かかるので、あきらめずに続けてほしい」と話す。
改善されない場合は手術も選択肢の一つだ。尿道の支えを専用のテープで補強する。手術は30〜40分で終了する。東京都済生会中央病院では2泊3日で入院して行われる。
◇「切迫性」の人には薬や訓練
一方、ぼうこう内の神経が過敏になり、少しの刺激で反射的にぼうこうが収縮し、強い尿意を我慢できずに漏らしてしまう「切迫性尿失禁」も多い。
冷たい水に触れたときに思わず漏れる。トイレに間に合わない人はこのタイプだ。脳から尿を出してよいとの指令が出ていないのに、勝手にぼうこうが収縮して尿が漏れる。原因は冷えやぼうこう炎、脳梗塞(こうそく)の後遺症などが挙げられる。
治療としては、ぼうこうの力をリラックスさせる薬の処方のほか、トレーニングも効果的だ。1週間、排尿日誌をつけ、水分摂取量と排尿の様子を把握する。水分摂取量に比べてトイレに行く回数が多い場合は、尿が十分にたまるまで我慢してからトイレに行くよう訓練する。
高齢化や社会進出が進む中、尿漏れの改善は女性が快適に暮らすための重要な要素の一つだ。
中村さんは「もっと早く相談すれば良かったという女性は多い。症状や治療法はそれぞれ異なるので、一人で悩まず、近くの泌尿器科に相談してほしい」と話している。
◇
「日本コンチネンス協会」は尿漏れや排せつの悩みなどについて、月曜から金曜の午前10時から午後4時まで電話相談(03・3301・0725)を受けている。ボランティアが対応する。
東京都済生会中央病院は毎月第1、第3火曜正午から午後2時、電話(070・6652・6095)で専門外来の看護師が相談を受け付けている。【足立旬子】
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2009/4/4 はじめての鍼灸「未病と自然治癒力」 ohmylife.jpより転載
はじめての鍼灸「未病と自然治癒力」
気鋭の鍼灸師が案内する「東洋医学入門」
2009-03-17 14:28 oh! My life
本間拓郎
本間治療院 院長。
NPO全国鍼灸マッサージ協会学術担当理事。事業協同組合 全国鍼灸マッサージ師協会 理事。NPO全国鍼灸マッサージ協会 東京支部副支部長。
東洋医学には未病…未だならざる病という考えがあり、これは病気の一歩手前の状態を言います。 病気は突然なるものではなく、長い時間をかけて、疲労(主に肉体的な疲れ)、ストレス(主に精神的な疲れ) など様々な経過により、体が弱ってきます。そんな体を病気から守っているのは、「自然治癒力」。 この力が正常に機能することで、病気への備えとなります。未病それは病気ではないけれど病気になる前の状態。 鍼灸治療は人間のもつ自然治癒力に働きかける施術です。 そして健康維持のお手伝いにも鍼灸は役立ちます。
東洋医学と西洋医学の違いについて
「中国における鍼の歴史は4000年。最初は鍼ではなく、石だったようです。石でつぼをグリグリ押していたらしい」(撮影:森 直央)
薬の違いで説明するとわかりやすいかもしれませんね。西洋医薬と漢方医薬(漢方薬)の違いが、そのまま医学における違いと考えてよいでしょう。
西洋医薬とは、特定の目的のために抽出した物質です。病の原因だけに焦点をあてて直接たたく、という考え方です。そこには科学的根拠がある。
漢方薬には科学的根拠というものはありません。かわりにあるのが「経験の積み重ね」です。「おなかが痛い時にこの草を食べたら調子がよくなった」というような無数の事例から生み出されたのが漢方薬なのです。
また、東洋医学の治療法にはスタンダードがない、というのも「西洋」と大きく違う点でしょう。
鍼灸の場合、たとえば私の兄弟弟子であっても、どういう治療を行っているかはある程度しかわからないものなのです。鍼をうつ際の、指先の微妙な感覚は、先生によって異なりますし、さらに先生の考え方、技量の差でも処方は異なってきます。
漢方もそうです。患者の表情、行動、声、体臭、脈などあらゆる要素を診て薬の内容を決めるわけですから、処方の仕方にばらつきがあるのは当然です。
未病とは?
病の原因を直接やっつけるのが西洋医学ですから、原因がわからないと手の施しようがありません。
ですから「何となく具合が悪い」と言われると「西洋」のお医者さんは困ってしまう。「なんでもありません。気のせいです」とか「年齢的なものでしょう」ぐらいしか返事ができないでしょう。
ところがこの「何となく具合が悪い」状態を東洋医学では「未病」といい、ちゃんと治療することができるのです。
未病とは、病気の一歩手前の状態のことで「食欲がない」「顔色が悪い」「疲れが抜けにくい」などの症状が見られます。
鍼灸と未病
では、「何となく具合が悪い」人をどうやって治すのでしょう。
「自然治癒力」という言葉をごぞんじですか? 人に本来備わっているもので、体を病気から守ってくれる力です。この力が正しく機能しないと、未病におちいり、やがて病気へといたってしまう。
鍼灸は、自然治癒力に働きかける施術です。自然治癒力を正常に近づける効果があるので、「何となく具合が悪い」という人にもよく効く、というわけです。
「西洋」か「東洋」か
私は、それぞれが対立する存在であってはいけないと考えています。お互いの限界を補い合って、患者さんのためのメリットを最大限導き出す努力をすべきだと思うのです。
患者さん本位という姿勢が大事。西洋と東洋に垣根があっていけません。
当院としては、基本的に「西洋」のお医者さんと連携して治療をしたいと考えています。ですから、こちらに来た患者さんを診て、あちら(西洋)の方がいいと判断して紹介することもあります。実際すでにかなりの数の患者さんを紹介しています。もちろん、紹介されてこちらに来るケースもあります。
鍼は痛い?
日本の鍼は細いので、ほとんど痛みは感じません。
そもそも日本人は、皮膚感覚が鋭く、痛いのを嫌がる傾向にあります。ですから、昔から日本では細い鍼が好まれました。日本の鍼の歴史は、細くなっていく歴史と言ってもいいくらいです。
日本では、鍼を入れる際に補助として管を使いますが、これは「管鍼法」といって日本独特のもの。こういう技術が生まれたのも、鍼の細さを追及した結果です。
現代では、細さ以外に、鍼の先端に丸みを帯びさせるなど、痛みを感じさせない工夫が凝らされています。
鍼灸院の選び方
鍼灸院を選ぶ際に、まずおさえておきたいのは、消毒をきちんとやっているか。衛生面の確認です。特に鍼ですが、これが「使い捨て」かどうかは要チェック。
当院を例に説明しましょう。
当院で使っているのはセイリン製の使い捨て鍼です。セイリンは国産鍼ではトップブランドを誇るメーカー。精度にばらつきがないのが特長で、鍼にはすべてロット番号が入っていて、万が一不備があっても、すぐに原因が特定できる。殺菌への配慮も徹底しています。
鍼の値段は高めになりますが、安全を確保するための対価というふうにお考えいただきたいですね。
鍼をうつ皮膚の消毒には消毒用エタノ−ル、塩化ベンゼルコニウム、ヒビテンという3種類の消毒薬を使っています。
もちろん施術する者の手も、指先まで徹底的に消毒していますよ。
このような衛生面への配慮は、鍼灸院を選ぶときの大事なポイントです。事前にホームページなどで調べておいたほうがよいでしょう。
腕前は外見で判断できない
一般的な鍼灸院のイメージでは、先生といえばヒゲが生えた白髪のご老人、ではありませんか?
実際、私が28歳で開業した頃、患者さんに「あなたが診るの? じゃいいわ」と言われたことがあります。
ところが鍼灸の場合、年齢と経験値は、必ずしも一致しないのです。
学校の先生が、老後に鍼灸院をやりたいからと、夜間の鍼灸学校に来ているケースもあるんですよ。
「西洋」では年配の先生の方が安心感がありますが、「東洋」の場合、むしろ若い先生の方が知識が豊富な場合が多かったりします。
そう考えると、自分に適した鍼灸院を見分けるのは、実はそう簡単なことではないと言えそうです。先に申し上げたように治療法も先生によってさまざま、ということもあるわけですから。
東洋医学的おススメ健康法
「患者さん本位という姿勢であれば、西洋と東洋に垣根が存在してはいけないと思うのです」(撮影:森 直央)
東洋医学において「冷え」は禁物です。
現代では、夏でもエアコンのせいで体が冷えてしまいがち。いつも靴下をはくなどして足もとからの冷えを防いでください。
「冷え」対策として、お風呂にしっかり入ることをおススメします。シャワーだけではダメ。きちんと湯船につかって体を温めましょう。できればぬるめのお湯で。
人間は仕事をしているとき、主に交感神経が働いています。光を多く入れるために瞳孔が開き、筋肉も緊張させている。「戦闘モード」ってやつですね。
この「戦闘モード」をうまくOFFにする方法が入浴なのです。湯船にゆったりつかることで、今度は副交感神経が優位に。「休息モード」への切り替えです。疲れがとれて眠りも深くなりますよ。
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2009/4/4 大人になって罹るおたふく風邪 「寝られず泣く」ほどの痛み @nifty.comより転載
大人になって罹るおたふく風邪 「寝られず泣く」ほどの痛み
2009年4月4日(土)13時28分配信 J-CASTニュース
「おたふく風邪」といえば子どもがかかる代表的な感染症のひとつだ。だがこの病気、大人になってから罹る人も多いようで、しかも症状は「子どもより重症になる」という例も少なくない。
腫れが喉を塞ぐと窒息して死んでしまうことも
個人の人気ブログニュースサイト「HiroIro.com」の更新が2009年3月21日から1週間停止した。管理人のHiroさんは28日、「35才おたふく。そして入院へ…」というタイトルで、長女から「おたふく風邪」をうつされていたことを告白。「寝られず泣く」ほどの痛みで入院し、医師に「耳の下の腫れが喉を塞ぐと窒息して死んでしまうこともある」「これ以上腫れたら首を切開して管を通す」と言われたという。幸い手術をしなくて済んだようだが、2歳のとき以来、人生2回目の「おたふく風邪」で、「大人になってからのおたふくは相当キツイです」と明かしている。
「破裂しそうなほど腫れて痛かった」と話すのは、1週間前まで「おたふく風邪」にかかっていたという30代の女性だ。子どもから伝染したそうで、歯から耳まで「とにかく一日中痛かった」という。「すごく腫れて、口が開かなくなり物が噛めないほど。痛み止めも6時間で切れるし、ひりひりと痛かった。人前に出られないのも辛い」とその苦しみを語る。また、医師には「大人は通常子どもの倍くらい回復にかかるのが通常」と言われたという。
特効薬は存在しない
「おたふく風邪」は正式には「流行性耳下腺炎」といい、「ムンプスウイルス」による感染症。飛沫および接触感染で伝染し、耳の下やあごの下部分が腫れ、痛みや発熱を伴う。「ムンプスウイルス」を退治する特効薬は存在せず、おたふく風邪と診断されると、鎮痛剤が処方され、腫脹箇所を冷やすなどしながら安静にし、ウイルスが弱まるのを待つしか方法はないという。
SNSサイト「ミクシィ」にも「大人のおたふく風邪」なるコミュニティがあり、100人以上がメンバー登録されている。
「痛いし…顔はビッグだし、この辛さは『大人のおたふく』になった人にしかわかりませんよね!」
「大人になって感染するときついと聞いてはいましたが、予想以上です!」
と、「大人のおたふく」の辛さを吐露する書き込みが目立つ。
なぜ「大人のおたふく風邪」は症状が重いといわれるのか。複数の医療関係者によると、「一概に大人だから重症、とはいえないが」と前置きしたうえで、「感染すると、大人のほうがウイルスに激しく抵抗し、高熱や症状が出やすいケースがある」と話す。また、「合併症が子どもよりも出やすいため」とも指摘する。
思春期以降に感染した約20%の男性が「睾丸炎」、約7%の女性が「卵巣炎」を引き起こすそうだ。これが原因で不妊症になることはまれだというが、高熱や激痛が伴う。また、おたふく風邪患者の約10%が「無菌性髄膜炎」を併発する。治療が困難な「ムンプス難聴」を起こすケースもある。
侮りがたい病気だが、特効薬は存在せず、確実な予防には「予防接種しかない」そうだ。副作用のリスクを懸念する声もあるが「数%、微熱や軽度の耳下腺腫脹がみられるケースもあるものの、髄膜炎にまで発展するケースは0.1%未満とまれ」ということだ。
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2009/4/4 緊急時はA型患者にO型血も輸血可 NM onlineより転載
緊急時はA型患者にO型血も輸血可
「本当に大丈夫か」に答えるガイドライン
2009. 4. 3 日経メディカルオンライン
和田 紀子=日経メディカル
血液型の分からない患者が大量出血で搬送されてきた場合、一刻を争うなら、O型の血液を輸血──。そんな内容を標準的な対処法として示したガイドラインを、日本麻酔科学会と日本輸血・細胞治療学会が合同で2007年4月に発表した。
順天堂大麻酔科学・ペインクリニック講座主任教授の稲田英一氏。
「大量出血の患者への対応をより整備していく必要がある」。こう指摘するのは、順天堂大麻酔科学・ペインクリニック講座主任教授の稲田英一氏。
同氏が理事を務める、日本麻酔科学会が2004年に行った麻酔関連偶発症例調査で、国内の術中死亡の原因の半分以上が大出血によるものであることが明らかになった。
また、「日本は海外に比べて、患者の大量出血への対応が施設ごとに違う。院内マニュアルを作っているところもあれば、ない施設もある」(稲田氏)。実際、こんなデータがある。07年に日本医大千葉北総病院救命救急センター長の益子邦洋氏が、全国の救命救急センター長を対象にアンケートを実施。回答した83人のうち、87%は独自のガイドラインや学会のガイドラインなどを使っていたが、8%は作成していなかった。
そのような実態を踏まえ、「大量出血への対応のレベルを上げようと『危機的出血への対応ガイドライン』の作成に至った」と稲田氏は話す。
ガイドラインには、緊急の輸血を必要とする血液型不明の患者には、交差適合試験の結果を待たずに、O型血を輸血することが明記された。また、患者の血液型は分かっているが、ABO同型適合血がすぐに入手できない場合には、ABO異型適合血が使えることも明示された。例えばA型の患者に緊急で赤血球濃厚液を投与する際、A型が最も望ましいが、次善の策としてO型も輸血可能ということだ(普j。
普@危機的出血時の適合血の選択(『危機的出血への対応ガイドライン』より)
例えば患者の血液型がAB型の場合、赤血球濃厚液の輸血はAB型が最も望ましく、その次はAまたはB型、次にO型が望ましいことを意味する。異型適合血を使用した場合、投与後の溶血反応に注意する。
もちろんA型、B型、AB型の患者にO型の血液が輸血できることは、医師なら誰でも知っているはず。しかし、いざ実施するとなると、「本当に大丈夫か」と、考えてしまわないだろうか。

日本医大千葉北総病院救命救急センター長の益子邦洋氏。
益子氏の調査によれば、回答者の約半数に当たる41人が「未交差・未照射O型赤血球輸血を阻害する要因がある」と回答。その理由としては、「外科系医師の躊躇」が17人で最も多く、自身が安全性に不安を持っているとしたセンター長も8人いた。
稲田氏は「確かに血液型の交差適合試験を省略した場合、遅発性溶血のリスクが約1%あることが分かっている。だが、患者を救命することの有益性を考えれば、早く輸血することを優先すべきだ」と話す。
血液型の交差適合試験の結果が出るまで20〜30分はかかる。一方、1mL/kg/分以上の急速出血が20分間続いた場合、十分な治療を行わなければ出血性ショックで死亡に至る可能性が高い。
救急医療の現場の医師は、このガイドラインの登場を歓迎している。
八戸市立市民病院(青森県)救命救急センター所長の今明秀氏。
八戸市立市民病院(青森県)救命救急センター所長の今明秀氏は、以前在籍していたことのある病院でこんな経験をした。AB型の患者が術後に大量出血。輸血をしようにも院内にあるAB型の赤血球濃厚液は足りず、血液センターから届くのは1時間後になりそう。そこで今氏は院内にあったA型の赤血球濃厚液を緊急輸血することを決断し、患者の救命に成功した──。
ところが周囲の医師や看護師からは、「なぜ患者の血液型と異なる血液を輸血したのか」「副作用があったらどうするのか」と非難されてしまったという。「このガイドラインが他科の医師やコメディカルにも広まれば、大量出血への対応で現場の混乱が減るだろう。救命できる患者も増えるのではないか」と今氏は期待している。
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2009/4/3 コストカットの現場で/3 リハビリ 保険適用日数に上限 毎日jpより転載
コストカットの現場で/3 リハビリ 保険適用日数に上限
2009年4月3日 毎日新聞 東京朝刊
◇「成果」のため患者選別も
脳出血で手術を受けた後、左半身にまひが残り、兵庫県西宮市の病院でリハビリをしていた同県芦屋市の男性(62)は08年6月、病院から「180日の日数制限があるので、あとは自宅療養を」と言われた。
リハビリの意欲が強かった男性と家族は受け入れてくれる病院を探し、7月に同県篠山市の兵庫医科大篠山病院へ入院。歩行訓練などを続け、約4カ月後には装具とつえを使って室内歩行ができるまでになった。男性は「あきらめないでよかった」と振り返る。
厚生労働省は、寝たきり防止と家庭復帰を目的に発症6カ月後ごろまでに行う「急性期」や「回復期」のリハビリについて、医療保険が適用される上限日数を定めている。脳卒中など脳血管疾患180日▽骨折など運動器疾患と、急性心筋梗塞(こうそく)など心大血管疾患150日▽肺炎など呼吸器疾患90日−−だ。
改善が期待できると医師が判断した場合は上限を超えたリハビリが認められ、厚労省保険局医療課は「必要なほぼ全員がリハビリを受けられる」と説明する。だが、兵庫の男性のようなケースはなくならない。
篠山病院リハビリテーション科の新井秀宜医師によると、180日を過ぎても、「年齢が比較的若い」「患者だけでなく、家族もリハビリに意欲的」などの患者は改善する余地がある。この基準にあてはまる患者にリハビリをすると、改善がみられるケースがほとんどという。
男性の妻(61)は「別の病院にも受け入れを断られた。リハビリは機能後退を防ぐ意味もあるので、期限は設けないでほしい」と訴える。
■ ■
リハビリでは、08年度の診療報酬改定で導入された「成果主義」も暗い影を落とす。新規入院患者の1割5分以上が重症患者▽在宅復帰率6割以上−−などの条件をクリアした病院は、より多くの診療報酬を得られる仕組みだ。
医療関係者からは「成果を上げやすい患者が優先的に選ばれる恐れがある」との声が上がる。実際、日本リハビリテーション医学会が08年、リハビリの専門医ら400人を対象に行った調査では、回答した約220人のうち13%が「患者選別を行っている」と答え、「行う可能性はある」との回答も31%に達した。
兵庫医科大の道免和久教授(リハビリテーション医学)によると、大学から地域の病院にリハビリ患者を送ろうとしても、重症患者や家族がいない患者は断られるケースが出始めている。受け入れ基準が厳しくなったと感じる病院が少なくないという。
道免教授は「患者は一人一人で対応が異なる。医療で大事なのは個別性だ。一律に上限を作らず、必要な医療を受けられるようにすべきだ。医療の世界に成果主義を持ち込むと、医療そのものが崩壊してしまう」と主張する。
厚労省は「必要な患者に医療費を集中できる」と、日数の上限や成果主義の意義を強調している。=つづく
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◇ご意見を
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2009/3/31 医療ナビ:口腔がん 早期ならほぼ機能維持可能。発見のポイントは。 毎日jpより転載
医療ナビ:口腔がん 早期ならほぼ機能維持可能。発見のポイントは。
2009年3月31日 毎日新聞 東京朝刊
◆口腔がん 早期ならほぼ機能維持可能。発見のポイントは。
◇月1回、鏡でチェック−−歯肉、口内の天井、のどの奥、舌…
◇長引く口内炎、しこり、斑点、出血…専門医受診を
東京都世田谷区の無職、相原幹夫さん(66)は4年前から舌がひりひりするのを感じた。総合病院での診断結果は「口内炎で経過観察」。しかし、舌がんを心配し、耳鼻科や歯科の通院を繰り返した。だが「進行して切除が必要になったら来てください」とあしらわれた。症状は緩和せず今年2月、大学病院の口腔(こうくう)外科を受診。粘膜の変化が何年も続く前がん病変「白板(はくばん)症」で、放置すれば舌がんになるところだった。抗がん剤を飲み始め、今月下旬には、病変部を摘出する手術を受けた。
相原さんは「4年間、適切な処置をしてもらえなかった。同じような目に遭う人がいるのではないか。医師は正しく診断できるようになってほしい」と訴える。
*
舌がんは毎年約3200人が発症していると推定されている。がん患者の1〜2%を占める口腔がんの一種だ。口腔がんには、他にも▽舌と歯ぐきの間にできるがん(口腔底がん)▽歯ぐきのがん(歯肉がん)▽ほおの内側の粘膜にできるがん(頬(きょう)粘膜がん)▽口の天井の部分にできるがん(硬口蓋(こうこうがい)がん)−−などがあり、合計で毎年約8000人が発症している。半数が亡くなり、最近10年間で患者数が倍増した。
早期発見すれば、食べることなどの機能をほとんど失うことはないが、約7割が進行がんとして発見されている。歯肉では6%、頬粘膜で8%、最も発見しやすい舌でも23%しか早期発見されないのが現状だ。その背景には歯科や耳鼻科など専門が細分化し、がんの前段階の症状を見落とすケースが多いためと言われている。
昭和大病院(東京都大田区)の新谷(しんたに)悟教授(口腔外科)によると、口腔がんは早期であれば90%以上治すことができる。昭和のスーパースター、石原裕次郎さんも44歳の時に舌がんを除去した後も俳優、歌手として活躍した。
新谷教授は「口は話す、食べる、飲むなど生活する上で大切な役割を果たしている。早期発見すれば、これらの働きもほとんど障害を受けない。早期と進行後では天と地ほどの開きがある」と話す。
*
口の中は見ることができ、感覚も鋭敏だ。自分で前がん病変やがんを見つけることもできる。
まず、口内炎のような症状が長引けば要注意だ。通常の口内炎なら塗り薬や殺菌治療で数日から2週間程度で治るからだ。また、口内炎と外見上に違いが見られる場合もある。口の中に、▽しこりや腫れがある▽痛みがある▽赤い斑点(紅板症)や白い斑点(白板症)がある▽場所が分からないが出血がある▽歯のぐらつきが3週間以上続く−−などの症状があれば注意する必要がある。
専門家は、月1回程度の定期的なセルフチェックを勧めている。鏡とライトを用意し、手をよく洗い、うがいした上で行う。
歯肉や口の中の天井部分や、「あー」と声を出しながらのどの奥、舌を指でつまみだして横や裏を確認する。首や下あごにこぶ状のものがないかも触って確認する。
新谷教授は「医師は口内炎でも治るまで診る必要があるが、放置されているのが現状だ。患者側も自己チェックをしたり、専門医を受診したりして、早期に口腔がんを発見するよう工夫してほしい」と呼びかけている。【関東晋慈】
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2009/3/20 こころとからだの相談室:春先の不調と漢方薬 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:春先の不調と漢方薬
2009年3月20日 毎日らいふ
春になると、人事異動やお子様の進級など生活環境の変化から、さまざまな体調不良を訴える方が多くなってきます。これらの症状は、季節の変わり目で自律神経のリズムが乱れやすくなることが原因の1つと言われています(表1)。
一方、冬から春への体の入れ替わりで多くの血液が必要な季節でもあります。花粉症などのアレルギーで炎症を起こしている方、この時期に生理が重くなる方は、血液不足から体調が崩れることがあるので注意が必要です。
◇ 体調を整える漢方療法
漢方では『春は肝木』とも言われ、体の解毒にかかわる肝臓系に負担がかかりやすい季節です。この時期に使うことが多くなる漢方薬を症状ごとに分類してご紹介します。症状が出ていなくても毎年の傾向を考えて予防としても役立てますので、ご活用してみてください(表2)。
◇ 春先の生活養生
特に食事においては、『自律神経のリズムを整える栄養を摂る。血液を作る原料を摂る』ということを考えましょう。中でもカルシウム、亜鉛、マグネシウムなどのミネラル成分は毎日摂ることを心がけましょう。生活においては、『自らリズムをとる神経』である自律神経を安定させるためにも、お花見などで生活リズムを崩さずに、毎日のリズムを同じにすることを心がけましょう。
また、皆様からの無料相談は随時お受けしておりますので、お気軽にご相談ください。
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2009/3/20 ヘルシーリポート:コエンザイムQ10 体内の酸化抑え、老化防止 毎日jpより転載
ヘルシーリポート:コエンザイムQ10 体内の酸化抑え、老化防止
2009年3月20日 毎日新聞 東京朝刊
年をとっても、若さを保ちたい。そのためには何をすればよいのだろうか。老化防止の基本は「バランスのある食事」「適度な運動」「精神的なストレスのないポジティブな生き方」だが、今回はアンチエージング(抗老化医学)の素材として注目されているコエンザイムQ10にスポットを当ててみた。
◇高脂血症薬の服用者にも有効
アンチエージングの研究で知られる山本順寛・東京工科大学応用生物学部長(日本コエンザイムQ協会理事長)は7年前から、コエンザイムQ10のサプリメント(栄養補助食品)を取り続けている。そのせいかどうかは分からないが、「以前に比べて疲れが生じにくくなった気がします。寝覚めもよくなって、仕事をこなすエネルギーも高まったような感じがしますね」と語る。
なぜ、山本教授はコエンザイムQ10に注目するようになったのか。コエンザイムQ10(英語のエンザイムは酵素の意味、コは補助や協働の意味)は1957年、米国の研究者が心臓から発見した物質。私たちが生きていくにはエネルギーが必要だが、そのエネルギーをつくっているのが細胞内のミトコンドリアという細胞小器官だ。この発電所とも言える工場でエネルギーの生産に欠かせないのがコエンザイムQ10だ。
■ビタミンEと助け合い
コエンザイムQ10はエネルギー生産のほかに、もうひとつ重要な働きがある。抗酸化作用だ。魚や肉は冷蔵庫に入れておいても、時間とともに酸化して腐る。私たちの体が年とともに老化していくのも同じ原理だ。そうした酸化を抑えるのが抗酸化作用だが、コエンザイムQ10はビタミンC、ビタミンEなどとともに体内で抗酸化物質として働いている。
山本教授が特にコエンザイムQ10に関心を抱いたのは自身の実験だった。約10年前、血液中にある脂質の酸化と抗酸化物質の関係を研究していた。そのとき、ビタミンEの抗酸化作用がコエンザイムQ10の助けで衰えないことを発見した。つまり、コエンザイムQ10はビタミンEと助け合いながら抗酸化作用を発揮したのだ。この実験結果に山本教授は「私たちの体がさびつかないような働きの一端をコエンザイムQ10が担っている」と考えた。
■年齢とともに減少
コエンザイムQ10自体は、もともと体内の細胞でつくり出されているが、20代あたりをピークに徐々に減っていく。40代で約3割、70〜80代で5割以上も減ってしまう。減った分を補っていこうというのがコエンザイムQ10を活用した健康法だ。
コエンザイムQ10は他の生き物や植物にも存在するため、肉や魚を食べても補うことはできる。しかし、コエンザイムQ10が一番豊富といわれるイワシからでさえ、1日に必要な量とされる100ミリグラムを摂取するには、毎日20匹以上食べねばならない=図参照。
そんなことから、山本教授はコエンザイムQ10を凝縮させたサプリメントを摂取している。吸収率や有効量には個人差があり、どの人にもあてはまるわけではないが、山本教授は1日に300ミリグラムを摂取している。
■肌に塗る化粧品に注目
では、どんな効果が期待できるのか。一般的には中高年の老化防止や疲れやすい人などにむくが、コレステロールの合成を抑える抗コレステロール薬を服用している人にもコエンザイムQ10がお勧めだ。
実はコエンザイムQ10が体内で合成される経路はコレステロールが合成される経路と同じだ。つまり、メバロン酸の生成を阻害して、コレステロールを低下させるスタチン系高脂血症薬を服用すると、コレステロールが低下するだけでなく、同時にコエンザイムQ10も減ってしまう。
コエンザイムQ10が減ると心臓の働き(心拍出量)も衰えがちになる。このため、山本教授は「スタチン系高脂血症薬を服用している人はコエンザイムQ10を摂取した方がよいのではないか」と話す。
コエンザイムQ10のサプリメントは欧米で特に人気が高い。コエンザイムQ10を配合したクリームを肌に塗るとシワの溝が浅くなったという研究報告もある。紫外線による酸化ストレスを防ぐ意味でも今後、肌に塗る化粧品が注目されそうだ。
このほか、パーキンソン病の症状の進行を遅らせるという研究報告もある。山本教授は「バランスのとれた食事や適度の運動も大切ですが、頼りになるサプリメントもあるはずです」と話し、今後、いろいろな研究成果が出てくれば、コエンザイムQ10はもっと注目されるのではないかと見ている。
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◇コエンザイムQ10
生命に必要なエネルギーであるATP(アデノシン三リン酸)をつくる酵素の働きを助ける補酵素。心臓をはじめ、肝臓、腎臓、皮膚など体内のあらゆる部位に存在する。心臓病の薬(心筋代謝改善薬)としても認可されている。
◇日本コエンザイムQ協会(NPO)
02年、コエンザイムQ10に関する知識の普及と研究奨励を兼ねて、学術研究者を中心に設立された。「コエンザイムQ10の含有量が30ミリグラム以上」などの商品に品質認定マークを発行。研究会も毎年開催している。
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2009/3/15 「うつ病」内科で薬処方 使い方誤り攻撃性増す? @nifty.comより転載
「うつ病」内科で薬処方 使い方誤り攻撃性増す?
2009年3月14日(土)20時51分配信 J-CASTニュース
副作用が少ないと人気の抗うつ薬SSRIを服用し、暴力などの攻撃性が高まった疑いもある症例が4年半で42件報告されていたことが分かった。厚労省では、初期症状の患者らが精神科を敬遠して内科にかかり、使い方を誤って逆に副作用が強く出た可能性もあるとみている。うつ病患者が社会から誤解を持たれないためにも、抜本的な対策が求められそうだ。
副作用少ないSSRI、「攻撃性」疑い42件も
うつ病の初期のころは、精神科へ行くのに抵抗がある人は多い。自覚症状がなく、動悸がするなどの体の異常を訴える場合もある。そして、まず内科にかかることになる。
そこでは、パキシルなどの「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」が使われることが多い。効果的な抗うつ薬として一般的な「三環系」と違って副作用がきつくなく、仕事や家事をしてもらいながら治療できるため、使いやすいからだ。
ところが、そのSSRIにも、攻撃性を増したりするような副作用が出る可能性があることが分かった。SSRIは、日本では、シェア5割のパキシルのほか、ルボックス、デプロメール、ジェイゾロフトの計4製品がある。それらの製造販売元の各製薬会社は、医師からの副作用報告を医薬品医療機器総合機構に上げており、それが2008年秋までの4年半に、前述のような副作用も疑われる症例が42件もあったというのだ。
これは、業界紙の医薬経済社が08年9月に同機構に情報公開請求した結果、同12月に公開され、09年3月に入って同紙がその内容を報じたものだ。
それによると、人を実際に傷つけ刑事事件にもなったケースが6件あり、うち1件は妻を殺害したものだった。殺害したのは、認知症にもかかっていた70歳代の男性で、パキシル服用後のことだった。ほかに、妻の頭を金属類で殴って重傷を負わせた45歳の男性もいた。
傷つけるまではいかなくても、その恐れがあったのが13件。「このままでは人を殺してしまう。刑務所に入れてくれ」と望んだ男子高校生やバイクを蹴ったりする人もいた。残る23件は、興奮してイライラするなどしたケースだった。
気分が上がってくるときの服用は危険
SSRIは、1999年に日本で承認され、パキシルは2000年から発売された。今では、100万人以上が使うほどSSRIがポピュラーになったが、副作用が少ないというのは間違っていたのか。
この疑問に対し、厚労省医薬食品局の安全対策課長は、こう説明する。
「うつ病の方は、いつも沈んでいるわけではなく、波があって、気分が上がってくるときがあります。そのような状態でSSRIを服用すると、気分を増幅させる危険があるのです。そして、半端ではない興奮状態になったり、怒りっぽくなったり、ときには人を傷つけたりするかもしれません。また、自殺リスクが上がることもありえます」
つまり、精神状態を見て使わないと、意外な副作用が出てくるということだ。
古典的な三環系は、使い方が難しいので、扱いに慣れている精神科の専門医が処方する場合がほとんど。ところが、SSRIは、副作用がきつくないので、内科医でも処方され、十分な注意喚起がないまま、気分が上がってくるときに使われている恐れがあるというのだ。
ただ、うつ病患者は、薬を服用しなくても、気分が上向いているときなどに攻撃的になることがあるとされる。服用しなければ、自殺の危険も強い。従って、他害行為や自殺を防ぐためにも、投薬治療は必要だ。大切なのは、SSRIは、前述のように使い方を誤ると、副作用として「攻撃的反応」を増幅させると注意喚起することのようだ。
厚労省は、どのように対応するのか。
これに対し、前出の安全対策課長は、こう説明する。
「確かに、怖くなって薬を飲むのを止めたり、うつ病患者は危ないと思う人が出たりすると、害が大きいと思います。本来なら、精神科の専門医によく聞くのが大切でしょう。しかし、抵抗がある人もいて、呼びかけだけでは難しいと思っています。そこで、内科医などにも人を傷つけるような副作用の可能性があることを注意喚起してもらうよう、何らかの対策を検討しています」
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2009/3/3 医療ナビ:肺がん治療薬「イレッサ」 劇的効果の一方で、副作用による死亡も… 毎日jpより転載
医療ナビ:肺がん治療薬「イレッサ」 劇的効果の一方で、副作用による死亡も…
2009年3月3日 毎日新聞 東京朝刊
◆肺がん治療薬「イレッサ」 劇的効果の一方で、副作用による死亡も。どんな患者に有効なの。
◇遺伝子変異の有無で差 生存期間、1年半〜2年延長
◇アジア人、女性、非喫煙者に効きやすく
日本人は1年間に約33万人が、がんのために亡くなっている。この中で最も多いのが肺がん(約20%)だ。7年前に登場した肺がん治療薬「イレッサ」(一般名・ゲフィチニブ)は劇的にがんを縮小させ、症状を改善させる一方で、副作用のために患者が相次いで死亡した。使用の是非をめぐって激しい議論が起きた。どういうがん患者に有効なのか。
イレッサはがん細胞の増殖にかかわる因子(上皮成長因子受容体=EGFR)の働きを阻害し、分子標的治療薬と呼ばれる。
有効の是非をめぐる議論をきっかけに研究が進み、アジア人、女性、非喫煙者、肺がんのうち腺がんに効きやすいことが分かってきた。そして、人によって効果が異なる原因の解明が重要になった。
その突破口となった成果が04年の米マサチューセッツ総合病院の研究チームの発見だ。イレッサの標的となるEGFRを作る遺伝子の一部が変異していると標的薬の効果が高いことを解明した。変異の頻度はアジア人、女性、非喫煙者、腺がんに多かった。
昨年9月には、スウェーデンで開かれた欧州臨床腫瘍(しゅよう)学会で、中国の研究者が世界の注目を集める分析を発表した。06〜07年、日本、中国、韓国などアジア9カ国が実施したイレッサに関する大規模な臨床試験の結果だ。喫煙歴や抗がん剤による治療歴のない重い症状の非小細胞がん患者1217人(うち日本人は233人)が参加。イレッサと従来の抗がん剤(カルボプラチンとパクリタキセルの併用)の効果を比較した。
遺伝子変異のある患者261人をイレッサ群(132人)と抗がん剤群(129人)に分けて解析すると、症状が落ち着いている生存期間は、イレッサ群が抗がん剤群に比べて長かった。逆に変異のない人は抗がん剤の方が長かった。
一方、国内でも遺伝子変異をもった重い非小細胞肺がん患者148人を対象にした東北大などの七つの臨床試験で、イレッサの効果が確かめられた。喫煙者と非喫煙者で効果の差がほとんどなく、変異があれば喫煙者でも効果が認められた。
肺がん治療に詳しい愛知県がんセンター中央病院の光冨徹哉・胸部外科部長は「私の臨床経験と過去の臨床試験結果から見て、遺伝子変異のある人とない人では、効果に劇的な差がある。変異のある人ではがんが小さくなる度合い(奏功率)が約80%なのに対し、ない人は10%程度だ。変異のある人はイレッサを使う価値は高い」と話す。
また、萩原弘一・埼玉医科大学呼吸器内科教授は自らの臨床治療経験から、「イレッサを使った場合、平均的に言って、変異のある患者は、ない患者に比べ、生存期間が1年半〜2年程度延びるといえる。また、イレッサを最初に使っても、従来の抗がん剤のあとに使っても、効果に大差はない」と語る。
◇ ◇
患者の痰(たん)などでも変異の有無が分かる簡易な検査法も登場した。検査は多くの総合病院で受けられる。保険が適用されるので、自己負担は3割負担だと6000円になる。
ただ、変異のある患者でも、がんが完全に消えるわけではなく、患者の2%前後は副作用で死亡する。それでも簡易検査法の開発者である萩原教授は「変異の有無を知ることで治療の選択がより確実になった意義は大きい」と強調している。【小島正美】
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◆肺がんとイレッサ
肺がんは大きく分けて、小細胞がんと非小細胞がんがある。非小細胞がんには腺がん、扁平(へんぺい)上皮がん、大細胞がんなどがある。扁平上皮がんや小細胞がんは、慢性的な喫煙と関係が深い。肺がん患者の約8割は非小細胞がん。イレッサが適用されるのは、手術が難しい進行性の重い患者。
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2009/2/27 クスリに頼るのは悪いこと?――「抗うつ薬」の効用と限界 @nifty.comより転載
クスリに頼るのは悪いこと?――「抗うつ薬」の効用と限界
(ダイヤモンドオンライン 2009年2月26日配信掲載) 2009年2月27日(金)配信
「うつ」の治療において薬物療法が主流の今日ですが、クスリについて誤った認識を持っている方たちはまだまだ多いように思われます。周囲からの誤解や偏見もありますし、患者さん自身の間違った思い込みもあります。また、薬物療法はどんな状態に役立つのか、どんな場合には効果が期待できないのか、つまりその効用と限界について、大まかにでも知っておくことは大切なことです。
多少専門的な話になってしまいますが、避けて通れない重要なことですので、今回はこのテーマについて触れてみたいと思います。
「まだクスリに頼っているようでは、治ったとは言えないな」
言葉にしてあからさまに言われるかどうかは別としても、周りからこんな見方をされてしまって窮屈な思いをしている方も、依然いらっしゃいます。また、患者さん自身でも、「クスリに頼ってしまっている」とある種の後ろめたさを感じている方が少なくありません。
この「頼っている」という非難は、メンタル系のクスリにはどれも「依存性」があるという誤ったイメージを持っているところから来ているのではないかと思われます。
「うつ」の治療で中心的に用いられる<抗うつ剤>には、通常、依存性はありません(以前、覚醒剤に分類されるリタリンという特殊な薬剤の安易な投与や乱用が問題になり、現在では処方が厳しく制限され、通常「うつ」に投与されることはなくなりましたが、これは例外的に依存性のあるものでした)。
ですから、抗うつ剤に関して「頼っている」と捉えることは、完全に間違った認識だと言えるでしょう。むしろ、大部分の患者さんは「飲みたくはないけれど、少しでも良くなるように」と祈るような思いで、面倒でも服薬を続けているのです。
しかし、もし患者さん自身が、クスリの使用に何らかのためらいや後ろめたさを持っている場合には、「クスリに頼っている」のではなく、「クスリを活用している」のだと捉え直していただくことが必要になります。
クスリは、必要な時にはきちんと用いることが大切で、その後状態が改善するに従って減薬され、あるところから先は必要性がなくなるものです。クスリを活用することが望ましい状態なのに、ためらって医師の処方とは違った中途半端な服薬をしてしまいますと、かえって経過を長引かせてしまうことにもなりかねません。
「抗うつ剤を処方されて飲んだけど、すぐに眠気がひどく出たので、自分には合わないと思って飲むのを止めました」
薬物療法開始時に、このような理由で服薬を中止される方がいます。しかしこれは、副作用が出て薬を中止したのだから適切な判断だった、とは言えないところがあるのです。
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2009/2/17 医療ナビ:今冬の霜焼け対策は? 毎日jpより転載
医療ナビ:今冬の霜焼け対策は?
2009年2月17日 毎日新聞 東京朝刊
◆今冬の霜焼け対策は?
◇急激な温度変化、避けて 寒暖差10度以上で発症しやすく
◇手袋に耳当て、ぬれた手もケア
飲食店でアルバイトをしている女性(40)は今月初め、右手の薬指の第二関節が指輪が抜けないほど腫れ上がった。当初は「ばい菌が入ったか、何かにぶつけたか」と考え、整形外科や接骨院に行こうと思った。だが、知人の勧めで職場近くの皮膚科を受診すると、診断結果は「霜焼け」だった。「過去の病気と思い込んでいたのでまさかと驚いた」と振り返る。
◇ ◇
霜焼けは、局所的に起きる軽度の凍傷で凍瘡(とうそう)とも呼ばれる。耳たぶや鼻先、手足の先などの末端部にできやすい。寒い場所では末梢(まっしょう)血管が収縮して血流が悪くなる。再び暖かい場所に移動したときに収縮していた血管に一時的に大量の血液が流れ込むことで血管が広がる。これを繰り返すことによって炎症を起こしたものだ。赤く腫れ上がったり、ムズムズかゆい症状が表れる。
この病気の患者は、栄養状態が悪かった時代には多く、最近では少なくなっていた。
ところが、最近はその状況に変化が生じているようだ。
「よしき皮膚科クリニック銀座」(東京都中央区)には、霜焼けで訪れる患者は例年月1、2人程度だったが、今冬は20〜30代の女性を中心に10人を超える勢いで診察に訪れているという。また、霜焼けをアトピー性皮膚炎などと勘違いして受診する人も多い。
吉木伸子院長は「霜焼けは過去の病気ではない。1日の寒暖差が10度以上になるとできやすいと言われ、皮膚表面の温度変化、室内外の気温差が大きいと発症しやすい。寒暖差が激しい最近の気候の影響が大きいのではないか」と見る。気象庁によると、昨年12月に東京・大手町で1日の寒暖差が10度以上あった日は5日間で、昨冬同期より2日多い。
このクリニックでの患者増を裏付けるように、霜焼け用クリームも売れている。ユースキン製薬(川崎市)が販売する「ユースキンA」の売り上げは今年1月、昨年同期比で約15%増えた。
◇ ◇
予防法は急激な温度変化を避けることだ。手袋だけでなく、無防備になることが多い耳には耳当てを着用したい。特に冷え性の人は徹底したい。
皮膚をぬれたままの状態にしておくことも、表面温度を急激に下げることになる。アルバイトの女性は「今年は忙しくて、ぬれた手をそのままにケアしなかったことが原因かもしれない」と語った。
このほか、冷えた体のまま一気に高めの温度の風呂に入ることも避けたい。帰宅時には手足など冷えた部分をマッサージして徐々に温度を上げる。汗をかきやすい人はこまめに汗をふいたり着替える。足先がむれにくい5本指のある靴下をはくこともお勧めだ。
治療ではマッサージや温浴のほか、血行促進効果があるビタミンEの内服やビタミンE軟こうを塗る。
漢方薬も血行促進に効果的とされる。血流が悪くて痛みまである場合は、「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」などが処方される。
吉木院長は「霜焼けは冬季だけではない。夏の冷房が原因になることもあり、季節の変わり目も注意が必要だ。2月以降も予防を心がけてほしい」と呼びかけている。【関東晋慈】
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◇霜焼けを防ぐための対策
●外出時
耳当てや手袋をする。足を締め付ける靴や化繊のタイツなど蒸れるものは避ける。できれば5本指靴下をはく。
●帰宅時
冷え切った手足を暖房などにあてて急に温めない。ハンドクリームなどを使ってマッサージするのも効果的。
●食事面
バランスの良い食事を取る。特に血液をサラサラにするような青魚やビタミンEを摂取する。
●ブーツ
特にヒールが高く、先が細く、硬い素材のロングブーツは、締め付けと蒸れで霜焼けの原因になる。ナイロンのタイツなど通気性が悪いものをはくとさらに悪い。流行のムートンブーツは素材的に柔らかく、比較的なりにくい。
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2009/2/7 加齢黄斑変性を薬で治す 毎日jpより転載
加齢黄斑変性を薬で治す
2009年2月5日 毎日らいふ
高齢者に多い加齢黄斑変性は、失明にもつながる深刻な目の病気。光線力学的治療が登場してようやく進行を止めることが可能になりましたが、今回、注射で目の中に注入するだけで治療できる薬が登場しました。駿河台日本大学病院眼科助教の松本容子さんによると「光線力学的治療より治療後の視力の状態も良くなると期待されている」と言います。
◇ 中心部から見えなくなる病気
最近、どうも真っすぐな線がゆがんで見える。見ようとしたところが見づらい。こんな症状から見つかることが多いのが、加齢黄斑変性です(図1)。
加齢黄斑変性は、視力に重要な役割を果たす網膜の「黄斑部」が障害される病気です。目の網膜は、カメラで言えばフィルムのように像を映し出すもの。中でも視力の中心になるのが黄斑部です。黄斑部が障害されると中心部からしだいに見えなくなり、放置すればほとんど失明状態になることもあります。欧米では、高齢者の失明原因の第2位は加齢黄斑変性。身体障害者手帳の取得で見ると、日本では2004年に4位で、高齢者の増加に伴い、日本でも急増している病気です。」
近視や他の原因により50歳以下で黄斑部が障害されることもありますが、加齢黄斑変性は50歳以上の病気。年をとるほど患者が増えること、日本では男性が女性の3倍も多いという報告があります。
高齢者に多いことから、加齢による網膜の老化が原因と言われています。ほかにも遺伝や、喫煙などの生活・環境因子の影響があることが分かっていますが、まだはっきりした原因は分かっていないのが現状です。
「加齢黄斑変性の中でも滲出型は視力の低下が著しく、社会的な失明に至る危険が大きい病気です。しかし、長い間、視力に一番重要な黄斑部の中心には治療ができず、視力の低下を止められない時代が続いていました」と松本さんは話します。光線力学的治療によって、こうした状況が画期的に進歩したのは、わずか数年前のことです。
◇ 加齢黄斑変性にも2種類あります
網膜は10層からなる組織で、その下には脈絡膜があります。脈絡膜にはたくさんの血管が走っています。
「萎縮型」は、文字どおり黄斑部が萎縮して傷んだ状態。松本さんによると「視力は低下しますが、進行は緩やかで失明することは少ない」と言います。ただし、今のところ萎縮型には治療の方法がないそうです。
失明という意味で、深刻なのは「滲出型」です。滲出型は、脈絡膜から新しい血管(脈絡膜新生血管)が伸びてきて網膜の下や中(網膜の一番深層にある網膜色素上皮の上)にまで入り込むタイプです(図2)。脈絡膜新生血管はにわか作りの血管なので血液が漏れたり、すぐに破れたりして出血します。こうした出血や滲出液で網膜がむくんだり、網膜剥離などが起こります。そのため「急激に視力が低下し、時には失明に至ることもある」といいます。視野の中心にできた暗くてみえにくい部分(暗点)がしだいに大きくなり、見たいところが見えなくなり、読み書きが困難になるのです。
滲出型加齢黄斑変性はここ10年以上急増が続き、2008年の患者数は52,000人と推定されています。治療は、これまでレーザーによる光凝固が行われていました。レーザーで脈絡膜新生血管を焼いて、それ以上視力が障害されるのを防ぐのです。しかし、網膜の中や下にある脈絡膜新生血管を焼くと、レーザーが通過する網膜そのものも焼かれてしまいます。「焼いた部分の網膜はダメになるけれど、そのまわりの網膜がこれ以上損傷されるのを防ぐ」治療だったと松本さんは語っています。
一方、レーザーで治療できなかったのが黄斑部の中心でした。ここは「中心窩」といって、黄斑部の中でも視力の中心。レーザーで焼くとガクッと視力が落ちてしまいます。そのため、「過去には、病気が進行して中央がどんどん見えなくなっていくよりはよいと、病気の進行を止めるためにレーザー治療が行われましたが、現在は中心に脈絡膜新生血管がある場合はレーザー治療はしないで、手術や放射線などのさまざまな治療を試みる」というのが基本的な考え方だと言います。
どんどん視力が低下していくのを確実に止める方法がない、という厳しい状態でした。これを一変させたのが、5年ほど前に登場した光線力学的治療です。
◇ 中心部の治療を可能にした光療法
光線力学的治療は、黄斑部の中心を治療することができる画期的な治療法です。
光に反応して毒性を発揮する薬とレーザーを組み合わせるのが特徴です。まず、肘の静脈に点滴で光に反応する薬を入れます。脈絡膜新生血管にはこの薬が集まりやすい性質があるので、薬が集まった頃に網膜にレーザーを照射します。すると、薬が光に反応して毒性の強い活性酸素を出し、脈絡膜新生血管に血栓(血液の固まり)を作り、閉塞させます。
この治療で使われるレーザーは、脈絡膜新生血管を焼くのが目的ではありませんから、熱を発生しません。したがって、レーザーが通過する網膜を傷つけないので、黄斑部の中心にも使えるのです。
「画期的な治療法です。この治療法が出て、加齢黄斑変性の治療は全く変わったのです」と松本さんは語っています。
ただし、光線力学的治療法にも問題点がないわけではありません。「光凝固は脈絡膜新生血管を焼いてしまえば基本的には治療は終わるのですが、光線力学的治療は薬の化学反応を利用したもの。全員が1回の治療で治るわけではなく、ふつうは3か月に1度ずつ、よくなるまで繰り返す必要がある」と言います。実際には1回で治療が終わる人は3割ほどで、最初の1年間に平均2回の治療が必要です。多い人では数年のうちに10回以上の治療が必要になる場合もあるそうです。
これで6割の人は視力の低下を止めて維持することができますが、残り4割は「視力が改善する人と悪化する人が半々ぐらい」だと言います。特に、もともと視力がよい人は治療で視力が低下する危険があります。そのため「0.6以上の人は、経過を観察して視力が低下した時点で治療する」というのが大方の意見です。またレーザーを照射する関係で、脈絡膜新生血管の大きさや部位によっては治療ができない場合もあります。つまり、光線力学的治療は効果がない人や治療ができない人もいることと、視力が良い人にはあまり向かないといった欠点があるのです。
患者にとっては、光感受性物質が体内から排出されるまで、5日間は直射日光や人工の強い光に当たれないというのも、やっかいです。画期的治療であることは確かですが、完璧というわけではないのです。
◇ ペガプタニブ
ここに登場したのが、悪さをする脈絡膜新生血管ができるのを抑えてしまう薬です。
脈絡膜新生血管が作られるには、さまざまな因子が必要です。その中の1つが「VEGF」(血管内皮増殖因子)です。昨年末から使われるようになったペガプタニブ(商品名マクジェン)は、このVEGFの働きを阻害して、脈絡膜新生血管ができるのを防ぎます。
使い方は、ごく簡単。松本さんによると「目の表面に麻酔をして、その後、眼球に注射針を刺して眼の中に薬を注入します」。麻酔といっても目薬です。目に注射針を刺すなんて恐ろしい、と思うかもしれませんが、実際には「麻酔もしているし、針が細いので、いつ注射したか分からないほど」だそうです。今のところ6週おきによくなるまで治療を続けます。光線力学的治療は初めて行う時には2泊3日の入院が必要ですが、こちらは注射なので短時間で、しかも通院でできるのも魅力です。
「血管新生抑制剤は、脈絡膜新生血管の大きさ、形、視力に関係なく治療できるのが利点です」と松本さんは語っています。つまり、これまで光線力学的治療ができなかった人にも治療ができるようになりました。
すでに海外では5年ほど前から使われており、安全性は確認されていますが、「眼球に注射針で微小な穴があくので、治療後は菌が入らないように抗生物質の目薬をさし、眼を不潔にしないように注意することが大事です」と松本さん。菌が入ると、眼内炎を起こして失明する危険もあるからです。
では、肝心の治療効果はどうなのでしょうか。日本では、まだ使いはじめたばかりですが、松本さんによると、「光線力学的療法とマクジェンの治療効果を直接比較した報告はありませんが、光線力学的療法が行えないような視力が良好な時期にも治療が行えるという利点があります。また、病巣が小さい時期に治療を行うとほぼ全例で薬の効果がでて、視力が一段階以上改善するという報告があります。アメリカでは、適切に治療を続けると4年間にわたって視力を維持したり、視力低下を遅らせる効果があったそうです。
◇ ラニビズマブ
この春頃に日本でも発売されるのではないかと言われているラニビズマブ(商品名・ルセンティス)という血管新生抑制薬があります。ペガプタニブと同じように、眼内に注射をする薬剤で、視力が良い人にも使うことができます。
すでに海外では治療に使われていて、95%近い人に効果があったと報告されています。それも、約25%で視力が良くなったとの報告もあります。「これまでの治療は、光線力学的治療も含めて、視力がそれ以上悪くなるのを防ぐのが主な目的でした。しかし、ラニビズマブは低下した視力を回復させる効果が高いと期待されているのです」と松本さん。 ラニビズマブは4週間に1回ずつ3回の治療が基本です。臨床試験では、3回目の治療が終わった時点で視力がグッと良くなり、毎月治療を継続しているとその状態が維持されるという結果が出ています。
VEGFにもいくつか種類があるのですが、ペガプタニブが抑えるのはその中の1種類だけです。これに対して、ラニビズマブはすべてのVEGFの働きを抑えます。2つの薬の効果の違いは、この差ではないかと言われています。
しかし、血管新生に働くVEGFの作用をすべて抑えても、大丈夫なのでしょうか。「今のところ健康な方への治療では全身的な副作用は少なく、比較的安全に治療が行えます。しかし、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高い人は、理論的にはペガプタニブのほうがより安全であると言われています。現時点で分かっていない副作用もあるかもしれませんので、今後、長期間にわたって副作用についての観察が必要です。」と松本さん。いずれにしても、全く新しい作用で加齢黄斑変性を治療する薬なので、詳細はこれからという段階です。
「これからは、どういう患者さんにどういう治療が適するのか、治療法の選択を考える時代です」と松本さん。光線力学的治療との併用も候補の1つ。実際に併用した方が光線力学的治療の回数が少なくてすむという結果も出ているそうです。
さらに、現在さまざまな方法で血管新生を抑える薬が臨床試験に入っているとのこと。加齢黄斑変性の治療は、今や視力低下を防ぐことから視力の向上を求めることができる時代になったのです。「治療は早く始めるほど効果がありますから、おかしいなと感じたら眼科を受診してください」と松本さんは勧めています。
(取材・文 祢津加奈子)
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2009/2/3 医療ナビ:がんの緩和ケア 「末期患者向け」など誤解多く、普及が遅れている日本… 毎日jpより転載
医療ナビ:がんの緩和ケア 「末期患者向け」など誤解多く、普及が遅れている日本…
毎日新聞 2009年2月3日 東京朝刊
◆がんの緩和ケア 「末期患者向け」など誤解多く、普及が遅れている日本。痛みへの対処法は。
◇早期から積極的に WHOが指針、麻薬中毒の心配なし
◇睡眠、食欲回復 人生を前向きに
末期の肺がんだった50代男性は、がんが原因の痛みが終日続き、夜まどろむこともできなかった。医療用麻薬(モルヒネ)を処方しようとしたが、「麻薬なんか飲みたくない」と拒んだ。だが、いよいよ痛みが治まらず、麻薬を徐々に投与され、痛みが消えた。「やっと、がんに勝てるという気持ちになれた。やりたいことに挑戦しようという思いが出た」。余命3カ月と言われた男性は、1年半後に亡くなるまで普通に生活し、自分の人生を整理する時間にあてた。この男性を担当した武田文和・埼玉医科大客員教授は「患者が人生の最後を有意義に過ごそうとする際に邪魔をするのが『痛み』だ」と話す。
*
世界保健機関(WHO)の推定によると、痛みはがん患者の3分の1、末期がん患者の7割が経験する。がん自体は痛みを発しないが、大きくなったがんが神経を圧迫し、痛みを起こす。精神的にも追い詰められた患者には不眠や食欲減退が起き、体力の低下と症状の悪化をもたらす。
このため、痛みをとる「緩和ケア」が重要だ。対象となる痛みには、(1)がんが周囲の組織を圧迫して神経が刺激されて起きる痛み(2)手術の傷などがん治療に伴う痛み(3)がん進行で全身衰弱し、それによる便秘や床ずれの痛み(4)がんには関係ない痔(じ)や五十肩などの痛み−−の4種類ある。(1)の痛みが、全体の7割を占める。
だが、日本では緩和ケアが十分実施されていない。医療界には「医療用麻薬はむやみに使わない」との慣習があった。患者も「緩和ケアは末期がん用」との誤解があった。03年の厚生労働省研究班の調査では、大学病院で痛みを取った末期がん患者は約4割、がんセンターでも約6割だった。日本医師会が昨年、全国の医師約27万人に実施した調査では、「痛み緩和に関する知識や技術が十分ある」と答えたのは約2割。人口100万人当たりのモルヒネ使用量は米国の20分の1だ。
*
1986年、WHOはがんの痛みの治療法指針を初めて作成した=表参照。早期がんから、積極的に痛み治療に取り組む内容だ。指針策定の委員会に参加した武田さんは「埼玉県立がんセンターで約150人の患者にWHO指針の治療を実施したところ、96%の患者の痛みが消え、残りも痛みがやわらいだ。早くすそ野が広がってほしい」と訴える。
07年施行のがん対策基本法は、取り組むべき施策の一つに緩和ケアの充実を挙げた。厚労省は、10年以内にがん治療に携わる全医師が緩和ケアの基礎的知識を持つための研修、在宅療養でも緩和ケアを続けられる仕組み整備などに取り組む。市民向けの啓発活動「オレンジバルーン・プロジェクト」も始めた。
麻薬の使用に対し、患者や家族に「中毒になっては困る」との不安は強いが、医師の指導のもと、がん患者が使う医療用麻薬で中毒が起きることはない。吐き気などの副作用はあるが、対処法が確立している。米国での研究では、医療用麻薬を使用した方が、未使用グループより余命が長いとのデータがある。
痛みがとれると十分眠ることができ、食欲も増し、健康状態を好転させると考えられる。武田さんは「余命が同じでも、痛みに苦しんで過ごすのと、健康なときと同様に過ごすのでは大違いだ。痛みの強さを医者は判断できない。患者は痛みがとれるまで、遠慮なく『痛い』と訴え続けてほしい」と話す。【永山悦子】
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◇WHOのがんの痛みの治療法
(1)できる限り飲み薬で治療する(飲み薬は患者自身の自立を保ち、高い有効性が確立している)
(2)痛みの強さに応じた効力の薬を使う(痛みが強いときは効果が強い医療用麻薬を使う)
(3)痛みが消える量へと増やして使う(医療用麻薬は痛みが取れる量まで上限なく増やせる。症状によって適量が異なる)
(4)時刻を決めて規則正しく使う(薬の効果が消えて痛みが再発する時間を作らない)
(5)細かな点に配慮する(副作用対策として吐き気止めや下剤などを使用する)
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2009/1/30 特集:健康を考える スギ花粉症 毎日jpより転載
特集:健康を考える スギ花粉症
2009年1月30日 提供:毎日新聞社
特集:健康を考える スギ花粉症
医療法人森下眼科・森下清文理事長に聞く
◇花粉飛散今年は1-2週間早め
花粉症は国民の16%、2000万人以上が罹患(りかん)する「国民病」だ。日本では1964年にスギ花粉症が報告され、その後、四十数年で60種以上が確認されるなか、特にこのスギ花粉症が激増した。環境省は今年のスギ、ヒノキの花粉の飛散は全国的に「平年並みから多め」と見込み、「開始日」も1-2週間早いと予測している。医療法人森下眼科の森下清文理事長が、花粉症の予防策などについて語った。
◇マスクや眼鏡の併用が効果的
◇髪や衣服は玄関で払って、窓の開閉にも注意を
◇飛散前から治療も、症状の強い時は専門医に
★国土面積の12%
花粉症はアレルギー性疾患です。私たちには、異物(抗原)が入るとそれを察知して体内に「抗体」を作り、異物を排除する機能があります。この免疫反応が必要以上に敏感になり、それほど害にならないものまで排除しようとして生じるのが「アレルギー」です。
花粉症のアレルギー反応を見ると、花粉が粘膜や結膜に付着すると「IgE抗体」が作られます。これが特定の細胞(肥満細胞)に結合し、繰り返し花粉と接触するうちに抗原に反応して肥満細胞が破壊され、ヒスタミンなどの刺激物質を放出するというわけです。
スギ花粉症の激増の背景には、スギ林の増加があります。戦後の山林振興策で1950年から70年にかけて全国でスギが造林され、スギの面積が全国の森林の18%、国土の12%を占め、452万ヘクタールにも広がったのです。
しかも、その多くが樹齢30年を超え、現在最も多くの花粉を作る時期にあります。
★ゴーグル型は90%
花粉症の主だった症状は目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりの四つです。
目の場合、目の周囲がかゆくなり、まぶたが腫れぼったくなり、結膜が赤く腫れてきます。掻(か)くと悪化し、結膜や角膜を傷つけ、かすんだり、まぶしく感じたりします。
鼻では、粘膜についた花粉を取り除こうとしてくしゃみが出ます。洗い流そうとして鼻水が出る、花粉を侵入させまいとして粘膜が腫れる、などの症状もあります。ひどくなると、全身の倦怠(けんたい)感や発熱を伴います。
花粉を避けるための日常生活での注意では、マスクや眼鏡の併用が効果的です。
市販の不織布やフィルター付きマスクは正面からの花粉の90%前後をカットしますが、頬(ほお)などにすき間ができないよう、フィットしたマスクを選ぶことが必要です。マスクには保温・保湿効果もあり、粘膜の荒れを防いでくれます。
普通の眼鏡でも、結膜への花粉の付着を60-70%カットできます。ゴーグル型だと90%カットできます。
★こまめに掃除
服装は花粉が付きにくい上着やコート、表面がツルツルして織り目が詰まったナイロン素材がよく、髪は束ねて帽子をかぶるのがいいですね。最近は、花粉が付きにくくなるスプレーなどの便利グッズもあります。
帰宅したら玄関で衣服や髪に付いた花粉を払い落とし、屋内に花粉を入れないようにします。花粉は最高気温が15度以上、湿度が60%以下になると飛びやすくなり、風が強い日は60-80キロと遠くまで飛びます。飛散量が多い時は窓などを開けっ放しにせず、洗濯物も外で干さないようにし、花粉を避けます。
同時に、毎日こまめに掃除する、干した布団や洗濯物は取り込む前にはたくなどして花粉を落とします。空気清浄機を使うのもいいでしょう。うがい、洗顔なども励行すべきです。目を洗うのもいい。理想をいえば、防腐剤の入っていない点眼(人工涙液)5-6滴で洗い流すことです。
食事面では、カテキンにはアレルギーを抑える成分があります。また、ニンジンのβカロチンにはIgE抗体を減らすなどの効果が期待できるし、鼻詰まりにはシソ、西洋フキなどに効果があると言われています。
★「初期治療」
予防面では、花粉情報をこまめにチェックし、自分の「花粉日記」で症状がいつごろ出るのか分かれば、その2週間ほど前から抗アレルギー薬で発症を予防したり、軽減させることができます。
スギ花粉症は、少しの花粉でも反応が出る人がいるため、花粉飛散の開始日前から治療を始めることも「初期治療」として認められています。
抗アレルギー薬には細胞を安定させ、ヒスタミンなどが出ないようにする「ケミカルメディエーター遊離抑制薬」、出てしまったヒスタミンが働かないようにする「抗ヒスタミン薬」があります。
また、症状が強い時は、ステロイドを使用する場合があります。内服薬としての第2世代の抗ヒスタミン薬は、即効性があるのでよく使われます。
市販薬も数多く出回っていますが、やはり専門医を受診し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。<この特集は、毎月下旬に掲載する予定です>
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■ことば
◇花粉情報サイト
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■人物略歴
◇もりした・せいぶん
1954年三重県伊賀市生まれ。80年兵庫医科大卒業後、大阪医科大眼科学教室で研修。82年神戸海星病院、83年北野病院に勤務。84年から同医科大で白内障、緑内障、眼底疾患の診療・研究に従事。88年同医科大講師。91年大阪市北区天神橋で医療法人森下眼科を開業。医学博士。市民健康講座「目の勉強会」代表世話人。
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2009/1/30 早食い防止:一口30回かんで健康に あご動かし唾液分泌…肥満、脳の老化、虫歯予防 毎日jpより転載
早食い防止:一口30回かんで健康に あご動かし唾液分泌…肥満、脳の老化、虫歯予防
2009年1月30日 毎日新聞 東京朝刊
慌ただしい現代社会。急いで食事をかきこむ癖のついた人は多い。早食いは健康に良くないと聞く。早食いの影響や、ゆっくり、よくかむためのアイデアを調べた。【足立旬子】
◇時間かけて食事 歯ごたえある食材利用
大阪大の磯(いそ)博康教授(公衆衛生学)らは30〜69歳の男女3287人を対象に、早食いと肥満の関連を調査した。早食いで満腹まで食べる人は、そうでない人に比べると、肥満度を示すBMI(体格指数)が25以上の「肥満」になるリスクは約3倍だった。
人は食事をすると、血糖値が上昇し、満腹中枢が刺激されて食事をやめる。ところが、早食いの人は、満腹を感じる前に多く食べてしまうため、エネルギー摂取量が多くなる傾向にある。磯教授は「早食いと怒りや疲れなど精神的ストレスも関係している。慢性的にストレスを感じている人は高カロリーの食べ物を好む傾向にある」と指摘する。
*
今月22日、埼玉県戸田市文化会館で、65歳以上の男女11人がリズムに合わせ、口をとがらせたり、すぼめたりする運動をしていた。頬(ほお)の筋肉を動かすなど、12種の動きを取り入れた「お口の健康体操」だ。
指導する埼玉県歯科医師会の白根雅之・歯科医師は「よくかむと、あごの骨や筋肉が動いて血液循環が良くなり、脳細胞の動きが活発になり、脳の老化を防ぐ。口に入れた食べ物が小さくなるので、のどに物が詰まりにくくなり窒息予防にもなる」と強調する。参加した女性は「毎朝、食事前に体操している。口の周りが軽くなり、おいしく食べられるようになった」と話す。
体操には、あごの下の唾液(だえき)腺を刺激する運動を取り入れている。白根さんによると、唾液に含まれる酵素「アミラーゼ」はでんぷんを分解し、胃腸の負担を減らす。また、口の中の汚れを洗い流し、歯の表面をきれいにする。口の中を常に中性に保とうとする作用もある。唾液は、かめばかむほど出る。
ハンバーガーやカレー、牛丼、ラーメンなど軟らかく、食べやすい食事は、忙しい人にはとても便利だ。日本咀嚼(そしゃく)学会元理事長の斎藤滋さんは、時代とともにかむ回数がどう変化してきたかを、当時の食べ物から推測した。現代人が1回の食事でかむ回数は、弥生時代の6分の1以下、食事時間も5分の1という。戦前と現代を比べてもかむ回数、食事時間とも半分以下に減っている。斎藤さんの助言を受け、出版社「学校食事研究会」(東京都千代田区)は、よくかむことの効能を八つ掲げ、それぞれの頭文字をとって「卑弥呼(ひみこ)の歯(は)がいーぜ」とのキャッチフレーズを作った=表参照。弥生時代後期の女王、卑弥呼にちなんだ。
*
毎日の食事でどうやって早食いを防止すればいいか。
白根さんによると、(1)一口で食べる量を少なくする(2)30回かむ(3)一口飲み込むごとに、はしを置く−−ことをあげる。
メニューから工夫することもできる。歯ごたえのあるレンコンやゴボウなど、食物繊維の多い野菜や小魚を加えたり、白米に玄米を混ぜるのがお勧めだ。
「会話を楽しみながらゆっくり食事をすると、親近感も深まる。子どものころから身につけることが大切だ」と白根さんは助言する。
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◆よくかむと期待できる8大効用
◇ひ
肥満予防=少量で満腹感が得られ、ダイエットに
◇み
味覚の発達=食べ物本来の味が分かる
◇こ
言葉の発音はっきり=あごが発達し、歯が正しくはえそろって、かみ合わせが良くなる
◇の
脳の発達=脳細胞の動きを活発化。ぼけ防止にも
◇は
歯の病気予防=唾液がたくさん出て歯周病や虫歯を予防
◇が
がん予防=唾液には発がん物質の働きを抑える物質が含まれるという
◇い
胃腸快調=よくかむほど消化酵素がたくさん出て、胃腸の負担を軽減
◇ぜ
全力投球=奥歯をぐっとかみしめることで、力いっぱい遊びや仕事ができる
※学校食事研究会発行「学校の食事」などから作成
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2009/1/27 医療ナビ:不整脈 脈拍が乱れ、動悸、息切れ、重い失神も。治療法は 毎日jpより転載
医療ナビ:不整脈 脈拍が乱れ、動悸、息切れ、重い失神も。治療法は
2009年1月27日 毎日新聞 東京朝刊
◆不整脈 脈拍が乱れ、動悸、息切れ、重い失神も。治療法は
◇「心配なし」から「突然死の原因」まで 種類多様、見極めて
◇まず専門医受診 心臓病あれば特に注意
鹿児島市の山元ノリ子さん(67)は職場の健診で「心臓に雑音がある」と言われた。1分間に170回ぐらい脈打つことに気づき、近くのクリニックで不整脈の一つ「心房細動」と診断された。昨年2月には一部の弁が硬くなっていることが発覚。すぐに別の病院で人工弁をつける手術を受けた。大動脈弁狭窄(きょうさく)症だった。「つらかった坂道歩きも今は休まずに済む。まだ脈が少し速くなることもあるが、体調はよくなった」と話す。
*
心臓は握り拳ほどの大きさで、1日平均10万回拍動し、全身に血液を循環させる。正常な人は1分間で60〜100回程度の脈を打っている。心臓の規則正しい収縮と拡張を制御しているのは、心臓が作り出す電気信号だ。電気信号は左右の心房に伝わり、さらに左右の心室に伝わる。この流れのどこかに異常が起こると拍動が乱れ、脈が速くなったり遅くなったりする。これが不整脈だ。動悸(どうき)や胸部の不快感などの症状が表れ、重いと失神することがある。
1分間に200回も打つような頻脈では、心臓に血液が戻らないうちに収縮し、全身に十分な血液が送られなくなる。脈がゆっくりになる徐脈も、血液の巡りが悪くなる。
不整脈にはさまざまな種類がある=表参照。心室が収縮できなくなる「心室細動」、心室細動に移行することがある「心室頻拍」などは突然死を起こす恐れがあり、治療が必要。一方、脈が飛ぶように感じる「期外収縮」は多くの場合で心配はいらないという。財団法人・心臓血管研究所(東京都港区)の山下武志研究本部長は「海外の大規模臨床試験から、すべての不整脈で治療が必要なわけではないと分かってきた」と解説する。
とはいえ、狭心症や心筋梗塞(こうそく)、弁膜症など心臓の病気がある場合は要注意だ。不整脈の原因になっているだけでなく、不整脈を悪化させることがあり、治療が必要。慶應大循環器内科の小川聡教授は「診察では治療が必要な不整脈かどうかを見極める。気になることがある人は、どの種類か、心臓に病気がないかなど調べてほしい」と呼びかける。
*
一般的に、全身に血液を送るポンプの役割を果たす心室性の不整脈の方が重い。心室細動や心室頻拍では、突然死を防ぐため除細動器を手術で植え込む。除細動器は心室細動などを感知し、電気ショックを与え拍動を正常に戻す。
上室性頻拍や心房粗動では「カテーテル・アブレーション」という治療が行われる。異常な電気信号を起こす部分をカテーテル(細い管)を使って焼き(アブレーション)、9割以上が根治可能だという。
心房細動は高齢化に伴い増えており、患者数は推定約70万人。突然死はほとんどないが、心房の血流が悪くなるため血栓ができやすく、脳梗塞を起こす恐れがある。心房細動のアブレーション成功率は7〜8割で、薬が中心になるが、抗不整脈薬が効かなかったり、副作用も心配される。脳梗塞を予防する薬も処方される。山下本部長は「心房細動は治療に課題が多い」と話す。
期外収縮は健康な人にもよくみられる。大半で治療は必要ないが、不快な症状が気になる人には安定剤や抗不整脈薬が処方されることもある。
小川教授は「ストレスや睡眠不足、お酒や喫煙でも、期外収縮が出る。生活習慣を見直すだけで改善することがある。適度の運動も勧めたい。また、普段から自分で脈を測っていると、乱れや数の変化を把握しやすい」と助言する。【下桐実雅子】
==============
■主な不整脈の種類と治療法
頻脈性不整脈
期外収縮 薬
心房細動 〃
上室性頻拍 カテーテル・アブレーション
心房粗動 〃
心室頻拍 植え込み型除細動器
心室粗動 〃
心室細動 〃
徐脈性不整脈
洞不全症候群 ペースメーカー
房室ブロック 〃
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2009/1/17 特集:「なくそう減らそう歯周病」シンポジウム 正しい理解で予防 毎日jpより転載
特集:「なくそう減らそう歯周病」シンポジウム 正しい理解で予防
2009年1月17日 毎日新聞 東京朝刊
歯周病と糖尿病の予防を目指す「なくそう減らそう歯周病」シンポジウムが昨年12月13日、東京都渋谷区の津田ホールで開かれた。深い関連があると分かってきたこの二つの病気について、清野裕・日本糖尿病協会理事長と野口俊英・愛知学院大歯学部長が講演した後、大久保満男・日本歯科医師会会長を交えて「歯のケアから考える健康維持」をテーマにパネルディスカッションをした。会場には約400人が集まり、熱心に聴き入った。(司会は斗ケ沢秀俊・毎日新聞東京本社科学環境部長)
◇じっくり30分、就寝前に歯磨き−−野口氏
◇歯科と医科の連携が不可欠−−清野氏
◇口の中を見て健康チェック−−大久保氏
斗ケ沢 25歳以上の8割は歯周病だということですが、自覚している人は多いのでしょうか。
野口 自覚している人は少ない。口臭が出たり、歯が動くようになったりして、ようやく歯医者に行く。それでは遅いのですが。
大久保 かつては虫歯は若い人、歯周病は中高年以降の病気と考えられていましたが、今は小中学生でも歯周病が増えてきました。学校歯科の検診の中で歯周病は特に注意してみています。
斗ケ沢 歯周病かどうかのチェック方法、予防策はありますか。
野口 歯を磨いた時に出血したり、歯肉の腫れが初期段階の指標になります。
大久保 軽度の歯肉炎の場合には、歯ブラシで治ることもあります。歯の表面を磨くのは虫歯予防、歯と歯肉の間にあるプラーク(歯垢(しこう))を取り除くように磨くことが歯肉炎の予防につながります。横に大きく手を動かしてごしごしと磨くと、歯が磨り減ります。どういう磨き方がよいのかを、近くの歯科に行って教わっていただきたい。
野口 歯を磨くのは非常に難しいのです。歯ブラシで取れるのは歯の表と裏についた細菌だけで、歯と歯との間は届かない。歯間ブラシやデンタルフロスという道具を使わなければなりません。
歯磨きは、ものを食べたらすぐに磨くというのが原則です。特に大切なのは寝る前の歯磨きです。寝ている間に細菌が成長しますから。私が患者さんに勧めるのは寝る前に新聞やテレビを見ながら、歯磨き粉をつけないで30分ほど磨くことです。これをすると、歯の持ちが違います。
斗ケ沢 日本糖尿病協会は歯周病にどう対応していますか。
清野 協会と日本歯科医師会で糖尿病協会登録歯科医師という制度を作り、連携の基礎ができました。現在、約5000人の歯科医師が登録しており、協会のホームページにリストが載っています。
大久保 歯科医師は歯周病を治す時に糖尿病が大きな問題だと分かっていますが、歯周病があると糖尿病にも影響があるということが一般の医師の方にはまだ浸透していない。日本の医療の最大の課題は医療連携です。人間の健康は歯の健康とか心臓の健康とか別々にあるのではなく、全身が健康かどうかで判断されます。歯周病患者の歯周病を治せばそれでいいというのは従来の考え方で、そうではなく一人の患者さんのあらゆる病気について、医師と歯科医師、薬剤師が連携することが必要です。
斗ケ沢 メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)と歯周病との関連は。
清野 メタボリックは病気の概念ではなく病気の前段階で、内臓脂肪が多くて血圧や血糖、脂質の数値に問題があると、メタボリックだと判定されます。日本ではメタボリックから来る糖尿病は全糖尿病の4割以下で、あまり太らなくても糖尿病になる。インスリンの分泌が悪いというのが日本人の特徴です。やせていても糖尿病になるし、糖尿病になれば歯周病になるリスクが高いので、メタボリックをあまり前面に出さないほうがよいと思います。
斗ケ沢 歯周病によい食材、悪い食材はあるのですか。
野口 繊維性のもの、歯に付きにくいものがよく、スナック類やファストフードは好ましくない。甘いものは避けたほうがいいですが、甘いものを食べないとストレスになる人もいます。そういう場合は食後にきちんと磨けばいいわけです。
斗ケ沢 最後に一言ずつお願いします。
清野 糖尿病は単に血糖値が上がる病気ではなく、全身の病気です。歯周病との関連が分かったのですから、歯科と医科が連携して患者さんの生活の質が維持できるように頑張りたいと思います。
野口 歯周病についての理解を深め、自身で予防、コントロールするよう、毎日の歯ブラシに励んでください。
大久保 自分の健康観の確立が大事です。歯が何本残っているか、出血していないか。自分の口の中を毎日見て、自分の健康状態を把握していただきたいと思います。
■基調講演
◇歯周病、25歳以上の8割−−野口俊英・愛知学院大歯学部長
歯周病は虫歯と違って歯自身の病気ではなく、歯を支える組織の病気です。昔は歯槽膿漏(のうろう)と言っていました。軽度から重度まで含めると、25歳以上の国民の8割以上がかかっています。歯周病対策なくして歯を残すことは不可能だと認知されるようになりました。
歯周病の初期の段階を歯肉炎と言います。歯肉炎の原因は歯の表面に付いた生きた細菌の集団であるプラーク(歯垢(しこう))です。耳かき1杯分で何億という細菌が存在します。虫歯は痛みますが、歯周病は自覚症状がほとんどありません。多くの人が放置してしまいます。すると、歯と歯肉との間の溝が深くなり、細菌がどんどん入って炎症がひどくなり、やがては歯肉の下にある歯槽骨が破壊されてしまいます。
歯周病の原因は細菌ですが、ほかに危険因子があります。加齢や病気による抵抗力の低下、ストレスが関係すると考えられます。喫煙が歯周病によくないことも分かっています。歯周病は糖尿病だけではなく、脳血管疾患や骨粗しょう症、心疾患、腎炎、関節炎などと関係があるとの報告が出ています。
糖尿病と歯周病はどちらも生活習慣病であり、病気との一生の付き合いになります。糖尿病と歯周病を持つ患者でも、きちんと両方の治療に取り組めば、状態を安定させることができます。
香川県歯科医師会の研究では、高齢者の残存歯の本数が少ない人ほど年間の医療費が多い。自分の歯を残すことが非常に大事です。歯をなくす最も大きな原因は歯周病ですから、ぜひ関心を持って予防・治療をしていただきたいと思います。
■特別講演
◇糖尿病の第6の合併症−−清野裕・日本糖尿病協会理事長
世界では4秒に1人が糖尿病になり、10秒に1人が糖尿病のため亡くなっています。日本の患者数は890万人、予備群も1320万人います。国連は06年、糖尿病が脅威ある疾患であるという決議をしました。
医療の進歩により、糖尿病で血糖が高いだけで亡くなることはまれになりました。問題は合併症で、神経の障害、目の網膜や腎臓の病気などのほか、心臓や足の動脈硬化による閉塞(へいそく)性の病気が起こりやすくなります。
歯周病は糖尿病の第6の合併症と言われています。私たちの病院では、糖尿病患者は糖尿病でない患者に比べて歯周病菌の量が多いというデータが出ました。歯周病が重症な人は歯周病のない人に比べて、血管の動脈硬化が進みやすいことも分かりました。
糖尿病患者の歯石を除去してブラッシングを指導するだけで、血糖値が下がります。抗生物質を併用して歯周病を治療した場合は、もっと下がります。糖尿病になると歯周病を合併しやすいことは理解していましたが、歯周病をケアすると糖尿病が改善される、つまり歯周病が糖尿病に影響を与えるという相互の密接な関係が分かってきました。糖尿病治療では、歯科の先生に定期的にチェックしてもらい、必要な時には歯科の治療を受けるということが大切です。
糖尿病の予防には、生活習慣の改善が効果があります。運動はエネルギーを消費するだけではなく、筋肉が増えるので代謝がよくなります。食事は栄養のバランスをよくすることと、よくかんで食べ、腹八分目で抑えることが大事です。
■主催者あいさつ
◇「80歳で20本」幸せな人生を−−大久保満男・日本歯科医師会会長
1988年に当時の厚生省と日本歯科医師会が「8020運動」を始めて、20年がたちました。高齢者の方が何本の歯が残っていれば、ものをかむのに不自由しないかという調査をして、親知らずを除く28本のうち最低20本残っていれば、何とか不自由なくかめるということで、80歳で20本を残そうという運動が始まりました。
20年前には80歳の人は平均4.8本しかなかったようですが、今はほぼ4人に1人が8020を達成しています。これまでは順調に成果をあげましたが、問題はこれからです。本日のテーマである歯周病は歯をなくす大きなリスクです。
20本の歯を残して、最後まで「おいしい」と言ってものを食べていただく、そういう幸せな人生を送っていただきたいということが歯科医師の夢であり、その実現に向けて、皆さまと一緒に歩いていきたいと思っています。シンポジウムを聞いて、明日からの生活に少しでも役立てていただけると幸いです。
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共催 日本歯科医師会
毎日新聞社
後援 厚生労働省、健康保険組合連合会
国民健康保険中央会、日本医師会
日本歯科医学会、日本歯周病学会
日本糖尿病学会、日本糖尿病協会
日本糖尿病対策推進会議
8020推進財団
協賛 ロッテ
ノーベル・バイオケア・ジャパン
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■人物略歴
◇のぐち・としひで
愛知学院大歯学部長。1969年東京医科歯科大卒、73年同大大学院歯学研究科修了。愛知学院大歯学部教授、同学部付属病院長、日本歯周病学会理事長などを経て現職。
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■人物略歴
◇せいの・ゆたか
日本糖尿病協会理事長。1967年京都大医学部卒。京都大大学院医学研究科教授(糖尿病・栄養内科学)、京都大医学部付属病院副院長などを経て、04年から現職。関西電力病院院長。京都大名誉教授。
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■人物略歴
◇おおくぼ・みつお
日本歯科医師会会長。1966年日本大歯学部卒。67年、静岡市に大久保歯科医院を開設。静岡県歯科医師会会長、日本歯科医師連盟会長などを経て、06年から現職。
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2009/1/16 肌クリーム:乾燥、角質化、かゆみ、しもやけ…症状で選ぶ 毎日jpより転載
肌クリーム:乾燥、角質化、かゆみ、しもやけ…症状で選ぶ
2009年1月16日 毎日新聞 東京朝刊
乾燥する冬は、肌がかさついて、かゆみや肌荒れに悩む。スキンクリームは薬局にあふれるほど並んでいるが、何を選ぶのがよいか迷う。種類は大きく尿素系、ビタミン系、かゆみ止め系、保湿系に分類される。症状に合った上手な選び方を知って対処したい。【小島正美】
◇塗るのは入浴後が最適/こまめに1日3回
●尿素系
手足の指やひざ、かかとなどの肌が角質化しているときは尿素系クリームがよい。角質化は皮膚の表面の角質層が硬くなり、ごわごわした状態だ。尿素は角質層を溶解させる働きと保湿効果がある。
市販の尿素系クリームには「尿素10%配合」「尿素20%配合」などと表示されている。古川福実・和歌山県立医大教授(皮膚科)は「かさかさがひどいときは、とりあえず尿素系クリームでかさかさを減らす。塗ってみて、しみるようなら尿素配合の少ないものを選ぶとよい」と助言する。
ユースキン製薬は「角質が正常にもどったら、保湿系やビタミン系に切り替えて肌を落ち着かせてほしい」としている。
ただし、唇や目もとなど皮膚の薄いところは避け、「顔に塗らないほうが無難だ」(資生堂ヘルスケア事業部)という。肌に傷がある場合も、ぴりぴりとしみるので避ける。
●かゆみ止め
乾燥した肌はかゆみを伴うことが多い。かゆみを抑えたいときは、クロタミトン、ジフェンヒドラミン、リドカインなど、かゆみ止め成分が配合されたクリームがよい。ただし、かゆみには強弱がある。野村皮膚科医院(横浜市)の野村有子院長は「乾燥に伴うかゆみでも症状が軽い場合は、尿素系や保湿剤成分の入ったクリームでも間に合う」と話す。
赤みのある炎症でかゆみが強いときは、かゆみ止めのほか、炎症を鎮めるグリチルレチン酸配合のクリームがよい。「5〜6日塗っても治りが悪い場合は皮膚科を受診したい」(ロート製薬)と提案する。
耳たぶや手足の指が赤くなって、しもやけに似ているが、手足を温めても、数週間、症状がひかないときの対応について、古川教授は「中年女性にしばしば見られる膠原病(こうげんびょう)の一種かもしれない。勝手にクリームを塗り続けるのではなく、念のため、皮膚科を受診してほしい」と呼び掛けている。
●ビタミン系
全身がカサカサしたり、指にしもやけがある場合は、ビタミンEの入ったクリームがよい。野村院長は「ビタミンEは血行を促進させる働きがある。血液の循環が悪く、手足が冷えているようなときや皮膚がかさついて眠れないときは、ビタミンE配合のクリームで試してほしい」と話す。
●保湿系
全般的に皮膚がかさかさした場合は保湿クリームでよい。保湿成分には油のワセリン、ヒアルロン酸、スクワランなどさまざまな種類はあるが、古川教授は「あまり成分にこだわる必要はなく、使ってみて自分の肌に合うものがよい」と語る。
皮膚の表面は脂を含んだ角質層で守られている。クリームは皮膚を脂で補強するわけだから、できるだけ皮脂に近い成分がよい。「水と油を乳化させる合成界面活性剤を極力抑えた固めの油性クリームがよい」(東京美容科学研究所)という見方も知っておきたい。
*
クリームを塗るのは風呂上がりが最適だ。風呂に入ってから床につくまでの時間が長い場合は、寝る前にもう一度塗る。
クリームを塗る回数は1日3回程度が理想だ。野村院長によると、2回目の塗布は1回目の4倍、3回目の塗布は1回目の10倍程度の保湿効果があるため、こまめに塗る方が効果的という。
ただし、「ニキビのできやすい人は、ニキビ穴に詰まりやすいジェル状クリームよりは、化粧水を使う方がよい」とアドバイスする。
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2009/1/12 医者や看護師に暴行・暴言繰り返す 「モンスター患者」急増、対策が急務 @nifty.comより転載
医者や看護師に暴行・暴言繰り返す 「モンスター患者」急増、対策が急務
2009年1月12日(月)18時2分配信 J-CASTニュース
病院で医師や看護師に暴力や暴言をふるう「モンスターぺイシェント」(怪物患者)が全国的に急増し、社会問題化している。ほぼ毎日のように暴行・暴言が起こり、職員の心身が持たない状態に追い込まれている病院すらある。対策として元警察職員を雇ったり、監視カメラを設置したりする例も出てきた。
「医者一人では足りないからもう一人呼べ!」
些細なやりとりから医師に対してクレームを付けるのは代表的な例だ。
「診療結果が正しいかどうか、お前が責任取れるのか!」
「医者一人では足りないからもう一人呼べ!」
「日本の医療制度は変だ。納得いくまで診療代は払わない!」
怪我で縫合手術をした後に化膿止めの抗生物質を処方すると、
「こんな薬を出せと頼んだ覚えはない!」
などと威圧するなど、無理難題に近いクレームが多い。
こんな時、必ず口にするのが「(厚生労働省などに)訴えるぞ!」といった言葉なのだそうだ。また、患者以外のトラブルも増えていて、入院中の母親を見舞いに来た男がその母親と喧嘩。看護師が止めに入ったのだが、止めに入ったことに腹を立て男が看護師に暴行、全治2週間のケガを負わせるという事件も2008年11月に大阪で起こった。酒に酔って来院、それに伴うトラブルも多く、徳島県では、酔った患者が病院で暴れ灰皿で職員を殴り大ケガをさせる、ということもあったという。
全日本病院協会が08年4月に公表した調査によれば、回答のあった全国1106の病院で、「過去1 年間で職員に対する院内暴力(身体的暴力・精神的暴力)があった」のが52.1%。発生件数は6882件。職員に対する院内暴力・暴言が起こる不安を持っている病院は60.7%だった。同協会では、
「職員が安全な環境で働くための院内整備をおこなうことが重要な課題のひとつ」
と全国の病院に呼びかけている。
対策を立てなければ職員の心身が持たない
これを受けて、全国の病院では「モンスターぺイシェント」の対策が始まっている。職員に向けた対応マニュアルを作成するほか、元警察職員の雇用、監視カメラの設置を行っている病院もある。徳島県にある阿南共栄病院では、08年12月15日に県警組織犯罪対策課の捜査員を招き講習会を実施。医師や看護師約150人が出席したこの講習会で、捜査員が「モンスターペイシェント」を演じ、患者の暴行、暴言による不当要求の対応についてアドバイスをした。
同病院はJ-CASTニュースに対し、患者の暴行や暴言は過去からあったものの、現在はほぼ毎日のように起こっているという。しっかりとした対策を立てなければ職員の心身が持たない状態だ、とも打ち明ける。なぜこうした患者が増えてしまったのかについては、 「お年を召した方よりは若い人に多くみられます。現代の風潮といいますか、自己中心タイプの人が医療をサービス業と同じものだと考え、言った者勝ち、無理でもゴリ押しすれば通ると・・・。それがエスカレートし暴言、暴力にまで行ってしまうのではないでしょうか」
と話している。同病院では09年1月中に対処法をまとめたマニュアルを策定し、職員に配布する予定になっている。
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2009/1/9 特集:女性のための漢方セミナー 漢方、上手に活用し更年期を乗り越えて 毎日jpより転載
特集:女性のための漢方セミナー 漢方、上手に活用し更年期を乗り越えて
2009年1月9日 毎日新聞 東京朝刊
「女性のための漢方セミナー」(毎日新聞社主催、日本医師会・大阪府医師会・日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会後援、株式会社ツムラ協賛)が昨年11月、大阪市北区の同市中央公会堂で開かれました。8回目となる今回のテーマは「気になる体の不調、これって更年期?」。女性の40代後半から50代前半の時期は更年期といわれ、多くの女性が不調に悩まされます。セミナーでは基調講演とパネルディスカッションで、漢方を使った症状の改善策などが具体的に紹介されました。(敬称略)
■パネルディスカッション 司会・キャスター、毛利聡子さん/タレント・ハイヒールモモコさん/大阪市立大学大学院医学研究科講師・森村美奈さん/大阪大学大学院医学系研究科助教・有光潤介さん
◆心と体、総合的に診て
毛利 テレビなどで活躍され3人のお子さんのお母様であるハイヒールモモコさん。体の方はいかがですか?
モモコ 元気が売りですが、実はめまいと耳鳴りとホットフラッシュに悩んでいます。
◇障害、簡単そうで難しい見分け方
森村 更年期障害の見分け方は簡単そうで難しい。自分でチェックできる方法もありますが、あくまで目安。気になる方は産婦人科や更年期外来を受診して適切な治療を受けた方がいいでしょう。
毛利 更年期の症状と分からず、原因不明の病気と悩んでいる方も多いのでは?
モモコ 私もめまいがひどかった時、病院によって「メニエール病」「ストレス」「自律神経失調」とか言うことが違うんで、「どれやねん!」って困りましたワ。
森村 まず自分の症状に合ったところで診断を受け、次にどこで診てもらうか相談しては。いらいらやほてりなど典型的な更年期症状なら婦人科、気分がめいり、うつの恐れがあるなら心療内科、全身を診てもらいたいなら漢方がいいと思います。
毛利 基調講演で個人の体質や症状を表す「証」という言葉が出ましたが、もう少し詳しく診断法を教えていただけますか。
有光 先ほど申し上げた望診、聞診、問診、切診の「四診」で患者さんの全体のバランスを見ます。細かく話していくうちに、症状がはっきりしてくることもあります。
毛利 本日、会場の皆さんにお配りしているチェックシートで自分の「証」を調べることができるんですね。(表参照)
有光 漢方では大ざっぱに体力がある人、ない人、普通の人の三つに大きく分けます。胃腸が丈夫で暑がり、病気に対する抵抗力がある人は「実証」、胃腸虚弱で冷えが強く、弱々しい感じの人を「虚証」、中間の方は「中間証」です。
毛利 モモコさんは一つだけ、「胃腸が丈夫」に○ですね。
モモコ 年1回人間ドックに行ってるんですけど、すごいほめられます。「いい膵臓(すいぞう)ですね」って。いつも内臓だけはほめられます。
有光 虚証に近い、ぎりぎりで中間証ですね。漢方は病名ありきではなく、症状によって薬が違ってきます。
毛利 つまり同じ症状でも証によって処方される薬が違ってくるということですね。
有光 漢方では「異病同治」「同病異治」といい、同じ風邪でも体力のあるなしや症状により、薬はまったく違ってきます。更年期障害も同じです。
毛利 控室で事前にモモコさんを診察していただきましたが、結果はいかがでしたか?
有光 脈を拝見すると水を取りすぎの傾向が感じられました。
モモコ そう言われたんで今、のどがカラッカラですが、飲まずに我慢してます。
有光 2点目は夜更かしで、若干うるおいが足りない脈をされていますね。舌の裏側の静脈が腫れており、血の巡りが悪いサインも出ています。漢方の立場からすると、水の取りすぎは冷えを引き起こし、胃腸の働きを弱めます。何事もほどほどが大切ですね。
モモコ どれぐらいの量ならいいんですか?
有光 飲み水なら1日2リットルを超えると飲み過ぎです。
毛利 診察が終わり、今のモモコさんに適している漢方薬を教えてください。
有光 水毒が多い状態を治すなら「当帰芍薬(しゃくやく)散」。血液の流れが悪い状態を改善するなら「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」でもいいと思います。夜更かしが問題なら「滋陰降火湯」という薬があります。ただし、あくまでモモコさんの場合で、証や症状が異なれば薬も異なってきます。
◇保険がきく漢方、医師の7割使用
モモコ 漢方は高いイメージがあるんですが。
毛利 実は保険がきくんですね。漢方は誤解されている点がほかにもあるのでは?
有光 一番感じるのは漢方薬をサプリメントのようにとらえ、指示した量を守らない患者さんがいることです。あくまで薬なので西洋薬ほどではありませんが、副作用がでることもあります。
森村 医師の中にも漢方に否定的な方がいるのですが、最近では効果も科学的に立証されつつあります。
毛利 現在、お医者様の7割が漢方薬を使うというデータもあるそうですね。
◇漢方の基本学ぶ、現在の医学部生
有光 文部科学省の教育ガイドラインが改定され、現在ではすべての大学医学部・医科大学において漢方医学教育を行っています。
森村 心も体も総合的に診る「全人的医療」という考え方が浸透しつつあり、この考えにぴったりな漢方を率先して学ぶ医学生が増えていますね。
モモコ きょうは先生方の話を聞いて、更年期を乗り越えていけそうやと元気が出てきました。女はしゃべった方が元気になるらしいんで、愚痴はお友達にこぼしてスッキリして、信頼できるいいお医者様を見つけて楽しい人生を送っていきたいですね。
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◆基調講演
◇生活習慣病の予防効果も−−森村美奈さん
更年期とは閉経を迎える50歳前後の約10年間を指す。更年期障害は卵巣の働きの低下やストレスなど複数の因子がからみあっておきる。症状としては、ほてりやのぼせ、発汗、動悸(どうき)、疲労など。更年期うつ症状と関係が深い「空の巣症候群」というものもある。これは子どもが独立してしまい、気持ちが不安定になる状態を指す。
この時期は信頼できる専門家に相談することが大切。主な治療法としてはホルモン補充療法や漢方療法、向精神薬の投与、心理療法など。ホルモン補充療法は女性ホルモンのエストロゲンを補うもので、のぼせや発汗などの症状に効果的。漢方療法は心と体全体をとらえて行う治療法なので、さまざまな症状や背景を持つ更年期障害の改善に向いている。
更年期障害には「3大漢方」と呼ばれる処方がよく用いられる。当帰芍薬散は冷えがちで虚弱な人向き。不安が強く落ち込みがちな方は加味逍遙(しょうよう)散、体力はあるが頭痛や肩こりが強い方には桂枝茯苓丸が効く。漢方療法は個人の症状と体質に合った薬を処方し、食事の改善も指導してくれるので生活習慣病の予防効果も期待できる。更年期は人生の折り返し地点。無理せず体と心をリフレッシュさせてあげてほしい。
◆基調講演
◇漢方はオーダーメード薬−−有光潤介さん
漢方は中国の伝統医学が日本に伝わり、独自に発達してきた医学。西洋薬の多くは化学合成された単一成分だが、漢方薬は複数の生薬で構成されている。「自然治癒力を高める」考え方や、個人の体質に合わせたオーダーメードの薬だということも漢方の大きな特徴だ。
診察は肌や舌の色を見る「望診」、患者の訴えを聞く「問診」、声のはりや体臭をチェックする「聞診」、体に触れて診察する「切診」を行う。情報を分析して「証」という患者さんの状態を見極め、それにあった薬を処方する。
漢方独特の物差しが「気・血・水」。疲れやすい、だるいなど更年期に多く検査でも原因が分からない「不定愁訴」には、漢方が効果的。漢方の考え方ではこれらの症状は気・血・水のアンバランスから起きる。「水をたくさん飲もう」という漢方からすると間違った健康法が流行している。立ちくらみや足のむくみは「水毒」という余分な水がたまっているのが原因だ。
自分の舌に歯形がついているなら水分の取りすぎ。舌の裏側の静脈が腫れているようなら血の流れが悪い。
漢方は西洋薬に負けない効果があるが、誤った使い方をすれば副作用が出ることも。上手に利用してほしい。
==============
◆あなたのタイプをチェック!【女性用】
あなたは虚証?実証?中間証?
(1)どちらかというと体力がある 2
(2)寝汗をかきやすい −2
(3)意欲、気力が充実し、積極性がある 2
(4)胃腸が丈夫である 2
(5)夏バテしやすく、冬は風邪をひきやすい −2
(6)顔色がよく、皮膚につやがある 2
(7)冷たい物を食べると下痢しやすい −2
(8)おなかに弾力があり、骨格ががっちりしている 2
(9)食が細く、食べるのが遅い −2
(10)月経初期に痛みが強く、血塊が出たり、経血量が多い 2
合計点数0点以下→虚証 2〜6点→中間証 8点以上→実証
*表は目安
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■人物略歴
◇もうり・さとこ
山口放送で記者兼キャスターなどを経て、96年テレビ大阪に入社しニュース番組などのキャスターを務めた。04年に退社後はフリーアナウンサーとして活躍している。
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■人物略歴
◇ハイヒール・モモコ
大阪市出身。82年11月ハイヒール結成。84年ABC漫才落語新人コンクール審査員奨励賞、95年上方漫才大賞(ラジオ大阪)大賞。テレビ、ラジオ、映画など幅広く活躍。
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■人物略歴
◇もりむら・みな
帝京大医学部卒。専門は産婦人科と女性の心身医療、医学教育。大阪市立大大学院医学研究科産科婦人科教室を経て、現在卒後医学教育学講師。
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■人物略歴
◇ありみつ・じゅんすけ
愛媛大医学部、大阪大大学院医学系研究科分子病態内科学博士課程卒業。阪南中央病院などを経て、07年より大阪大大学院医学系研究科漢方医学寄附講座助教。
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2009/1/5 【三日坊主を返上】(1)ダイエット 甘〜い誘惑にいつもKOされ… @nifty.comより転載
【三日坊主を返上】(1)ダイエット 甘〜い誘惑にいつもKOされ…
2009年1月5日(月)8時0分配信 産経新聞
■無理な目標設定は逆効果
「今年こそは!」と新年の空を眺め、決意を新たに始めてはみたものの、気がつけば三日と続かず、挫折感に打ちひしがれる…。今年もすでに、そんな思いに陥っている人もいるのではないだろうか。原因は必ずしも根性がないからとはいえず、単にコツを知らず、無理をしているだけかもしれない。毎年、同じような悪循環に陥りやすい、ダイエット、適正飲酒、家計簿、早寝早起き、禁煙について、三日坊主を返上する秘訣(ひけつ)を紹介する。 ◇ 「私のダイエット法は、どんぶり勘定。できることを、できるときに、できる範囲内でやればいい。プラス思考こそ何より大切」 力強い心構えを指南してくれたのは、ダイエットカウンセラーの伊達友美さん。自らも食べ合わせを工夫して体質の改善をはかり、期間をかけて20キロの減量に成功した実績を持つ。 「食べないダイエットではやせません。おなかがすいているときに食べる。本当に食べたいものを食べる。本能に忠実に」 一般的な方法とは正反対のように聞こえるが、脂肪を燃焼させる上手な食べ合わせがあるのだという。 例えば、ステーキランチ。赤身肉たっぷりのヒレを選び、脂肪燃焼効果の高いニンニクやおろしソースで。肉を食べる前にはコンソメスープを飲んで体を温め、代謝をアップさせる。最初にサラダを食べ、生の酵素で脂肪を燃やしやすくする。主食には、パンよりエネルギー効率の高いご飯を。 また、昼食をしっかり取ること。そうすれば、間食に手を出すこともない。 「『いつまでに何キロやせる』ではなく、あくまでもゆるやかに体重を落とすことを目的に。最終的には、その人の生き方や考え方までも良い方向に変わっていくのが理想です」 ≪食事内容を記録≫ 自著『いつまでもデブと思うなよ』が50万部を突破するヒットとなった作家、岡田斗司夫さん。117キロあった体重が1年間で67キロに。50キロもの減量に成功して注目を集めた。 岡田さんが実践したのは、毎日、体重計にのり、毎食の内容をノートに記録するレコーディングダイエットと呼ばれる方法だ。 「いきなり『○キロやせるぞ』と食事制限をしたりするのは逆効果。ふだん何を食べて、どんな生活をしているかを記録することで、無意識に太る生活をしている“落とし穴”が見えてくるのです」 ご飯はあまり食べていないと言いながら間食したり、もったいないからと残さず平らげる、つい食べ過ぎる、といった意識していない食事の癖を見抜けば、改善点が分かってくるというわけだ。 とはいえ、好きな食べ物を我慢するのはストレスになる。そこで、1日の適正摂取カロリー内で、いかに上手に食べるかを工夫する。ケーキなら2、3種類を少しだけ食べて満足感を得たり、外食では事前に「カツ丼1/2」などとメモすれば、気分的に食欲を抑えやすくなるという。 「食事ばかりでなく、生活全般において自己管理ができるようになったのが一番の成果」と岡田さん。ダイエットをやめて1年ほどたった最近も、さらに自然と5キロほどやせたという。 ≪昔ながらの習慣を≫ 「減量=ダイエットではありません。落とした体重を維持し続けてこそ、はじめて成功したといえる。一生続かない方法を一時期試しただけでは意味がない」 ベストセラー『やせないのには理由(わけ)がある』で知られる大川クリニック(東京・池袋)の院長、大川隆裕さんは、ダイエットの“極意”を医学的見地から、こう語る。 ダイエットにつきもののリバウンドに打ち勝ち、心身ともに健康な状態を維持し続ける最良の方法は、魚を中心に、ご飯とみそ汁、旬の野菜、卵など良質なタンパク質を取る昔ながらの日本人の食生活に勝るもはない、と指摘する大川さん。 「1日3食、和食を中心にバランスよく食べる、早寝早起きで生活のリズムを作る、よくかむ−。すべてを完璧(かんぺき)にできなくても、できることから実行して、習慣づけてみては」 今年はハードルは低く、志は高くいってみましょうか。(中島幸恵) ◇ ≪低年齢化する肥満・糖尿病≫ 肥満に悩むのは、大人ばかりではない。最近は糖尿病といった生活習慣病が、小中高校生の間でもみられるようになり、低年齢化が懸念されている。 文部科学省の平成20年度学校保健統計調査速報によると、肥満傾向にある9〜17歳の子供の割合は減少傾向にあるとはいえ、10%前後を占め、30年前に比べ2倍近くに上る。 子供の肥満対策には、手作りの食事といった親のサポートが欠かせない。(1)幼少のころ、ぐずったりしたとき、なだめるために菓子を与えていないか(2)ふだんから菓子を買いためて、間食をさせていないか(3)食事作りを怠り、ファストフードや外食、総菜などで済ませていないか(4)ゲームや塾通いで、外で遊ぶ時間が減り、運動不足になっていないか(5)家族みんなで食卓を囲み、楽しい雰囲気作りをしているか−といったことをまず顧みたい。 親が自身の生活を見直すとともに、食を通して子供の成長をうまくリードしていくことが、子供の肥満防止には肝心だ。
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2009/1/5 排尿に元気あります? 放置すると…「前立腺肥大症」 @nifty.comより転載
排尿に元気あります? 放置すると…「前立腺肥大症」
2009年1月5日(月)17時0分配信 夕刊フジ
50歳を過ぎたころから排尿に異常が出始める男の病気。「年のせい」と見過ごしてしまいがちだが、放置すると腎機能障害を招くことも。“がん”の合併もありうるので、早めに前立腺の状態を調べておくことが重要だ。
【30代後半から肥大】 尿道を取り囲むように膀胱の下に付いている前立腺は、睾丸から送られてきた精液を薄めて射精しやすくさせるのが主な働き。加齢に伴い30代後半ごろから徐々に肥大を始める。その進行速度は個人差が大きく、ホルモンのアンバランスや炎症など関与しているといわれるが、肥大の明確な原因は不明だ。 大きくなった前立腺が自律神経の作用で収縮したり、尿道を圧迫して、チェックリストのような排尿障害が起こるのが、この病気の特徴だ。 「症状は刺激症状((1)−(3))、閉塞症状((4)−(7))、排尿後症状((8)(9))の順に現れてくる。ただ、肥大の大きさと症状の出現時期や程度は必ずしも比例しない」と話すのは、東京医科歯科大学病院・泌尿器科の増田均講師。 つまり、前立腺の病気の疑いを調べるPSA検査(血液検査)や超音波エコーなどで肥大が分かっても、本人が日常生活で困っていなければ治療を急ぐ必要はない。 【糖尿病は感じない】 だが、「検査だけは40歳を過ぎたら受けてもらいたい」と釘をさす。というのも、肥大症は前立腺の内部の組織(内腺)が増殖するので症状が出やすい。が、もし排尿障害が外側の組織(外腺)が増殖する“がん”による症状だったら、すでに危険な状態だからだ。 「前立腺の大きさのわりにPSA値が高ければ、問題。年齢、PSA、大きさを調べれば、がんの確率が出てきます」 また、糖尿病を発症していると神経をやられる。 普通なら残尿感などで尿道の閉塞に気づくが、糖尿病があると気づきにくい。ただでさえ糖尿病は腎臓の血管に障害(糖尿病腎症)をもたらすが、尿閉で膀胱に尿がたまった状態が続くと一層、腎機能を低下させる。 とくに糖尿病の人は前立腺の肥大には要注意だ。 【7−8割は改善】 前立腺肥大症の治療は、軽症であれば、前立腺の緊張をとる「α1受容体遮断薬」や膀胱の緊張をとる「抗コリン薬」、炎症を抑える生薬などの薬物療法で7−8割は排尿症状が改善する。が、決して前立腺が小さくなるわけではない。 「肥大が大きいほど進行は早く、いずれ尿が出なくなることもある。症状が強くなったら内視鏡を使って電気メスで前立腺を削るなどする『内視鏡手術』を検討することになる」 排尿に元気がなくなったら疑いあり、とりあえず検査だけは受けよう。 ★「前立腺肥大症」チェックリスト (1)2時間以内にもう1度トイレに行きたくなる (2)会議中でもトイレを我慢できない (3)就寝中、2回以上トイレで起きる (4)排尿中に尿が途切れる (5)尿が出るまで時間がかかり、出てからも長い (6)尿の勢いが弱く、尿線が細い (7)排尿するときはいつも息んでする (8)排尿後、残尿感がある (9)排尿後、下着に尿が漏れる 1つでも症状が強いようなら可能性がある。2つ以上該当するようなら疑いが強い
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2009/1/2 がんを追尾して狙い撃ちする最新放射線治療器「サイバーナイフ」 毎日jpより転載
がんを追尾して狙い撃ちする最新放射線治療器「サイバーナイフ」
2009年1月1日 毎日らいふ
今、臓器や機能を温存してがんをピンポイントで攻撃する放射線治療器として注目されているのが「サイバーナイフ」です。麻酔も必要なく、外来での治療も可能です。これまで、日本では脳腫瘍を中心に首から上のがん治療に利用が限られていましたが、ようやく昨年、肝臓や肺のがんにも承認されました。サイバーナイフの治療では世界一の症例数を持つ新緑脳神経外科・横浜サイバーナイフセンター院長の佐藤健吾さんにその利点を聞きました。
◇ピンポイントでがんの病巣に照射
今、がん治療では外科手術に代わる、より体への負担が少ない治療法が求められています。その1つとして、注目されているのが「サイバーナイフ」。ピンポイントでがんを攻撃する放射線治療器です(図1)。
放射線治療は、体にメスを入れたり、臓器を失うことなく治療ができるのが大きな利点です。しかし、放射線は正常細胞も傷害するので、これをどう防ぐかが長い間追究されてきました。例えば、体内のがんに外から放射線を照射すると、その通り道にある細胞にも放射線が影響します。そこで、一般的な放射線治療では、体の周囲から病巣に向かって少量の放射線を20〜30回に分けて照射し、正常細胞への影響をできるだけ少なくしているのです。そのため、ピンポイントで目的の部位に放射線を照射する方法が研究されてきました。その結果生まれたのが、サイバーナイフなど新世代の放射線治療器です。「1990年代には、ガンマナイフやサイバーナイフ、小線源療法など、ピンポイントで放射線を照射することができるようになったのです」と佐藤さんは語っています。
小線源療法は、放射線を出す小さな線源を体内に埋め込み、体の内側から限局された範囲に放射線を照射する方法で、舌がんや前立腺がんなどの治療に用いられています。これに対して、特殊な機器を使ってコンピュータで治療計画を立て、狙った部位に放射線をピンポイントで照射するのが、ガンマナイフとサイバーナイフです。いずれも「ナイフ」と呼ばれるのは、ナイフで切り取るぐらいシャープに標的部位を攻撃できるからです。
◇1センチ以下のズレは自動的に追尾
サイバーナイフは、1994年に米国の脳外科医によって開発された治療器です。簡単にいえば、自動車工場で溶接などに使われていた産業用ロボットのアームにエックス線のビームを発射する小型のリニアックを取り付けた装置です。
産業用ロボットは、小さなネジさえ取り付けるほど精密な動きをします。サイバーナイフのアームも6つの関節を持ち、しなやかに腕を動かしながら、100か所の位置からそれぞれ12方向にエックス線を照射することができます。つまり、計1,200本のエックス線をがんの形に合わせた方向、強さで照射することができるのです。もっとも「実際には1,200本も照射することはなく、30〜200本程度で十分がんをカバーできる」そうです。
アームは、0.2ミリ以下の精密さで同じ位置を照射できるほどのすぐれものです。さらに、わずかな位置のズレも自動的に追尾してエックス線を照射できます。巡航ミサイルと同じ原理で位置情報をキャッチし、1センチ以下のズレであればアームが自動的に標的部位を追尾して照射位置を補正するのだそうです。「それ以上ズレが大きくなると機械が停止するので、人間が直してあらためて治療を開始します」と佐藤さん。そのおかげで、ターゲットをはずすことなく、またじっとしているのが難しい子どもでも麻酔をせずに治療ができるのです。
実際には、例えば脳腫瘍の場合、治療計画のベースになるのはCTです。これにMRIの画像も加えて照射計画を立て、コンピュータにインプットします(図2)。頭部を固定するために、治療前日にはプラスチックのメッシュでできた板を顔に当てて伸ばし、専用のマスクを作ります。さらに枕を作り、当日はこれらを装着して放射線治療を受けます。治療時間は、平均30〜40分前後です。
「3センチ以下の脳腫瘍であれば、1回の治療で終わります」と佐藤さん。ピンポイントで照射できるので、一度に必要量の放射線を照射することが可能です。従来の放射線治療のように、何十日も治療に通わなくてすむのもサイバーナイフの利点です。
◇多くの脳腫瘍はコントロール可能
苦痛が少ないことも大きな長所です。患者さんはベッドに寝ているだけで、麻酔も必要なければ痛みも熱さもありません。この日も、治療が終わると患者さんは何事もなかったかのように立ち上がり、歩いていました。
佐藤さんがサイバーナイフで治療した患者さんの年齢は、2〜95歳。体の負担が少ないので、小さな子どもから高齢者まで治療が可能なのです。
同じピンポイント攻撃でも、ガンマナイフの場合は、半球形の機器に201個の穴が開いていて、ここから1点に向かってガンマ線が照射されます。患者さんは頭部をこの装置に固定されて、治療を受けます。
エックス線もガンマ線も「細胞のDNAを切断してがん細胞の増殖を阻止する」という点では同じです。「1センチ以下の転移性脳腫瘍なら、どちらで治療しても同じだと思います」と佐藤さんは語っています。ただ、ガンマナイフの場合は追尾システムがないので、正確に照射するために、局所麻酔をして頭に金属製のフレームをネジで止めて、しっかりと固定しなければなりません。
その点、サイバーナイフはメッシュの専用マスクを装着するだけですむのも利点。何回かに分けて治療(分割照射)をしても照射位置がずれないので、視神経に近い部位や脊髄に近い部位など微妙な部分にできた腫瘍には、分割照射をして神経を守ることもできます。3センチを超える大きな脳腫瘍でも分割照射で治療ができるといいます。「5センチぐらいまでならば可能です」と佐藤さん。
2005年の導入以来、同センターでサイバーナイフ治療を受けた患者さんは2,100人以上になります。皮膚の日焼けや口内炎などの副作用はありますが、一般の放射線治療に比べればはるかに少ないといいます。照射部位の脱毛も起こりますが、数か月で元に戻るそうです(図3)。
こうした治療のおかげで、転移性脳腫瘍の治療は著しく進歩しました。「私が医師になった80年頃は、脳に転移したら余命半年と言われましたが、今では脳転移で命を落とすことはまずありません」と佐藤さんは語っています。転移性でも良性でも、脳腫瘍は正常の脳神経を圧迫してマヒなどの障害を起こし、ひどくなれば死に至ります。しかし、「ほとんどの脳腫瘍はサイバーナイフでコントロールできます。例えば脳下垂体近くの良性腫瘍は95%がコントロールできている」そうです。車椅子で治療を受けに来た患者さんのマヒが治って歩いて定期検診に来るなど、治療を受けた患者さんの多くで症状が改善しているのです。また、耳下腺のがんで、「メガネが乗る分だけ耳を残して切除しましょう」と言われた患者さんが、サイバーナイフのおかげで耳を失わずにすんだそうです。
日本ではサイバーナイフは転移性や原発性の脳腫瘍、上顎や下顎など口腔のがん、咽頭がん、耳のがん、頸部リンパ節転移など首から上のがん治療に利用されてきました。この部位のがんは、手術で摘出すると変形や機能の損傷が大きいので、放射線治療が積極的に行われています。
ところが、世界では今やサイバーナイフは、体のがんに使われる率のほうが高くなっています。「韓国でも、今は体幹部のがん治療が7割だそうです」と佐藤さん。米国でも2001年に全身での治療が認められ、今ではサイバーナイフ治療の半分以上が体のがん。機器もそれに伴って進歩しているといいます。これに対して、日本では、昨年ようやく肺や肝臓など体のがんへの薬事承認がされたところです。日本の医療は世界標準からかなり立ち遅れているのです。
今のところ、肺がん、肝臓がんは転移がない直径3センチ、3個以下のがんが対象です。治療は、基本的には頭頸部がんと同じで、ベッドに1時間ほど寝ているだけで、数日で終わる予定です。ただし、問題は目印になる金属です。頭頸部の場合は、頭蓋骨など骨を基点に照射位置が計算されますが、体のがんの場合は基点として米粒ほどの純金のマーカーをがんの病巣周囲に打ち込む必要があります。しかし、このマーカーが保険で承認されていないため、「現状では混合診療が認められていないので、サイバーナイフで体幹部のがん治療を受けようとすると自費扱いになってしまう」という何とも中途半端な状態です。
そこで、横浜サイバーナイフセンターでは、まず保険で認められている脊髄の脳動静脈奇形、自費扱いで胸髄と腰髄の骨転移と良性腫瘍の治療から体幹部の治療を開始する予定です。まだ、長期的な治療成績や副作用の問題など検証していく必要はありますが、世界で行われている治療が日本で受けられないという状態は改善してほしいものです。
(取材・文 祢津加奈子)
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2008/12/28 ヘルシーリポート:キノコキトサン メタボの敵、内臓脂肪を燃焼 毎日jpより転載
ヘルシーリポート:キノコキトサン メタボの敵、内臓脂肪を燃焼
2008年12月27日 毎日新聞 東京朝刊
キノコキトサンを摂取する前の内臓脂肪。黒っぽい部分が内臓脂肪=渡邉さん提供
キノコキトサン摂取後の内臓脂肪面積。黒っぽい部分が大きく減少していることが分かる=渡邉さん提供
◇中高年は機能性食品で
高脂血や高血糖、高血圧などを特徴とするメタボリックシンドロームにならないために最も重要なことは肥満防止だ。メタボリックシンドロームが内臓脂肪症候群と呼ばれるように、特におなかの内臓脂肪が増えると要注意だ。肥満防止の基本はバランスのとれた食事と運動だが、キノコに含まれる繊維の一種のキノコキトサンが内臓脂肪の代謝に関係することが分かってきた。【小島正美】
■細胞膜の構成成分
キトサンといえば、一般にはエビやカニの殻から抽出されるキトサンが知られる。実は、エノキタケなどキノコにも植物性繊維のキトサンが含まれる。これがキノコキトサンで、キノコの細胞膜などの構成成分だ。
キトサンを摂取すると、食事に含まれる脂肪を吸着して、便と一緒に排出されるため、脂肪の吸収を抑える働きが知られてきた。
甲殻類キトサンとキノコキトサンのどちらも脂肪吸着の働きをもっているが、最近の研究で、キノコキトサンの方には脂肪を燃焼させる働きがあることが分かってきた。
キノコキトサンと脂肪燃焼の関係などを研究する渡邉泰雄・日本薬科大学薬学部教授(薬理学)は「キノコキトサンが肥満や生活習慣病の予防になるのではないか」とさまざまな試験研究を続けている。
■摂取量の差を解析
そのひとつが、キノコキトサンの摂取で体脂肪率や内臓脂肪が低下するかどうかの試験だ。
男女46人(30〜59歳)を大きく2群に分け、一方にはキノコキトサンのサプリメント、もう一方には本物そっくりの偽のサプリメント(プラセボ群)をそれぞれ12週間摂取してもらい、体重や内臓脂肪の面積、体脂肪率などを比較した。
46人は肥満の指標となる体格指数(BMI)が25以上の肥満タイプの成人。キノコキトサンの摂取量は、1日あたり200ミリグラム、400ミリグラム、800ミリグラムの3群に分けた。どの摂取群の人も、食習慣や運動などは普段と変わらないように指導し、キノコキトサンの摂取量の差が客観的に解析されるようにした。こういう厳密な科学的治験を二重盲検法という。
■1日400ミリグラムで十分
結果はどうだったか。体重の比較では、プラセボ群に変化がなかったのに対し、キノコキトサンの摂取群は試験前に比べ、平均して0・9〜1・8%減少した。
体脂肪率でも、キノコキトサンの摂取群は平均して減少し、キノコキトサンの摂取量が多いほど減少する傾向が見られた。
内臓脂肪の面積でも、キノコキトサンの摂取群は平均して減少した。ただ400ミリグラムと800ミリグラムでは大差はなく、1日あたり400ミリグラムの摂取で十分だと分かった。
■皮下脂肪は変化なく
コンピューター断層撮影(CT)を使った画像解析では、皮下脂肪はほとんど変化しないのに、内臓脂肪の面積は153平方センチメートルから約半分の74平方センチメートルになる例があるなど、内臓脂肪の顕著な減少が数多く見られた。
同じ脂肪でも、メタボリックシンドロームに関係するのは皮下脂肪よりも内臓脂肪だ。渡邉さんは「一般に内臓脂肪は落ちにくい。サプリメントを摂取して、健康な状態のままで3カ月程度で内蔵脂肪が減る結果に驚いた」と話す。
■血糖値下げる作用も
このほか、キノコキトサンには中性脂肪や血糖値を低下させる作用も報告されている。
キノコキトサンのどの成分が脂肪燃焼にかかわっているかの解明は今後の課題だ。脂肪細胞にあるアドレナリン受容体(用語参照)が脂肪燃焼に関係していることが分かってきただけに、渡邉さんは「キノコキトサンがアドレナリン受容体の働きを高め、レプチンやアディポネクチン(用語参照)の働きの低下を抑えることで脂肪燃焼を促しているのではないか」と作用メカニズムを推定している。
植物性のキノコキトサンは、エビやカニにアレルギーのある人でも摂取できる利点がある。渡邉さんは「体脂肪を下げる基本は適正な食事と運動だが、効果の出にくい40歳以上の中高年ではキノコキトサンのような機能性食品の摂取も選択肢のひとつになるのでは」と話している。
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■ことば
◇アドレナリン
副腎髄質ホルモン。交感神経を刺激し、心臓機能の高進、血管を収縮させることで血圧を上昇させるなどの作用がある。アドレナリンが作用するには、アドレナリンを受け取る細胞の側にスイッチの役目を果たす受容体が必要。いくつかある受容体のひとつにβ(ベータ)3受容体がある。脂肪細胞にはアドレナリンβ3受容体があり、脂肪の分解と燃焼にかかわっている。β3受容体の働きが悪いと脂肪の燃焼が悪くなり、肥満や糖尿病になりやすくなる。
◇レプチン
脂肪細胞が分泌するホルモンの一種。血液中のレプチン濃度が高くなると「たくさん食べた」というシグナルが脳に送られ、食欲中枢は抑制され、食欲は落ちる。レプチンはエネルギーの消費を促す働きをもつ。
◇アディポネクチン
脂肪細胞が分泌するホルモンのひとつ。肝臓や筋肉で脂肪を燃焼させ、血糖値を下げる働きがある。肥満になるとアディポネクチンの分泌量が低下する。
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2008/12/27 こころとからだの相談室:睡魔とホルモンの関係 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:睡魔とホルモンの関係
2008年12月26日 毎日らいふ
◇ 質問
生理前から生理中にかけて、強度の眠気に襲われ頭がもうろうとします。最初は、寝不足や疲れによるものかと思っていましたが、いつも月の決まった時期(生理前後1週間ぐらい)に起こる周期的なものだと最近気づきました。周囲からは「居眠りが多い」と非難されることも多々ありますが、どうしようもありません。何か改善する方法はありますか? また、生理と眠気は関係あるのでしょうか? ホルモンの分泌とも関連しているのか、最近特にひどくなったように感じます。特に不眠などの睡眠障害はありません。平均睡眠時間は約5時間です。(47歳、女性)
◇ 回答
お尋ねのケースは「夜間の不眠のない日中の睡魔」とのことですが、過眠と月経をキーワードとした睡眠障害としてとらえることができます。女性の睡眠の質は女性ホルモンの月の分泌リズムや、更年期の女性ホルモンの変動にしたがって影響されます。多角的な検討が必要です。
1つは月経前症候群(Premenstrual Syndrome, PMS)としてのとらえ方です。PMSに伴う睡眠障害では、不眠より過剰睡眠や日中の眠気を訴える人のほうが多く認められます。睡眠障害のほか、うつ、怒りの爆発、イライラ、不安、困惑、社会的引きこもり、乳房の張り、腹部膨満、興味や関心の減退、集中困難、倦怠感、食欲の変化(多くの場合食欲増加)、行動や感情のコントロール不全などが症状として挙げられます。閉経に近づくにつれ症状が強まる人もいます。
一方、睡魔の問題が突出している場合、睡眠障害の観点から月経随伴睡眠障害のうち月経前過眠症の可能性を考えます。やはり女性ホルモンとの関連が指摘されています。
47歳で閉経直前であること、平均睡眠時間が5時間と短いことも考慮すべきでしょう。健康・体力づくり事業財団の調査(1998年)によれば、40〜60代の日本人女性の平均睡眠時間は男性より約30分短く6.5時間程度となっています。この年代の女性が多忙で睡眠時間が確保しにくい点、更年期の睡眠障害などがその理由です。40代後半ともなれば徐々に閉経に向かい、女性ホルモンの変動が起きている時期に当たります。この時期の睡眠障害には夜間の浅眠や早朝覚醒が多く見られます。不眠の自覚はないとのことですが、睡眠時間に個人差はあるものの、やはり少し短いのではないかと気になります。夜間の睡眠が何らかの原因で十分でないために日中に眠気が生じやすくなっており、PMSとあいまって月経前に眠気が強まるという可能性もあります。
最後に、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)も考えておきましょう。SASは夜間に気道閉塞などの呼吸障害で睡眠が妨げられ、日中著しい眠気に襲われる疾患です。閉経前女性には一般にSASは少ないのですが、その大きな理由は女性ホルモンに呼吸中枢を刺激する働きがあるためです。そして閉経すると女性にもSASは増えてきます。閉経周辺期では特に月経前から開始直後に女性ホルモンが最低値になるため、この時期に一致して睡眠時無呼吸となっている可能性があります。いびきがあれば要注意です。
これらはいずれも月経や閉経に関連している状態ですので、まずは婦人科を受診してはどうでしょうか。睡眠障害以外にPMSや更年期症状があれば、これに準じ漢方薬や一部の抗うつ薬、低用量避妊薬、ホルモン補充療法などが適応になります。睡魔が突出していれば睡眠に特化したスリープクリニックの受診がよいでしょう。SASが心配な場合は呼吸器内科や耳鼻科で扱っているところがあります。
最後に1つ、生活の見直しもお勧めします。やはり睡眠時間5時間は少し短いような気がします。
回答者:加茂登志子(東京女子医科大学附属女性生涯健康センター センター長)
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2008/12/23 こころとからだの相談室:蛋白尿について 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:蛋白尿について
2008年12月22日 毎日らいふ
◇ 質問
検診で蛋白尿が出ました。特に体調が悪いわけではないのですが、精密検査を受けるように言われました。どういう病気のときに尿に蛋白が出るのでしょうか。また、体調に異常がなくても精密検査を受けるべきなのでしょうか?(50歳、男性)
◇ 回答
蛋白尿は極端な言い方をしますと、どの年齢でも出ます。しかしそれぞれの年代によって若干蛋白尿のもつ意味が異なってくると考えております。まず10歳代、20歳代くらいまでに検診で見つかる蛋白尿は、国内の場合は、IgA腎症という病気が考えられます。一方、それが30歳代、40歳代あるいは、今回の質問者のように50歳代で蛋白尿が出てきますと、いくつかの疾患を考える必要が出てきます。すなわち腎炎、IgA腎症に加えて、比較的この年代で多いのは膜性腎症、あるいは2次性の疾患に伴う蛋白尿です。膠原病、肝炎、高血圧、腎硬化症、糖尿病によっても出てきますので、一般的にはそれらの病気を考えるべきだと思います。
質問者の勧められた精密検査は恐らく腎生検のことだと思います。何の病気か分からない時に、腎生検で腎臓から組織を取って、蛋白尿の原因がどういうものであるかを調べることになります。また、それ以外の要素、すなわち血尿が出ているとか、あるいは血圧が高いとか、血糖値が高いとかも重要です。
一般的に蛋白尿は激しい運動をしたり、熱があったり、風邪の後では、正常の人でも出る場合があります。したがって検診の時にたまたまそのような状態であると正常の人でも蛋白尿が陽性となります。そこで、蛋白尿が出た場合には、第1段階としてもう一度尿検査をして、本当に蛋白尿が出るのか、さらに潜血反応や、沈渣を見ることによって円柱細胞があるかないかを調べます。この段階で蛋白尿が陽性であり、かつ潜血反応が陽性、さらに円柱成分もあるということになると、さらに詳しい検査が必要になります。
次に1日の尿をためて、どのくらいの蛋白尿が出ているかを調べます。その段階で血液検査を行い、血清クレアチニン、尿素窒素、尿酸、電解質(Na、K、Cl、Ca、P)を調べます。もし1g以上出ていれば、やはり腎生検をする必要が生じてくると思います。しかし1g以下である場合には経過観察でいいかもしれません。特に500mg以下でしたら、私は経過観察で十分だと考えております。
回答者:鈴木洋通(埼玉医科大学腎臓内科教授)
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2008/12/23 医療ナビ:クローン病 消化管に潰瘍できる慢性病。若い患者多く… 毎日jpより転載
医療ナビ:クローン病 消化管に潰瘍できる慢性病。若い患者多く…
2008年12月23日 毎日新聞 東京朝刊
◆クローン病 消化管に潰瘍できる慢性病。若い患者多く、QOL向上が課題に。
◇薬物・栄養療法併用で
◇この10年、患者倍増 食生活の欧米化影響か
京都市の男子学生(22)は浪人中、痔(じ)の症状や口内炎に悩まされた。ある日、予備校の寮で高熱のため倒れた。痔の手術を受けたが、37〜38度の熱が下がらなかった。後に「クローン病」と診断され、1カ月半入院した。聞き慣れない病名に戸惑ったが、飲み薬が効き熱も下がった。海外旅行に行けるほど体調は良くなったが、男性の父親(52)は「慢性病なので、同じような症状を繰り返すのではないかと不安だ。就職に影響しないだろうか」と漏らす。
*
クローン病は小腸や大腸など消化管のあちこちに炎症や傷(潰瘍(かいよう))ができる病気だ。腹痛や下痢、発熱、体重減少などのつらい症状に見舞われる。痔を併発する人も目立つ。1932年に米国のクローン医師が初めて報告し、この名がついた。社会保険中央総合病院(東京都新宿区)の高添正和副院長は「患者のQOL(生活の質)向上を考えることが大切」と訴える。
潰瘍が深く広がると、腸管が狭くなったり、腸に穴が開いたりすることがあり、手術が必要になる。再発しやすく、手術を繰り返す場合もある。10〜20代の若い人に多く発症するのが特徴で、患者数は推定約2万6000人。この10年で倍増した。
同じく腸に炎症が起きる病気に「潰瘍性大腸炎」がある。大腸表面の粘膜全体に広がる点に違いがあるが、若い人に多く、患者が増えている点で共通する。二つの病気は炎症性腸疾患と呼ばれ、医療費が公費助成される難病(特定疾患)に指定されている。
*
腸は口から入ってくる細菌などの外敵から身を守るため、体の免疫細胞の6割が集まる。炎症は、こうした外からの刺激に対する過剰な免疫反応で起こると考えられている。東京医科歯科大の渡辺守教授(消化器内科)は「人によって反応する食べ物の成分や細菌類はさまざまだと推測されている。特定の菌が原因ではないだろう」と話す。食生活の欧米化も影響していると言われるが、原因はよく分かっていない。
治療は薬物療法と栄養療法を組み合わせる。炎症を抑える「5−アミノサリチル酸製剤」、副腎皮質ホルモン剤、免疫調整剤などが処方される。02年に登場した「TNF−α」と呼ばれる炎症性のたんぱく質の働きを抑える点滴剤(商品名レミケード)も使われている。渡辺教授は「レミケードには、肺結核や悪性リンパ腫などの副作用報告もあるが、潰瘍がきれいに改善した人もいる。治療法は進歩している。悲観しないでほしい」と話す。
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クローン病の症状が悪化すると、腸に負担をかけないために食事の回数や量を減らし、アミノ酸を補う「成分栄養療法」などが併用される。症状が治まっても、悪化させないために脂肪の少ない食事が推奨される。よくかむことも大切だ。
潰瘍性大腸炎の場合は「食事制限は不要で、健康な人と同じ食生活をすればよい」と、渡辺教授は指摘する。人工透析の原理を応用し、炎症を起こす白血球を取り除く治療法もある。【下桐実雅子】
◇治療法や体験談…患者向けに情報誌
クローン病は下痢や腹痛などに悩まされる。通院、入院が必要になり、就労に支障がでる場合がある。病気を持っていても働きやすい職場をつくろうと、00年、クローン病の患者ら5人が出版社「三雲社」(さいたま市、電話048・662・7555)を設立した。炎症性腸疾患の患者向け情報誌「CCJAPAN」を年6回発行し、最新の治療法や読者の体験談、就労や結婚の問題、食事レシピなどを取り上げている。情報提供を通して、全国均一の治療が受けられることを目標にする。串間努代表は「病気とどう暮らしていくかを前向きに考える方向に気持ちを持っていってほしい」と助言する。
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2008/12/19 こころとからだの相談室:ウイルス性疾患予防と漢方薬 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:ウイルス性疾患予防と漢方薬
2008年12月19日 毎日らいふ
◇ 質問
感染性胃腸炎やインフルエンザなどのウイルス性疾患に効く漢方処方はあるのでしょうか? また、日頃の体調管理はもちろんですが、インフルエンザや風邪にかかりにくくする漢方処方はありますか?
◇ 回答
風邪の諸症状を漢方では侵入してきたウイルス(病邪)と免疫力(正気)との間に起こっている邪正相争(じゃせいそうそう)という戦いによって生じるものと考えます。正気が十分に満ちている時には病邪を体内に侵入させない抵抗力が強いために、もしも病邪が侵入した時には『頭痛・肩こり・寒気・発熱』などの風邪の諸症状も強いものになります。
また、風邪をひいたので葛根湯を服用したら気分が悪くなったという方の対応をよくしますが、これは誤治(誤った処方選定)が原因です。というのも、漢方処方を選ぶ際には、どのようなウイルスの侵入だろうが、八綱弁証というものを駆使して病位・病勢・病性を確認して処方を選びますので『この症状にはこれが効く』という処方はありません。ですから思わぬ症状を起こさないためにも『風邪のひき始めだから葛根湯』と安易に考えずに、漢方薬を熟知している薬剤師や医師に相談してから服用するようにしてください。
下記に風邪の症状軽減によく使う漢方薬をご紹介しておきます(表)。
また、受験生を持つ親から漢方薬の中には風邪をひきにくくするものはないですか? とよく相談されますので、風邪の予防方法をいくつかご紹介します。
まずは外邪を体内に侵入させないこと。次に前述したように外邪と戦う正気を高めておくことが大切です。
外邪の侵入を防ぐためには、殺菌力のある粘膜が必要です。外出後のうがいやマスクの着用、室内の加湿などはもちろんですが、抗ウイルス作用が報告されている板藍根(ばんらんこん)やプロポリスなどの常用も効果的です。外邪と戦う正気を高めておく方法としては補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの補気剤という方剤を常用しておくと良いでしょう。
最後に余談ですが、インフルエンザに感染した場合にタミフルという薬を処方されますが、実はタミフルの原料は大茴香(だいういきょう)という生薬の成熟した果実からできているのです。これをみても漢方での風邪予防は有効な手段の1つだと考えています。
回答者:竹花洋史(薬剤師)(八仙堂漢方薬局 古淵店 神奈川県相模原市古淵2−18−3 TEL:042(769)0305 URL: http://www.hassendou.com メール:kanpou@hassendou.com 毎週水曜・日曜定休)
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2008/12/17 地域で支える高齢者医療 (下)健康への関心 住民意識高まる YOMIURI ONLINEより転載

ワクチン接種を勧める清水医師(右、長野県波田町の波田総合病院で)
肺炎で亡くなる65歳以上の高齢者は、2007年に10万6000人に達した。自治体の中には、肺炎を引き起こす細菌に感染するのを予防するワクチンに注目し、接種代の一部を公費で助成する取り組みが広がっている。06年度に開始し、75歳以上の半数近くが接種を終えたという長野県波田(はた)町を訪ねた。(内田健司、写真も)
肺炎予防 ワクチン接種を公費助成
1回で5年以上持続
「まだまだ元気だけど、病気になって迷惑をかけてもいけない。知り合いも打ったと聞いたし……」。麻田弘子さん(77)は今年9月、先延ばしにしてきた肺炎球菌ワクチンを接種した。12月になって、インフルエンザワクチンも接種し、「これで安心」と話した。
肺炎球菌ワクチンの接種は、同町の医療機関では1回6000円。2000円は町が助成するため、窓口で支払うのは4000円だ。2回打つと副作用が強く出る心配もあり、国内では一生に1度しか打てないが、1回接種すれば5年以上免疫が持続するとされている。
町では助成の対象を75歳以上としたが、元気な高齢者も多く、接種を遅らせる人も少なくなかった。これに対し、町の保健師、忠地(ただち)弥生さんらが、「体力のあるうちに肺炎球菌の免疫をしっかりつけておけば、肺炎にかかっても重症化しない」と呼びかけ、接種者は着実に増えてきた。
町が助成を始めたきっかけは、町立波田総合病院(215床)で05年、肺炎が悪化した高齢者の患者でベッドが埋まり、救急患者も受け入れられない事態に直面したことだ。その年、県の救急センター救急部長から転身してきた、清水幹夫・救急総合診療科長が、肺炎の入院患者の年齢分布や経年変化を分析し、75歳を境に入院患者が顕著に増えていたことが分かった。
全員の受診状況把握
清水医師は、高齢者が肺炎で入院すると、1日あたり平均2万8690円の医療費がかかると算出。肺炎球菌ワクチンの接種により、患者が減れば、将来の医療費が抑制されるだけでなく、町民の健康寿命が伸びる効果が期待できることから、町に接種代を助成することを働きかけた。
導入初年度は75歳以上の全員に接種を呼びかけた。07年度以降は、新たに75歳になった人と未接種者を対象に、町は毎年150人分にあたる30万円を予算計上してきた。
町では75歳以上全員の受診状況を把握し、情報が伝わりにくい独り暮らしや高齢者のみの世帯には、民生委員が直接出向いて、ワクチンの接種を勧める。高齢者の介護予防には、口腔(こうくう)ケアも欠かせないとして、非常勤の歯科衛生士が、その年に80歳になる高齢者を戸別訪問して歯磨きなどを指導する取り組みも進めているが、対象者が未接種者だと、ワクチンの効果などを説明している。
約半数が接種
高齢者が、インフルエンザとどちらのワクチンを打ったか勘違いしないよう、本来は季節に関係なく接種できる肺炎球菌ワクチンの接種は、毎年6月から10月の間に限定。これまで対象者1651人中、754人(45・7%)が接種した。
助成開始後、75歳以上で亡くなった町民約200人の死因を見ると、肺炎が20人いるが、未接種者が9割を占め、接種後に肺炎で亡くなる率が低くなっている。
肺炎球菌ワクチンの接種に助成した自治体数は全国で80以上と見られるが、清水医師は「医療機関だけで接種を普及させるのは難しい。ワクチン接種の効果を実感するまでには至っていないが、行政と一体となった取り組みが必要だ。肺炎にかからないようにしようという住民の意識が高まってきた」と手応えを語る。
町では現在、松本市との合併協議を申し込んでいるが、野村睦広住民福祉課長は「高齢者が自分の健康に関心を持ち、肺炎球菌ワクチンを接種することで、生活での安心感が生まれている。これからも助成事業は継続させてほしい」と話している。
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2008/12/17 地域で支える高齢者医療 (上)喘息死ゼロへ 専門医と連携 YOMIURI ONLINEより転載

喘息の治療には、患者にあった器機を選び指導することが大切と話す大林浩幸・東濃厚生病院アレルギー呼吸器科部長(岐阜県瑞浪市の東濃厚生病院で)
高齢な患者に目立つ喘息や肺炎などの疾病対策に、自治体や医療機関が地域ぐるみで取り組む動きが広がってきた。適切な治療薬で重症化が防げるケースもある。2006年度から国が始めた「喘息死ゼロ作戦」に呼応し、専門医が中心となって、開業医や看護師、薬剤師らと連携して対策に乗り出した現場を訪ねた。(内田健司、写真も)
保健所が研修会
周囲が真っ暗になった今月8日午後7時、岡山県美作市保健センターに、地元の医師や看護師、薬剤師ら約40人が集まった。美作市など4市町村を管轄する勝英保健所が主催した研修会で、岡山大学病院の谷本安・助教が、高齢者喘息の実情や、患者にどのように服薬指導すると効果的かなどについて講演。「喘息で亡くなる事例は、病院に運ばれたときは既に心肺停止状態がほとんどだ。悪化しないよう早めの治療強化や、発作を起こした時の家庭での対処法を具体的に指導しておくことが大切だ」などと説明した。
研修会は、岡山県アレルギー疾患特別対策事業の一環で、今年度から県内九つの保健所単位で開かれている。市民講座などによる患者への啓発と並行して、専門医以外の開業医ら医療関係者にも、喘息の治療方法などを知ってもらうのがねらいだ。
厚生労働省の人口動態統計によると、07年に喘息で亡くなったのは2540人と、年々減少傾向にある。しかし、死亡者のうち75歳以上が7割、65歳以上では86%に達し、高齢者対策の必要性が高まっている。都道府県別で喘息死亡率(人口10万人当たり)を見た場合、岡山県は03、04年には、全国ワースト4、5だったことから、07年度から対策に乗り出し、今年2月、医療関係者らと合同で喘息対策検討委員会を設けた。
カード持ち歩き
検討委は、厚生労働省の研究班(主任研究者・大田健帝京大教授)の指針を活用。日本アレルギー学会が作成した喘息治療のガイドラインに沿って、吸入ステロイド薬による長期管理を徹底することを重視している。また患者自身が喘息をコントロールできているかどうかなどを確認するため、直近の4週間で、息切れした回数や、発作止めの薬の服用回数などを記録してもらう方法を推奨。さらに、容体が急変した場合に備えて、治療薬名や注意点などを書き込んで患者が持ち歩く「喘息カード」の普及などを呼びかけている。
喘息は高齢になって発症する患者もいれば、一度症状が改善したと思い込んで治療をやめ、しばらくたって再発した患者もいる。
中国地区の喘息死ゼロ作戦推進委員も務める高橋清・南岡山医療センター院長は「症状が消えても、気管支内に炎症が残ることが多い。薬を使い続けないと、再燃することや、根治しないことを、患者にもよく理解してもらう必要がある」と語る。
重要な器機選定
患者が主体的に治療に参加するようになっても、高齢者ならではの課題もある。吸う力が弱くなって、薬が気管支に行き渡らなかったり、指に力が入らずに吸入器の操作が思い通りに出来なかったりする。
岐阜県瑞浪市でゼロ作戦に取り組む、東濃厚生病院の大林浩幸アレルギー呼吸器科部長は、処方する医師自身が吸入器などの特徴を熟知し、患者の状態にあった器機を選定する必要性を指摘する。さらに、「主治医の前でちゃんと吸えているか確認しないと、本当に薬を処方したことにはならない。薬局での指導も大切だ」と強調し、地域の薬剤師らを対象とした研修会を開くなど連携を進めている。
岐阜県では、西濃地区で1996年から地域ぐるみの取り組みがスタート。07年以降、運動が全県に広がり、この年の喘息死亡率は全国最低となった。
大林部長は、気管支内に炎症がどの程度残っているか、食塩水を使ってはき出させた痰を調べ、処方する薬の量を調整する独自の取り組みも進めており、「医療ネットワークの活動をさらに進め、市民にも啓発しながら、まずは地域の喘息死ゼロを実現したい」と話している。
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2008/12/16 医療ナビ:肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。 毎日jpより転載
医療ナビ:肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。
2008年12月16日 毎日新聞 東京朝刊
◆肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。
◇ワクチンで死亡率7割減 インフルエンザの重症化も防ぐ
◇効果は5年…医師ら「国は追加接種認可を」
インフルエンザが流行する季節は肺炎も多発する。肺炎が原因で亡くなる人はがん、心疾患、脳血管疾患に次ぎ、4番目に多い。肺炎で死亡する人の9割以上は65歳以上。高齢者をかかえる家族は、肺炎にならない予防策を取ることが大切だ。
■耐性菌出現で注目
肺炎を起こしている主な原因菌には緑膿(りょくのう)菌や肺炎球菌などがある。緑膿菌は院内感染も起こす。肺炎球菌は鼻の奥にすむ「常在菌」で、体の免疫力が低下すると発熱やせき、たんなどを伴う肺炎になり、死亡する場合もある。インフルエンザに感染していると、肺炎球菌が気管支などに侵入しやすくなり、症状はより重くなる。
肺炎球菌による肺炎の治療ではペニシリン系の抗生物質を使うが、最近は薬が効きにくい耐性菌が現れてきた。そこで注目されているのがワクチン接種だ。毒性をなくした肺炎球菌の一部を注射し、体に抗体をつくらせて重症化を防ぐ。日本では88年に承認された。米国では65歳以上の約6割が接種しているが、日本では5%程度と低い。ワクチン接種した人はしない人に比べ、死亡率は約7割も下がる。複十字病院(東京都清瀬市)の工藤翔二院長は「65歳以上の高齢者はワクチン接種をした方がよい」と事前の予防策を勧める。また、インフルエンザや肺炎治療に詳しい松本慶蔵(けいぞう)・長崎大名誉教授は「ワクチン接種はインフルエンザになったときの重症化を抑える効果もある」と指摘する。
肺炎球菌ワクチンの効果は1回の接種で5年程度持続する。米国では2回の接種が認められているが、日本では安全性や有効性を裏付けるデータが少ないとして、厚生労働省は1回しか認めていない。だが、工藤さんは「接種して5年以上たったら、2回目の接種をした方がより効果的だ」と国に2回目の接種の必要性を訴えている。
■欧米では小児用も
肺炎球菌は肺炎だけでなく中耳炎や髄膜炎などの原因にもなる。免疫力の弱い4〜5歳以下では、血液に入った肺炎球菌が脳や脊髄(せきずい)を覆う髄膜に侵入して炎症を起こす髄膜炎の原因にもなる。日本神経感染症学会の報告によると、日本では年間約1000人の子どもが髄膜炎にかかっていると推定されている。
欧米では子ども専用ワクチンが認められている。2歳未満の専用ワクチンを開発した米製薬企業「ワイス」は昨年9月、厚労省に使用申請したが、まだ承認されていない。普段から、うがいや運動、日光浴などで体の免疫を強くしておくことが必要だ。
■自治体が助成の動き
ここ数年、全国の自治体が住民に接種を促す動きを見せている。
スイカの産地で知られる長野県波田町(人口約1万5000人)は、04年から05年の冬、インフルエンザと肺炎を併発した高齢者が急増し、町の病院に収容できないほどの事態になった。
そこで、06年6月から、75歳以上を対象にワクチン接種への助成を始めた。通常の接種料金は6000円だが、2000円を補助し、自己負担は4000円。半分近い高齢者が接種を受けた。その結果、06年6月以前は、全死亡者のうち肺炎死亡が11〜17%を占めたのに対し、助成後の07年は約6%、今年は約4%(10月1日現在)と肺炎死亡率は大幅に減った。
清水幹夫・波田総合病院救急総合診療科長は「肺炎で入院すると1カ月間の入院費用は1人あたり約86万円もかかる。ワクチン接種で高齢者の入院患者は大きく減った」と経済的な効果も認める。
全国のワクチン接種の平均的な費用は8000円前後だ。東京都渋谷区のように75歳以上は全額補助の例もある。
万有製薬は治療法やワクチン接種の病院紹介などを解説する「肺炎球菌感染症コールセンター」(月〜金曜の9〜17時、0120・66・8910)を来年3月末まで開設している。【小島正美】
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2008/12/14 医師の太田さん、周産期医療のあり方訴える 産科4割減 崩壊の危機 @nifty.comより転載
医師の太田さん、周産期医療のあり方訴える 産科4割減 崩壊の危機
2008年12月14日(日)8時0分配信 産経新聞
妊婦受け入れ拒否が続いたのを機に、周産期医療のあり方が問われている。この20年で、出産できる病院は約6割に減少した。産婦人科医も減り続け、母体搬送の“都府県境超え”は日常茶飯事という。この緊急事態をどう受け止めればいいのか。対策はあるのか。小説『産声が消えていく』(祥伝社)を刊行した医師、太田靖之氏に聞いた。(牛田久美)
深夜の手術室。妊婦の緊急手術を始めたとたん、別の妊婦の容体が急変する。当直医はひとり。「至急、もう1組カイザー(帝王切開)の準備を」−。
小説には実体験が描かれている。太田氏は米国で医師国家試験に合格後、国内で勤務医となった。ところが「あまりの激務に」疲れ果てて一度は離職した。“燃え尽きた”主人公はかつての自分そのものだという。
徐々に復帰するつもりでいたが、求めに応じるうち再びハードワークに。全国を飛び回り、飛行機の搭乗回数は今年だけで100回を超えた。休みは月2日しかないそうだ。「静岡の病院は医師2人体制。私が行く36時間だけ、どちらかの先生が休める。沖縄では70代の先生1人が一島のお産を支えている。日本中で産科は崩壊しています」
産科医が減る一因は訴訟のリスクだ、と太田氏はいう。
「いくら医学が進歩しても死亡率はゼロにならない。科学が及ばない部分は存在し続ける。ところが、お産はうまくいって当然という風潮から、医療の責任が問われ始めた」
例えば500人に1人とされる脳性麻痺(まひ)。「原因特定は難しく国が支えるべきだが、日本では医師を訴えなくては救済されない」
現場に衝撃を与えた“モンスター判決”もある。大阪高裁は平成15年、救急患者を救命できなかったとして奈良県立五条病院に対し、遺族に4900万円を支払うよう命じた。「最善を尽くした」とする主張は通らなかった。
もちろん、故意や怠慢による医療事故ならば医師は責任を問われなければならない。「ただ、力が及ばないこともある。万全でなければ、受け入れを制限せざるを得なくなる」。判決後に、救急患者の受け入れ拒否が7倍に跳ね上がった地区もあるという。
無用な刑事訴追を減らす制度を構築する。労働基準法を順守する。この2つが達成されれば「医師は現場に戻る」と太田氏は言い切る。
死亡事故を受けて、文部科学省が打ち出した定員増の対策には懐疑的だ。「医師が逃げた原因に取り組んでいない。劣勢の戦場に兵を送り込んでも、また去るだけでしょう」。厚生労働省に対しては「医師余りの時代がくるといっていたが、医学の進歩が医師の増加を吸収した。循環器内科など昔はなかった科が増えている。一方で産科医は減るばかり。医療再生のため、根本から政策を見直すべきだ」。
問題は根深い。立ち止まっている余裕はない。
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2008/12/14 特集:シンポジウム「認知症への対応」 予防第一を再認識 毎日jpより転載
特集:シンポジウム「認知症への対応」 予防第一を再認識
2008年12月14日 毎日新聞 東京朝刊
認知症の今日的テーマを明らかにするシンポジウム「認知症への対応」が、今年度も盛岡市(5月20日)、長崎市(7月28日)、和歌山市(10月28日)の各市で開催された。3会場で約1500人の市民らが基調講演などに熱心に耳を傾けた。今年は和歌山市で、社団法人認知症の人と家族の会山梨県支部「あした葉劇団」(平井出設子代表)の演劇が上演され、特別招待された地元の小中学生らが鑑賞した。以下は3会場での基調講演の詳報−−。基調講演から今日的テーマを追った。
■盛岡(5月20日開催)
◆認知症にどう対応するか−−岩手医科大学神経内科学講座准教授・高橋智氏
◇頭を使って脳を鍛錬
日本の高齢者の認知症患者数は、2020年には300万人に達すると予測され、同時にここ十数年で、その疾病構造が大きく変化しています。1970年代には50、60歳代で発症する脳卒中後の認知症が優位で、多少の物忘れがあるお年寄りでも、日常生活に支障がない限り、家族とやさしい地域社会に見守られ、天寿を全うしていました。
近年は軽症のアルツハイマー病患者が激増中です。核家族化と後期高齢者人口の増加により、1人暮らし、夫婦2人暮らしの高齢者世帯が増え、その一方で社会の高度情報化により、家事はもちろん、スーパーでの買い物、さまざまな料金の支払いなど、すべて高齢者自身が行わねばならず、キャッシュカードの暗証番号を忘れるとお金を引き出せない。娘に尋ねようにも携帯電話番号を忘れると連絡できない。このような環境で買い忘れ、払い忘れ、詐欺にだまされるなど、失敗を繰り返すと「社会生活に適応できない」という診断基準に当てはまり、認知症と診断されることになります。昔に比べ、認知機能水準のハードルが格段に高くなっています。
認知症の症状は、記憶力・思考力・判断力といった脳がもともと行っていた働きの障害である「中核症状」と、生き残っている脳が暴れているために起こる「周辺症状」(BPSD)に大別されます。BPSDとは、怒りっぽい、暴力をふるうといった行動及び心理学的症状のことです。中核症状はすべての認知症患者に見られますが、BPSDは全経過を通して見られない人も多い。BPSDは記憶を失い、不安な患者の「今」を心地よいと感じられる介護環境を整えることにより、軽減することが可能です。しかし、適切なケアが行われても、BPSDを完全にコントロールできないこともしばしばです。
このような時、患者の家族背景、ケア環境を考慮したきめ細かな治療法の選択、薬物療法の選択が可能です。認知症の中核症状の非薬物療法の基本は、「頭を使って、脳を鍛える」ことであり、日常生活で気にかけるべき認知症予防の視点としても、楽しみながら脳を使うこと、体を使って脳を活性化すること、肉類を減らして魚中心の食生活を心がけること、などが推奨されています。さらに認知症は治る病気ではありませんが、最近その薬物療法として、病態に即したβセレクターゼ阻害薬やワクチン療法など根治療法の開発も進んでいます。
■長崎(7月28日開催)
◆長寿社会と食生活−−熊本大学文学部地域科学科社会学教授・徳野貞雄氏
◇誰と食べるかが重要
彼は日常、一体どんな食事をしていたのか?−−。彼とは今年6月、東京・秋葉原の歩行者天国で7人もの尊い命を奪った容疑者のことです。事件後に派遣労働者の不安と孤立、オタク世代の性格的特徴など、事件の社会的背景が明らかになりました。しかし、事件を起こす3日前、彼がどのような食事をしていたかについて、誰も関心を持ちません。何を食べていたかではなく、誰と食べていたかです。容易に想像できることは、多分大勢の客のいる店で、ポツンと1人で食べていたのではないか。食卓での友人らとの会話の弾む食事とは、ほど遠い「食べ事(た ごと)」をしていたのではないか、と推測されます。それは、孤食であり、彼の日常の孤立ぶりが最も色濃くにじみ出てきます。
甘い推測かもしれませんが、彼が事件直前に一度でも人と会話の弾む食事をしていたら、あるいはこの事件は回避されていたかもしれません。
食事とは、何を食べるかだけでなく、誰とどのように食べるかが、非常に重要な問題です。現代日本では今、このことが大きく崩れてきているのです。
この「食べ事」や「孤食」の問題は、若者だけでなく高齢者にとっても非常に重要なテーマです。現在、多くの高齢者が水炊きとかすき焼きなどの鍋料理が日常で食べられなくなっている。お金がないわけでもなく、調理技術がないわけでもなく、最大の理由は鍋を囲む子供や家族がいないのです。
また、高齢者1人での外食や総菜のテークアウトも増えています。1人暮らしや夫婦だけの高齢者世帯が急激に増えているからです。高齢化社会の特徴は、単に高齢者の数や比率が増えるだけでなく、家族・世帯が急激に縮小し、若者から年寄りまで暮らしが個人単位でバラバラに分解されることに特徴があるのです。
日本人の食事は、「モノ」は豊かになったが、「ヒト」を軸とした「食べ事」の水準は急激に悪化し、日本人の食生活は貧しくなっています。ここ数年、BSE(牛海綿状脳症)問題や鳥インフルエンザ、中国産ギョーザなどといった食品の安全性を中心に、食と農に関する問題が噴出しています。しかし、それより問題なのは食べる側の「ヒト」、すなわち、誰と一緒に食べるか、高齢者や若者がどのような「食べ事」をしているのかが、大きな社会的テーマとして浮上してきているのです。
■和歌山(10月28日開催)
◆認知症診断の最前線情報−−大阪大学大学院医学系研究科核医学講座教授・畑澤順氏
◇脳機能を画像で解析
認知症は脳の病気です。最近のことを思い出せない、物の置き忘れに代表される「記憶力の低下」、自分の居場所が分からない、時間の認識ができないといった「見当識障害」が主な症状です。進行すると、夜中の徘徊(はいかい)、怒りっぽくなる、大声を出す、物とられ妄想があるなど、本人だけではなく家族を含めた周囲にも迷惑がかかるようになります。
認知症を起こす原因はさまざまです。社会の高齢化の進展に伴い、最近増えてきたのがアルツハイマー型認知症です。この病気の原因はまだよく分かっていません。
アルツハイマー型認知症の発症には、生活習慣や身体的疾患が影響することが分かってきました。アルツハイマー型認知症では、神経細胞の中に「シミ」ができ、脳は萎縮(いしゅく)し徐々に機能が低下します。この病気には、症状が進行するのを遅らせる薬が開発され、医療機関で処方されています。症状が軽い患者さんほど効果があるので、早期に診断し早期に治療を開始することがとても重要です。
認知症の診断はまず、ご本人への問診と簡単な記銘力テストです。本人が物忘れを自覚している場合はほとんどが病的ではありません。付き添ってきたご家族の方のお話が大事な情報になります。次は脳の形の写真(X線CT=コンピューター断層撮影装置、MRI=磁気共鳴画像化装置)を撮ります。これを見て脳腫瘍(しゅよう)や脳卒中がないかどうか、脳が異常に萎縮していないかどうかを調べます。アルツハイマー型認知症の早期には、脳の形の異常はほとんどありません。その後、脳の血流や代謝の写真を撮ります(SPECT=単一光子放射断層撮影、PET=陽電子放射断層撮影)。アルツハイマー型認知症では、側頭葉や頭頂葉の機能が低下することなどが分かってきました。神経細胞間の情報のやりとりがうまくできなくなり記憶力や判断力、人格に障害が表れてきます。
認知症はヒトに備わった高次機能の障害です。脳の機能画像を解析すると、物を覚える力は小学生から高校生の間に急速に成熟します。高校生から成人になるまでの間には情報を統合し判断する力がついてきます。医学研究は、ヒトの脳機能を目に見えるようにするところまで進歩、認知症を早期に診断することができるようになりました。そして、病気の真の原因を解明し、その治療法を開発する挑戦が毎日続いています。
==============
◇岩手県
総人口約137万5000人。高齢化率は25.8%(全国平均20.8%)で、2年後には27%にまで膨らみ、4人に1人が65歳以上の高齢者で占める。また、この年には65歳から74歳の高齢者より後期高齢者(75歳以上)の人口の割合が多くなると予測されている。認知症高齢者の数の推計は約4万2000人。
◇長崎県
日本の本土最西端に位置、594の離島(居住は73島)を抱える。総人口は約145万3000人。高齢化率は24.8%。認知症高齢者は2万4000人を数え、この数は年々増加、高齢化がピークの27年後には倍近くまで膨らむ。離島が全国一多いという地域特性に加え、人口高齢化への対応が最大の政策課題。
◇和歌山県
世界遺産「熊野古道」で知られる和歌山県の総人口は約104万5000人で、高齢化率25.3%。介護保険の要介護認定者は5万人、認知症高齢者は2万5000人と推計されている。10年前に比べ、総人口は5万人減少しているのに対し、65歳以上の人口が5.8%増となっているのが大きな特徴。
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主催 財団法人ぼけ予防協会、毎日新聞社など
後援 厚生労働省、日本医師会、日本歯科医師会、日本経済団体連合会など
協賛 アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)
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■人物略歴
◇たかはし・さとし
岩手医科大学医学部卒。同講師、助教授(現准教授)などを経て、06年から同大学付属病院医療安全推進室長。専門領域は老年期認知症、脳循環。著書(共著)に「脳血管障害と老年期痴呆」(先端医学社)、「内科学書」(中山書店)など。
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■人物略歴
◇とくの・さだお
九州大学大学院文学研究科博士課程修了。山口大学人文学部助手、広島県立大学助教授などを経て99年から現職。全国約880カ所ある「道の駅」の命名者として知られる。農村社会学などが専門分野。「農村の幸せ、都会の幸せ」(NHK出版)など著書多数。
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■人物略歴
◇はたざわ・じゅん
東北大学医学部卒、同大学院医学研究科修了。イギリス、米国立衛生研究所(NIH)留学、東北大学サイクロトロンRIセンター、秋田県立脳血管研究センター放射線医学研究部長などを経て、02年4月から現職。専門はPETを用いた脳循環・代謝及び脳機能の研究。
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2008/12/9 医療ナビ:小児の医療過誤 問題解決への取り組みは。 毎日jpより転載
医療ナビ:小児の医療過誤 問題解決への取り組みは。
2008年12月9日 毎日新聞 東京朝刊
◆小児の医療過誤 問題解決への取り組みは。
◇情報伝え信頼関係築く 実態理解へ講習会も
医療過誤をめぐる訴訟は年約1000件に達する。医療訴訟にいたる事態が発生したのは患者にとって不幸なだけではない。リスクの高い医療を回避したいと医師不足を招きかねない。特に、小児は医師も予測できない容体の急変を起こしやすく、訴訟になる可能性が高い。問題解決に向けた動きを探った。
11月、福岡市で開かれた小児医療過誤を考えるシンポジウム。小児医療や法医学の専門家、市民ら約60人が参加した。
「子どもは大人のミニチュアではない。そのことへの理解が必要だ」−−。小児の医療過誤に詳しい小林弘幸・順天堂大医療安全推進部長(総合診療科)はこう強調した上で、7歳男児で起きた事例を紹介した。
男児は下腹部の痛みを訴え午前中に開業医を訪れ、鎮痛剤の投与を受けて帰宅した。痛みは治まらず、夜になるとさらに強くなった。再び開業医を訪れて検査すると、睾丸捻転(こうがんねんてん)と判明した。睾丸が何かの拍子にねじれ、睾丸への血管がふさがれ壊死(えし)する病気だ。男児は睾丸の摘出手術を受けた。男児は詳しい症状を説明できないうえに、腹痛にはさまざまな要因がある。診断が遅れた例と言える。
子どもの体内の水分量は大人に比べ少なく発熱や脱水で水を使い切り重症化しやすい。組織は弱く、手術では繊細な技術が必要。乳児は投薬量のミスも起きやすい。子どもは症状を的確に説明できない。その結果、医療過誤の原因になる診断や治療のミスが起きる。親から見ると子どもの症状が突然悪化し、医療過誤を疑ってしまう。
シンポを企画した澤口聡(とし)子(こ)・福岡女学院大教授(小児法医学)は「小児の医療過誤は専門家が少ない。それが、原因特定を難しくし、患者や家族の不満につながっている。この現実を、医師と市民が共有することから始めたい」と説明した。参加者は「対応に悩んでいたので参考になった」と語った。
◇急がれる補償制度の整備
最高裁によると、小児科の訴訟件数は他の診療科に比べ少ない。小児科医と患者の家族の間に、信頼関係が構築されているためとみられる。だが、救急では互いに初対面で、患者の容体も深刻だ。小林さんは「医師が患者や家族への配慮を心がければ訴訟を減らせる。医師と患者、家族の意思疎通が鍵を握る」と話す。
聖マリアンナ医大の北川博昭・医療安全管理対策室長(小児外科)が勧めるのは、米ハーバード大が作成した医療過誤マニュアルの活用だ。特徴は、医師にまず謝罪することを求めている点だ。
北川さんは「ミスの有無は別にして、救命できなかったことや重症化させたことを率直に謝る姿勢が患者や家族の信頼を得る。患者の不信は、どの医師もつらい。互いに納得できる解決ができれば、医師も仕事への意欲を維持できる」と話す。
医療過誤が起きた際の裁判外紛争解決(ADR)システムの整備も注目される。日本では、医師会や弁護士会などが取り組んでいるが、欧米は法律に基づき制度を整備している。特に、ADRと無過失補償制度を組み合わせたフランスの制度は、患者側が十分な補償を受けられる仕組みとして評価されている。
日本小児外科学会は5月、初めて医療安全講習会を開いた。病院での治療事例を開業医に伝え、的確な診断や治療、患者搬送の仕組みを作り、医療過誤を減らすことを目指している。小林さんは「親向けにも市民講座を開き、小児医療の特性と実態を伝えたい」と話す。
ヌノ・ビエイラ国際法医学アカデミー会長は「医療過誤を皆無にすることは難しい。米国では小児の医療訴訟が増加傾向だ。患者に十分補償するシステム、医師側には正確な分析と情報開示を通じた再発防止策の構築を求めたい」と提言する。【永山悦子】
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2008/12/9 こころとからだの相談室:処方せんでもらうかぜ薬と市販のかぜ薬はどう違うのでしょうか? 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:処方せんでもらうかぜ薬と市販のかぜ薬はどう違うのでしょうか?
2008年12月8日 毎日らいふ
◇ 質問
先日、風邪を引いて医師にかかり、総合感冒薬をもらいました。薬局で買った市販の総合感冒薬が家にもあるのですが、医師がくれる総合感冒薬と市販の総合感冒薬にはどのような違いがあるのでしょうか。
◇ 回答
これから冬に入り、感冒の流行期を迎えます。病院・診療所を受診される方や薬局・ドラッグストアでかぜ薬(総合感冒薬)を購入される方が、次第に増えてくるのではないでしょうか。
一度でもドラッグストアに足を運ばれたことのある方はご存じかと思いますが、市販の総合感冒薬はさまざまなメーカーから数多くの製品が販売されています。店舗によっては、壁一面が総合感冒薬ということもあります。医薬品集で調べてみると、現在、市販の総合感冒薬は約1,000品目もあるようです。一方、医師の処方せんでもらう総合感冒薬は数えるほどしかなく、小児用や後発医薬品を含めても20製品もないくらいです。
総合感冒薬は、熱を下げる成分、咳を止める成分、アレルギーを抑える成分など、複数の成分が1錠あるいは1包にまとまっているため、服用の際に非常に便利である半面、症状に対して不要な成分が含まれていたり、成分ごとの量の調節が難しかったり、という問題があります。
一方、医療用医薬品の場合は、医師が患者個人の状態に応じて必要な成分を選び、量を調節して処方することができるよう、多くは1つの製品に1つの成分だけが含まれています。ただし、種類は少ないですが、医療用の総合感冒薬もよく使われています。
さて、ご質問の医療用と一般用総合感冒薬の違いですが、製品そのもので言えば非常に類似しています。個々の成分で見た場合、医療用だけに配合されている成分も一部あるものの、大半の成分は医療用と一般用で同じです。医療用の総合感冒薬に含まれる、アセトアミノフェン(解熱鎮痛成分)やサリチルアミド(解熱鎮痛成分)、マレイン酸クロルフェニラミン(抗アレルギー成分)などは、市販の総合感冒薬でもよく使われている成分です。また、標準的な用量についてもあまり差はないようです。
しかし、医療用医薬品は、医師が患者の状態に応じて処方する医薬品であるため、年齢や症状などを考慮して量の増減が認められていますが、一般用医薬品は用量を勝手に変えることはできません。このように両者の大きな違いは、医療用医薬品と一般用医薬品の本質にあると言えます。
回答者:高橋 智至(薬剤師/日本薬剤師会中央薬事情報センター/薬相談専用電話 03-3353-2251)
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2008/12/7 家の薬:まとめて管理 いつの?誰の?明確に 迷ったら薬剤師に相談 毎日jpより転載
家の薬:まとめて管理 いつの?誰の?明確に 迷ったら薬剤師に相談
2008年12月7日 毎日新聞 東京朝刊
風邪などで体調を崩しやすい季節。救急箱や机の引き出しから薬があふれているのに、症状に合うものがないと慌てることも多い。家庭にある薬の管理や扱いなどは、どうしたらいいのだろう。【木村葉子】
■家庭薬
薬局・薬店で手軽に買える家庭薬は、ちょっと体調を崩した時の強い味方だ。素人が自分で判断して飲み、やめどきも自分で決めることができるように安全性を重視して作られている。幅広い症状に対応できるが、処方薬のような強い効き目はない。症状が軽いうちに飲み始め、3〜5日飲み続けても症状が改善しなければ服用をやめ、受診することが大切だ。
取り扱いはどうしたらよいのか、日本OTC医薬品協会常務理事の西沢元仁さん(59)に聞いた。
保管は冷暗所で、特に小さな子どものいる家庭では子どもの手の届かない場所に置く。箱や引き出しなど1カ所にまとめておくと、いざという時に慌てない。何の薬か分からなくなってしまうので、別の容器には移し替えないようにする。
家庭薬の使用期限はおおむね3年だが、開封したら1年と考えたほうがよい。外箱や袋、説明書などは使い終わるまでとっておく。箱などに開封した日付を書いておき、年に一度は薬の整理をして使用期限を確認する。
捨てるときは、容器から取り出し薬は紙に包み、可燃ごみとして捨てる。目薬などの液体は新聞紙や布などに吸い込ませ、可燃ごみに。エアゾール剤や噴霧剤は容器に書いてある方法で、屋外でガス抜きする。容器や包装は自治体の表示にしたがって分別し、捨てる。
■小児用
子どものいる家庭では、小児用の薬もあると安心だ。「子どもは大人のミニチュアではない」といわれており、体格が大人並みの小学生でも肝臓や腎臓の機能は大人のようには発達していないので、必ず年齢にあった分量を飲ませる。
粉薬など、2分の1や3分の1の量にする場合は、きれいな紙の上に全量出し、ならしてから分け、残ったものは捨てる。カプセルの中身を出したり錠剤を砕いてはいけない。
■処方薬
医師の診察後、処方せんを基に薬局から出される薬はどうすればよいのだろう。日本薬剤師会の藤垣哲彦常務理事(56)に聞いた。
薬は袋から出さず、誰がいつ処方されたものか分かるようにしておく。1人分ずつ箱などに入れておくと間違えにくい。何の薬か分からなくなったものは処分する。
飲み残した薬は、症状と合っているかどうか分からないので、原則としては捨てる。だが、かかりつけの医師の処方で患者も飲み方をよく理解している場合は、緊急措置として1、2回飲むことは許容範囲だ。症状が改善されなければ、診察を受けた方がよい。
いずれにしても、自分で判断せず医師や薬剤師に相談した方が安心だ。
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◇OTC医薬品
Over The Counterの略。医師の処方せんなしに薬局・薬店で買える一般用医薬品で、原則として客と薬剤師がカウンターをはさんで相談したうえで販売される。
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■薬の飲み方
▽薬はコップ1杯の水かぬるま湯で飲む。他の物では薬の成分が変化したり、作用に悪影響を与えるので避ける。
▽薬にもよるが、服用間隔の目安は5〜6時間。飲み忘れても、2回分を一度に飲んではいけない。
▽幼児が薬をこぼしたり吐いたりしたときも、次の服用まで待つ。甘いものに混ぜたくなるが、医師や薬剤師と相談してからにする。
▽症状が改善しても、体内に病原菌が残っている場合もある。3〜4日の処方なら飲み切るようにする。1週間以上薬が出たものは、飲み続けるかどうか医師らに相談するといい。
(日本薬剤師会・藤垣哲彦常務理事の指導による)
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2008/12/5 入浴:全身浴10分、肩こり解消 同時にストレッチで予防効果も 毎日jpより転載
入浴:全身浴10分、肩こり解消 同時にストレッチで予防効果も
2008年12月5日 毎日新聞 東京朝刊
寒く、慌ただしい時期を迎えた。1年の疲れを、心身に感じている人も多いだろう。だからこそ、ゆったりとお風呂につかりたくなる。こりや痛みを解消する効果的な入浴法を紹介する。【田中泰義】
「大学時代は、今以上に頑固な肩こりに悩まされた」と語るのは、自由形やバタフライを専門としていた元鹿屋体育大水泳部主将の須藤明治・国士舘大准教授(運動処方学)だ。
激しい運動で筋肉に過度の疲労が蓄積したのが原因。逆に、運動不足でも血行不良となって肩こりになる。最近はパソコンを使う時間が増え、長時間同じ姿勢を強いられる。その結果、肩の筋肉が緊張して硬くなり血行不良になっているという。
東京ガス都市生活研究所が7月、インターネットを使って首都圏に暮らす20〜60代の750人に聞いたところ、女性では20〜40代で8割、男性では20〜50代の過半数が肩こりを感じていた。
*
須藤准教授が自分の肩こりを緩和したいと考え、注目したのがお風呂やプールだ。水中では浮力によって体にかかる負荷が3分の1程度になる。筋肉は弛緩(しかん)し、血管が広がり血行が促進される。静脈は水圧を受けて心臓に戻る血流量が増え、心臓の負担も軽くなる。
須藤准教授が胸下まで15分間、35度前後のお湯につかった約10人で測定したところ、血圧が10〜30ミリHg下がった。また、肩周辺の血流量が10〜20%増えることも確認できた。
一方、東京ガスは11人を対象に、入浴の仕方(全身浴か半身浴)、湯温(38〜40度)、入浴時間(10〜15分)を変えて、肩の張りを「筋硬度」という指標で測定した。すると、肩こり解消の効果が最も高かった組み合わせは40度、10分間の全身浴で、風呂を出てから少なくとも30分間、肩の筋肉が柔らかくなっていた。入浴が難しければ、ひじから指先までを42度の湯に20分間つけても筋硬度は6%程度下がったという。
須藤准教授は入浴のついでにストレッチを勧める。入浴中の筋活動はリラックスしているため少ない負担で関節を動かすことができ、筋肉や関節の痛みをほとんど感じることがない。さらに、関節の周りを取り巻くように付いている体の内側の筋肉を使うことで関節の可動範囲が広がり、腰痛や肩こりの予防になるという。
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◇入浴効果を高めるコツ
<1>脱衣場と風呂場の気温差をなくす
脱衣場で服を脱いだとき、冷たい空気にさらされると血管が収縮し、そのまま入浴すると体に負担がかかる。脱衣場と風呂場の間のドアを開けておく。
<2>入浴前にコップ1杯の水を飲む
入浴中は200〜300ミリリットルの汗をかく。水分が失われると血液が濃縮して流れが悪くなり、血栓ができる恐れがある。
<3>湯温に注意
42度以上の熱い風呂では血圧が上がるので40度以下のややぬるめが好ましい。ストレッチをするときには入浴時間がやや延びるので35度前後に。
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2008/12/3 脳腫瘍手術 大学・専門に集中 高度な技術 施設限定的に YOMIURI ONLINEより転載
脳腫瘍手術 大学・専門に集中
高度な技術 施設限定的に
(2008年12月2日 読売新聞)
脳腫瘍(しゅよう)には、もともと脳にできるもの(原発性)に加え、肺がんや乳がんなどの転移も2割弱ある。原発性の発症率は、年10万人当たり10〜12人で、悪性と良性があり、部位などによって種類が分かれる。
読売新聞は、脳外科手術を多く行う主な867施設に対し2007年の治療実績をアンケートし、493施設(回答率57%)から回答を得た。一覧表には、手術件数が25件以上の医療機関194施設と、小児(15歳以下)の手術件数が10件以上の施設を掲載した。
原発性脳腫瘍の3割を占める神経膠腫(こうしゅ)は、「神経膠細胞」という脳細胞に腫瘍ができ、手足のまひや言語障害などの症状が出る。
治療の基本は、頭蓋(ずがい)骨を切開し、腫瘍を取り除く手術だ。だが、腫瘍が正常な細胞にしみこむように広がることから、完全に取り除くのは難しい。悪性であることが多く、早期以外では再発しやすい。再手術で切除するか、放射線治療なども行う。
一方、下垂体腺腫、聴神経鞘腫(しょうしゅ)、髄膜腫は、ほとんどが良性だ。手術で摘出できれば、再発の可能性は少ない。
下垂体腺腫は、ホルモンの分泌異常を起こし、顔や手足などが肥大化する「先端巨大症」などを招く。下垂体は、脳の底の方にあるため、手術は鼻から切除器具を入れ、顕微鏡や内視鏡で見ながら取り除く。腫瘍が大きい場合などは、頭蓋骨を切開する手術が行われる。
聴神経の周囲の細胞にできる聴神経鞘腫と、脳を包む髄膜にできる髄膜腫は、聴力低下や耳なり、頭痛、吐き気などの症状を引き起こす。いずれも手術や放射線治療が行われる。腫瘍が小さく症状がなければ、治療をせずに様子をみることもある。
正常な細胞を傷つけることで重大な後遺症を招きかねない脳外科手術には、高度な技術が必要だ。このため、各都道府県ごとに、大学病院や脳外科の専門病院など、限られた施設で、集中的に手術が行われている傾向が見られた。順天堂大病院脳神経外科准教授の石井尚登(ひさと)さんは「年間20〜30件以上手術をしている医療機関が望ましい」と話す。
また、下垂体腺腫や聴神経鞘腫といった、特定の腫瘍の手術を専門的に行っている医療機関もある。
成人の脳腫瘍は、大脳にできることが多いのに対し、小児の場合は、小脳や脳幹に多いという特徴がある。小児の脳の治療経験が豊富な施設は、小児の専門病院や大学病院などに限られており、表でも別に掲載した。(利根川昌紀)
主な医療機関の脳腫瘍治療件数
A…手術件数 B…神経膠腫 C…下垂体線腫 D…聴神経鞘腫 E…髄膜腫
| 都道府県 | 病院名 | A | B | C | D | E |
|---|
| 三重 | 山田赤十字 | 52 | 12 | 12 | 5 | 18 |
| 市立四日市 | 46 | 6 | 9 | 2 | 15 |
| 三重大 | 45 | 13 | 4 | 5 | 6 |
 |
| 滋賀 | 大津赤十字 | 29 | 5 | 7 | 0 | 10 |
 |
| 京都 | シミズ | 58 | 20 | 2 | 4 | 15 |
| 国・京都医療セ | 35 | 3 | 7 | 0 | 7 |
| 京都第一赤十字 | 26 | 4 | 2 | 0 | 2 |
 |
| 大阪 | 富永 | 155 | 31 | 42 | 5 | 55 |
| 北野 | 135 | 12 | 29 | 6 | 23 |
| 大阪市大 | 132 | 22 | 15 | 15 | 45 |
| 大阪大 | 125 | 16 | 36 | 6 | 18 |
| 大阪医大 | 94 | 36 | 7 | 1 | 12 |
| 国・大阪医療セ | 66 | 9 | 1 | 0 | 12 |
| 大阪警察 | 54 | 8 | 5 | 2 | 20 |
| 大阪脳神経外科 | 52 | 11 | 7 | 11 | 11 |
| 関西医大枚方 | 52 | 10 | 7 | 2 | 30 |
| 市立豊中 | 47 | 15 | 0 | 1 | 11 |
| 市立堺 | 43 | 6 | 7 | 2 | 11 |
| 関西医大滝井 | 43 | 9 | 5 | 0 | 10 |
| 東大阪市立総合 | 43 | 3 | 9 | 5 | 9 |
| 馬場記念 | 39 | 1 | 2 | 0 | 0 |
| 府立急性期・総合医療セ | 39 | 4 | 4 | 1 | 18 |
| 城山 | 37 | 2 | 3 | 5 | 6 |
| 大阪厚生年金 | 36 | 7 | 4 | 0 | 5 |
| 大阪労災 | 32 | 4 | 1 | 4 | 8 |
| 市立泉佐野 | 31 | 23 | 0 | 1 | 3 |
| 府済生会野江 | 30 | 3 | 6 | 4 | 9 |
| 八尾総合 | 28 | 5 | 4 | 2 | 4 |
都道府県 | 病院名 | A | B | C | D | E |
|---|
| 兵庫 | 神戸大 | 113 | 15 | 17 | 21 | 26 |
| 兵庫医大 | 111 | 15 | 37 | 5 | 22 |
| 神戸市立中央市民 | 110 | 8 | 13 | 4 | 19 |
| 大西脳神経外科 | 76 | 17 | 15 | 7 | 24 |
| 国・姫路医療セ | 40 | 3 | 10 | 2 | 7 |
| 加古川市民 | 35 | 2 | 7 | 2 | 12 |
 |
| 奈良 | 天理よろづ相談所 | 71 | 9 | 5 | 3 | 15 |
 |
| 和歌山 | 県立医大 | 91 | 18 | 14 | 4 | 19 |
「国・」は独立行政法人国立病院機構、「セ」はセンター。「−」は回答なし。沖縄は最多施設を掲載
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2008/11/29 こころとからだの相談室:骨粗しょう症予防にホルモン補充療法を希望したが 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:骨粗しょう症予防にホルモン補充療法を希望したが
2008年11月28日 毎日らいふ
◇ 質問
58歳の女性。52歳で閉経しましたが、最近、卵巣の摘出手術を受けました。卵巣から出る女性ホルモンがなくなると骨粗しょう症になりやすいときき、ホルモン補充療法(HRT)を受けたいと婦人科の先生に相談しましたが、もうすぐ60歳なので必要ないと言われました。私のような場合、HRTは対象外なのでしょうか。
◇ 回答
骨を丈夫に保つことは、女性の長い人生の後半期を元気に生きていくための重要なポイントの1つです。しかし、女性の場合、閉経して女性ホルモン・エストロゲンが減るのと合わせて、骨量も急速に減少していきます。その結果、60代に入ると女性では骨粗しょう症や骨折が増え、骨折は寝たきりの原因になることも知られています。
エストロゲンには骨の破壊を防ぎ、カルシウムを骨に蓄える働きがあります。一方、閉経したということは卵巣の働きが終わったということで、その時点でエストロゲンは出なくなった状態。まずは骨密度測定を受けて自分の骨の状態を確かめるところから、対策を考えていく必要があるでしょう。
ホルモン補充療法(HRT)には、足りなくなったエストロゲンを補充して(子宮がある人の場合は子宮内膜を守るために黄体ホルモンを併用)更年期に伴う心身のつらい症状を改善するという目的と合わせて、エストロゲンが関与している体内の各部位の機能を守り生活の質(QOL)を上げるというもう1つの働きがあります。
具体的には、HRTには骨量の減少を抑えて骨粗しょう症を予防する効果が認められているのと合わせて、悪玉コレステロールの低下、血管が硬くなるのを防ぐ、皮膚や粘膜を乾燥から守る、記憶など脳の働きを改善するなどで、多くのデータがあります。こうしたことから、女性にとってはリスクよりベネフィット(利益)が多い治療法として、世界的にも再評価の動きが高まっています。
HRTで乳がんが増えるという不安についても、米国のWHI(Women's Health Initiative)報告のデータを再解析した結果からは、従来言われていたのとは逆に、期間が5年以内なら乳がんは増えないことも明らかになっています。また、始めるタイミングについても閉経後なるべく早い時期(骨や血管がまだよい状態のとき)に始めることが、よい効果につながることも認められています。とはいえ、70歳を越すとリスクが高くなるというデータもあります。
こうしたことから、HRTはなるべく60歳までに始めるのが望ましいとされていますが、これを越えたらやってはいけないというのではなく、個々の患者さんの状態をチェックし、リスクとベネフィットを説明し納得を得た上で行うことがすすめられています。投与方法についても、薬はなるべく低用量に、肝臓に負担をかけない経皮タイプで、天然型のエストロゲンを用いるなど、安全で効果的な方法が提案されてきています。
HRTを希望されるなら、新しい情報を持ち、よく説明してくれる医師に相談しながら、自分に合った方法を見つけていくことが大切です。
しかし、骨を守るにはHRTがすべてではなく、日常生活の中でできる予防対策も大事です。(1)カルシウムの多い、栄養のバランスのとれた食事(2)ウオーキングなど適度な運動の継続(3)戸外で日光に当たる、の3点がその基本とされています。また、骨粗しょう症の治療では、さまざまな有効な薬もあり、広く使われています。
骨に限らず、病気になってからあわてるのでなく、予防に役立つ身近な方法を実践しながらQOLを維持していくことは、これからの長寿社会を生きる女性の心得といえるでしょう。
回答者:安井禮子(NPO法人「メノポーズを考える会」更年期相談対話士・ 医療・健康ジャーナリスト)☆NPO法人「メノポーズを考える会」の電話相談(03・3351・8001)火曜・木曜の午前10時半〜午後4時半。
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2008/11/25 歯:「80歳で20本」残すには。 毎日jpより転載
歯:「80歳で20本」残すには。
2008年11月25日 毎日新聞
(1) 「8020」達成者を訪ねると−−和食中心、よくかんで
台所に立ち、健康茶の用意をする中島茂さん
歯を失う最大の原因は虫歯と歯周病だ。何でもおいしく食べるためには20本以上の歯が必要とされる。だが、厚生労働省の調査(05年)によると、80歳で残っているのは平均約10本。20本以上は5人に1人に過ぎず、寿命の延びに歯の寿命が追いついていない。「80歳になっても自分の歯を20本持とう」を合言葉に、厚労省と日本歯科医師会が始めた「8020(はちまるにいまる)運動」は今年で20年目を迎えた。「8020」達成者を訪ねた。
× ×
親知らずを除いた永久歯は上下計28本。18本以上で、おいしく食べられるのはフランスパンや堅焼きせんべいだが、0〜5本ではバナナやうどんになる。
26本の歯を保つ中島茂さん(85)=埼玉県東松山市=は「小魚やするめ、たくあんもボリボリと、何でもおいしく食べている」と笑う。
毎日午前6時に起き塩で歯ぐきをマッサージする。祖父から伝わる習慣だ。主に玄米や麦飯を食べ、おかずは肉よりイワシやサンマなど魚が中心。野菜の煮物もよく食べる。菓子類など甘い物は食べず、健康茶を毎日沸かして飲んでいる。晩酌には焼酎1合か、ビール1缶。寝るのは午後10時半ごろだ。気を付けているのは「満腹になるまで食べないことと、素材を生かす『素食』が基本」という。
歯を25本持つ塩原俊司さん(85)=同県熊谷市=も1日3食をきちんと取り、ほとんど間食しない。おかずは野菜が中心。こまめにかかりつけの歯科医を受診している。趣味は仲間と囲碁やゴルフを楽しむことだ。
2人に共通するのは、肉は好まず、和食中心のバランスのとれた食事をよくかんで食べていることだ。甘い物を間食せず、規則正しい生活を続けている。趣味を持ち、進んで外に出かけ、人と触れ合うのが好きな点も似ている。フッ素入りの歯磨きを使っている。
訪問調査した埼玉県歯科医師会の藤野悦男・地域保健部副部長は「よくかむと唾液(だえき)の分泌が良くなり、体の免疫力を高め、歯の再石灰化を促す。野菜など繊維質をよくかむと歯の表面の歯(し)垢(こう)(プラーク)が落ちる。2人を見ていると、全身の健康は口の中から始まることがよく分かる」と感心した。
(2) 失う最大の原因は虫歯、歯周病
虫歯は酸で歯の表面のミネラル分が溶け出した状態だ。歯周病は歯を支える骨が溶ける状態だ。特にやっかいなのは歯周病で、虫歯のように痛みなどの自覚症状がなく、気付かないうちに悪化する。
原因は、歯と歯ぐきの間にたまった歯垢の中にいる歯周病菌で、歯を支える組織を少しずつ破壊する。間食が多い▽よくかまずに食べる▽ストレスをためやすい−−などの生活習慣や、健康状態が悪く、抵抗力が落ちていると、歯垢がたまりやすくなる。
高齢者や寝たきりの人の肺に食べ物や唾液が誤って流れ込むことで起こる「誤(ご)嚥(えん)性肺炎」の原因の一つも歯周病と言われている。
歯はあごの骨の発達を促し、脳に刺激を与えて活性化させるなど、多くの役割を果たしている。歯周病で歯を失うと、体全体に大きな影響が及ぶ。
「8020推進財団」(東京)の新井誠四郎・専務理事は「規則正しい食事と、間食を減らすなどの歯周病の予防が肥満予防につながる。また、歯周病を治療すると、糖尿病の状態が良くなるとの研究データもある。若さという精神的な面でも歯を保つことは大切。これからも啓発や研究に取り組みたい」と話す。【足立旬子】
(3止) 歯ぐきは?口臭は? 歯周病セルフチェック
□歯ぐきに赤く腫れた部分がある
□口臭が何となく気になる
□歯ぐきがやせてきた
□歯と歯の間に物が詰まりやすい
□歯を磨いた後、歯ブラシに血が付いたり、すすいだ水に血が混じることがある
□歯と歯の間の歯ぐきが、鋭角的な三角形ではなく、おむすび形になっている
□時々、歯が浮いた感じがする
□指でさわって少しぐらつく歯がある
□歯ぐきからうみが出たことがある
※1、2項目あてはまれば歯周病の可能性あり。3〜5項目以上なら初期または中期歯周炎以上に歯周病が進行している恐れあり。(8020推進財団のパンフレット「からだの健康は歯と歯ぐきから」より)
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2008/11/25 医療ナビ:歯の健康を保ちたい。「80歳で20本」残すには。 毎日jpより転載
医療ナビ:歯の健康を保ちたい。「80歳で20本」残すには。
毎日新聞 2008年11月25日 東京朝刊
◆歯の健康を保ちたい。「80歳で20本」残すには。
◇失う最大の原因は虫歯、歯周病 「8020」達成者を訪ねると−−和食中心、よくかんで
歯を失う最大の原因は虫歯と歯周病だ。何でもおいしく食べるためには20本以上の歯が必要とされる。だが、厚生労働省の調査(05年)によると、80歳で残っているのは平均約10本。20本以上は5人に1人に過ぎず、寿命の延びに歯の寿命が追いついていない。「80歳になっても自分の歯を20本持とう」を合言葉に、厚労省と日本歯科医師会が始めた「8020(はちまるにいまる)運動」は今年で20年目を迎えた。「8020」達成者を訪ねた。
× ×
親知らずを除いた永久歯は上下計28本。18本以上で、おいしく食べられるのはフランスパンや堅焼きせんべいだが、0〜5本ではバナナやうどんになる。
26本の歯を保つ中島茂さん(85)=埼玉県東松山市=は「小魚やするめ、たくあんもボリボリと、何でもおいしく食べている」と笑う。
毎日午前6時に起き塩で歯ぐきをマッサージする。祖父から伝わる習慣だ。主に玄米や麦飯を食べ、おかずは肉よりイワシやサンマなど魚が中心。野菜の煮物もよく食べる。菓子類など甘い物は食べず、健康茶を毎日沸かして飲んでいる。晩酌には焼酎1合か、ビール1缶。寝るのは午後10時半ごろだ。気を付けているのは「満腹になるまで食べないことと、素材を生かす『素食』が基本」という。
歯を25本持つ塩原俊司さん(85)=同県熊谷市=も1日3食をきちんと取り、ほとんど間食しない。おかずは野菜が中心。こまめにかかりつけの歯科医を受診している。趣味は仲間と囲碁やゴルフを楽しむことだ。
2人に共通するのは、肉は好まず、和食中心のバランスのとれた食事をよくかんで食べていることだ。甘い物を間食せず、規則正しい生活を続けている。趣味を持ち、進んで外に出かけ、人と触れ合うのが好きな点も似ている。フッ素入りの歯磨きを使っている。
訪問調査した埼玉県歯科医師会の藤野悦男・地域保健部副部長は「よくかむと唾液(だえき)の分泌が良くなり、体の免疫力を高め、歯の再石灰化を促す。野菜など繊維質をよくかむと歯の表面の歯(し)垢(こう)(プラーク)が落ちる。2人を見ていると、全身の健康は口の中から始まることがよく分かる」と感心した。
× ×
虫歯は酸で歯の表面のミネラル分が溶け出した状態だ。歯周病は歯を支える骨が溶ける状態だ。特にやっかいなのは歯周病で、虫歯のように痛みなどの自覚症状がなく、気付かないうちに悪化する。
原因は、歯と歯ぐきの間にたまった歯垢の中にいる歯周病菌で、歯を支える組織を少しずつ破壊する。間食が多い▽よくかまずに食べる▽ストレスをためやすい−−などの生活習慣や、健康状態が悪く、抵抗力が落ちていると、歯垢がたまりやすくなる。
高齢者や寝たきりの人の肺に食べ物や唾液が誤って流れ込むことで起こる「誤(ご)嚥(えん)性肺炎」の原因の一つも歯周病と言われている。
歯はあごの骨の発達を促し、脳に刺激を与えて活性化させるなど、多くの役割を果たしている。歯周病で歯を失うと、体全体に大きな影響が及ぶ。
「8020推進財団」(東京)の新井誠四郎・専務理事は「規則正しい食事と、間食を減らすなどの歯周病の予防が肥満予防につながる。また、歯周病を治療すると、糖尿病の状態が良くなるとの研究データもある。若さという精神的な面でも歯を保つことは大切。これからも啓発や研究に取り組みたい」と話す。【足立旬子】
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◇8020運動
89年に厚生省(当時)と日本歯科医師会がスタート。パンフレットの作製やシンポジウム開催などの啓発や地域保健の支援、歯と健康に関する研究やデータ収集などに取り組んでいる。93年の調査では80歳での残存歯数は約6本、20本以上の割合は11%だった。05年の調査で残存歯数は約10本、20本以上の割合は約21%に上昇した。
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◇歯周病セルフチェック
□歯ぐきに赤く腫れた部分がある
□口臭が何となく気になる
□歯ぐきがやせてきた
□歯と歯の間に物が詰まりやすい
□歯を磨いた後、歯ブラシに血が付いたり、すすいだ水に血が混じることがある
□歯と歯の間の歯ぐきが、鋭角的な三角形ではなく、おむすび形になっている
□時々、歯が浮いた感じがする
□指でさわって少しぐらつく歯がある
□歯ぐきからうみが出たことがある
※1、2項目あてはまれば歯周病の可能性あり。3〜5項目以上なら初期または中期歯周炎以上に歯周病が進行している恐れあり。(8020推進財団のパンフレット「からだの健康は歯と歯ぐきから」より)
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2008/11/25 「出産は死の危険さえあります」 医師作成「妊娠の心得」大反響 @nifty.comより転載
「出産は死の危険さえあります」 医師作成「妊娠の心得」大反響
2008年11月24日(月)19時22分配信 J-CASTニュース

「妊娠の心得11か条」を書いた宋美玄さん
産婦人科医がブログに書いた「妊娠の心得11か条」が、ネット上で大反響を呼んでいる。背景には、「飛び込み出産」の例のように、リスクに無知な人が増えていることがあるらしい。どうしてこんなことになったのか。
安全・安心が当たり前と思っている人が増えている
「セックスをしたら妊娠します」
「神様から授かったら、それがどんな赤ちゃんでも、あなたの赤ちゃんです」
こんな当たり前とも思える「妊娠の心得」。それを「11か条」にまとめたのが、岡山県の川崎医科大学附属病院で産婦人科医長をしている宋美玄さん(32)だ。宋さんがこの11か条を、自らのブログ「LUPOの地球ぶらぶら紀行」に書き、医療介護CBニュースが2008年11月17日付記事で伝えると、たちまちネット上で話題が沸騰した。 「これ読むとセックスが軽々しくなったと感じざるを得ない」
「医師不足は確かに深刻だが、現代医療を過信するなということ」
はてなでは、500件以上ものブックマークが付き、こんなコメントが寄せられる人気のエントリーとなっている。宋さんも、ブログの18日付日記で「思った以上に反響が大きくちょっとビビッています」と明かしている。
宋さんは11か条で、常に妊娠の可能性を考え、出産では死の危険も覚悟しなければならないと強調。生まれる子どもについても、流産したり、脳性まひになったりする可能性を知っておくべきだとする。そして、かかりつけ医を持ち、妊婦検診を受け、タバコ・酒、ダイエットを避けて、医師不足の中で出産する病院を確保する必要性を説いている。
当然知っているべきこうした「心得」が、なぜ知られていないのか。
まず考えられるのが医療の進歩だ。ピルなどの避妊手段が普及し、出産で命を落とすケースもかなり減っている。そして、こうした医療を過信して、妊娠・出産期間を通じて、安全・安心が当たり前と思っている人が増えていることがある。
高齢出産によるリスクも増えている
医療過信の典型的な例が、「飛び込み出産」だ。
奈良県で2007年8月29日、救急車で搬送中の妊婦(38)が16回も病院に受け入れ拒否されて死産したケースは、妊娠7か月にもかかわらず、かかりつけ医がいなかった。
「飛び込み出産ですと、HIVにかかっているのか、赤ちゃんが逆子なのかという情報がなく、病院側も不安になって尻ごみしてしまいます。そうして、妊婦の方も、結果的に不利益を被ります」と宋さん。「マスコミの論調は、どんな妊婦でも命を救って当然というものです。妊婦が無責任なケースでも、救えなければ医療側が責められるというのはどうかと思いますね」
都内では、脳内出血の妊婦(36)がたらい回しにされ死亡した事故が08年10月22日に発覚した。このケースはかかりつけ医がいた。しかし、宋さんは、病院が受け入れても助かったか分からない危険な状態であったのにもかかわらず、ニュースが搬送を断ったことだけを強調していると感じた。そこで、妊娠リスクの存在を知ってほしいと思い、「妊娠の心得11か条」を書いたという。
とくに、晩婚化が進んでいる中では、高齢出産によるリスクも増えていると宋さんは指摘する。「なおさら、合併症の発症などリスクの高さに気をつけないといけません」
ただ、はてななどの書き込みの一部では、リスク強調は不安を与えるだけ、ますます子どもが生みたくなくなるといった声も出ている。
これに対し、宋さんは、「患者と医者は、立場が違うので溝があるのは当然です。だから、私たちが毎日の医療で安全に力を入れていることも知ってもらい、その溝を埋める架け橋になりたい。11か条は、そのためにまとめました」と話している。
「妊娠の心得11か条」の詳細は「続きを読む…」を
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2008/11/24 こころとからだの相談室:漢方薬の服用上の注意(2)西洋薬と漢方薬 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:漢方薬の服用上の注意(2)西洋薬と漢方薬
2008年11月24日 毎日らいふ
◇ 質問
最近、どこの薬局でも漢方薬のコーナーが設けられ、一般の薬と同じように購入できるようになりました。漢方薬をあまり知らない人が使用する際の注意点など教えてください。
◇ 回答
最近では漢方薬を服用する上で利便性からエキス剤の顆粒が処方されることが多くなっていますが、同じ処方であれば、生薬を煎じたものを服用する方法が吸収量にも優れていることから最も効果的と考えられています。
煎じた漢方薬を服用するのが難しく顆粒を服用する際は、水でそのまま服用しても良いのですが、吸収率を上げるためにはお湯に溶かして服用する方が良いとされています。また、お茶・牛乳やジュースで服用すると吸収が低下してしまうので、できるだけ水または白湯で服用される方が良いでしょう。
では前回の話の続きですが、薬を服用する際には小児量や成人量などがあることはご存じだとは思います。特に高齢者の場合は肝臓・腎臓などの代謝機能が低下していることが多いので、漢方薬に限らずクスリの副作用が現れやすくなりますので服用量を減らすなどの対応をします。漢方薬の場合も体格や体重によって服用する濃さを調節しています。
中でもお年寄りに処方する際には、痛みを軽減する芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)などの処方や、複数の処方を同時服用する場合などに、甘草(カンゾウ)という生薬が重複して多量に入ってしまうことで「むくみ、高血圧、手足の筋肉に力が入らない」などの症状が現れやすくなることがあります。そのため処方する際には重複などに注意して処方しています。また腎臓病などで利尿剤や透析をされている方の場合も同じような状況を考えて、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してからの服用をお勧めしています。
漢方薬の処方の中で地黄(ジオウ)、当帰(トウキ)、川きゅう(センキュウ)、山梔子(サンシシ)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)などが配合されている漢方薬を服用される場合にわりと多いのは、吐き気、食欲不振、胃もたれ、腹痛、下痢などの胃腸症状です。これは食前や空腹時に初めて服用する漢方薬の苦味や臭いによる胃粘膜への刺激に対する反射性のものが多く、いずれも一過性なので次第に慣れてきますが、つらいようであれば、刺激を軽減するために食後に変更されてみるのも良いでしょう。
大黄もしくは芒硝が配合されている処方を服用する場合に、腹痛や下痢が起こる場合があります。腹痛を伴う下痢が長く続く場合は、指示された量を無理に服用せずに服用回数などを減らして様子をみることも必要です。
その他、人によっては発疹や肝機能の異常、あるいは膀胱炎のような生薬に対してアレルギー症状を起こすこともあります。過去に報告された事例としては、柴胡剤(サイコザイ)による間質性肺炎や肝障害が報告されています。
西洋薬との飲み合わせについても注意が必要です。肝臓疾患に使われる小柴胡湯(ショウサイコトウ)と抗がん剤として使われるインターフェロンを併用すると間質性肺炎を起こすので、同時に使用してはいけないと指示されています。また、甘草を含む漢方薬と腎臓病などで使用する利尿剤を併用すると、カリウム値が低下することもあります。
いずれにしても、このような予想していた以上の体調不調が出た場合は誤治の可能性もあるので、速やかに服用を中止するか、医師や薬剤師に相談して対応するようにしてください(表)。
回答者:竹花洋史(薬剤師)(八仙堂漢方薬局 古淵店 神奈川県相模原市古淵2−18−3 TEL:042(769)0305 メール:kanpou@hassendou.com 毎週水曜・日曜定休)
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2008/11/21 特集:地域医療を考える 慢性関節疾患 m3.comより転載
特集:地域医療を考える 慢性関節疾患
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 | 記事:毎日新聞社 提供:毎日新聞社
【2008年11月21日】
特集:地域医療を考える 慢性関節疾患 麻植協同病院・三上診療部長に聞く
◇長年の家事、肥満、加齢で軟骨摩耗??減量で負担軽減
年を取るにつれて、階段の上り下りで関節の痛みを訴える人が多くなる。深刻な場合は歩行障害を起こし、日常生活に支障をきたす場合も。こうした慢性関節疾患は過度の負担や肥満、加齢などで関節の軟骨がすり減ることから来るものが多く、高齢化の進行とともに患者が増えている。症状や予防法を麻植協同病院(吉野川市鴨島町鴨島)の三上浩診療部長(55)に聞いた。【聞き手は竹内之浩・毎日新聞徳島支局長】
◇女性に多く、生活に支障
??まず関節の仕組みを教えて下さい。
関節は骨と骨をつなぎ、体を動かす役割があります。正常な関節では骨の表面にある軟骨が機能して衝撃を和らげたり、滑らかに動くようになっています。慢性関節疾患は、加齢を主体とした軟骨の磨耗と骨の変形が緩やかに進行していく病気です。手指や肩といった上肢の関節では不便さが、体重を支える膝(ひざ)関節や股(こ)関節では立ち動作や歩行での障害が起こりやすいです。
??どれくらいの患者がいますか。
国内の推定患者数は700潤オ1000万人と言われ、女性が多いのが特徴です。50歳以下では男性が多いのですが、60歳を超えると女性が圧倒的に増えてきます。男性では肉体を使う労働が、女性では閉経による女性ホルモンの減少や長年にわたる家事労働、正座の積み重ねが原因の一つと考えられます。 ??慢性関節疾患の代表的な病気は。 原因がはっきりしない一次性のものと、基礎疾患や関節の構造異常など原因が分かっている二次性のものに分かれます。一次性では主に加齢による変形性関節症が多く、二次性では幼年期の関節脱臼や成長障害による変形性関節症、自己免疫障害による関節リウマチ、食物の代謝異常による痛風などがあります。
??ここでは、特に多い変形性膝関節症、変形性股関節症、関節リウマチについてお聞きします。まず変形性膝関節症から。
大腿骨(だいたいこつ)と下腿骨の軟骨が磨耗・変形して骨同士のかみ合わせが悪くなり、関節を袋状に包んでいる関節包が炎症を起こし、痛みを感じるようになります。最初は立ち上がり時などの軽い痛みから始まりますが、さらに炎症が続くと、関節液が過剰にたまり、関節が腫れ、膝の曲げ伸ばしの制限も伴うようになります。大腿骨と下腿骨が直接ぶつかるまですり減ると、非常に激しい痛みを覚え、日常生活に著しい支障が生じます。 診断はレントゲンで行います。また、患者本人も膝のO脚変形によって自覚していることが多いと思います。O脚変形は一般的に膝の内側に負担がかかりやすいため、内側の軟骨が減って起こります。O脚になると、さらに膝の内側への負担が増す、という悪循環に陥りやすくなります。
??治療法は。
初期は正座や中腰をやめるなどの日常生活の指導、炎症と痛みを抑える消炎鎮痛剤の服用、O脚を矯正する装具の使用を行います。それに加え、減量も重要です。膝関節や股関節には歩くだけで体重の3、4倍、階段の昇降では6潤オ8倍の負担がかかると言われています。1キロ減量しただけで、4潤オ8キロの負担を軽減できるのです。中期になると、関節にヒアルロン酸製剤を注射します。ヒアルロン酸は軟骨の成分の一つで、これによって軟骨の修復を図ります。 こうした治療でも効果が上がらない場合は手術を行います。手術は大きく分けて、骨切り術と人工関節置換術があります。前者は下腿骨を切って形を変え、O脚を矯正することで膝の内側にかかる負担を軽減させる手術です。関節の損傷が中期程度までで、骨がくっつきやすい60歳代までが対象です。 後者は磨耗・変形した関節を金属やセラミックなどでできた人工関節に置き換える手術です。痛みの原因が取り除かれるため、劇的に症状が改善されます。手術後3、4日で日常生活が送れるようになります。症状が重く、高齢の方にお勧めします。
??次は変形性股関節症について。
変形性股関節症は二次性のものが多数を占めています。股関節は大腿骨先端の骨頭と呼ばれる丸い部分と、その受け皿である骨盤の臼蓋(きゅうがい)という部分が組み合わさってできています。幼児期の股関節脱臼や骨頭の成長障害、臼蓋の形成不全などの原因で、骨のかみ合わせが悪くなって起こると考えられています。 足をひきずって歩いたり、走るのが遅いといった自覚症状は比較的若い時期から現れますが、痛みを伴うのは育児で股関節に負担がかかる出産後や、体重が増加する中年期に多いようです。近年は高齢化が進み、軟骨が磨耗して起こる一次性のものが増えています。検査や治療は変形性膝関節症と同じです。
◇自転車、プール内歩行で筋肉強化
??関節リウマチはどんな病気ですか。
関節に炎症が起こって関節が腫れたり、痛みが起こる病気で、中年女性に多く発症します。原因は不明ですが、自己免疫疾患の一つと考えられています。自己免疫疾患とは、本来異物を攻撃する免疫反応に異常が起こり、自分自身の細胞を攻撃してしまうことです。 この病気は関節包の内側にある滑膜が病巣となり、ここで炎症が始まり、骨や軟骨を破壊していきます。症状は手指のこわばりに始まり、両指関節の腫れが複数出て、1カ月ほど持続します。1関節の痛みや腫れだけにとどまり、2、3日で治るなら関節リウマチの心配は少ないと考えられます。確定診断には血液検査が有効で、治療には抗リウマチ薬を使います。 関節リウマチは薬を飲んでも完全に治ることまずありません。一時的に軽快したため勝手に薬の服用を中断すると症状が再発、増強しますので、医師の指示を守って下さい。リハビリは関節の機能を保つのに有効です。関節の変形・破壊が進み、日常生活の障害が生ずると手術を行います。手術には病巣の滑膜切除から人工関節置換術まで多くの方法があるので、症状に合った方法を選ぶことが大切です。
??関節疾患になったら、いつ手術すべきですか。
悪性の病気ではないので、いつしなければならないということはありません。しかし、関節周囲の筋肉がやせ、関節の動きが制限されて固まると、手術はやりずらくなり、リハビリにも時間がかかります。また、悪い関節をかばうため、反対側の関節が傷めることもあります。従って、これらの症状を認めたら、手術の時期だと思います。
??最後に予防へのアドバイスを。
膝関節や股関節には想像以上に負担がかかっていることを認識して下さい。だから減量は大切です。また、体重を支える筋肉を鍛えることも大切ですが、散歩では状態を悪化させる恐れがあるので、自転車やプール内歩行をお勧めします。肌が年を取るように、骨も年を取ります。自分の体をいたわることを心掛けて下さい。
………………………………………………………………………………………………………
■いきいき糖尿病
◇通院中断は重症化招く
今回は、糖尿病患者さんの通院中断についてお話します。 ある報告によると、中断の理由には(1)時間の都合がつかない(2)生活に支障がない(3)症状がない(4)診察に行っても変わらないと思う(5)治った(6)一度休むと行きづらい??などがあります。そして、1年以上の通院中断者は、中断歴のない人に比べて、また、その中断年数が長いほど、糖尿病による合併症が重症化していました。 最近では、「糖尿病の治療薬を指示通りに服用しないと、入院する危険性が増えた」という報告もあります。すなわち、ある1年間に処方された糖尿病薬を80%以上服薬できなかった人は、服薬がほぼ完全な人に比べ、その後1年以内に入院を必要とする確率が2・5倍も高かったのです。 以上のように、通院の中断理由はさまざまですが、いずれにしても服薬を含め通院の中断は、決して良い結果には結びつきません。残念ながら糖尿病は治りませんが、悪性の病気と違って上手にコントロールすることは可能です。生活に支障が出たり、症状が出てからでは遅すぎるのです。また、「診察に行っても変わらない」のではなく、定期的な診察と検査の結果で、自ら今の生活を少しでも変えていくことが必要です。 確かに一度受診を休むと病院に行きづらくなりますが、自分の療養生活がうまくいったか否かの確認のため受診するわけですし、担当医を含め医療スタッフも、来院しないあなたのことをきっと心配しているはずです。現在通院を中断しているあなた、勇気を出して病院に出かけましょう。(愛媛県新居浜市/たなか内科クリニック院長・田中清宜) |
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2008/11/15 こころとからだの相談室:便秘の治療について 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:便秘の治療について
2008年11月14日 毎日らいふ
◇ 質問
30年間も続いている、便秘についてご相談します。毎晩茶さじ1杯のセンナを寝る前に服用すると翌朝便が出るのですが、こんなに何年間も飲み続けていても、体に害がないものでしょうか? また、何年も続いている便秘を解消する方法は何かありますでしょうか?
(75歳、女性。身長:160cm、体重:54kg。既往症:高血圧[上150mmHg、下70mmHg])
◇ 回答
30年間も続いている便秘の治療に茶さじ1杯のセンナを何年間も服用して良いかとのご質問ですが、便秘を発生させる全身性疾患(糖尿病やパーキンソン病などの神経疾患など)や大腸疾患が存在しないことを前提にお答えします。
便秘の治療は、(1)食事療法(2)運動療法、そして(3)できるだけ少量の下剤を用いるのが基本であり、下剤のみに頼るのは得策ではありません。さらに、下剤はセンナのような「刺激性下剤」ではなく「緩下剤(塩類下剤)」を用いることをお勧めします。
その理由は、刺激性の下剤は大腸の粘膜を刺激して水分の分泌を促すなどの機序により下剤作用を発揮するため、効き過ぎて水様便や泥状便になりやすい欠点があります。水様便や泥状便の状態では、排便の直後に便が再び直腸に流入して便意を催し、残便感に苛まれる危険性もあります。また、残便感が持続するのは便が出きらないためと誤解してさらに多くの下剤を服用すると、大腸の収縮運動(蠕動運動)を利用せず、いわば洪水により水様便を排出するため大腸が次第に拡張・弛緩して便がますます出にくくなります。そのため、下剤の量がさらに増加して水様便が悪化するため、“おしめ”をしながら下剤を服用するといった下剤乱用に陥る危険性があります。実際には、寝たきり老人によく見られる現象です。
一方、「快便」は固形便を強力な大腸収縮運動(蠕動運動)により一気に排出して直腸を空っぽにすることで得ることができます。この大腸収縮運動(蠕動運動)は、十分な食物繊維を摂取して便量を増加させて大腸を伸展・拡張させれば自然に発生します。日本人は、1945年頃には大腸を十分に伸展・拡張するに十分な1日27gの食物繊維を摂取していたために“とぐろ巻き便”が出て快便を得ることができましたが、現在では一般的に1日平均10g以下の食物繊維しか摂取していないために便秘の人が増えています。炊いた野菜、具だくさんのおみおつけ、そして米飯や海草類を十分に摂取して便の量を増加させることが快便に繋がります。
さらに、便量を増加させるために十分な水分摂取(心疾患や腎疾患のない人には1日に1.5リットルの水分を分割して飲用することを勧めています)と大腸収縮運動(蠕動運動)を誘発するための食後の散歩(運動)を勧めています。また、どうしても食物繊維が十分に摂取できない人のためには“人工繊維”と呼ぶべき有効な薬があるので医師に相談してください。
以上のような努力のうえで便秘が解消しない場合に、緩下剤などの下剤を追加します。一方、刺激性下剤を使用すると翌日には排便が得られやすい利点はありますが、その服用量をエスカレートさせないことが重要です。質問者のセンナの服用量は、茶さじ1杯(約0.3g)で常用量内であるため問題は少ないと思いますが、今後便秘が悪化した際にはセンナの服用量を増量するのではなく、食事療法と運動療法を取り入れて快便を得ることをお勧めします。
回答者:松枝 啓(国立国際医療センター国府台病院院長)
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2008/11/12 安心・安全ナビ:人気の高い露天風呂。冬場に利用するとき気をつけることは。 毎日jpより転載
安心・安全ナビ:人気の高い露天風呂。冬場に利用するとき気をつけることは。
2008年11月12日 毎日新聞 東京朝刊
◆人気の高い露天風呂。冬場に利用するとき気をつけることは。
◇滑りやすい床、急激な温度変化 転倒、血行障害に注意
◇食事、飲酒直後避け 長湯もNG
朝夕冷え込み、温泉が恋しい季節になった。温泉人気は衰えず、日帰りの施設は年々増えている。露天風呂は特に人気が高いが、危険も潜む。温泉評論家で日本温泉地域学会副会長、石川理夫(みちお)さんに、冬場の露天風呂の注意点を聞いた。
環境省によると、宿泊施設のある温泉地数(06年度)は3157カ所。温泉を使った日帰りの公衆浴場数は7748カ所(同)で、10年前の1・5倍に増えた。
■ゆっくり慎重に
宿泊・日帰りを問わず人気は露天風呂。だが、まず屋外に出て湯に入るまでに転倒の危険がある。周りは岩場や石畳のことが多く、重曹泉やアルカリ性の温泉では特につるつるする。そのうえ冬場は凍ったり、雪のため滑りやすい。足元に注意しながら慎重に進む必要がある。
さらに、急激な温度変化による危険も侮れない。石川さんは「行き帰りはバスタオルで体を包んだ方がいい」と助言する。冷えた体で急に熱い湯に飛び込むと、血圧が急上昇し、高血圧の人などは血行障害を起こす恐れがある。入る時は下半身から上半身にかけてよくかけ湯をして慣らす。出る時も突然立ち上がらないこと。ゆっくり上がり、タオルでパッティングするようにして成分を浸透させる。
入浴後は水分を補給し、安静にすることが大切だ。
■意識障害も
こんな例がある。兵庫県加古川市で家電販売会社を経営する男性(59)は年3回の温泉旅行が楽しみだ。6年前の正月休みも、家族で県内の温泉に出かけた。昼食でビールを飲み、温泉とサウナに入ったところ、突然意識を失い病院に運ばれた。救急車内で意識を取り戻し、検査結果は異常なしだったが、「目の前がクラクラして……。あれ以来、温泉に入る前に酒は飲まないようにしている」と話す。
石川さんは「飲酒で血管が拡張し血圧が下がる。温泉に入るとこの状態が助長され、立ち上がる際に脳貧血を起こす恐れがある。露天風呂での雪見酒など極めて危険だ」と話す。食事や飲酒直後の入浴は避け、1〜2時間、酔いを覚ましてから入った方がいい。
さらに、長湯しないことが肝要だ。内風呂での目安は最長15分、1日3回まで。露天風呂は42度以上と高めに設定しているところが多い。ぬるめなら長湯もいいが、高温の長湯は事故のもとという。
■飲むなら朝食前
飲む「飲泉」にも注意。石川さんは「朝食前に最大コップ1杯をかみしめるように飲むのが一番いい。食後や就寝前はだめ。温泉にはカルシウム分などが豊富に含まれるので、がぶ飲みすると下痢をする可能性もある」と指摘する。硫酸塩泉の新鮮な温泉水を正しく飲めば、糖尿病や痛風などに効果的な場合もある。
「お湯だけでなく、雰囲気、自然環境、情緒、たたずまいなど、温泉の癒やし効果は大きい」と石川さん。注意しつつ、たまには温泉でリフレッシュしたい。【坂口佳代】
==============
■露天風呂に入る際の主な注意点
▽風呂の周りは滑りやすいので転倒しないよう慎重に
▽行き帰りはバスタオルで体を包んだ方がベター
▽つかる前によくかけ湯をする
▽直前の飲酒は控える。風呂での一杯は特に危険
▽湯が高温の場合は長湯しない
▽飲泉は朝食前にゆっくりと飲む
▽入浴後は水分を補給して安静にする
(石川理夫さんのアドバイスに基づき作成)
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2008/11/5 胃がん「早期」 内視鏡で完治も YOMIURI ONLINEより転載
胃がん「早期」 内視鏡で完治も
日本人のがんで、患者数が最も多い胃がん。死亡者数は肺がんに次いで2位だ。慶応大病院一般・消化器外科教授の北川雄光さんは「診断と治療の技術は年々進歩しており、早期に見つかれば治りやすいがん」と説明する。
がんが胃の内側表面の粘膜、または、その下の粘膜下層にとどまっている場合を「早期がん」、それ以上深く進むと「進行がん」と呼ぶ。
胃がんのほぼ半数を占める早期がんは、治りやすく、生活の質を下げない治療法を受けられるかがカギになる。
粘膜にとどまっているがんの多くは、口から胃カメラを入れてがんを取る内視鏡治療で完治が望める。胃を切除しなくて済み、後遺症もほとんどない。超高齢社会の日本では、体への負担の少ない内視鏡治療は今後ますます普及するはずだ。
内視鏡治療ができない場合は、胃とリンパ節を切除する手術が必要になる。早期がんなら、おなかに小さな穴を数か所開け、器具を挿入して切除する腹腔鏡手術も可能だ。
一方、進行がんの場合、治療で治るのは半数だ。手術ができる場合は、胃の切除後に、「S―1」(商品名・ティーエスワン)という抗がん剤を飲むのが標準的な治療法。残っているかもしれない微細ながんをたたき、再発を防ぐのが目的だ。
手術ができない進行・再発がんでは、S―1と「シスプラチン」という抗がん剤などの点滴の組み合わせで、がんの進行を抑え、縮小を目指す。
このように、早期がんと進行がんとでは、同じ胃がんでも治療法が異なる。標準的な手術については施設による技術の格差は少ないが、一般的には治療件数が多いほど、多様な症例に対応できる能力があると考えられる。
読売新聞では、日本消化器外科学会と日本消化器病学会の研修認定施設1064施設に対し、2007年の治療件数をアンケートし、571施設から回答を得た(回収率53・7%)。
一覧には、紙面の都合で、手術と内視鏡治療の合計が110件以上の施設を掲載、それぞれの件数を示した。地域版では、さらに詳細なデータを掲載した。北川さんは「選ぶなら、複数の治療法を示し、しっかりと説明してくれる医療機関を」と助言している。(山口博弥)
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2008/10/28 医療ナビ:下肢静脈瘤 症状と予防法は 毎日jpより転載
医療ナビ:下肢静脈瘤 症状と予防法は
2008年10月28日 毎日新聞 東京朝刊
◆下肢静脈瘤 症状と予防法は
◇長時間、同じ姿勢避けて−−足の血流悪くなり、血管がこぶ状に
◇完治には患部切除を
茨城県つくば市の江上八千代さん(71)は今年、下肢静脈瘤(りゅう)の手術を受けた。ふくらはぎの内側の静脈がこぶのようにボコボコと膨れあがっていた。
「手術後、足のむくみがなくなった。冷え性のため、暖かくなってもしばらく冬物が手放せなかったが、汗をかくようになった。これも病気のせいだったんですね」と笑顔で話す。
江上さんが左足の異変に気づいたのは20年以上前の40代。当時は営業の仕事をしていて、一日中立っていることが多かった。スカートをはくと、同僚から「左のふくらはぎの方が太いね」と言われたこともあった。だが、仕事が忙しく、痛みもなかったことからそのまま時が過ぎた。
手術を決意したのは2年前、自転車で交通事故に遭い、筑波記念病院(つくば市)に入院したことがきっかけだった。以前から気になっていた左足について相談した。
■立ち仕事に多く
血液は心臓から動脈を通って臓器などに送り出され、皮膚や筋肉などを通って静脈に流れる。心臓がポンプの役割を果たすため、心臓より上にある臓器に向かう動脈内の血液は重力に逆らって上昇することができる。
一方、心臓のポンプ作用が働かない静脈内でも下肢などの静脈を走る血液は重力に逆らって心臓に戻っている。それは、ふくらはぎの筋肉が収縮するたびに、静脈が圧迫され、血液が上へ押し上げられるためだ。静脈内には「弁」があり、血液が逆戻りしない仕組みになっている。この弁がきちんと閉じなくなり、血液が逆流し、足の下の方に血液がたまることで起こるのが下肢静脈瘤だ。
筑波記念病院の末松義弘心臓血管外科部長によると、この病気は調理師や美容師、教師など長時間立ち仕事をする人に多い。特に足の筋肉を使わない、棒立ちの状態が下肢に負担がかかり、なりやすい。妊娠をきっかけに発症する女性も多く、患者の7〜8割が女性という。
症状は体がだるい、重いと感じる人が大半。むくみやかゆみがある人もいる。こぶのように浮き出た血管は見た目も良くない。だが、「命には別条がないから」と、江上さんのように気になってもそのままにしている人が少なくないという。
■適度な圧迫有効
治療の第一歩は、医療用ストッキングをはき適度な圧力を与えることで、下肢に余分な血液がたまることを防ぐことから始まる。さらに、静脈瘤に直接、硬化剤を注入し静脈の内膜を損傷させ、弾性ストッキングで圧迫する「硬化療法」がある。
だが、圧迫する療法は進行を防ぐだけで、硬化療法は再発の可能性が高い。完治させたいと思った江上さんは手術を受けることにした。逆流を起こしていた、太ももの付け根から膝(ひざ)下までの静脈を抜き取る「ストリッピング」という手術と、膝下の主に浮き出てこぶのようになっている静脈を数カ所、切除した。悪くなった血管を取り除いたりふさいだりしても、迂回(うかい)する静脈があるので問題はない。血行を悪くしている血管を治療するため、体に害はないという。
交通事故の後だったため、大事をとって3泊4日入院し、自己負担は、医療費1割と食事と入院費含めて2万3000円だった。
ほかに、レーザーを照射して血管内壁を焼き血管をふさぐ「レーザー治療」もある。体への負担は少ないが、保険が適用されないため、片足の治療に約30万〜40万円かかる。
予防は長時間の立ちっぱなしや座り続けることを避けること。末松部長は「立ち仕事中も、ときどき足踏みしたり歩き回ったりしてほしい。クッションなどを利用し足を高くして寝ることも有効」と助言する。【足立旬子】
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2008/10/25 政府管掌健康保険:「協会けんぽ」に 医療費減狙い、保険料に差 毎日j