2006/9/8 頸動脈の超音波検査 全身の動脈硬化を推定 YOMIURI ONLINEより転載
頸動脈の超音波検査
全身の動脈硬化を推定
(2006年9月8日 読売新聞)
50歳代の男性Aさんは高血圧、糖尿病の持病があり、心臓の筋肉に栄養を送る冠動脈が狭くなる狭心症の発作を起こしたことがある。一昨年夏、慶応大病院(東京・信濃町)で首の動脈・頸動脈(けいどうみゃく)の超音波検査を受けたら、動脈硬化で50%も狭くなっていることが分かった。すぐに禁煙し、半年に1度の超音波検査を受けながら、降圧剤や血液を固まりにくくする抗血小板薬などを服用。今のところ、頸動脈も心臓も病状は進んでいない。(坂上博)

頸動脈は、のどの横の左右にある動脈で、頭部に血液を送っている。あごの下部分までは総頸動脈(成人男性で直径10ミリ弱ほど)と呼ばれ、この動脈は脳に血液を送る内(ない)頸動脈と、顔に血液を送る外(がい)頸動脈に分かれる。
内頸動脈への分岐部は、全身の動脈の中でも最も動脈硬化が進みやすい部位の一つとされる。これが詰まると、脳に血液が行かなくなり、脳梗塞(こうそく)を引き起こし、亡くなることがある。また、心臓や足の動脈硬化と密接な関係があるため、頸動脈の状態から全身の動脈硬化の進行具合を推定することができる。
そのため、手軽にできる頸動脈の超音波検査を、人間ドックなどの検診に取り入れる病院が急速に増えている。
頸動脈に検査具をあてると、モニターに血管の状態が映し出される。10分ほどの検査で、血管の膜の厚み、狭さく率、コレステロールがたまってできるおかゆ状の隆起・粥腫(じゅくしゅ)(プラーク)の状態を調べる。
〈1〉血管の壁 内側から内膜、中膜、外膜の3層から成る。動脈硬化の初期には、内膜と中膜が厚くなる。この二つの膜を合わせた厚さは、40〜50歳代の男性なら0・5〜0・6ミリほど。それより厚くなると脳梗塞の発生率が高くなる。
〈2〉狭さく率 動脈硬化を起こしている部分と、起こしていない部分の血管の内径の比率。症状がなくても60%以上狭さくしていると、2年間に5%の人が脳梗塞を起こす。
〈3〉プラーク 血管壁にできるプラークの有無もチェックする。プラーク内部で出血したり、表面がはがれたりすると血管が詰まる。超音波の画像が薄い場合、血管壁が破れやすい「不安定プラーク」と呼ばれ、早い段階で治療が必要となる。
治療対象は、内膜と中膜の合計が年齢基準より厚くなり、狭さくを起こすプラークが出来ていることなどが目安。コレステロール値を下げるスタチン製剤が厚みを減らすとされる。降圧薬、抗血小板薬などを併用して動脈硬化の治療をする。慶応大神経内科講師の星野晴彦さんは「運動、肉食中心の食生活の改善、禁煙といった生活習慣の見直しで、全身の動脈硬化を防ぐことも大切です」と話している。
さらに状態が進み、頸動脈の狭さく率が50%を超えた上、半身のまひやしびれ、軽い言語障害などの症状が一時的に現れる「一過性脳虚血発作」を起こしたり、不安定プラークがあったりする患者は、頸動脈そのものへの治療が検討される。
それには、頸動脈を切り開いてプラークがある血管内壁を削り取る「頸動脈内膜はく離術」と、足の付け根の動脈から血管を広げる金網状の筒・ステントを挿入して、頸動脈に置く血管内治療がある。
脳梗塞を防ぐ予防的な治療だが、治療によりプラークや血液の塊の一部が飛散して脳梗塞を起こすことがまれにある。無駄な治療は厳禁で、アメリカの指針では、経験と実力がある医師が行うべきとしている。
Aさんは狭さく率が50%だが、無症状なので薬による治療が選ばれた。定期的に頸動脈超音波検査を受けて経過を観察している。


ドクター ご紹介 - http://kanja.ds-pharma.jp/health/yotsu/doctor/078/index.htmlから転載







腰痛の発生頻度や原因について教えてください。
上半身の重さは体重の約70%といわれています。その重さを支えているのが腰椎です。腰椎には椎体という骨の部分と椎間板という骨と骨の間に入っている部分があります。椎体は機械的な負荷により変形が進行し、また骨粗鬆症の進行とともに脆くなっていきます。椎間板も年齢とともに変性していきます。驚くことにこの変性は10歳の子供たちのすでに9%に起こっていると報告されています。治療を要する腰痛の発生頻度の調査では20歳代以上の年齢層ではほぼ同じくらい(40〜65%)で発生していることが報告されています。このような背景から近年、腰痛はもっとも有訴率が高い疾患になっています。大半の腰痛は数日間で治りますが、臀部痛や下肢痛を伴う腰痛は専門的な治療が必要になる場合も多いので注意しましょう。





