2008/7/1 がんのリスク・マネジメント:(7)禁煙のすすめ 毎日jpより転載
がんのリスク・マネジメント:(7)禁煙のすすめ
2008年7月1日 毎日らいふ
がん予防のためには新しい喫煙者を出さないことが重要な課題ですが、現在喫煙なさっている方に禁煙していただくことも大切です。日常の習慣となったたばこをやめるには、強力な動機やはっきりとした意思が必要です。「もう何十年も吸っていて、肺はおそらく真っ黒。いまさら禁煙しても」というわけで、たばこ税による多少の値上げや自動販売機用の認証システムを受容している方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、いつ禁煙しても遅すぎないということを、科学的根拠から説明します。
まず、禁煙後何年くらいでリスクが下がるかが気になります。われわれのコホート研究から、たばこをやめたと答えた男性を、禁煙してからの年数ごとにグループ分けして、その後の肺がんリスクを比較したデータがあります。
たばこをやめてから9年以内の人たちでは、まだ吸わない人の3倍高く、喫煙者の4.5倍よりはいくぶん低いリスクになっていました。それが10〜19年となるとさらに低くなり1.8倍となりました。禁煙した年月がたつほどだんだん低くなり、20年以上禁煙した男性では、ついに、たばこを吸わない人とほぼ同じでした(図1)。このように、長くはかかりますが、禁煙によって確実にがん予防効果が期待できます。また、脳卒中や心筋梗塞などの循環器系疾患では、禁煙後2年以内に効果が期待できるという結果でした。
「20年後なんて、もう手遅れ」という方もいらっしゃるでしょう。本当にそうでしょうか。吸い続けるか、禁煙するかの選択肢は、常に喫煙者の目の前にあります。そして、どの時点でやめるとどのくらい寿命が延びるのかという科学的な証拠もあります。喫煙の健康影響を調べるために、英国で1951年に始まった約4万人の英国人男性医師のコホート研究は、50年後まで追跡調査が続けられ、2004年に、この研究を率いた英国の疫学者ドール博士による最後の論文(博士は翌年、92歳で逝去)が発表されました。
これによると、まず、生涯喫煙者は、一度もたばこを吸ったことがない人よりも10年早死にしています。禁煙者では、やはり25から34歳の早い時期に禁煙した人は、非喫煙者とほぼ同じ寿命をまっとうしています。しかし注目したいのは、35から44歳でやめても9年、45から54歳でやめても6年、55から64歳の遅い時期にやめた人でもまだ3年の寿命を稼げる期待が持てるということです(図2)。やり残したことがある場合、まだ遺していけない人がいる場合、禁煙によって稼いだ晩年の数年は、ある意味で、人生で最も貴重な数年間になるかもしれません。
欧米では、たばこ税の増税や、公共の場での禁煙などのたばこ対策により、著しい禁煙率の増加とたばこ関連死の減少が報告されています。英国人医師コホート研究をはじめとしたさまざまな科学的データの蓄積により、自信をもって、そして喫煙者のためを思って、たばこをやめましょうと呼びかけることができるのです。
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ドクター ご紹介 - http://kanja.ds-pharma.jp/health/yotsu/doctor/078/index.htmlから転載







腰痛の発生頻度や原因について教えてください。
上半身の重さは体重の約70%といわれています。その重さを支えているのが腰椎です。腰椎には椎体という骨の部分と椎間板という骨と骨の間に入っている部分があります。椎体は機械的な負荷により変形が進行し、また骨粗鬆症の進行とともに脆くなっていきます。椎間板も年齢とともに変性していきます。驚くことにこの変性は10歳の子供たちのすでに9%に起こっていると報告されています。治療を要する腰痛の発生頻度の調査では20歳代以上の年齢層ではほぼ同じくらい(40〜65%)で発生していることが報告されています。このような背景から近年、腰痛はもっとも有訴率が高い疾患になっています。大半の腰痛は数日間で治りますが、臀部痛や下肢痛を伴う腰痛は専門的な治療が必要になる場合も多いので注意しましょう。





