【サンディエゴ 2月20日】新しい試験の臨床結果、肩腱板完全断裂の治療には大掛かりな手技よりも単純な関節鏡視下デブリドマンの使用が支持されている。 カリフォルニア大学デービス校医療センターおよびSacramento Knee & Sports MedicineのStephen C. Weber, MDは、肩腱板の広範囲断裂または大断裂の患者80例に関する10年間の後ろ向き解析の結果を発表した。すべての患者が萎縮について2または3(Thomazeau)、脂肪浸潤について2-4(Goutallier)に分類された。一次修復で十分な強度の閉鎖が不可能であった場合、デブリドマンが実施され、これらの症例の88%では、UCLA肩評価システムに従ったスコアが良好から優良であった。 Weber博士の発表によれば、80例全例が良好な状態であり、悪化例または肩腱板関節形成術を受けた患者はなかったという。デブリドマンの初期成績は良好であった。長期成績はそれほど良好ではないが、長期に関して、大掛かりな手技がより優れていることは証明されなかった。さらに、82%では転帰が良好であり、転帰不良は予測可能であった。平均経過観察期間は4.5年(範囲3-9年)であった。 Weber博士は聴衆からの質問に答えて、次のように要点を述べた。「私が言えることは、ある程度は良い状態になるため、肩関節の鏡視下腱板修復術に飛びつく前にこれを試すべきである」。 Weber博士はデブリドマンを支持するときに時流に逆行する形になることについてMedscapeに語った。「デブリドマンは、かつては唯一の関節鏡視下での選択肢であったが、1990年台半ばに人気が低下した。これはMontgomery氏とSavoie氏の論文で、患者の悪化が報告されたことが主な原因である。また、関節鏡視下修復術の出現で、もはや患者は小さい関節鏡視下手技か大きな開放手術かを選択をする必要がなくなった」。 しかし、肩腱板の大断裂および広範囲断裂の修復術に関する最近の研究では、治癒および解剖学的修復が不十分であるにもかかわらず、長期間良好な疼痛緩和が得られることが報告された。解剖学的不全にもかかわらず、このように良好な臨床転帰が得られることから、デブリドマンで大がかりな修復術に伴う合併症がなく、同様の臨床成績が得られる可能性が示唆された。 「患者には後遺症として脆弱さが残った」とWeber博士はMedscapeに語った。「しかし、大部分の患者は高齢であるため、第一の目標が疼痛緩和であった。また、大部分では可動域が非常に良好であった。このため、この年齢群では患者は満足していた。これらの患者はスポーツを行う若年者ではなかった。患者にとって重大な合併症があるいくつかの手技に取り掛かる前に、最初に試すべき容易な手技があるというのが私の持論だ」。 コロンビア大学(ニューヨーク市)内科・外科学部整形外科所属で、スポーツ医学部長であるWilliam N. Levine, MDがこのセッションの議長を務めた。目標は常に腱の修復であり、肩腱板の完全性は常に強度と機能の両方の改善にとって好ましいことである、と同博士は取材に応じて強調した。 「Weber博士の指摘は、同博士が腱を解剖学的に修復できないと考えた少数の患者群に関することである。彼は単に何もしなかっただけだ」とLevine博士は述べた。「疼痛緩和はおそらくprosectomyによるものであった。疼痛線維は滑液包にあり、そこに炎症メディエータが存在するため患者は良好に感じるのだろう。問題は、これが長期的解決策ではないことだ。腱の完全性が回復していないため、患者の滑液包炎が再発し、再び疼痛が起こり、依然として機能は改善しない」。 カリフォルニア大学サンフランシスコ校の整形外科に所属し、スポーツ医学部長であるMark Safran, MDも議長を務めた。同博士もこの問題を重要視した。「最近の研究では、肩腱板修復術後の肩腱板の完全性は経過観察時の臨床転帰に影響しなかったことが示されているようである。そのため、肩腱板を接合しなくても患者の状態がかなり良好であるなら、単純にデブリドマンしたらどうか。これがWeber博士の趣意だ」。 しかし、Safran博士は、機能と強度のためには、肩腱板を固定した方が良いと考えている。また長期経過観察では、肩腱板が完全でなかった場合に患者の悪化が速いようであった。 Weber博士は、Depuy社およびArthrex社の顧問または従業員であることを開示した。 |