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2007/3/22 脊椎疾患には椎間板移植が有望 m3.comより転載

脊椎疾患には椎間板移植が有望


提供:Medscape

変性性脊椎疾患患者への新鮮凍結椎間板の移植によって脊椎の運動と安定性が保存され全患者の神経症状が改善することが、患者5例を対象にした予備実験で示された。
Susan Jeffrey
Medscape Medical News

【3月22日】変性性脊椎疾患患者への新鮮凍結椎間板の移植によって脊椎の運動と安定性が保存され神経症状が改善されることが、患者5例を対象にした予備的検討で示された。ただし脊椎の軽度変性の徴候の一部は観察期間を通じて持続した。神経症状も全患者において手術前よりも改善した。
「こうした移植を今後改良していけば、変性性椎間板疾患の有効な治療になるだろう」と、研究者で別刷論文の著者である香港大学整形外科・外傷科のKeith D.K. Luk, FRCSが結論で述べている。
この論文は、海軍総合病院(北京)のDike Ruan, MDを筆頭著者とし、『Lancet』3月24日号に掲載されている。
治療の新たな方向性か?
変性椎間板の前方切除後には椎骨固定を行なうのがもっとも一般的だが、この手法には隣接椎骨の椎間板の変性が早まるという合併症が起こる可能性があると、著者らは記している。人工椎間板による移植法がいくつか開発されているが、その結果には大きなばらつきがある。
著者らによれば、このグループは過去12年間にわたって霊長類モデルを用いて、自家移植片、凍結同種移植片、新鮮凍結同種移植片が有用である可能性を探ってきており、脊椎の安定性と運動性を保存して椎間板を生存させることについて一定の結果を示してきた。今回の研究では、頸椎椎間板ヘルニアの患者5例に対して椎間板切除後に新鮮凍結同種複合椎間板(composite disk)を移植した予備的データの概要が示された。
著者らの報告によると、全患者において手術から3カ月経過後における移植片と椎体終板の癒合は良好だった。
最短5年間の追跡によれば、全患者において神経症状が手術前よりも改善した。例えば、外傷が原因になった不完全対麻痺の患者1例は、手術前のフランケル尺度がBだったのが、追跡時にはDに改善した。患者4例には頸椎症性脊髄症の徴候と症状が認められていた。術後に上下肢の運動と感覚および膀胱の機能の状態の尺度である日本整形外科学会尺度の平均が11.0から14.75 に改善した(17点満点)。
手術後の追跡期間において、安静時や頸部運動時に臨床的に意義のある頸部痛が持続した患者はいなかった。しかしながら、1例の患者では、手術前に存在していた頸部の放散痛の再発が見られたが、脊髄症状の改善は保たれた。研究グループによると、この痛みはC6の後方片側椎間孔開放術によって消失したが、2年後には移植椎間板の後方で椎体間の癒合が自然発生した。
いずれの患者においても移植片に対する免疫反応はまったく見られなかった。移植椎間板の脱出はなかったが、軽度の変性性変化が一部に見られた。移植椎間板は1例を除き、最終追跡における矢状方向の運動性が7.0から11.3に保たれていた。
「この第1陣の患者5例で得られた経験を基に術式を改良して、第2陣の患者群に同種移植手術を行なった」と著者らは最後に述べている。著者らはさらに、細胞足場と成長因子処置を用いることで移植片を変性させない実験も行なっており、「こうした椎間板移植によって、変性性椎間板症の治療の新たな方向性が開かれるだろう」とも述べている。
魅力的な代替手法になるか?
関連する解説記事の中でENSAM-CNRS生物機構研究室(フランス、パリ)のWafa Skalli, PhDと Jean Dubousset, MDが、Ruan博士らの報告はヒトで初めての椎間板移植を代表するものだと評している。
「今回の予備的検討ではわずか5例の患者が報告されただけだが、免疫反応がまったくなく、患者全員において神経症状と機能尺度が改善しているので、有望な結果である」。
しかしSkalli、Dubousset両博士は、著者らが「今後の技術改良に対して学習曲線を高める必要があることを強調している」ことにも触れている。例えば、患者1例において自然発生的な癒合が見られ、その他の患者では椎間板の厚みが中程度に減少したのは、椎間板に変性が起きていることの現われであると考えられる。運動範囲の増加にもっとも適した移植片の位置と形状および、椎間板の栄養供給に対する短期・長期の拡散とその影響については、今後の研究によってより多くの知識が得られるだろうと両博士は述べている。
「それでも、この手法が実現可能なものであり、移植に適した形状の移植片のドナーがいるならば、椎間板移植術が椎骨固定および人工椎間板移植に代わる魅力的な代替手法になりうることが今回示された」とSkalli、Dubousset両博士は最後に述べている。
この手法は特に、隣接椎骨の変性の予防が重要になる若年患者にとって意義が大きいと両博士は述べている。「Ruan博士らの研究は、変性性椎間板症の治療に新たな方向性を開く可能性がある」。



Lancet. 2007;369:993-999, 968-967.
Medscape Medical News 2007. (C) 2007 Medscape

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2007/3/9 後頭神経刺激が群発頭痛の緩和に有効な可能性 m3.comより転載

後頭神経刺激が群発頭痛の緩和に有効な可能性


提供:Medscape

Susan Jeffrey
Medscape Medical News

【3月9日】2報の試験で、難治性群発頭痛患者の治療選択肢としての後頭神経刺激の使用が裏付けられている。
第1の研究では、英国立神経・神経外科病院神経学研究所(ロンドン)とカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者らが、中央値で20カ月の治療を受けた患者8例に関する長期経過観察結果を報告している。「後頭神経刺激は安全かつ有効な群発頭痛の治療選択肢となると思われ、原発性頭痛症候群における神経刺激療法の新しい時代が始まるかもしれない」とPeter J. Goadsby, MDを上級著者とする研究者らは結論する。
第2の論文では、ベルギーの研究者らが患者8例を対象としたプロスペクティブ(前向き)パイロット試験の結果を報告している。「後頭神経刺激は薬剤抵抗性の慢性群発頭痛の効率的な治療法であり、深部視床下部刺激よりも安全であるかもしれない」とリエージュ大学(ベルギー)のJean Schoenen MDを上級著者とする研究者らは結論している。
これらの試験は『Lancet』および『Lancet Neurology』オンライン版に3月8日付けで掲載された。
同じく3月8日付けの『Lancet』オンライン版に掲載されたこの論文に付随する解説で、INM Neuromed頭痛クリニック(イタリア、Pozzilli)のAnna Ambrosini, MD, PhDは、これらの試験で認められた後頭神経刺激の臨床効果は、視床下部深部脳刺激で認められる臨床効果よりも「若干弱く、発現が緩徐」なようであると指摘している。しかし、有害事象および安全性プロフィールは視床下部深部脳刺激療法よりも優れていると思われる。
「薬剤抵抗性の慢性群発頭痛における後頭神経刺激の臨床的有用性を確立するには、より多くの患者を対象とした試験を行う必要がある」とAmbrosini博士は結論している。「しかし、この2つの最近の試験から強力に示唆されるように、視床下部深部脳刺激を検討する前に薬剤抵抗性の慢性群発頭痛患者を対象とした後頭神経刺激の試験を提案することは妥当であると思われる」。
最も痛みが強い頭痛障害
群発頭痛は一般に最も痛みが強いタイプの原発性頭痛の一種であると認識されていると両研究グループはともに指摘している。慢性群発頭痛患者は「長年にわたり日常的な予防的薬物療法を必要とする、良くなることのない病気を抱えている」とGoadsby博士らは記述している。「薬剤抵抗性である場合、慢性群発頭痛はこれまで頭蓋内への侵襲的処置と神経切除でしか治療できなかった」。
視床下部後部の深部脳刺激を用いたこれらの頭痛の治療は効果的であったが、わずかながら致死的な脳出血の危険性を伴うと著者らは指摘している。難治性頭痛に対する後頭神経の末梢性刺激は、片頭痛、後頭神経痛等の他の適応症で用いられていると著者らは指摘する。
「多量の後頭神経注射に関するわれわれの経験、後頭神経刺激の効果に関する神経画像検査、深部脳刺激の合併症発現率と死亡率についての懸念に基づいて、われわれは難治性の慢性群発頭痛患者への後頭神経刺激インプラント植込みを始めた」とGoadsby博士らは記述している。
この論文でGoadsby博士らは、後頭下部に電極を植え込んだ患者8例における中央値で20カ月(範囲6-27カ月)の経過観察結果を報告している。1例目の患者を除く全例に両側性刺激が行われた。1例目の患者は当初、片側性刺激が行われ、後に両側性刺激が行われた。
頭痛発作の改善は、2例では著明改善(ぞれぞれ90%および95%の減少)、3例では中等度改善(40%、60%、20-80%)、1例では軽度改善(25%)と報告された。これらの6例はこの治療法が他の治療法よりも好ましいとした。残る2例は刺激時の頭痛の頻度について変化なしと評価した。このうち1例はこの治療法が他の治療法よりも好ましいとしたが、もう1例は他の治療法よりも好ましいとしなかった。
頭痛発作の重症度と頻度の両方の改善が認められたが、これらの改善は数週間または数カ月の間に発現した。しかし、例えば、電池消耗等でインプラントが故障すると、数日間で頭痛発作が再発したと著者らは注記した。有害事象にはリードの変位(1例)、交換を必要とする電池の消耗があった。
「疼痛が主として三叉神経の眼分枝で感じられる症候群は、関連する皮節の刺激によって改善できるという事実から、この治療法の基本原理は脳機能の変化の1つであることが示唆され、一方、治療効果発現までの時間は脳可塑性が意味するものの特徴をすべて備えている」と著者らは結論している。「この結果は患者に希望を与えるものであり、今回の症例や、さらなる症例の慎重な経過観察によって、原発性頭痛症候群の生物学を理解する十分な機会が得られる」。
長期間の刺激による変化
『Lancet Neurology』オンライン版に掲載された別の報告で、Schoenen博士らは薬剤抵抗性の慢性群発頭痛患者8例を対象としたこの治療法に関するパイロット試験の結果を示している。
患者には、頭痛が起こる側に後頭下神経刺激装置を植込んだ後、連続刺激の前後に日記に頭痛発作の頻度、強度、対症療法の詳細を記録するよう求めた。
1例では散発的な自律神経系の発作が持続したものの、2例ではそれぞれ16カ月および22カ月の経過観察後に頭痛が消失したとSchoenen博士らは報告している。別の3例では発作頻度が約90%減少した。
さらに別の2例では約40%の改善が認められ、このうち1例ではインプラントの植込み期間が3カ月間のみであった。残る1例は治療が無効であったため、4カ月後に刺激装置がシャットオフされた。この患者は刺激による麻痺が耐え難いとしたとSchoenen博士らは注記している。
平均経過観察期間は15カ月間(範囲3-22カ月間)であった。発作の強度は頻度よりも早く低下する傾向が認められ、残る発作は平均で50%改善した。1例を除く全例で予防薬の用量を大幅に減量することができた。
改善が認められたすべての患者では、刺激装置の電源切断または電池消耗による刺激の中断後、数日以内に再発および発作頻度の増加が起こった。
頭部および頭部外の痛覚情報処理の何らかの変化を評価するため、著者らは電気および圧刺激痛覚閾値ならびに侵害受容瞬目反射を測定した。後頭神経刺激によって痛覚閾値が有意に変化することはなかったが、侵害受容瞬目反射の振幅は刺激時間が長くなるにつれて増大したと著者らは注記している。
重篤な有害事象は認められず
「植込みから臨床的に有意な改善までに2カ月以上かかることから、この処置は上部脳幹または間脳中心レベルでの緩徐な神経調節プロセスを介して作用することが示唆される」とSchoenen博士らは結論している。
Goadsby博士らの試験は、すべての段階で外部資金の提供を一切受けていないと著者らは注記している。著者全員が頭痛の神経刺激療法に関する他の無関係の試験のため、Medtronic社およびAdvanced Bionics社からの金銭的支援を受けている。両社とも本試験には一切関与していない。



Lancet. Published online March 8, 2007.
Lancet Neurol. Published online March 8, 2007.
Medscape Medical News 2007. (C) 2007 Medscape

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2007/3/1 慢性連日性頭痛には、過去の頭頸部外傷が関係している m3.comより転載

慢性連日性頭痛には、過去の頭頸部外傷が関係している


提供:Medscape

頭頸部外傷が慢性連日性頭痛の発生に関する有意なリスク因子であり、このふたつの状態の間に有意な量反応関係があるという結果が大規模地域住民研究で示された。
Thomas S. May
Medscape Medical News

【5月9日】頭頸部外傷(HANI)が慢性連日性頭痛(CDH)の発生に関する有意なリスク因子であり、このふたつの間に有意な量反応関係があるという結果が大規模集団ベースの研究で示された。
この研究はオクラホマ大学医学部(オクラホマシティ)神経科教授のJames R. Couch, MD, PhDらが行なったもので、米国神経学会の第59回年次会議で発表された。
研究結果によれば頭部外傷は慢性連日性頭痛の有意なリスク因子であり、そのリスクは累積的であると、Couch博士は結論で述べた。同博士によると「つまり、頭部外傷の影響は実際には消え去らない。映画ならば頭を殴られた私立探偵が走って行って悪者を捕まえるということもある。しかし現実には、ひどい頭部外傷の後は持続性のリスクがあるのだ」。
頻発頭痛
「頭部外傷の患者のうち、頭部外傷の直後に頭痛が起きる者が50%から80%おり、そのうち20%から30%は2年経ったあとでも頭痛が残ることがこれまでの研究で示されている」とCouch博士は発表の中で述べた。「しかしその逆の、管理された集団を対象にして頭部外傷を慢性連日性頭痛のリスク因子として調べた研究はこれまでなかった」。
CDHのリスク因子としてHANIを評価することを目的にして、ボルティモア地区とアトランタ地区で53,000例を対象に電話聞き取り調査を行なったFrequent Headache Epidemiologyのデータを分析した。
頻発頭痛があると答えた被験者には、頭部または頸部に外傷を受けたことがあるかどうか、あるならば、その外傷の後に気絶や意識消失があったかどうかを尋ねた。「気絶や意識消失の質問は、重症と軽症を区別するために行なった」とCouch博士は説明している。
頭痛の回数が1年間に180回以上の被験者をCDH群に分類し、2回から102回までの被験者を反復性頭痛対照群に分類した。「今回の研究は、対照群を設けて頭頸部外傷を慢性連日性頭痛のリスク因子として調べた初めてのものである」と、Couch博士は語った。
外傷は、CDH発症(症例)の2年以内に起きたものを誘因となった可能性のある外傷とし、対照群ではランダムに生成した2年間で起きたものを該当外傷とした。
その結果、年齢、性別、頭痛の種類で調整すると、CDH症例は反復性頭痛対照群よりもHANIがある群のほうが多く見られた。誘因となった可能性のある外傷に伴うCDHのオッズ比も同様に高くなった。
反復性頭痛対照群と比較した、すべての頭頸部外傷(HANI)または誘因となった可能性のある外傷(PPI)に伴う慢性連日性頭痛(CDH)のリスク

寄与割合 (%)
オッズ比 (95% CI)
すべてのHANIに伴うCHD
15
1.7(1.1–2.4)
PPIに伴うCDH  
5
2.3(1.1–4.5)
また、HANIの累積効果についても評価してみると、生涯でのHANIの回数の増加に伴うCDHのリスクの増加に、有意な線形傾向 (P<.001)が見られた。HANIが3回以上の者は、HANIがない者に比べて、CDHリスクが大きくなっていた (オッズ比は3.6)。
「今回の標本集団における計算によると、HANIによるCDH症例の割合は、全HANIについては15%、CDH発症の2年以内のHANIについては5%であった」と著者らは結論で述べている。「HANIと累積HANIは、CDHリスクへの有意な寄与因子である」。
この研究は、GlaxoSmithKline社、Migraine Trust、米国頭痛学会の支援を受けている。



American Academy of Neurology 59th Annual Meeting: Session S05.002. Presented May 1, 2007.
Medscape Medical News 2007. (C) 2007 Medscape

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