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京都市下京区/富士鍼灸整骨院(ふじしんきゅうせいこついん)

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2008/12/26 エビデンスに基づく栄養サポートガイドラインはICUにおける栄養補給の改善を促進する可能性がある m3.comより転載

エビデンスに基づく栄養サポートガイドラインはICUにおける栄養補給の改善を促進する可能性がある

 

提供:Medscape

エビデンスに基づく栄養サポートガイドラインは、集中治療室の患者における、より早期の栄養補給および栄養学的妥当性の改善を促進したが、臨床アウトカムは改善されなかった。
Laurie Barclay


【12月16日】

 『JAMA』12月17日号で報告されたクラスターランダム化対照試験の結果によると、多面的な実施手順変更計画を用いて作成されたエビデンスに基づく栄養サポートガイドラインは、集中治療室(ICU)の患者において、より早期の栄養補給および栄養学的妥当性の改善を促進したが、臨床アウトカムは改善されなかった。
 「[ICU]患者にICU入院後24時間以内に栄養サポートを行うことによって死亡率が低下することを示すエビデンスがあるが、早期栄養サポートは必ずしも広く実施されているわけではない」と、シドニー大学(オーストラリア、ニューサウスウェールズ)のGordon S. Doig, PhDは、Nutrition Guidelines Investigators of the Australian and New Zealand Intensive Care Society Clinical Trials Groupを代表して述べている。「複雑な総合的な環境における実施手順を変更することは困難である。ガイドラインがICUの栄養補給実施手順と患者のアウトカムを改善することが可能かどうかを支持するエビデンスは相反している」。
 本研究の目的は、多面的な実施手順変更計画を用いたエビデンスに基づく栄養サポートガイドラインを実行することによって、ICU患者の栄養補給手順および生存率が改善するかどうかを評価することであった。
 2003年11月から2004年5月までの期間に、治験責任医師らは、オーストラリアとニュージーランドにある27の地域病院および専門病院のICUに2日以上入院すると予測された1118例の重症成人患者を試験に登録した。ICUをガイドライン群または対照群に無作為に割付けた。前者の群のICUではBrowman's Clinical Practice Guideline Development Cycleを用いてエビデンスに基づくガイドラインを作成し、教育的なアウトリーチ訪問によって強化した18の具体的な介入からなる実施手順変更計画を実行した。
 ガイドラインはシステマティックレビューで得られた利点のエビデンスによって支持された単純な勧告から構成された。これらの勧告を、付随するエビデンスの強さによってグループ分けすると次の通りであった:

グレードBプラス:
  • 経腸栄養は標準ケア(絶食)よりも好ましい;および
  • 非経口栄養を早期に開始する(<24時間)ことは、経腸栄養を遅れて開始する(>24時間)よりも好ましい。
グレードB:
  • 経腸栄養を早期に開始する(<24時間)ことは、経腸栄養を遅れて開始する(>24時間)よりも好ましい;
  • 非経口栄養は標準ケア(静脈内グルコース)よりも好ましい;
  • 経腸栄養を早期に開始する(<24時間)ことは非経口栄養よりも好ましい;
  • 経胃栄養に不耐性の場合には十二指腸栄養が好ましい;
  • 経胃栄養に不耐性の場合には消化管運動促進薬が好ましい;
  • 経腸栄養単独では72時間以内に目標の80%に到達できない場合には(十二指腸栄養、消化管運動促進薬、または両者を検討した後)、経腸栄養に非経口栄養を併用することが推奨される;
  • プロトコールに基づく下痢の管理;および
  • プロトコールに基づく、経腸栄養の不耐性に関する定義(胃残量が200mLを超えることを含む)
グレードBマイナス:
  • 標準非経口栄養の代わりに、非経口栄養とグルタミンの併用を検討することができる;
  • グルタミンは、臨床的判断と同じくそれぞれのランダム化対照試験のレビューに基づき、特定の患者において有用である可能性がある。
 試験の主要エンドポイントは病院退院時の死亡率であり、副次的アウトカムはICU入院日数と病院入院日数、器官機能の低下、および栄養補給過程の尺度であった。
 ガイドライン群のICUでは561例の患者を登録し、対照群のICUでは557例の患者を登録した;すべての被験者が治験を完了した。ガイドライン群のICUは対照群のICUと比較して、より早期に患者に栄養補給を行っており(経腸栄養開始までの平均日数、0.75 vs 1.37;差、-0.62;95%信頼区間[CI]、-0.82 - -0.36;P<0.001;および非経口栄養開始までの平均日数、1.04 vs 1.40;差、-0.35;95% CI、-0.61 - -0.01;P=0.04)、目標カロリーの達成率がより高かった(栄養補給実施患者10例・日あたりの平均達成日数、6.10 vs 5.02;差、1.07;95% CI、0.12 - 2.22;P=0.03)。
 ガイドライン群のICUと対照群のICUの間に、病院退院時の死亡率(28.9% vs 27.4%;差、1.4%;95% CI、-6.3% - 12.0%;P=0.75);病院入院日数(24.2日vs 24.3日;差、-0.08;95% CI、-3.8 - 4.4;P=0.97);またはICU入院日数(9.1日vs 9.9日;差、-0.86;95% CI、-2.6 - 1.3;P=0.42)に関して、差は認められなかった。
 「ICUは多面的な実施手順変更計画を用いて、より早期の栄養補給と栄養学的妥当性の改善を促進したエビデンスに基づく栄養サポートガイドラインの作成および導入に成功した」と研究著者らは述べている。「しかしガイドラインを使用しても臨床アウトカムは改善しなかった」。
 本研究の限界には、対象となった臨床試験の研究方法の質が劣っていること、実施手順の改善をいずれか1つの特定の手順変更介入の結果とみなすことはできないこと、患者が別の病院に転院する可能性があり2番目の病院からの退院状況はまだ分かっていない可能性があるため、試験病院の退院状況をアウトカムとして使用することに固有の弱点があること、ホーソーン効果によって対照病院の標準ケアの状況が時間が経つにつれ改善した可能性があること、患者の登録ペースが予測されたよりも遅かったこと、および予算の制約により目標例数を達成するために試験期間を延長することができなかったことが含まれる。
 付随する論説において、クイーンズ大学キングストン総合病院(カナダ、オンタリオ州キングストン)のNaomi E. Jones, RD, MScとDaren K. Heyland, MD, FRCPCは、最適な栄養補給が重症患者の臨床アウトカムにプラスの効果を及ぼすのは、同定された障壁に合わせて介入を調整した場合のみであると述べている。
 「国際的な観察研究において、推奨された栄養補給手順と実際の栄養補給手順の間にかなりの格差があることが明らかになり、栄養療法の規定を改善する好機であることが強調された」と、Jones博士とHeyland博士は述べている。「これらの格差が必ずしもすべてのICUに存在するわけではなく、一部の施設では日常の実施手順の中で勧告を遵守することが可能であるという知見は、エビデンスを栄養補給実施手順に変換することは達成可能で価値のある追求目標であるという有力なエビデンスを提供する」。

 本研究を支援したオーストラリア・ニュージーランド集中治療財団は、Novartis社とAbbott Laboratories社から大きな援助を受けており、Nutricia社、Fresenius-Kabi社、およびBaxter社からかなりの援助を受けた。2名の著者がFresenius-Kabi Deutschland GmbH社、Baxter Healthcare社、およびまたはPharmatel-Fesenius-Kabi Pty Ltd社との種々の金銭的関係を報告した。Jones博士とHeyland博士は関連のある金銭的関係はないと発表した。
JAMA. 2008;300:2731–2741, 2798–2799.

Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

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2008/12/1 NCCN結腸癌診療ガイドラインにKRAS遺伝子検査が取り入れられる m3.comより転載

NCCN結腸癌診療ガイドラインにKRAS遺伝子検査が取り入れられる

 

提供:Medscape

全米総合がん情報ネットワークは結腸直腸癌診療ガイドラインを改訂し、cetuximabpanitumumabの使用は野生型KRAS遺伝子をもつ腫瘍に限るよう明記
Zosia Chustecka


【11月24日】

 全米総合がん情報ネットワーク(NCCN)の結腸癌診療ガイドライン改訂版には、KRAS遺伝子変異検査に関する記載が追加されている。この新しいガイドラインには、野生型(正常)KRAS遺伝子をもつ腫瘍の患者にのみ、上皮成長因子受容体(EGRF)阻害薬のcetuximabおよびpanitumumabを投与するよう明記されている。
 本ガイドラインにおけるKRAS遺伝子検査の採用は、すでに多くの医療施設で標準診療法となっている同手法を正式に認めるものであり、非常に迅速に(1年あまりのうちに)研究成果がガイドラインに取り入れられた例といえる。最近のMedscape Oncology専門家ブログ(expert blog)においてジョージタウン大学ロンバルディ総合がんセンター(ワシントンDC)のJohn Marshall, MDが述べているように、結腸癌の治療にとって「KRASはすべてを変えるほど重要である」
 転移性結腸癌の腫瘍は2つの形(変異型と野生型)でKRAS遺伝子を発現することが発見され、この発見により結腸癌は2種類の疾患に効果的に分類されるようになった、とMarshall博士はコメントしている。転移性結腸癌患者の約40%では、腫瘍が変異型KRAS遺伝子をもち、cetuximabおよびpanitumumabが奏効する見込みはない。
 正常すなわち野生型のKRAS遺伝子をもつ患者には、これらの薬剤が奏効しやすい、とMarshall博士は述べている。化学療法にcetuximabまたはpanitumumabを追加することで効果が10-15%改善する患者もいるが、すべての患者で奏効するわけではない、とMarshall博士はコメントしている。「しかし、我々は、奏効しそうもない患者を治療から除外してきた」とMarshall博士は指摘している。
 Marshall博士はこの状況を乳癌での状況にたとえている。乳癌では、ヒト上皮成長因子受容体2型の発見により、モノクローナル抗体トラスツズマブが有効と考えられる患者とそうでない患者とを見分けられるようになった。
 
毒性への曝露と費用を正当化できない

 新しいNCCNガイドラインによれば、KRAS変異患者にEGFR阻害薬が無効であることは「かなり多くの文献」で支持されている。「したがって、NCCNの委員会は、すべての転移性結腸直腸癌患者に対し腫瘍組織(原発巣または転移巣)のKRAS遺伝子型判定を行うよう強く勧告している」
 NCCNによると、KRAS変異は結腸直腸癌の形成初期に起こり、原発巣と転移巣の変異状態は強く相関する。このため、KRAS遺伝子型判定には原発巣または転移巣の保存試料を使用でき、このどちらかの保存試料を利用できれば、新鮮生検試料を採取する必要はない。
 KRAS変異がある患者では、「効果が得られる可能性がほとんどなく、毒性への曝露と費用を正当化できない」ため、cetuximabまたはpanitumumabを投与すべきでない、とNCCNガイドラインは強調している。
 KRAS遺伝子検査の結果とは対照的に、結腸癌組織のEGFR検査は、cetuximabおよびpanitumumabが奏効する見込みを判断する上で予測的価値がないことが実証されている。したがって、NCCNによると、EGFR検査のルーチンな実施は推奨されず、EGFR検査結果に基づいて患者をcetuximabまたはpanitumumab療法から除外すべきでない。

National Comprehensive Cancer Network. Clinical Practice Guidelines in Oncology for Colon and Rectal Cancer. Published online November 2008.

Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

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2008/11/28 ACC/AHAがSTEMI患者の新たな治療評価指標を発表 m3.comより転載

ACC/AHAがSTEMI患者の新たな治療評価指標を発表

 

提供:Medscape

新たな診療評価指標は、ガイドラインとは異なり、きわめて強力なエビデンスが得られている治療の諸要素(退院時のスタチン処方、再灌流療法の適時の施行など)を、全患者に対し一律に施行すべきものとして扱っている。あなたが所定の方法で治療を施行していない場合、最善の治療を提供していないことになると、ある専門家は語る。
Michael O'Riordan


【11月187日、テキサス州ダラス】

 米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)は、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)に対する再灌流療法の評価における重要な課題を明らかにするため、新たな診療評価指標(clinical performance measures)を発表した[1]。
 議長を務めるFrederick Masoudi博士(コロラド大学、デンバー)を筆頭著者として、『Journal of the American College of Cardiology and Circulatio』オンライン版に11月10日に発表された診療評価指標は、裏づけとなるエビデンスがきわめて強力であるため全患者に施行すべき重要な治療プロセスを規定している。
 「診療評価指標とガイドライン勧告は同義ではない」とACC/AHAの声明には記されている。「ガイドラインは、特定の状態にある患者に一般的に使用すべき治療プロセスを明示するもので、臨床医が勧告をどの程度の強さで考慮すべきかは、ガイドラインごとに異なる。診療評価指標は、治療の諸要素のうち、その治療プロセスが提供されない場合、不十分な診療と判定されるものを明示している」
 執筆委員会の一員であるHarlan Krumholz博士(エール大学、コネチカット州ニューヘブン)はheartwireに対し、診療評価指標とは臨床医が診療を自己評価できるよう、ガイドラインを評価指標の形にまとめたものであると述べた。
 「診療評価指標を用いて自己評価を行うことにより、所定の方法で治療を施行していない場合、最善の治療を提供していないことを認識できる」と同博士は述べた。

 2006年の診療評価指標(Performance Measures)の改訂

 新たな診療評価指標は、STEMIに対する治療の質を、いくつかの重要な項目に関して評価するものである。
  • 退院前のスタチン処方‐脂質低下療法の施行のみを求めた前回の診療評価指標からの改訂点
  • PCI(経皮的冠動脈形成術)の適時の施行‐ガイドラインは、STEMIを呈する患者の初診時に線溶療法を30分以内、初回PCIを90分以内に施行するよう勧告している。
  • 心臓リハビリテーションプログラムへの紹介‐心臓リハビリテーションプログラムはSTEMI後の生存率を改善するが、現在、同プログラムに参加する患者の割合は3例に1例にすぎない。
  • MIによる入院後24時間以内のβ-遮断薬投与という項目を診療評価指標から削除
  • 病院および医師による内部使用を目的とするいくつかの診療評価指標(退院時のLDLコレステロール評価およびクロピドグレル処方など)
  • 入院中の左室収縮機能の評価

 新たな診療評価指標は、2006年に発表されたACC/AHA performance statement(診療評価指標に関する声明)の改訂版である。Krumhol博士は、新たなガイドラインと診療評価指標の相違点は、ガイドラインでは依然としてSTEMI後のβ-遮断薬使用を勧めているものの、診療評価指標からは削除された点であると述べた。しかし、同委員会は、新たな科学的エビデンスが得られたことで、β-遮断薬の投与を行うか控えるかの判断はより複雑になったことを認識している。β-遮断薬を診療評価指標として使用すれば、状況によっては過剰治療をもたらす可能性があると、Krumhol博士は述べた。
 また、同博士は、新たな診療評価指標では、脂質低下療法よりスタチンを優先して使用すべき点が強調されていると述べた。
 「我々はすべての脂質低下薬が同じでないと主張している。そのため、これは重要な変更点である」と同博士は述べた。「LDLコレステロール値を低下させる薬剤を処方することと、臨床効果が明らかになっている薬剤を投与することには違いがある」
 新たな診療評価指標には、PCI施行のため搬送された患者に関する評価指標も追加されている。このような患者群はこれまで、初診とPCI施行の医療機関が異なる場合、それぞれの施行時刻を確認することが難しいため、評価指標から除外されてきた。執筆委員会は、再灌流療法のため搬送されてきた患者がPCIを施行されるまでの時間は、搬送されない患者がPCIを施行されるまでの時間と別個に報告すべきであると指摘している。
 旧版と同様、新たな診療評価指標でも、病院到着時と退院時の両方におけるアスピリン療法のほか、心機能低下患者に対する退院時のACE阻害薬またはアンジオテンシン受容体阻害薬の処方は引き続き指標に含まれている。また、禁煙のためのカウンセリングも診療評価指標に含まれている。
 執筆委員会は、メディケア・メディケイド・サービスセンター(Centers for Medicare and Medicaid Services:CMS)および医療機関認定合同委員会(Joint Commission on Accreditation of Healthcare Organizations:JCAHO)によるECG解釈の簡素化に向けた取り組みも支援しており、「臨床医以外の要約者(abstractor)が急性期再灌流療法の候補と考えられる患者を特定する際に用いる適切な指針を提供すべきであると認識している」としている。また、同グループは、再灌流療法を提供する病院は、再灌流療法中の時刻記録にかかわる全機器(ECG記録装置、カテーテル検査室の電子文書化システムなど)を、一貫した外部標準と同期させるべきであることも指摘している。

 米国家庭医学会(American Academy of Family Physicians)、米国救急医学会(American College of Emergency Physicians)、American Association of Cardiovascular and Pulmonary Rehabilitation、Society of Hospital MedicineおよびSociety for Cardiovascular Angiography and Interventionsは、新たな診療評価指標を支持している。

 Masoudi博士は、Amgenから研究助成金、Amgen、United HealthおよびTakedaから講演料を提供された旨を報告している。Krumholz博士は、Alere、Amgen、United HealthおよびVHA, Incの顧問を務めている旨を報告している。
  1. Masoudi FA, Bonow RO, Brindis RG, et al. ACC/AHA 2008 statement on performance measurement and reperfusion therapy. J Am Coll Cardiol 2008; 52: DOI: 10.1016/j/jacc/2008.10.013. Circulation 2008; DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.108.191100. Abstract


Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

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2008/11/27 ASCOが化学療法と放射線療法の保護剤に関するガイドラインを改訂 m3.comより転載

ASCOが化学療法と放射線療法の保護剤に関するガイドラインを改訂

 

提供:Medscape

米国臨床腫瘍学会の改訂ガイドラインには、重度の粘膜炎に対するパリフェルミンが盛り込まれ、アミフォスチンおよびデクスラゾキサンの新たな推奨も含められた。
Nick Mulcahy
Medscape Medical News


【11月24日】

 米国臨床腫瘍学会(ASCO)が化学療法と放射線療法の保護剤の使用に関するガイドラインを、2002年の初版以降に初めて改訂した。この改訂では、米食品医薬品局が2002年以降に唯一承認した新規保護剤のパリフェルミンの使用に関する新ガイドラインが提供されると同時に、アミフォスチンおよびデクスラゾキサンの推奨の追加と削除が行われている。
 『Journal of Clinical Oncology』11月17日号に掲載されている今回改訂されたガイドラインは、保護剤が抗腫瘍効果と生存率に悪い影響を与える可能性に関する懸念についても取り上げている。
 遺伝子組換えケラチノサイト増殖因子であるパリフェルミンは、造血系悪性腫瘍での造血幹細胞移植に伴う重度の口腔粘膜炎の予防剤として承認された。この薬剤は「この分野におけるひとつの進歩」であると、ガイドラインの共同筆頭著者であるスローン・ケタリング記念癌センター(ニューヨーク市)のMartee L Hensley, MDとペンシルヴェニア大学(フィラデルフィア)のLynn M. Schuchter, MDは記している。
 アミフォスチンを食道炎の予防に使用することに関するエビデンスの量が増えつつあることを受けて、ASCOの専門家委員会は、肺の非小細胞癌に対する化学療法の場合での話題を新セクションとして付け加えることにした。アミフォスチンに関する改訂には、化学療法と放射線療法の毒性に、この薬剤の使用に関するガイドラインも盛り込まれた。
 デクスラゾキサンに関しては、委員会は前版から1カ所だけ改訂し、高用量アントラサイクリン療法を受けている患者での使用を、データ不十分として削除した。ただし委員会は、補助療法または転移性癌の状況でのドキソルビシンを中心とした初回化学療法でこの薬剤を定型的に使用しないという前回および今回の推奨を強調している。
 ガイドラインの根拠とした文献再検討では、ランダム化対照試験の候補が744本見つかった。最終的に採用基準に合致して、データ抽出が行われた試験は39本のみであった。それらの報告の大部分(33本)がアミフォスチンに関するものだった。
 
口腔粘膜炎予防のためのパリフェルミン使用

 今回のガイドラインによれば、パリフェルミンは「造血系悪性腫瘍での全身放射線照射を伴う造血幹細胞移植における重度の粘膜炎を減少させるのに推奨される。」ガイドラインでは、医師は全身放射線照射を伴う骨髄破壊同種幹細胞移植を行う患者で使用を「考えるべき」としている。しかし、非幹細胞移植においてこの薬剤を予防的に使用するのは、エビデンスが不十分として推奨未満に留めている。
 粘膜炎は、今回のガイドラインで新たに取り上げられた話題である。口腔粘膜炎は口腔と鼻咽頭の疼痛および嚥下困難を特徴とし、患者にとっては幹細胞移植の最悪の合併症と見なされる。
 口腔粘膜炎は高用量の化学療法と放射線療法では頻度の高い合併症であるとガイドラインは記している。重症度が最小である場合は、粘膜紅斑と潰瘍が見られるが、それ以外の症状はないか、あってもわずかである。しかし口腔粘膜炎が重症になると、かなりの粘膜出血や組織の炎症および浮腫を起こすようになり、気道を確保するために気管内挿管が必要になることがある。疼痛を寛解するには、一般的に麻薬の静注が必要である。
 
アミフォスチンに関する一連の考察

 アミフォスチンは、委員会で検討された臨床試験のほとんどで予防剤として用いられており、当然ながら今回の新ガイドラインでもっとも多くの改訂がなされた。
 ガイドラインによればアミフォスチンは、シスプラチン関連腎毒性の予防、グレード3から4の好中球減少症の低減、頭頸部癌での分割放射線単独療法による急性・遅発性の口内乾燥の低減で用いることができる。しかし、好中球減少症の低減については、骨髄増殖因子を用いるか、化学療法の用量を減らすかなどの、「妥当な」代替案を検討することも可能だと、著者らは記している。
 なお、委員会は「血小板減少症の予防、プラチナ製剤に伴う腎毒性または耳毒性およびパクリタキセルに伴う腎障害の予防、頭頸部癌の放射線療法に伴う粘膜炎の予防、非小細胞肺癌の化学量療法同時実施時の食道炎の予防」には、エビデンス不十分もしくは否定的な結果を理由に、アミフォスチンを推奨していない。
 
デクスラゾキサンの推奨はほとんど変更なし

 デクスラゾキサンは前回の推奨に引き続き、ドキソルビシン導入を基本とした化学療法による術後補助療法または転移性のいずれの場合でも定型的に用いないことが推奨されているが、「転移性乳癌などの悪性腫瘍の患者で、300 mg/m2以上のドキソルビシンを受けており、ドキソルビシン療法を続けることで便益が期待できる者には使用する」ことを医師は考えてもよいと委員会は示唆している。デクスラゾキサンには心毒性のリスクがあるので、この薬剤を使用する患者では心臓の監視を継続して行う必要がある。
 委員会はデクスラゾキサンに関する改訂はほとんど変更がないが、唯一、前ガイドラインで挙げられていた高用量アントラサイクリンを受けている患者で使用できる可能性が削除された。これはこの話題に関する新規のデータがないからであり、臨床的妥当性が限定されると委員会は述べている。
 
予防剤で生存率は増加も減少もしない

 ASCO委員会は、今回の改訂ガイドラインの中で、「化学療法と放射線療法の予防剤が腫瘍反応と生存に影響する可能性」の「懸念」が存在すると述べている。
 しかし文献調査ではそのようなエビデンスは見つからなかった。「全死亡率、無疾患生存率、無増悪生存率、局所制御率の報告がある調査対象の臨床試験のいずれにおいても、これら予防剤を使用した群と使用しなかった群との間に有意差はなかった」と委員会は記している。
 それでも、「アントラサイクリン療法を開始した転移性乳癌患者群は、アントラサイクリン+デクスラゾキサン治療に割り付けられた患者群よりも客観的反応率が高い」傾向が見られたと委員会は記している。「反応率が高くなるというこの傾向は、ドキソルビシンの累積用量が300 mg/m2に達するまでデクスラゾキサン治療を開始しなかった臨床試験の患者では見られなかった」とも委員会は記している。
 委員会によれば、無疾患生存率または全生存率は予防剤で増えも減りもしないことを患者は理解しておく必要がある。

 委員会メンバーと著者らの開示情報によれば、考察された話題に関して次のような金銭的利害関係がある:コンサルタントまたは諮問委員である者は、Tarun Kewalramani(Amgen社)、Neal J. Meropol(Amgen社)、J. Tate Thigpen(Bristol-Myers Squibb社)、Andy Trotti III(GlaxoSmithKline社、Viventia社)。株保有者は、J. Tate Thigpen(Medimmunie社)、Andy Trotti III(Amgen社)。

J Clin Oncol. Published online November 17, 2008.

Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

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2008/11/10 GERD管理のガイドラインが発表された m3.comより転載

GERD管理のガイドラインが発表された

 

提供:Medscape

米国消化器病学会が、胃食道逆流症の管理に関する医学合意声明と技術的まとめを発表した
Laurie Barclay


【10月28日】

 米国消化器病学会が、胃食道逆流症(GERD)の管理に関する医学合意声明と技術的まとめを発表した。どちらの文書も、『Gastroenterology』10月号に掲載されている。
 「今回の医学合意声明の作成では、技術的総説の著者陣、米国消化器病学会(AGA)審議会の代表者、AGA臨床実践・品質管理委員会の間でのやり取りの中から、GERD患者の診断と管理の進め方に関する12の幅広い疑問が形作られた」とStephen W. Hiltz, MD, MBA, AGAFらガイドラインの著者が記している。「これらの疑問は、現在の臨床現場でGERD患者に見られる管理上の主な問題を包含するように設定された。バレット食道の管理の問題は、今後の医学的合意声明で扱うことになっているので、意図的に外されている。」
 それぞれの疑問に関する現行のエビデンスを文献の体系的検索によって得、再検討して、関連データの質を評価した。技術のまとめの文書は、それぞれの疑問について、疑問設定・文献検索の方法の詳細とその文献検索の結果をまとめている。
 文献で得たエビデンスに基づいた結論、または、質の高いエビデンスが欠如している場合には専門家の意見に基づいた結論を、米国予防医療専門委員会の尺度を用いて分類した。公式の実践推奨のいずれも、達成度尺度を医療の質の評価法とすると著者らが主張できるほど十分に確実だとは見なされていない。
 GERDとは、モントリオール定義によると、胃内容物の逆流で不快な症状や合併症が起きる時の状態と定義されている。GERD患者の治療は、食道にGERD症状がある患者を除き、質の高いランダム化比較対照試験ではなく対照を設けていない臨床試験、臨床経験、専門家の意見を根拠にしているものがほとんどであると、総説の著者らは結論づけている。
 重要な健康転帰を改善するという優れたエビデンスを根拠に実践が強く勧められるグレードAの推奨は以下の通りである。
  • 食道にGERD症状がある患者に対しては、食道炎の治癒、症状の解消、食道治癒の維持のために抗分泌薬治療が勧められる。この状況では、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のほうがヒスタミン受容体2型拮抗薬(H2RA)よりも有効だが、H2RAもプラセボよりは有効である。
  • 食道炎の患者の治療としてPPIが臨床的に有効であることがはっきりしたならば、この治療を長期間続けて、症状の抑制の有無に基づいて用量を最小量にまで漸減させる。
  • 食道にGERD症状のある患者で逆流防止手術とPPI治療の効果に差がないと考えられる場合には、PPI療法のほうが安全だと見なされており、したがって初回治療にはPPI療法が望ましい。
  • 逆流防止手術は、食道にGERD症状がある患者で、例え薬物治療が効果的であっても酸抑制療法に忍容性がない場合に推奨される。
  • 逆流性の胸痛が疑われる患者には、心臓性の胸痛の原因を十分に評価した後に、PPIを1日2回投与する経験的治療の試行が勧められる。
 重要な健康転帰を改善するという適切なエビデンスを根拠に実践が勧められるグレードBの推奨は以下の通りである。
  • 過体重または肥満で、食道にGERD症状がある患者には、減量指導をする。
  • 横になった時に不快な胸やけや逆流がある一部の患者では、頭を高くして就寝するのが有効である場合がある。患者の症状とそのきっかけに応じて、夜遅くの食事を避ける、特定の食品や活動を避けるなど、その他の生活習慣の改善が有効である場合もある。
  • 食道症状があり、その症状が1日1回のPPI療法では十分に反応しない患者には、1日2回のPPI治療を行う。
  • 食道炎はないが食道症状がある患者で、症状の抑制が治療目標になる場合には、抗分泌薬を短期間または頓服で使用することが勧められる。短期間の治療ではPPIのほうがH2RAよりも有効であり、H2RAはプラセボよりも有効である。
  • 食道にGERD症状があり嚥下困難が問題となる患者には、内視鏡による生検検査の実施が勧められる。好酸球性食道炎を評価するには、5カ所以上から生検サンプルを採取する必要がある。生検は化生、異形性が疑われる部位があるならその部位に、肉眼でこれといった異常が見られない場合には正常粘膜に対して行うべきである。
  • 食道にGERD症状があることが疑われるが、経験的な1日2回のPPI治療では反応しない患者に対しては、化生、異形性、悪性腫瘍が疑われる部位があるならばその部位への内視鏡検査と生検が勧められる。
  • こうした患者の内視鏡検査の結果に異常がない場合には、下食道括約筋の位置での圧測定と場合によってはそれに続けてpH監視、手術に先立って蠕動運動機能の評価、主要な運動疾患の曖昧な臨床像の診断を行う。アカラシアと遠位食道痙攣を伴う非定型症例の診断には、従来の圧測定法よりも高解像度圧測定法のほうが感度が高いようである。
  • 食道にGERD症状が疑われ経験的なPPI治療では反応しない患者で、内視鏡検査では異常がなく、圧測定検査の結果にもこれといった異常が見られない者には、PPI投薬を7日間中止して、歩行時インピーダンス法、カテーテル法、ワイヤレス法によるpH監視を行うことが勧められる。食道の異常な胃酸曝露を検出するには、ワイヤレス法によるpH監視は48時間という長期間にわたって記録できるのでカテーテル法よりも感度が高い。また一部のカテーテル法よりも記録精度が高いとされている。
  • 食道にGERD症状があり、PPI治療を行っても特に逆流による不快な症状が継続する患者には、逆流防止手術を考慮する。ただし、逆流防止手術で得られると想定されるベネフィットは、手術が原因の新たな症状によってもたらされる可能性のある有害性、例えば嚥下困難、鼓腹、げっぷが出せなくなる、術後の腸症状などに釣り合っている必要がある。
  • 食道にGERD症状があり、食道外にも喉頭炎や喘息といったGERD症状が疑われる患者には、1日1回ないし2回のPPIまたはH2RAによる急性治療または持続治療を考慮する。
 有効性がないか、有害性がベネフィットを上回るという適切なエビデンスを根拠にして、実践が勧められないグレードDの推奨は以下の通りである。
  • メトクロプラミドは、食道にGERD症状がある患者や食道外のGERD症状が疑われる患者に対して、単剤療法または補助療法として用いるべきではない。
  • 喉頭炎や喘息など食道外のGERD症状が疑われ、食道のGERD症状は同時には持たない患者には、1日1回ないし2回のPPIまたはH2RAによる急性治療を行うべきではない。
  • びらん性または非びらん性の逆流症の患者では、疾患の進行を評価するために定期的に内視鏡検査を行うことは勧められない。
  • 食道症状があり、びらん性食道炎の履歴を持つ患者では、維持療法としてPPIの1日量より少ない量で治療することは勧められない。
  • 食道症状があり、その症状が内科的治療でよく制御できている患者は、組織損傷があってもなくても、逆流防止手術を実施すべきではない。
  • バレット化生がある患者では、新生物予防目的での逆流防止手術は勧められない。
 今回の技術的総説は公衆衛生局の支援を受けている。技術的総説の著者らの開示情報によれば、著者らにはAstraZeneca社、TAP Pharmaceutical Products社、Proctor & Gamble社、CCS Medical社、Barrx Medical社、Santarus社、Restech社との間にさまざまな金銭的関係がある。

Gastroenterology. 2008;135:1383-1391, 1392-1413.

Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

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2008/11/10 筋骨格系疾患に対するコルチコステロイド注射の使用に関するレビュー m3.comより転載

筋骨格系疾患に対するコルチコステロイド注射の使用に関するレビュー

 

提供:Medscape

あるレビューにより、プライマリーケア施設における種々の筋骨格系疾患に対するコルチコステロイド注射の技術と使用に関する情報が提供されている。
Laurie Barclay


【10月21日】

 『American Family Physician』10月15日号に発表されたレビューにより、プライマリーケア施設において実施される種々の一般的筋骨格系疾患に対するコルチコステロイド注射の技術と使用に関する情報が提供されている。
 「注射は家庭医がよく遭遇する筋骨格系疾患を管理するための有用な手段である」と米軍保健科学大学(Uniformed Services University of the Health Sciences)(メリーランド州、ベテスダ)の Mark B. Stephens, CDR, MC, USN(米海軍)、Anthony I. Beutler, Maj, USAF(米空軍), MC、Francis G. O'Connor, Col, MC, USA(米陸軍)は記している。「注射は50年以上にわたり筋骨格系疾患の管理にとって重要な補助治療となってきた。あらゆる治療と同様に、その成功は、正しい診断(誰に注射すべきか)を知り、正しい方法(いかに注射すべきか)を実施し、最も適切な薬剤を用いるかどうか(何を注射すべきか)にかかっている」
 コルチコステロイドは、疼痛緩和、炎症抑制、可動性改善を目的として、関節、関節周囲、または軟部組織に注射することができる。さらに迅速な疼痛緩和のため、コルチコステロイド注射に局所麻酔薬を併用してもよい。術後疼痛管理にはコルチコステロイド注射がたびたび用いられている。さらに、ステロイド注射は有用な診断情報を提供することがある。
 ドケルヴァン腱鞘炎(手および手首によく見られる過使用による腱損傷)および大転子部滑液包炎に対しては、コルチコステロイド注射は好ましい最も確実な治療法である。コルチコステロイド注射によるドケルヴァン腱鞘炎の治癒率は、非ステロイド系抗炎症薬、副子装着、併用療法と比較すると最も高い。ほとんどの患者では、1回の注射で症状が消失する。
 大転子部へのコルチコステロイド注射は診断にも治療にも有用な簡単かつ安全な手法である。コルチコステロイドと麻酔薬を併用して注射すると通常、疼痛および障害が迅速かつ長期にわたり改善する。特に高齢者では、コルチコステロイド注射は安全で簡単かつ有効であるため大転子部滑液包炎の第一選択薬と考えるべきである。
 理学療法の際には、コルチコステロイド注射は回旋筋腱板症候群および上腕骨外上顆炎による疼痛のコントロールに有用となりうる。関節リウマチおよび変形性関節症に伴う疼痛には関節内ステロイド注射が奏効する場合がある。
 コルチコステロイドの具体的選択および注射の頻度は、その注射が診断目的か治療目的かという点、基礎にある筋骨格疾患の診断、種々の治療薬に関する医師の経験によって判断すべきである。
 「治療的注射のためのコルチコステロイド選択の指針となるような体系的エビデンスはほとんど得られていない」と同レビューの著者らは記している。「ほとんどの勧告は臨床経験と個人的好みの組み合わせを根拠としている。しかし、各ステロイドの作用機序に関する知識があれば、種々の状況におけるステロイドの選択の指針を得ることができる」
 ヒドロコルチゾンエステルはその親化合物と比べると、疼痛と炎症への軽減効果が高い。分枝型(branched)ヒドロコルチゾンエステルは非分枝型(unbranched)ヒドロコルチゾンエステルより溶解度が低いため、注射部位に長く残留することができ、作用時間がより長くなる。しかし、分枝型ヒドロコルチゾンエステルは皮膚に有害作用を引き起こす可能性も高い。使用頻度の高いコルチコステロイド注射剤で溶解度が最も低いのはトリアムシノロンヘキサアセトニドであり、その次はトリアムシノロンアセトニドである。
 米国内で最もよく使用されている関節内コルチコステロイド注射は酢酸メチルプレドニゾロンあり、その次はトリアムシノロンヘキサアセトニドおよびトリアムシノロンアセトニドである。多くの医師は経験的に、関節内注射には、溶解度が低く、作用時間が長いという理由からトリアムシノロンヘキサアセトニドを用いており、軟部組織注射には、溶解度が高く、作用時間が短く、皮膚有害作用が少ないという理由からベタメタゾンを用いている。
 コルチコステロイド注射では合併症はめったに発生しないものの、臨床医は起こりうるリスクに精通し、患者に適切な助言をする必要がある。糖尿病患者に対して関節周囲または軟部組織へのコルチコステロイド注射を行う場合には、注射後2週間にわたり注意深く血糖値をモニターする必要がある。
 実施に関する重要な臨床的勧告と各勧告のエビデンス評価は以下の通りである。
  • ドケルヴァン腱鞘炎に対しては、副子装着をせずにコルチコステロイド注射を行うことが好ましい初期治療である(エビデンスのレベルB)。
  • 大転子部の疼痛に対しては、コルチコステロイド注射は安全で有効性が高く、1回の注射で十分な疼痛緩和が得られることが多い(エビデンスのレベルC)。
  • 肩峰下コルチコステロイド注射による短期疼痛緩和はプラセボを上回り、非ステロイド性抗炎症薬治療によるものと同等以上である(エビデンスのレベルB)。
  • 短期(6週間未満)では、コルチコステロイド注射は上腕骨外上顆炎による症状の緩和に有用である。しかし、6週間以上になると、ステロイド注射より理学療法の方が症状緩和に優れている(エビデンスのレベルA)。
  • 関節内コルチコステロイド注射は変形性膝関節症における疼痛緩和と腫脹軽減に有用である(エビデンスのレベルA)。
  • コルチコステロイド注射に局所麻酔薬を併用すると優れた疼痛緩和効果が得られる。この方法は局所痛と関連痛との識別にも用いることができる(エビデンスのレベルC)。

「ステロイドの臨床効果はいくつかの異なる作用機序によるものである」と同レビューの著者らは結論している。「関節内コルチコステロイド注射は関節滑膜血流を抑制し、局部の白血球および炎症調節因子の反応を低下させ、局部のコラーゲン合成を変化させる。これらの作用は総合して疼痛と炎症を軽減させる」

 同レビューの著者らは関連する金銭的関係がないことを開示している。このレビューに記載された同著者らの見解は公式なものではなく、米国海軍医療部(US Navy Medical Department)、米国海軍全体、米国空軍医療部(US Air Force Medical Department)、米国空軍全体、米国陸軍医療部(US Army Medical Department)、米国陸軍全体、米国国防省(Department of Defense)のいずれの見解を反映しているものでもないと考えておく必要がある。

Am Fam Physician. 2008;78:971-976.

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2008/10/28 2型糖尿病患者における高血糖の管理に関するガイドラインが発表される m3.comより転載

2型糖尿病患者における高血糖の管理に関するガイドラインが発表される

 

提供:Medscape

米国糖尿病協会と欧州糖尿病学会は利用可能な新しいクラスの薬剤に注目したコンセンサス文書の改訂を行った
Laurie Barclay


【10月22日】

 米国糖尿病協会(American Diabetes Association;ADA)と欧州糖尿病学会(European Association for the Study of Diabetes;EASD)は、2型糖尿病患者における高血糖の管理に関するコンセンサス文書の改訂を発表した。患者が利用可能な新しいクラスの薬剤に注目した改訂勧告は、10月22日の『Diabetes Care』Online First issueおよび『Diabetologia』10月22日号に同時に公表されている。また同記事は『Diabetes Care』11月号にも掲載される予定である。
 「2型糖尿病の蔓延と、特定の血糖目標値の達成によって合併症を大幅に減少させることができるという認識から、高血糖症の効果的な治療が最優先されるようになっている」とマサチューセッツ総合病院糖尿病センター(ボストン)のDavid M. Nathan, MDらは記述している。「従来、2型糖尿病に関連した特徴的な代謝異常である高血糖症の管理は、糖尿病の治療において中心的な役割を果たしていたが、脂質異常症、高血圧症、血液凝固亢進、肥満、インスリン抵抗性といった他の併存する特性も研究および治療の主眼点であった。1型糖尿病では、血糖値を可能な限り非糖尿病範囲に近い値に維持することは、糖尿病に特有の細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害等)に対し、強力な有益作用があることが実証されている。2型糖尿病では、より集中的な治療戦略によって同様に細小血管合併症が減少することが実証されている」
 新しいガイドラインでは、2006年8月に公表された2型糖尿病の医学的管理についてのコンセンサスアルゴリズムが改訂されている。当時、著者らは、アルゴリズムをあまりにも頻繁に、もしくは正当な理由なく変更するリスクを認識しながらも、新しい介入法とその使用の妥当性を裏付ける新しいエビデンスが得られた後に、アルゴリズムを改訂する必要があることを認識していた。
 アルゴリズム開発に用いられた原則とその主な特徴は、最新版でも引き継がれている。コンセンサスアルゴリズムの2008年1月の改訂では、チアゾリジンジオン系薬剤を取り巻く安全性の問題について具体的に言及されたが、今回の改訂では新しいクラスの薬剤に注目されている。これらの薬剤は、現在、より多くの臨床データと広範に及ぶ使用経験が得られている。
 「個々の薬剤は、血糖降下作用およびその他の特性に基づいて選択すべきである」と本文書の著者らは記述している。「しかし、第2の血糖降下薬を追加する場合、特定の併用の相乗効果やその他の相互作用を考慮すべきである。一般的には、作用機序が異なる血糖降下薬血糖薬の併用は最大の相乗効果を発揮する。インスリンとメトホルミンの併用は、体重増加を抑制すると同時に血糖を降下する特に効果的な方法である」
 コンセンサス文書で提案されている具体的な管理の原則は以下の通り:
  • 2型糖尿病において重要な治療目標は、ほぼ正常な血糖値(ヘモグロビンA1c値<7.0%)の達成と維持である。
  • 2型糖尿病の初期治療には、ライフスタイルへの介入とメトホルミンの使用を含めるべきである。
  • 上記の一次療法により目標血糖値が達成または維持されない場合、他の薬剤を速やかに追加し、新しい薬物療法を開始すべきである。
  • 上記の薬物療法により目標値を達成できない患者では、インスリン療法の早期の導入を検討すべきである。

 大部分の2型糖尿病患者では、血糖目標値を達成する上で、最も定評があり、最も効果的で、最も費用対効果の高い方法であるため、十分に妥当性が確認されたコア療法からなる第1段階のアルゴリズムが推奨される。
 ステップ1は、その血糖に対する効果、体重増加または低血糖作用の欠如、良好な忍容性プロファイル、比較的安価であることから、ライフスタイルへの介入とメトホルミンの使用である。ライフスタイルの改変は、血糖値、血圧、脂質値の改善と、体重減少の促進、あるいは最低でも体重増加の防止を目的とすべきである。メトホルミン用量は、忍容性に応じて、1潤オ2ヵ月で最大有効量に増量すべきである。
 ステップ2は、ステップ1の開始から2潤オ3ヵ月以内、もしくは目標ヘモグロビンA1c値が達成されない場合に随時、もしくはメトホルミンが禁忌であるか、忍容性が不良な場合に、さらにもう1種類の薬剤(インスリンまたはスルホニル尿素系剤)を追加することである。ヘモグロビンA1c値が8.5%以上または高血糖に二次的な症状がある患者の場合、インスリン(通常は基礎(中間または長時間作用型)インスリン)が好ましい。
 ステップ3は、注射回数を増やしたインスリン療法の開始または強化によるさらなる調整からなる。この場合には、食後高血糖を抑制するために特定の食事の前に投与する速効型あるいは超速効型インスリンが用いられることがある。インスリン注射を開始したら、インスリン分泌促進剤(スルホニル尿素系またはグリニド系剤)は中止、または減量後に中止すべきである。
 第2段階のアルゴリズムは、妥当性が十分評価されていない治療法からなり、低血糖が特に危険をもたらすような危険な職業に従事する患者等の特定の臨床状況下で検討することが可能である。これらの患者では、exenatideまたはピオグリタゾンの追加を検討できる。ただし、ロシグリタゾンは推奨されない。
 体重を減量する必要がある患者およびヘモグロビンA1c値がほぼ目標値(<8.0%)である患者の場合、exenatideを検討できる。これらの介入によって目標ヘモグロビンA1c値を達成できないか、もしくは忍容性が不良な場合、スルホニル尿素系剤の追加が有用であることがある。あるいは、第2段階の介入を中止し、基礎インスリンを開始すべきである。
 第2段階の推奨薬にはアミリンアゴニスト、α-グルコシダーゼ阻害剤、グリニド系剤、ジペプチジルぺプチダーゼ4阻害剤は含まれないが、特定の患者には適切である場合がある。これらの薬剤は、第1段階および第2段階の薬剤と比較した場合、血糖降下作用は同等以下であり、比較的高価で、その使用に関する臨床データは限られている。
 「2型糖尿病は蔓延している」と本文書の著者らは結論している。「その長期的影響は莫大な人的被害と経済費用に反映される。しかし、長期細小血管合併症および神経合併症に関連がある合併症のほとんどは、ほぼ非糖尿病範囲の血糖値を達成する介入によって大幅に減少させることができる。新しいクラスの薬剤および多数の併用療法の血糖降下作用が実証されているが、今日の管理では糖尿病患者にとって最適な健康状態をもたらす可能性が高い血糖値を達成・維持することができていない」

 ADAおよびEASDが本コンセンサス文書の開発を支援した。著者の一部は、sanofi-aventis、GlaxoSmithKline、 University of North Carolina、Amylin、Becton Dickinson、Bristol-Myers Squibb、Hoffman-LaRoche、Eli Lilly、Novo Nordisk、Novartis、Pfizer、AstraZeneca、Merck Sharpe & Dohme、Roche、Servier、Boehringer Ingelheim、Takeda、Merck Sante、Pronova、Di-Obex、Insulet、Mann-Kindとの様々な金銭的関係を公表している。

Diabetes Care. 2008;31:1-11. Published online October 22, 2008. Diabetologia. Published online October 22, 2008.

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2008/10/23 多発性骨髄腫の管理手法がまとめられる m3.comより転載

多発性骨髄腫の管理手法がまとめられる

 

提供:Medscape

多発性骨髄腫の診断と治療に関する推奨が総説で挙げられた。典型的には化学療法で治療し、可能ならばその後に自家幹細胞移植を行う。
Laurie Barclay
Medscape Medical News


【10月12日】

 多発性骨髄腫の診断と治療に関する推奨をまとめた総説が『American Family Physician』10月1日号に発表された。典型的には化学療法で治療し、可能ならばその後に自家幹細胞移植(ASCT)を行う。
 「多発性骨髄腫は原発性骨悪性腫瘍の中でもっとも多い」とウェスト・バージニア大学家庭医学科東キャンパス(ウェスト・バージニア州ハーパーズフェリー)のKonrad C. Nau, MDとWilliam D. Lewis, MDが記している。「米国では、多発性骨髄腫の診断名を持つ者が現在5万人以上おり、毎年1万6000人が診断されている。患者集団の年齢が上がるにつれ、骨髄腫を診断し、その多様な合併症を認識することが家庭医にとって重要になる。」
 多発性骨髄腫の診断年齢の中央値は70歳であり、年齢が上がるにつれ有病率が増大していく。多発性骨髄腫の最新の治療法での5年生存率は約33%であり、生存期間中央値は33カ月である。
 多発性骨髄腫で通常現われる症状は骨痛、倦怠感、貧血、腎機能不全、高カルシウム血症だが、最初に包括的臨床検査でもってたまたまこの疾患が発見されることも少なくない。
 多発性骨髄腫を診断するには、血清蛋白質と尿蛋白質の電気泳動や免疫固定と骨髄穿刺分析が有用である。病期分類は骨レントゲンで行う。骨レントゲンによって、溶解性病変、椎骨圧迫骨折、骨粗鬆症が明らかになる。
 その他の有用な画像撮影法としては、磁気共鳴画像(MRI)および陽電子放射断層撮影(PET)またはコンピュータ断層撮影(PET-CT)がある。特に、急性の脊髄圧迫の評価にはMRIが好ましい。反面、多発性骨髄腫の診断と病期分類においては、骨シンチグラフィと二重X線エネルギー吸収(DEXA)法による骨塩定量は意義がない。
 多発性骨髄腫は、一連のモノクローナルガンマグロブリン症グループに含まれる疾患のひとつである。このグループに含まれる疾患としては、意義不明のモノクローナルガンマグロブリン症、くすぶり型(無症候性)多発性骨髄腫、有症状多発性骨髄腫、アミロイド症、B細胞性非ホジキンリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、稀な形質細胞性白血病および重鎖疾患がある。意義不明のモノクローナルガンマグロブリン症とくすぶり型多発性骨髄腫の患者は、慎重な監視を行う必要があるが、病状が進まなければ治療の必要はない。
 有症状の多発性骨髄腫の治療では、化学療法を第1選択とし、可能ならばその後にASCTを実施する。ASCTは、65歳未満の有症状多発性骨髄腫患者に対する標準治療であり、高齢患者でもこの治療に堪えられる体力のある者には標準治療となる。高用量の導入化学療法の後にASCTを実施した患者の生存期間中央値は68カ月である。
 化学療法の選択肢としては、メルファラン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、ドキソルビシン、ボルテゾミブ、サリドマイドおよびその誘導体であるレナリドミドがある。サリドマイドには、不眠、深部静脈血栓症、神経症などの有害作用があり、神経症は通常回復不可能なので、場合によっては治療を中断しなければならない。
 家庭医にとって、合併症の診断と管理は多発性骨髄腫治療の重要な一面である。骨痛に対しては、麻薬、ビスホスホン酸塩、放射線療法、椎骨形成、脊柱形成が有用である。しかし腎毒性のある非ステロイド系抗炎症薬は使用してはいけない。
 高カルシウム血症は、等張生食水点滴、ステロイド、フロセミド、ビスホスフォネートで管理する。多発性骨髄腫患者は感染症にかかりやすいので、発熱性疾患に対する広域スペクトル抗生物質治療とインフルエンザ、肺炎球菌、ヘモフィルス・インフルエンザB型のワクチン予防接種が必要となることが多い。
 臨床実践で重要となる個々の臨床推奨と、そのエビデンスの強さは以下の通りである。

・多発性骨髄腫を診断するには、血漿と尿の蛋白質の電気泳動および免疫固定を実施する必要がある。(エビデンスの強さC)

・骨シンチグラフィと二重X線エネルギー吸収(DEXA)法による骨塩定量は多発性骨髄腫の診断において意義がない。(エビデンスの強さC)

・無症候(くすぶり型)多発性骨髄腫は治療の必要がない。(エビデンスの強さA)

・意義不明なモノクローナルガンマグロブリン症の患者は、多発性骨髄腫を窺わせる症状の有無と、血漿および尿中のM蛋白質量を6カ月から12カ月毎に監視しなければならない。(エビデンスの強さC)

・くすぶり型多発性骨髄腫の患者は、多発性骨髄腫を窺わせる症状の有無と、血漿および尿中のM蛋白質量を3カ月から4カ月毎に監視しなければならない。(エビデンスの強さC)

・多発性骨髄腫による疼痛のある患者を治療する際には、非ステロイド系抗炎症薬は避けるべきである。(エビデンスの強さC)
・有症状の多発性骨髄腫の患者には必ずビスホスホフォネートを処方する。(エビデンスの強さA)

・多発性骨髄腫患者には、インフルエンザ、肺炎球菌、H.インフルエンザB型のワクチンを必ず接種する。(エビデンスの強さB)

 「多発性骨髄腫患者の中には治療の必要がない者もいるが、腫瘍科への紹介がすべての患者で推奨される」と総説著者は結論で述べている。「くすぶり型(無症候)多発性骨髄腫の患者は治療すべきではない。早すぎる治療は死亡率に対してなんの効果もないのに、急性白血病のリスクが増大する可能性がある。」

 著者らの開示情報によれば、関連する金銭的利害関係はない。

Am Fam Physician. 2008;78:853-859.

Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

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2008/10/21 2008-2009年の流行期におけるインフルエンザワクチンの接種に関する小児ガイドラインの改訂 m3.comより転載

2008-2009年の流行期におけるインフルエンザワクチンの接種に関する小児ガイドラインの改訂

 

提供:Medscape

米国小児科学会が2008-2009年のインフルエンザ流行期における小児および青年へのインフルエンザワクチンの定期接種に関する最新ガイドラインを発表した。
Laurie Barclay
 

【10月14日】

 米国小児科学会(AAP)が2008 - 2009年のインフルエンザ流行期における小児および青年へのインフルエンザワクチンの定期接種に関する最新ガイドラインを発表したことが、『Pediatrics』10月1日付のオンライン速報版で報告された。今回の最新版は、元々2008年4月に『Pediatrics』で包括的な形で発表されたガイドラインを改訂したものである。
 AAPが毎年のインフルエンザ予防接種を推奨しているのは、健康な小児と高リスク状態の小児を含む生後6カ月から18歳までのすべての小児;高リスク状態の小児または5歳未満の健康な小児との家庭内接触者および家庭外介護者;インフルエンザ流行期に妊娠している可能性のある女性;および医療従事者である。
2008年4月のガイドライン以来、毎年のインフルエンザ予防接種が推奨される小児の年齢範囲は拡大され、これらの最新ガイドラインでは生後6カ月から18歳までのすべての小児が含まれている。
 「インフルエンザが最も多く、健康な成人と比較してインフルエンザ関連の医療を必要とするリスクが有意に高い集団である、すべての学齢期の小児が対象となるよう今回拡大された」と、AAP会長のJoseph A. Bocchini, Jr, MDらは述べている。「さらに、学齢期の小児におけるインフルエンザの伝播を減らすことは、次には家庭内接触者および地域住民へのインフルエンザの伝播を減らすことになる」。

 この適応範囲の拡大は現在、下記のグループがワクチン接種を受けるべきであることを意味する:
  • 免疫抑制状態にある、または慢性疾患を有するような、インフルエンザ合併症のリスクがより高いすべての小児
  • 生後6 - 59カ月のすべての健康な小児
  • 実行可能であれば、5 - 18歳のすべての小児は2008 - 2009年のインフルエンザ流行期にワクチン接種を受けなければならない。さもなければ、これらの小児は2009 - 2010年の流行期までにワクチンの定期接種を受けなければならない。
  • すべての高リスク小児、青年、および5歳未満のすべての健康な小児の、家族および家庭外介護者は、インフルエンザ感染、入院、および後遺症の重篤なリスクを有するこれらの若年小児のインフルエンザへの曝露のリスクを低下させるために、毎年、インフルエンザワクチンの接種を受けるべきである。生後24カ月未満の健康な小児におけるインフルエンザ関連の入院のリスクは、これまでに認められた高リスク群におけるリスクと少なくとも同じ大きさである。さらに、生後24 - 59カ月の小児は罹病率がより高く、インフルエンザ関連の外来受診率および抗生物質の使用率がより高い。

 生後6カ月未満の乳児に対するインフルエンザワクチンの使用は承認されていない。臨床医は、生後6カ月から18歳までのすべての小児、特にインフルエンザ関連合併症のリスクが上昇している小児を同定し、毎年のインフルエンザ予防接種の時期を両親に説明すべきである。
 2008 - 2009年の3種類のインフルエンザワクチン株はすべて、流行しているインフルエンザ株の世界的サーベイランスに基づき、2007 - 2008年のワクチン株とは異なる。
 2 - 18歳の健康な小児は、3価不活化インフルエンザワクチン(TIV)または弱毒化生インフルエンザワクチン(LAIV)のいずれかの接種を受けることが可能である。

 インフルエンザワクチンの接種回数は年齢によって次のように決まる:
  • 以前にインフルエンザワクチンを接種したことのない9歳以上の小児は、最初の接種時期に1回のみ接種を要する。
  • 初めてインフルエンザワクチンの接種を受ける9歳未満の小児は、1回目の接種の4週間以上後に2回目の接種を受けるべきである。
  • ワクチン接種を受けた最初の流行期にインフルエンザワクチンを1回のみ接種した9歳未満の小児は、次の流行期にはインフルエンザワクチンの接種を2回受けるべきである。この勧告が適用されるのは、9歳未満の小児がインフルエンザワクチンの接種を受けた最初の年の後のインフルエンザ流行期のみである。

 2008 - 2009年のインフルエンザ流行期については、引き続きオセルタミビルまたはザナミビルが化学的予防または治療のために推奨される抗ウイルス薬である。アマンタジンまたはリマンタジンは、流行しているいくつかのA型インフルエンザウイルス株に対する耐性が広がっていること、およびB型インフルエンザ株に対する効果がないことから、インフルエンザの治療または化学的予防に処方するべきではない。オセルタミビルに対する耐性が報告されているが、それは依然として非常に限定されているため、抗ウイルス治療に関する現行の勧告は変更されていない。
 インフルエンザワクチンが利用可能になり次第、すべての小児に提供するべきであり、地域社会におけるインフルエンザの活動が実証された後でも、予防接種活動はインフルエンザ流行期全体を通して継続すべきである。同じインフルエンザ流行期に活動のピークが2回以上ある可能性があり、多くの場合3月以降まで続く。予防接種期間を5月1日までとすることによって、流行期の間、ワクチン接種者を保護し続け、流行期に2回の接種を要する小児へのワクチンの2回目の投与を円滑に行うことが可能である。
 「医療従事者、インフルエンザキャンペーンの計画者、および公衆衛生当局は、生後6カ月から18歳までのすべての小児への予防接種を2009 - 2010年のインフルエンザ流行期までに開始するという目標を達成するためのアウトリーチとインフラの拡大計画を協力して作成するべきである」と、ガイドラインの著者らは結論づけている。「前述のグループに加えて、ワクチンの製造業者、流通業者、および費用支払機関の間の協力も、ワクチンの供給が遅れた場合や限られている場合に、インフルエンザワクチンの投与の優先順位を適切に決定するために必要である」。

Pediatrics. Published online October 1, 2008.

Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

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2008/10/17 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2009」最終案取りまとめへ 日本人のエビデンス反映した実践的GL メタボ、CKD症例への積極的な降圧求める m3.comより転載

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2009」最終案取りまとめへ 日本人のエビデンス反映した実践的GL メタボ、CKD症例への積極的な降圧求める
 
 

記事:Japan Medicine
提供:じほう

【2008年10月17日】

 日本高血圧学会・JSH2009作成委員会は11日、札幌市で開かれた第31回日本高血圧学会総会で「高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)」の第2案を公表した。総会終了後には、第4回JSH2009作成委員会が開かれ、学会総会での意見やパブリックコメントを集約した形で最終案の取りまとめに入った。JSH2009案は、メタボリックシンドロームや慢性腎臓病(CKD)を新たに心血管イベントの危険因子に取り上げ、これらの疾患を合併した心血管イベントの“ハイリスク”症例に対する厳格な降圧の重要性を強調した。降圧目標などに大きな変化はない。ガイドライン(GL)の改訂は5年ぶり。最終案は来年1月5日、学会誌に掲載後、16日に発刊される。
 学会総会で報告されたJSH2009(第2案)は、<1>リスク層別化と高血圧管理計画を一致<2>130/85mmHg未満を軸とした厳格な降圧目標を設定<3>高齢者は140/90mmHg未満を最終目標とする<4>24時間にわたる血圧管理、家庭血圧を重要視<5>第1選択薬はCa拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬の5剤<6>臓器障害や他疾患を合併する高血圧(脳血管障害、心疾患、CKD、メタボリックシンドローム)の重要性を強調-が大きな特徴となっている。
 昨年8月から改訂作業に着手し、プライマリケア医が用いることを想定し、“プラクティカル”でありながら、国内外の最新エビデンスを盛り込み、“アカデミック”なGLを目指した。
 
高齢者血圧の最終目標140/90mmHg未満目指して積極的な降圧を推奨

 診断基準については従来から大きな変更はなく、診察室血圧値140/90mmHg以上、家庭血圧値では135/85mmHg以上。自由行動下血圧値は、従来の135/80mmHg以上から130/80mmHg以上に改めた。
 降圧目標は、若年・中年者で130/85mmHg未満、糖尿病やCKD、心筋梗塞合併例では130/80mmHg未満、脳血管障害患者では140/90mmHg未満とし、厳格な降圧を求めた。
 議論となっていた高齢者の降圧目標は、最終目標140/90mmHg未満とした。
 日本人の高齢者を対象に行われた大規模臨床試験「JATOS」や「CASE-J」のサブ解析、80歳以上の高血圧患者を対象にした「HYVET」試験の結果などにより、収縮期血圧140/90mmHg未満に下げることの意義が裏付けられたと判断。従来指摘されていた血圧が下がるほど心血管イベントが増加する“J型現象”も見られなかったことから、時間をかけた“緩徐な降圧”を行うとともに、高齢者でも積極的な降圧を促すこととなった。
 
リスクに応じた治療方針の確立求める

 治療に際しては、血圧値だけでなく、心血管イベントの危険因子に留意して治療方針を決定する。JSH2009案の脳心血管リスク分類では、血圧値と危険因子の数を掛け合わせ、「付加リスクなし」「低リスク」「中等リスク」「高リスク」の4段階で示した。
 血圧値は、「正常高値(130-139/85-89mmHg)」を新たに加えた4カテゴリ-。血圧以外のリスク要因は、危険因子の数により3層に分類した。
 血圧値だけでは、治療の対象とならない正常高値であっても、リスク第二層(糖尿病以外の1-2個の危険因子、メタボがある)であれば「中等リスク」、リスク第三層(糖尿病、CKD、臓器障害/心血管病、3個以上の危険因子のいずれかがある)であれば「高リスク」に位置付けた。そのため、糖尿病やCKD、心筋梗塞合併例では130/80mmHg以上の症例が治療対象となる。
 
第1選択薬はβ遮断薬含めた5剤

 治療方針は、I度高血圧(140-150/90-99mmHg)で、ほかに危険因子のない“低リスク”症例では、一定期間(3カ月以内)の生活習慣の改善を求めた。
 リスク因子をもつ正常高値症例や、リスク因子のないII度高血圧(160-179/100-109mmHg)である“中等リスク”症例では、生活習慣の改善を1カ月以内行うとした。いずれの場合も降圧目標に至らないケースでは降圧薬療法を行うことを推奨する。
 一方、III度高血圧(≧180/≧110mmHg)など“高リスク”症例には直ちに(数日以内)降圧薬治療を開始するとした。
 降圧薬の選択について、脳・心血管疾患の発症予防効果は「降圧薬の種類によらず、降圧度の大きさに比例する」と明記し、降圧の重要性を強調した。
 第1選択薬は、Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬の5剤。α遮断薬は、効果を十分に示したエビデンスがないことなどから、第1選択薬から外れた。
 また、β遮断薬は合併症のない高齢者や糖脂質代謝異常合併例には第1選択薬としないことも明記された。
 単剤療法では降圧目標を達成できる頻度が高くないことから、併用療法を視野に入れることも重要になる。
 JSH2009案では、これまでに行われた「LIFE」や「VALUE」などの大規模臨床試験から「RA系阻害薬(ARBあるいはACE阻害薬)+Ca拮抗薬」「RA系阻害薬+利尿薬」「Ca拮抗薬+利尿薬」「Ca拮抗薬+β遮断薬」を推奨した。
 優位性を示すエビデンスがなく、インスリン抵抗性を増すことが指摘されていた「β遮断薬+利尿薬」は推奨から外れた。
 そのほか、併用療法の処方を単純化した「合剤」については、服薬アドヒーランスの改善などに有用とし、位置付けを明確にした。
 
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2008/10/16 運動のガイドライン:ジムを減らし、楽しみを増やす m3.comより転載

運動のガイドライン:ジムを減らし、楽しみを増やす

 

提供:WebMD

米国連邦のガイドラインによれば、継続可能な運動を選ぶべきであるという
By Todd Zwillich
WebMD Health News
Reviewed by Louise Chang, MD

【10月7日】

 新しい米国連邦の運動ガイドラインによれば、小児・青少年は毎日1時間以上、大人は週2回、1回1時間半以上の運動を行うべきであるという。
 このガイドラインは米国人に対し、体重減少、慢性疾患予防、長生きのために身体を動かすことを推奨している。しかし、これまでの取り組みとは異なり、この勧告ではジム運動の重要性が低下し、人々がもっと楽しめる運動を支持する内容となっている。
 「生活に採り入れやすい運動を選ぶべき」とこのガイドラインを発表した米国保健福祉省長官であるMichael O. Leavittは述べる。「身体を動かしさえすれば何でもよい」
 本ガイドラインを作成した諮問委員会は、ほぼすべての米国人に対して毎日運動することを推奨し、小児・青少年は毎日1時間以上運動し、週に少なくとも3日はより強度の高い運動を行うべきであるとした。
 「木登りをしたり、公園に行ったり、飛んだり跳ねたりするゲーム(hopping and skipping games)をすればよい」と代理長官であるSteven Galson, MDは述べた。
 CDCによれば、米国の成人の3分の1以上は、運動量が推奨された量に満たず、また4分の1は定期的な余暇時間の運動をまったく行っていないという。このため糖尿病、心疾患等の慢性疾患および早死のリスクが高くなる。
 本ガイドラインでは、健康な成人に対し、1週間につき2.5時間の中強度の運動または1時間15分の激しい運動を行うことを推奨している。本ガイドラインは、成人に対し、活動と強度を「うまく組み合わせる」ことを推奨しているが、最低でも1日10分の運動を推奨している。成人はすべての主要筋群の筋力強化運動を週2日以上実施すべきである。
 中強度の有酸素運動の例としては、社交ダンス、早足のウォーキング、10マイル(約16km)/時未満の速度での自転車こぎ、水中エアロビクス、ガーデニングがあげられる。
 激しい運動としては、ジョギング、ランニング、なわとび、上り坂または重いリュックを背負ってのハイキング、10マイル(約16km)/時間以上の速度での自転車こぎがあげられる。
 本ガイドラインでは以下の事項も推奨されている:
  • 健康な妊婦:妊娠中および産後期の2.5時間以上の中強度の運動
  • 身体障害のある成人:週に2.5時間の運動(可能な者)
  • 65歳以上の成人:能力に応じて週に2.5時間。転倒リスクが高い高齢者にはバランスを保つのに役立つ運動が推奨される。
  • Leavitt長官は、多くの米国人は「まったく同じこと以前に聞いたことがあると思うかもしれない」と述べた。しかし、本ガイドラインではジムおよび運動クラスの重要性が低下し、多くの米国人にとって継続が容易な運動を支持する内容となっている。
 「好きな運動を選んで」とGalson代理長官は述べる。
 コロラド大学人間栄養センター(Center for Human Nutrition)長であるJames O. Hill, PhDは、本ガイドラインを運動に関する初めての包括的かつ国家的勧告であると称賛した。
 「重要なのは、『多いほどよい』ということである。それで申し分ないと思う。われわれは単に、人々がこのことをどのように達成し、どのように運動を増やすかを理解する手助けをしているにすぎないと考えている」とHill博士は述べる。Hill博士は米国栄養学会(American Society for Nutrition)会長も務める。

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2008/9/10 耳垢:ありがた迷惑? m3.comより転載

耳垢:ありがた迷惑?

提供:WebMD

過度の耳垢を安全に除去するための新ガイドライン設定


Kelley Colihan
WebMD Medical News

【8月29日】

 身体は驚異的である。かつては役割がなかった耳垢を考えてください。以前は耳垢を除去しようと試みていた。現在、耳垢に役割があることがわかっている。
 取り替える必要がないということを除いて、車のオイルのようなものと考えてください。
 耳垢は、外耳道にある分泌腺からの分泌物、剥離脱落した皮膚細胞、毛髪の破片が混ざり合って形成される。
 耳垢には浄化作用があるほか、敏感な外耳道を保護し、潤滑する役割もある。
 通常、余分な耳垢は、耳かきをしなくても、顎の運動によって、自然に耳から排出される。
 そのときに少し掃除できるが、耳かきは使用せず、表面に出てきた耳垢だけを掃除するのが望ましい。
 したがって、耳垢は、本質的には有益であるが、過剰な耳垢は障害を引き起こしうる。
 米国耳鼻咽喉科頭頸部外科学会(American Academy of Otolaryngology - Head and Neck Surgery Foundation:AAO-HNSF)は、医師が耳垢の蓄積を認識し、最善の耳垢除去法を見つけ、耳垢が問題となったときに患者に対応するためのガイドラインを発表している。 このガイドラインは、耳の皮膚疾患などの特定の病態に関連する耳垢塞栓には適用されない。
 earwaxの臨床名はcerumenである。
 「米国では年間約1200万人が、耳垢塞栓や過剰耳垢のため、医療機関を受診している」と、Guideline Development Task Forceのリーダーを務めたRichard Rosenfeld, MD はニュースリリースで述べている。
 医療従事者によって、年間約800万件の耳垢除去が行われていると、同博士は述べている。「医師が介入の有害性と有益性を理解するために臨床実践ガイドラインを作成することが不可欠であった」と、Rosenfeld博士は述べている。
 このガイドラインは、聴覚学、家庭医学、老年医学、内科学、看護学、外科学、小児科学の専門家グループによって作成された。

 ガイドラインの要点を以下に列挙する。

・委員会は、症状を起こしている場合または検査の障害になる場合に耳垢塞栓を治療するよう医師に強く勧めた。

過剰な耳垢の症状:

・耳の痛み、痒み、耳鳴り、難聴
専門家はどのように除去するか?1つは、水をそっと流し込んで余分な耳垢を除去する灌注法である。
・耳垢歴について患者に尋ねる習慣をつけるよう医師に勧めている。
・補聴器を使用している人は、耳垢の蓄積がないか定期的に検査を受けるのが望ましい。これによって、補聴器の機能を維持し、補聴器損傷のリスクを減少させることができる。
・綿棒やイヤーキャンドルを用いて自分自身で耳垢を除去しないよう強く勧めている。
・耳垢塞栓のリスクが高い人は、6-12カ月毎に耳の洗浄を行うのが望ましい。

 「耳垢塞栓による合併症は、感染症や難聴など、持続的で痛みを伴うことがある」と、委員会の筆頭著者であるPeter Roland, MDは述べた。
 「これらのガイドラインは、問題を早期に発見し、重篤な転帰を回避するために必要なツールを医師に与えるものと期待されている」と、同博士は付け加えた。

 このガイドラインは、『Otolarynology-Head and Neck Surgery』9月号に掲載されている。

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2008/9/9 閉経後女性の治療に関するレビュー m3.comより転載

閉経後女性の治療に関するレビュー
 
 


提供:Medscape

レビューには、閉経後女性の健康維持のための勧告(症状管理、診断スクリーニング、治療、予防接種など)が提案されている
Laurie Barclay


【2008年9月2日】

 閉経後女性の健康維持のための勧告(症状管理、診断スクリーニング、治療、予防接種など)が、『American Family Physician』9月1日号に発表されたレビューに提示されている。閉経とは、卵巣および卵胞の活動性消失により月経が永久的に停止することと定義される。
 「米国における閉経年齢の中央値は52歳であるが、その範囲は40潤オ58歳と考えられる」とUniversity of Texas Southwestern Medical Center(ダラス)のShobha S. Rao, MDらは記している。「世界保健機関(WHO)およびStages of Reproductive Aging Workshopは、閉経前期(menopausal transition)とは、卵胞刺激ホルモンの分泌が増加し、なおかつ月経周期の変動性が増大している、月経が2周期続けてなく無月経が60日以上持続している、のいずれか一方または両方に該当する場合と定義している。閉経前期は最終月経周期で終了し、それ以降は閉経後期(postmenopause)が始まるが、そのことは無月経が12ヵ月持続して初めて認識される。」
 更年期にほとんど、あるいは全く症状が現れない女性も多くいるが、更年期には、血管運動神経症状(ほてりおよび寝汗)や腟乾燥が高頻度に報告される。血管運動神経症状に対して最も有効な治療法はエストロゲンである。経口ホルモン療法(エストロゲン、プロゲストゲンあるいはその併用療法)は、プラセボと比較して、ほてりおよび寝汗に対して高い緩和効果を示す。
 エストロゲンが禁忌の場合には、非エストロゲン薬による血管運動神経症状の治療が検討される。非エストロゲン薬には、プロゲストゲン、選択的セロトニン再取り込み阻害薬やその他の抗うつ薬、抗痙攣薬、α-遮断薬などがある。
 米国家庭医学会および米国予防サービス特別委員会は、閉経後女性の慢性疾患(心血管疾患、骨粗鬆症、認知症など)の管理にホルモン療法を使用しないよう勧告している。
 外陰腟症状に対しては、局所エストロゲン療法が高い有効性を示すため、望ましい治療法である。局所製剤には膣クリーム、膣錠、腟リングなどがあり、抱合型エストロゲン、17βエストラジオール、エストラジオール半水化物などの成分が使用されている。
 65歳を超える全女性は、骨塩密度のスクリーニングを受けるべきである。骨粗鬆症性骨折の他のリスク因子を有する女性は、これより若い年齢から骨塩密度のスクリーニングを開始すべきである。骨量の減少を抑えるため、すべての閉経後女性に対し、カルシウムおよびビタミンDを必ず十分摂取するよう促すべきである。
 冠動脈疾患は男性のみならず、女性においても主な死因であるため、閉経後女性に対しては、リスク因子の改善について助言を行うべきである。ライフスタイルの改善には、禁煙、規則正しい運動を含めるべきである。全女性とも、血圧および脂質値を定期的にモニターし、必要に応じて適切な薬物療法を開始すべきである。
 40歳以上の女性は、乳癌のスクリーニングを1潤オ2年ごとに受けるべきである。50歳以上の女性は、結腸直腸癌のスクリーニングを1潤オ2年ごとに受けるべきである。子宮頸管を有し、なおかつ性的に活動的な65歳未満の女性は、パパニコロー検査による子宮頸癌の定期的なスクリーニングを受けるべきである。
 閉経後女性に対して推奨される予防接種は、インフルエンザワクチンの年1回接種、破傷風およびジフテリアトキソイドワクチンの10年ごとの追加接種、ならびに肺炎球菌ワクチンの65歳以上での1回接種である。
 閉経後の健康維持に関する具体的な臨床的勧告は、さまざまなエビデンスに基づくガイドラインや、米国予防サービス特別委員会により支持されている。
 これらの勧告とそのエビデンスレベルの分類を次に示す。
  • 利益(更年期症状の緩和)がリスクに優ると考えられる女性、更年期症状が中等度ないし重度で、なおかつ骨粗鬆症性骨折のリスクが高い女性、ならびに骨量が減少しているが、代替療法が禁忌であるかその他の理由で不適切であるものの、骨量のさらなる減少予防を希望する女性に対しては、その女性がリスクと便益を認識している場合には、医師の指導の下、ホルモン療法を長期使用することは許容される(エビデンスレベルC)。
  • すべての閉経後女性は、骨の健康を維持するため、適切な量のカルシウム(カルシウム成分1日1000潤オ1500 mg)およびビタミンD(1日800潤オ1000 IU)を摂取すべきである(エビデンスレベルC)。
  • 冠動脈疾患のリスクが高い女性に対しては、アスピリンを化学予防薬として使用することが推奨される(エビデンスレベルA)。
  • 40歳以上の女性は、乳癌のスクリーニングを1潤オ2年毎に受けるべきである(エビデンスレベルB)。
  • 性的に活動的であるか性的に活動的であり、子宮頸管を有する女性は、子宮頸癌のスクリーニングを定期的に受けるべきである(エビデンスレベルA)。
  • 50歳以上の女性は、結腸直腸癌のスクリーニングを受けるべきである(エビデンスレベルA)。

 「平均寿命が80歳に迫ろうとしている現在、平均的な女性の場合、閉経後は人生の1/3に相当する」と本レビューの著者らは結論づけている。「ある種の疾患(冠動脈疾患、糖尿病、乳癌、大腸癌など)の発症率は閉経後に上昇する。家庭医には、閉経後女性に予防的医療の手段を提案し、健康的なライフスタイルの選択を促す機会がある」

 本レビューの著者らは、本レビューに関連する経済的利害関係をもたないことを開示している。

Am Fam Physician. 2008;78:583-591.

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2008/8/29 薬物運転に関する研究ガイドラインによって研究間比較が容易になると思われる。 m3.comより転載

薬物運転に関する研究ガイドラインによって研究間比較が容易になると思われる。



提供:Medscape

これまでは、薬物の影響下での運転(’薬物運転’とも言われる)に関する研究は標準化されていなかったため、研究間比較が困難であった。国際的エキスパートによる新規研究ガイドラインによって、こうした状況は変わるであろう。
Marlene Busko


【8月25日】

 これまでは、薬物の影響下での運転(’薬物運転(drugged driving)’とも言われる)に関する研究は標準化されていなかったため、研究間比較が困難であった。国際エキスパートによる新規研究ガイドラインによって、こうした状況は変わるであろう。
 薬物運転はますます大きな問題になっており、酒気検知器により容易に検出されるアルコール中毒とは異なり、運転能力に対し似たような影響を及ぼす可能性のある薬剤や非合法薬物はそれほど容易に識別できない。
 アルコール、薬物、および交通安全に関する国際会議(International Council on Alcohol, Drugs, and Traffic Safety)(ICADTS)の専門家メンバーが作成した報告には、行動研究に関する勧告32項目、疫学研究に関する勧告40項目、毒物学的研究に関する勧告64項目が記載されている。同報告は『Addiction』8月号に発表されている。
 「データがない限り、法律を変えることはできず、現在のところ、データはやや混沌としている」と筆頭研究者を務めた心理学者であり、薬物乱用研究・コンサルタント会社The Walsh Group, PA(メリーランド州、ベテスダ)社長のJ. Michael Walsh, PhDはMedscape Psychiatryに話している。「人々が研究プロジェクトを実施するための標準を統一することにより、はるかに明確な像を、より迅速に描くことができるだろうと我々は思っている」
 
大きな問題

 障害や損傷のある運転者は、鎮静剤、抗不安剤、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤などの薬剤や、アンフェタミン、マリファナ、オピオイドなどの非合法向精神薬(psychoactive illicit drugs)をますます服用するようになっていることが、諸研究から示されている。米国立薬物乱用研究所(National Institute on Drug Abuse)によれば、交通事故に関わった運転者の10-22%は薬物を使用しており、アルコールと併用していることも多いという。
 薬物使用が運転および総合的交通安全に及ぼす真の公衆衛生上の影響を評価する際の「大きな問題」は変数(標本の種類、毒物学的カットオフ値の上限など)が一貫しておらず、研究デザインの統計的検出力が弱かったり不足したりしている場合が多いという点である。
 専門家らは、コンセンサスを形成する手法を用いて、路上調査、病院研究、衝突研究など、さまざまなタイプの今後の研究のためのガイドラインを作成した。
 専門家らは、交通事故に関わった人たちに対して、アルコール以外の主な6種類の薬物に関する検査を推奨している。6種類の薬物とは、マリファナ、ベンゾジアゼピン系薬剤などの精神安定剤、オピオイド類、アンフェタミン、コカイン、メタンフェタミン、メチレンジオキシメチルアンフェタミンなどの精神刺激薬、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤である。
 臨床医はベンゾジアゼピン系薬剤などの薬剤を処方する際に患者の運転習慣および特定の薬剤に伴う運転障害(driving impairment)を考慮に入れる必要がある、とWalsh博士は述べている。
 ヨーロッパでは、薬剤の表示に緑、黄色、赤の記号があり、これによって特定の薬剤を服用した際の運転が安全かどうかが示されている。Walsh博士によれば、マリファナは間違いなく薬物運転で最もよく使用されている非合法薬物であるという。マリファナは注意と反応時間に影響を及ぼし、若年運転者における大きな問題となっている。

優れた第一歩

 付随論説において、太平洋調査・評価研究所(Pacific Institute for Research and Evaluation)(メリーランド州、カルバートン)の上級研究科学者(senior research scientist)であるRobert B. Voas, PhDは、ガイドラインは「優れた第一歩」であり、「薬物運転に関する新たな研究にとって優れた基盤を提供する」と記している。
 「ひとつの必要とされる領域は、研究データを、交通事故削減のための有効な法律に翻訳することに取り組む政策部門である」とVoas博士はMedscape Psychiatryに述べている。
 もうひとつ不足している領域は相対リスク研究である、とVoas博士は述べている。こうした研究は実施が難しく、アルコールについては数研究が行われているが、薬物については1件も行われていない。

Addiction. 2008;103:1258-1268, 1269-1270.

Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

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2008/8/22 鼻炎の診断と治療のガイドラインが改訂される m3.comより転載

鼻炎の診断と治療のガイドラインが改訂される

 

提供:Medscape

米国アレルギー喘息免疫アカデミー、米国アレルギー喘息免疫学会、両者の合同評議会が、鼻炎の診断と治療のガイドライン改訂版を発行した
Laurie Barclay
Medscape Medical News


【8月18日】

 米国アレルギー喘息免疫アカデミー、米国アレルギー喘息免疫学会、アレルギー喘息免疫合同評議会の代表者からなる臨床パラメータ作業部会が、鼻炎の診断・管理・治療ガイドラインの改訂版を発行した。改訂された推奨は、『Journal of Allergy and Clinical Immunology』8月号に掲載されている。
 臨床パラメータ作業部会のDana V. Wallace, MD(ノヴァ・サウスイースタン大学、フロリダ州デービー)らの記述によれば、鼻炎は鼻閉塞、鼻漏(前鼻漏と後鼻漏)、くしゃみ、かゆみという症状のうち1つ以上が該当する。「鼻炎は通常は炎症を伴うが、血管運動性鼻炎や萎縮性鼻炎のように、炎症が主体ではない種類の鼻炎もある。鼻炎には、眼、耳、咽喉の症状が伴うことが多い。」
今回のガイドラインの主な改定点は次の通りである。

・前回の鼻炎診断治療ガイドラインが1998年に発行された以降に市販された製剤が総括されている。

・ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)など治療に用いられる薬剤の位置づけが、最新のエビデンスに基づき、より厳密に行われている。

・大気中アレルゲンに散発的に曝露することで引き起こされる鼻炎を表す用語としてエピソード性という語が導入され、エピソード性鼻炎の治療への意義が考察されている。

・鼻腔内コルチコステロイド(INS)と呼ばれる種類の薬剤が頓用薬として推奨されている。

・アレルギー性鼻炎(AR)の併発症を認識することの重要性が強調されている。併発症には、喘息、副鼻腔炎、閉塞性睡眠時無呼吸が含まれる。また、肺機能検査や睡眠時無呼吸検査といった適切な検査の実施の重要性も強調されている。

・併用療法、特にLTRAと抗ヒスタミン薬の併用に関するエビデンスが総括されている。

・今回の改訂ガイドラインでは、経口うっ血除去薬を6歳未満の幼若患児に使用する前には、そのベネフィットと最近注目されている安全性の問題とのバランスを考察する必要があることが強調されている。

・第二世代抗ヒスタミン薬は妊婦に安全な薬剤として今回から推奨されるようになった。

・鼻炎に伴うアレルギー性結膜炎の症状にはINSを用いてもよい。

・「鼻炎アクションプラン」の採用を考慮すべきである。

・音響鼻腔計測法や高周波組織容積減少術など最近になって利用できるようになった新しい診断・手術手技が総括されている。
ARの薬物療法の選択肢は以下の通りである。

・季節性ARや通年性ARに対して持続的に使用する場合は、経口抗ヒスタミン薬か経口H1受容体拮抗薬がもっとも有効だが、これらは作用発現が比較的速いので、エピソード性ARの頓用にも適している。

・鼻閉に対しては、経口抗ヒスタミン薬はその他の鼻症状ほど有効ではなく、もっと重度のARに対しては別の選択肢が採られるのが一般的である。ARに対しては、経口抗ヒスタミン薬はINSよりも有効性が劣るが、眼症状を伴うARにはINSと同等の効果がある。

・経口抗ヒスタミン薬は非ARには一般的に無効であり、したがって、混合型鼻炎にはその他の選択肢のほうが好ましい。

・第二世代の経口抗ヒスタミン薬が、鎮静作用、動作障害、抗コリン作用が少ないので第一世代の抗ヒスタミン薬よりも一般的に望ましい。第二世代経口抗ヒスタミン薬のフェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジンは、推奨用量では鎮静作用を起こさない。

・非常に重度な鼻症状には、経口コルチコステロイドが短期間使用(5潤オ7日間)ならば適している場合がある。経口コルチコステロイドのほうが単回・反復コルチコステロイド筋注よりも望ましく、コルチコステロイド筋注は勧められない。

・鼻閉を軽減する経口うっ血除去薬にはプソイドエフェドリンなどがあるが、不眠、被刺激性、動悸、高血圧などの有害作用がある。

・LTRAのひとつであるモンテルカストが季節性ARと通年性ARに承認されており、有害作用はわずかである。しかし比較対照薬としてよく用いられるロラタジンに比べると、LTRAに経口抗ヒスタミン薬とは有意に異なる有効性があることは証明されていない。LTRAは鼻炎と喘息の両方で承認されているので、両方を合併した患者には使用を考えても良い。

・鼻腔内抗ヒスタミン薬は、季節性ARと通年性ARの両方に有効である。この薬剤は作用の発現が速いという点で臨床的に重要であり、エピソード性ARの頓用にも適している。ARへの有効性は第二世代経口抗ヒスタミン薬と同等かそれ以上であり、特に鼻閉に対して臨床的に著効だが、鼻症状に関してはINSほど有効ではない。鼻腔内抗ヒスタミン薬は血管運動性鼻炎に対しても承認されているので、混合型鼻炎の患者には適している。鼻腔内アゼラスチンの有害作用は、苦味と眠気である。

・鼻腔内抗コリン作用薬(イプラトロピウム)は作用発現が迅速であり、そのため、エピソード性鼻炎に適している。この薬で鼻漏は減少するが、季節性ARと通年性ARのその他の鼻症状には無効である。鼻粘膜の乾燥が起こることがあるが、それ以外の有害作用は軽微である。

・季節性ARと通年性ARへの単剤療法としてはINSがもっとも有効であり、季節性ARと通年性ARの鼻閉を含めた全症状に効果がある。季節性ARにはINSの頓用が有効である場合があり、エピソード性ARの患者にもINSの使用を考慮して良い。典型的には作用は12時間以内に発現する。発現速度は経口あるいは鼻腔内抗ヒスタミン薬ほどではないが、患者によっては3時間から4時間以内に症状が解消することがある。

・季節性ARと通年性ARに対しては、経口抗ヒスタミン薬とLTRAの併用よりもINSのほうが有効である。ARに伴う眼症状に対するINSの有効性は経口抗ヒスタミン薬に同等である。また、INSのクラスの薬剤は非ARの一部にも有効であるので、混合型鼻炎にもINSは適している。INSは成人では顕著な全身性有害作用がなく、通年性ARの小児への推奨用量での使用で成長抑制は起こらない。局所性有害作用は軽微だが、鼻腔過敏や出血が起こり、稀に鼻中隔穿孔の報告がある。

・ARの維持治療には鼻腔内クロモリンが有用である。作用は4日から7日以内に発現するが、数週間しないと効果がはっきりと発現しないこともある。エピソード性鼻炎ではアレルゲンへの曝露の直前に投与すると、アレルギー反応を4時間から8時間抑えることができる。鼻腔内クロモリンはINSほど有効ではなく、INSをLTRAおよび抗ヒスタミン薬と比較したデータは十分に揃っていない。

 「重度でない鼻炎の初回治療としては、単剤療法または併用薬物療法と回避策がある」とガイドラインの著者らは結論で述べている。「アレルギー性鼻炎に伴う鼻漏、くしゃみ、かゆみの軽減には経口抗ヒスタミン薬が一般的に有効だが、鼻閉への客観的有効性はほとんどない。」

 開示情報によれば、一部の著者は、Schering-Plough社、Aventis社、Pfizer社、Merck社、AstraZeneca社、GlaxoSmithKline社、McNeil社、Medpointe/Meda社、Novartis/Genentech社、Teva社、Greer社、Sepracor社、Stallergenes社、Planet Technology社、sanofi-aventis社、Venus社、Dey社、Apeiron社、Clorox社、Critical Therapeutics社、Meda社、Alcon社、UCB社との間でさまざまな金銭的関係がある。

J Allergy Clin Immunol. 2008;122:S1-S84.

Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

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2008/8/19 大腿部・肩部ワクチン接種針の長さに関するガイドラインは改訂が必要な可能性 m3.comより転載

大腿部・肩部ワクチン接種針の長さに関するガイドラインは改訂が必要な可能性

 

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ワクチン接種針の長さに関する現在の米疾病対策予防センターの勧告に従うと、筋層に深く貫通するリスクが相当に高い。
Laurie Barclay


【8月14日】

 ワクチン接種針の長さに関する現在の勧告に従うと、筋層に深く貫通するリスクが相当に高いため、これらの大腿部・肩部注射針の長さに関するガイドラインの改訂が必要な可能性があるという研究結果が、『Pediatrics』8月11日号に掲載された。
 「大腿部・肩部筋肉内ワクチン接種針の長さに関する米疾病対策予防センター[CDC]の勧告は、小児の年齢に基づくものである」と、チューレーン大学(ルイジアナ州ニューオーリンズ)のWilliam C. Lippert, BAおよびシンシナティ小児病院医療センター(オハイオ州)のEric J. Wall, MDは記している。「短い針による筋層への貫通不足については報告されているが、長すぎる針によって筋層に深く貫通するリスクに焦点を当てた研究はほとんどない。この研究の目的は、MRI[磁気共鳴画像法]およびコンピュータ断層撮影[CT]を用いて、さまざまな年齢およびサイズの小児に最適の大腿部・肩部筋肉内ワクチン接種針の長さを確認することにあった」。
 針が筋層を貫通して骨や骨膜に達すると、痛みが生じ、骨や骨膜が損傷し、注射器から針が外れる可能性がある。
 2007年2月のCDCの勧告は、1-12カ月の乳児に対する大腿部筋肉内予防接種すべてに1インチの針、12-24カ月の幼児に対する大腿部筋肉内予防接種すべてに1から1-1/4インチの針、1-18歳の小児に対する三角筋筋肉内予防接種すべてに5/8から1インチの針を使用することであった。
 大規模小児病院において、著者らは、250例の2カ月から18歳の小児の肩部および大腿部のMRIおよびCT画像を検討し、皮下脂肪組織および筋層の厚さを測定した。回帰分析によって、これらの測定値を年齢および体重と相関させることができた。
 1歳以上の小児の大腿部筋肉内ワクチン接種については、 CDCの勧告に従って1および1-1/4インチの針を使用すると、1インチの針では11%(11/100)、1-1/4インチの針では39%(34/88)において筋層に深く貫通し、貫通不足のリスクは2%(2/100)とごくわずかである。
 肩部ワクチン接種については、CDCの勧告に従って5/8、7/8、1インチの針を使用すると、5/8インチの針では11%(16/150)、7/8インチの針では55%(83/150)、1インチの針では61%(92/150)において筋層に深く貫通する。
 「ワクチン接種針の長さに関する現在のCDCの勧告に従うと、筋層に深く貫通するリスクが相当に高い」と、研究の著者らは記している。「観察された脂肪厚のばらつきに基づいて、針が筋層に深く貫通するリスクを最小限に抑えるために、大腿部・肩部注射針の長さに関するガイドラインの改訂を勧めている」。
 この研究の限界として、レトロスペクティブ(後向き)研究であった点、患者の体重および年齢が広い範囲にわたって均等に分布していなかった点、米国中西部の大都市から得た標本は米国の一般集団を正確に代表していない可能性がある点、乳児および小児の体重が地域によって大きく異なったため、針の長さに関する普遍的勧告が妨げられた点、多くの欧米諸国において小児および青年の肥満が多かった点、脂肪厚および筋肉厚にかなりのばらつきがあったため、筋肉内ワクチン接種針の長さに関する普遍的勧告が妨げられた点が挙げられる。
 他の限界として、他の理由で得た健常な肩部および大腿部のMRIおよびCT画像を使用したため、ワクチン接種集団全般に一般化できない可能性がある点、若年者の肩部スキャンの大部分は反対側の腕神経叢麻痺のために実施された点、MRIおよびCTスキャンの画像保管通信システム(Picture Archiving Communications System:PACS)の測定精度に限界があった点、針差し込み穴(針ハブ)が患者の皮膚に触れるように針が完全に挿入されているという仮定に基づいていた点が挙げられる。
 「我々の研究は、7/8または1インチの針は6歳以下の乳児および小児(男女とも)に対する大腿部筋肉注射に適しているという結論を裏付けており、これはCDCの勧告と同様である。しかし、我々のデータは、肩部筋肉注射針の長さに関するCDCの勧告に従うと、5/8インチの針使用患者の11%, 7/8インチの針使用患者の55%、1インチの針使用患者の61%において針が筋層を貫通して骨や骨膜に達するということを示唆している」と、研究の著者らは結論付けている。「針が骨や骨膜に達すると、激痛が生じる可能性、筋肉内への送達が妨げられる可能性がある」。
 したがって、大腿部筋肉注射を適切に行うために、研究の著者らは、6歳以下の小児すべてに7/8インチ以上の針を使用するよう勧めている。現在のCDCの勧告に従うと、大腿部ワクチン接種を受ける小児のワクチン筋肉内送達率は64%であるが、以下の勧告に従うと、90%の筋肉内送達率が得られる。
 研究の著者らは、肩部筋肉注射を適切に行うために、肩部ワクチン接種に関して以下の勧告を行っている。

・70kg以下の女児および75kg以下の男児には1/2インチの針
・70-115kgの女児および75-140kgの男児には5/8インチの針
・115kg以上の女児および140kg以上の男児には7/8-1インチの針

 これらの勧告に従えば、女性および男性患者のいずれにおいても、90%の筋肉内送達率が得られ、筋層に深く貫通することはない。
 「ワクチン接種針の長さに関するCDCのガイドラインを改訂すべきである」と、研究の著者らは結論付けている。「ガイドラインに従うと、筋層に深く貫通するリスクが著しく高いことが判明した。かなりのばらつきがあるため、年齢、体重、性別による普遍的な針の長さは受け入れられない」。

 この研究の著者らは、資金に関する情報を明らかにしていない。

出典

Pediatrics. 2008;122:e556-e563.

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2008/8/12 HIV治療の新ガイドラインが発行された m3.comより転載

HIV治療の新ガイドラインが発行された

 

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国際AIDS学会米国部会が出したHIV治療の新ガイドラインでは、なるべく早く治療を開始することを求めている。
Laurie Barclay


【8月4日】(メキシコシティ)

 国際AIDS学会米国部会が発行したHIV治療の新ガイドラインは、なるべく早い治療の開始を強く求めている。このガイドラインには、新たに承認された薬剤と疾患病態のより深い理解の両方が盛り込まれている。
 このガイドラインは、「AIDS 2008:第17回国際AIDS会議」の開始に先立ってメキシコシティで開かれた記者会見で明らかにされ、『Journal of the American Medical Association』8月6日号に掲載されている。
 この推奨は「HIV感染の病態発生に、療法を患者個人に合わせるために我々が得てきた最良のエビデンスを組み合わせるという原則の上に成り立っている」とコロンビア大学大学院医学部(ニューヨーク)のScott Hammer, MDが、ガイドラインを開発した委員会を代表して語った。委員会の15名の委員は異なる6カ国から集められてきた。
 Hammer博士の話によると、このガイドラインは裕福な国に対して書かれたものだが、「我々が採用した原則は中等度の収入の国でも広く応用できるものであり、最終的にはリソースの乏しい状況にも移すことも理想的だが可能なものである。」最終的な目標は、ウイルスを最大限に抑制して、毒性を最小限にし、簡便性を最大限にすることである。「この目標が達成できれば、服薬順守を促進し、耐性を最小限にすることができるようになる。」
 2006年に出た前版以降に承認された薬剤は3つある。マラビロックは、細胞表面にあるCCR5補助受容体を標的にした初めての薬なので、Hammer博士は「闘う手段として非常に重要な追加だ」と評している。ラルテグラビルはインテグラーゼ阻害薬の分類として初めての薬であり、エトラビリンは第2世代の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)で「NNRTI耐性ウイルスの一部に明瞭な効果がある。」
 この2年の間に「強力で持続性があり、今までよりも簡便かつ安全で、(さらには)薬物動態が改良された優れた製剤が登場してきており、服薬順守が強化され、結果として耐性が減少している。それがみな相まって治療の選択肢が増えてきた。それは初期治療だけでなく、もっと重要な2まわり目、3まわり目、4まわり目の治療でもそうである。」
 このガイドラインは、CD4細胞数が350/μL未満に下がらないうちであっても、その他になんらかの臨床症候があるならば、これまでよりも早期の段階で抗レトロウイルス療法を開始する方向に積極的に向かっている。
 SMART(抗レトロウイルス療法管理戦略)試験を引用して博士は次のように言っている。「HIV複製が未管理(10万コピー/mL以上)なのと、それによる免疫の活性化が、非AIDS性悪性疾患に関連している。実際、それらは心血管系、肝臓、腎臓の多様な疾患の集まりであって、疾患の進行に関係があるHIV疾患とは従来考えられていなかった。」ウイルス学的抑制が不完全な患者は、抑制が完全にできている患者に比べて死亡率、発病率がともに高い。
 Hammer博士によれば、「HIVウイルス血症とそれに伴う免疫活性化は、宿主と臓器系とにさまざまな様子で交わっているので」HIV疾患の進行の定義はこれまでまとまりがなかった。
 
開始する時期

 有症状のHIV疾患患者ならばCD4数やウイルス量とは関係なく、無症状の患者ではCD4数が200/μL未満ならば、治療開始を開始するという推奨は以前と変わらなかった。
 CD4数が200から350/μLの範囲にある患者への治療開始は、よく熟考した上で個々の患者に応じて決めるべきだと、Hammer博士は言う。「この推奨は単純かつ強力だ。」
 これまでのガイドラインでは、治療の開始を考えるべきCD4数を500/μLにしていたが、今回の改訂版では、『特に上限値を設けなかった』と博士は語った。
 CD4数が350/μLより多い時は、「ウイルス量が例えば10万コピー/mL以上であったり、1年にCD4数が100以上も急速に減少するなどHIV疾患の進行の速さが窺える場合には」治療開始を強く考慮すべきである。心血管疾患、B型・C型肝炎の同時感染(とその結果としての肝疾患の急速な進行)、HIV関連神経症の発現のリスクが高い場合も、治療開始が必要だと考えられる。
 
処方の選択

 「医師はHIV疾患の状態だけでなく同時に存在するすべての疾患を含めて患者全体を評価することが奨励される」とHammer博士は言う。「すべての患者において、最初の精密検査には耐性検査を含めるべきである。」
 耐性ウイルスには感染していない患者への初期処方についての推奨にはほとんど変更がなかった。第一選択は、NNRTIかリトナビル強化プロテアーゼ阻害薬(PI)を基本にして、それにヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)を2つ使用することを組み合わせる方法である。博士によれば、可能な選択肢に関するランダム化比較試験による「エビデンスは豊富」にある。
 Hammer博士は、初期処方にダルナビルを含めず、その他のPIへの耐性が発現した患者にとっておくことを奨めている。
 アバカビル過剰感受性に関する最近の知見では、ウイルス量が多い(10万コピー/mL以上)患者には有効性が低く、心血管疾患のリスクが高くなる可能性があり、処方にこの薬を使用する際には注意が必要であることが示されている。
 NNRTIを用いた第一選択の治療が奏効しない例には、2種類のNRTI薬にリトナビル強化PIを併用して治療する。NRTI変異の有無に応じて、エトラビリンの使用を考慮することも可能である。
 PIを用いた処方が奏効しない場合は、「遺伝子学的バリアの高さに応じて」もっと複雑になることがある。早くに捕捉できたならば、NRTI成分を2種類の活性薬に変えるだけで処方を維持できるだろう。しかし、耐性ポイントが蓄積していけば、ダルナビルかチプラナビルを考慮すべきである。
 今回の推奨では完全なウイルス抑制がより強調される内容に変更となった。「ラルテグラビルが承認されたことで、多剤耐性HIVの患者でウイルス抑制の達成に向けて大きく前進できた」とHammer博士は言う。
 エンファービルタイドは、強い治療を経験した患者群に対する選択肢として重要ではあるものの、毎日の注射に伴う問題と、ラルテグラビルやマラビロックといった他の代替治療法が登場したことによって、その利用は減りつつある。
 「治療経験のない患者にはラルテグラビルのほうが優れているようだ」と博士は言う。「このまま行けば、既存のクラスの薬剤がインテグラーゼ阻害薬に置き換わるのかという疑問があげられている。それについて答えられる段階にはまだきていないと私は思う。」現行の第一選択処方は優れており、使用が簡単であるので、一部の薬剤は既存の薬剤に耐性を生じた患者にとっておくという考え方がまだ支配的だ。
 
広がる適用範囲

 Hammer博士は、ガイドラインのこうした変更によって治療で便益があると考えられる「適格患者のグループが顕著に増加」すると確信している。「米国で言えば、2、30万人増えることに該当するだろう。」
 上記のガイドラインを世界のあまり裕福でない地域に適用を広げていくことには、精密な診断装置と継続処方のコストの問題が障壁となる。博士によれば、「その懸隔は広い。モニターする方法だけに留まらない。ジェネリックの定用量のNNRTI併用による第一選択処方を、リトナビル強化プロテアーゼ阻害薬の処方に変えるだけで、米国やヨーロッパ以外の大半の国では費用が4倍から6倍に跳ね上がるのだ。」
 上記のガイドラインでは初期治療の決定において、これまで非HIV性だとされていた要因への注目を強めていることから、Medscape HIVはHammer博士に、今回の新しいパラダイムにおけるHIV専門家の役割とは何かを尋ねてみた。
 「HIVは医師を謙虚にさせる存在だ」と博士は開口一番述べた。「複雑な患者の治療にあたるには複数の分野の専門家が必要である。さらに、情報の収集、薬剤耐性情報の解釈、処方の選択を行うにはHIVの専門家が必要だ。方針決定はまだ患者個人に合わせて行われている。(CD4数が)350以上ある患者は全員治療すべきだというわけではない。同時にある医学的問題を考慮したうえで、決定するということだ。」

AIDS 2008: XVII International AIDS Conference. Antiretroviral Treatment of Adult HIV Infection, 2008 Recommendations of the International AIDS Society–USA Panel. Presented August 3, 2008.

JAMA. 2008;300:555-570.

Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

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2008/8/11 血尿患者の画像法による評価のガイドラインが発表された m3.comより転載

血尿患者の画像法による評価のガイドラインが発表された



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米国放射線学会が、プライマリケア医が血尿患者に使用する適切な画像法を決定するための基準を作成
Laurie Barclay


【8月5日】

 『American Family Physician』8月1日号のレビューによると、米国放射線学会が、プライマリケア医が血尿患者に使用する適切な画像法を決定するための基準を作成した。
 「血尿は尿路疾患の患者の最も一般的な症状のひとつである;したがって尿路画像検査を行う一般的な理由である」と、米国立がん研究所(メリーランド州ベセスダ)のPeter L. Choyke, MDは述べている。「この論文では初診時に血尿の症状のみられる成人患者に最も適した画像法を、米国放射線学会の適切性基準に基づいてレビューする。適切に採取した尿検査検体3検体中2検体において強拡大視野あたり3個以上の赤血球が観察される症候性および偶発的な血尿には、上部尿路を評価するために、ある種類の画像検査を行うべきである」。
 排泄性尿路造影としても知られる経静脈的腎盂像(IVP)が血尿の評価のために選択すべき方法と伝統的にみなされてきたが、コンピュータ連動断層撮影(CT)尿路造影が重要な利点を有することが最近認められた。多検出器型CT尿路造影として知られる断面撮影技術はIVPに比較して上に被さる腸内ガスの影響を受けにくく、小さな腫瘍および結石の検出感度も、より高い。CT尿路造影と共に使用される復元技術は、IVPによって得られるものと同様の画像を提供することができる。
 超音波検査および磁気共鳴画像法(MRI)も、ある種の患者、特に小児および妊娠中の女性において有用である可能性がある。超音波検査もMRIもCT尿路造影ほどには尿路結石の検出感度が高くないが、MRIは小さな腫瘍をより良好に視覚化する可能性がある。
 無症候性血尿の画像法による評価に関する以前のガイドラインは米泌尿器学会によって発表された。様々な研究によって、尿路に検出可能な病理学的変化のみられない人々の尿中に少量の血液が混じることがあり、そのため遠心分離後の沈渣の顕微鏡検査には通常、強拡大視野あたり1または2個の赤血球が含まれる可能性があることが明らかになっている。無症候性の顕微鏡的血尿の患者における臨床的に検出可能な疾患の有病率が低いことと同様、この理由からも、そのような最小限の顕微鏡的血尿のみられる無症候性の若年成人に対して、評価は推奨されない。
 適切に採取した尿検査検体3検体中2検体から、強拡大視野あたり3個以上の赤血球が検出される場合、米国泌尿器学会のガイドラインでは、顕微鏡的血尿のある低リスクおよび高リスク患者に対して、上部尿路画像検査を推奨している。いかなる程度の血尿でも、重大な尿路の病的特性が付随する可能性があるため、徹底的な精密検査を行う価値がある。しかし肉眼的血尿は顕微鏡的血尿よりも悪性新生物のリスクがはるかに高いため、迅速かつ完全な評価を行わなければならない。
 細胞診、膀胱鏡検査、腎生検、および他の診断方法が血尿の精密検査において適応となる可能性があるが、これらはこのレビューの範囲を超えている。
 米国放射線学会の血尿に関する適切性基準の尺度では、それぞれのX線検査法の適切性を、1から9までの尺度で評価しており、1は最も適していないことを表し、9は最も適していることを表す。これらの基準は、広汎性の腎実質疾患の患者または出血性膀胱炎の若年女性を除いたすべての患者にあてはまる。
 それぞれの検査法の適切性の評価は次の通りである:
  • 多検出器型CT尿路造影:8。適切性の評価はIVPと同じであるが、多検出器型CT尿路造影が血尿に対して優先される方法になりつつある。
  • X線撮影、経静脈的尿路造影(IVP、排泄性尿路造影):8。
  • 腎臓および膀胱の体外式腹部超音波検査:6。この方法では尿管および尿路上皮の病変を検出できない可能性があるため、腹部X線撮影、逆行性腎盂尿管造影、および膀胱鏡検査の付加的使用が有用であろう。
  • X線撮影、逆行性尿路造影:5。
  • MRI尿路造影:4。
  • 腹部および骨盤のCT:4。IVPまたは超音波検査の最初の所見がはっきりしない場合、診断を明確にするためにCTが有用な可能性がある。
  • 腎臓血管造影:4。診断のために血管造影を要する血管奇形が、まれに血尿を引き起こす可能性がある。
  • 腎臓、尿管、および膀胱の腹部X線撮影:2。IVPを実施する場合、腹部の単純X線撮影は含まれるだろうと推測されるが、IVPを実施しない場合には、腎臓、尿管、および膀胱の超音波検査を行ってもよい。
  • 腹部と骨盤のMRI:2。
  • 尿路シンチグラフィ:2。
  • 仮想膀胱鏡検査:2。
 「血尿のあるほとんどの成人は尿路の画像検査を必要とする」とChoyke博士は述べている。「経静脈的尿路造影とCT尿路造影