2009/1/5 【三日坊主を返上】(1)ダイエット 甘〜い誘惑にいつもKOされ… @nifty.comより転載
【三日坊主を返上】(1)ダイエット 甘〜い誘惑にいつもKOされ…
2009年1月5日(月)8時0分配信 産経新聞
■無理な目標設定は逆効果
「今年こそは!」と新年の空を眺め、決意を新たに始めてはみたものの、気がつけば三日と続かず、挫折感に打ちひしがれる…。今年もすでに、そんな思いに陥っている人もいるのではないだろうか。原因は必ずしも根性がないからとはいえず、単にコツを知らず、無理をしているだけかもしれない。毎年、同じような悪循環に陥りやすい、ダイエット、適正飲酒、家計簿、早寝早起き、禁煙について、三日坊主を返上する秘訣(ひけつ)を紹介する。
◇
「私のダイエット法は、どんぶり勘定。できることを、できるときに、できる範囲内でやればいい。プラス思考こそ何より大切」
力強い心構えを指南してくれたのは、ダイエットカウンセラーの伊達友美さん。自らも食べ合わせを工夫して体質の改善をはかり、期間をかけて20キロの減量に成功した実績を持つ。
「食べないダイエットではやせません。おなかがすいているときに食べる。本当に食べたいものを食べる。本能に忠実に」
一般的な方法とは正反対のように聞こえるが、脂肪を燃焼させる上手な食べ合わせがあるのだという。
例えば、ステーキランチ。赤身肉たっぷりのヒレを選び、脂肪燃焼効果の高いニンニクやおろしソースで。肉を食べる前にはコンソメスープを飲んで体を温め、代謝をアップさせる。最初にサラダを食べ、生の酵素で脂肪を燃やしやすくする。主食には、パンよりエネルギー効率の高いご飯を。
また、昼食をしっかり取ること。そうすれば、間食に手を出すこともない。
「『いつまでに何キロやせる』ではなく、あくまでもゆるやかに体重を落とすことを目的に。最終的には、その人の生き方や考え方までも良い方向に変わっていくのが理想です」
≪食事内容を記録≫
自著『いつまでもデブと思うなよ』が50万部を突破するヒットとなった作家、岡田斗司夫さん。117キロあった体重が1年間で67キロに。50キロもの減量に成功して注目を集めた。
岡田さんが実践したのは、毎日、体重計にのり、毎食の内容をノートに記録するレコーディングダイエットと呼ばれる方法だ。
「いきなり『○キロやせるぞ』と食事制限をしたりするのは逆効果。ふだん何を食べて、どんな生活をしているかを記録することで、無意識に太る生活をしている“落とし穴”が見えてくるのです」
ご飯はあまり食べていないと言いながら間食したり、もったいないからと残さず平らげる、つい食べ過ぎる、といった意識していない食事の癖を見抜けば、改善点が分かってくるというわけだ。
とはいえ、好きな食べ物を我慢するのはストレスになる。そこで、1日の適正摂取カロリー内で、いかに上手に食べるかを工夫する。ケーキなら2、3種類を少しだけ食べて満足感を得たり、外食では事前に「カツ丼1/2」などとメモすれば、気分的に食欲を抑えやすくなるという。
「食事ばかりでなく、生活全般において自己管理ができるようになったのが一番の成果」と岡田さん。ダイエットをやめて1年ほどたった最近も、さらに自然と5キロほどやせたという。
≪昔ながらの習慣を≫
「減量=ダイエットではありません。落とした体重を維持し続けてこそ、はじめて成功したといえる。一生続かない方法を一時期試しただけでは意味がない」
ベストセラー『やせないのには理由(わけ)がある』で知られる大川クリニック(東京・池袋)の院長、大川隆裕さんは、ダイエットの“極意”を医学的見地から、こう語る。
ダイエットにつきもののリバウンドに打ち勝ち、心身ともに健康な状態を維持し続ける最良の方法は、魚を中心に、ご飯とみそ汁、旬の野菜、卵など良質なタンパク質を取る昔ながらの日本人の食生活に勝るもはない、と指摘する大川さん。
「1日3食、和食を中心にバランスよく食べる、早寝早起きで生活のリズムを作る、よくかむ−。すべてを完璧(かんぺき)にできなくても、できることから実行して、習慣づけてみては」
今年はハードルは低く、志は高くいってみましょうか。(中島幸恵)
◇
≪低年齢化する肥満・糖尿病≫
肥満に悩むのは、大人ばかりではない。最近は糖尿病といった生活習慣病が、小中高校生の間でもみられるようになり、低年齢化が懸念されている。
文部科学省の平成20年度学校保健統計調査速報によると、肥満傾向にある9〜17歳の子供の割合は減少傾向にあるとはいえ、10%前後を占め、30年前に比べ2倍近くに上る。
子供の肥満対策には、手作りの食事といった親のサポートが欠かせない。(1)幼少のころ、ぐずったりしたとき、なだめるために菓子を与えていないか(2)ふだんから菓子を買いためて、間食をさせていないか(3)食事作りを怠り、ファストフードや外食、総菜などで済ませていないか(4)ゲームや塾通いで、外で遊ぶ時間が減り、運動不足になっていないか(5)家族みんなで食卓を囲み、楽しい雰囲気作りをしているか−といったことをまず顧みたい。
親が自身の生活を見直すとともに、食を通して子供の成長をうまくリードしていくことが、子供の肥満防止には肝心だ。
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2009/1/5 排尿に元気あります? 放置すると…「前立腺肥大症」 @nifty.comより転載
排尿に元気あります? 放置すると…「前立腺肥大症」
2009年1月5日(月)17時0分配信 夕刊フジ
50歳を過ぎたころから排尿に異常が出始める男の病気。「年のせい」と見過ごしてしまいがちだが、放置すると腎機能障害を招くことも。“がん”の合併もありうるので、早めに前立腺の状態を調べておくことが重要だ。
【30代後半から肥大】
尿道を取り囲むように膀胱の下に付いている前立腺は、睾丸から送られてきた精液を薄めて射精しやすくさせるのが主な働き。加齢に伴い30代後半ごろから徐々に肥大を始める。その進行速度は個人差が大きく、ホルモンのアンバランスや炎症など関与しているといわれるが、肥大の明確な原因は不明だ。
大きくなった前立腺が自律神経の作用で収縮したり、尿道を圧迫して、チェックリストのような排尿障害が起こるのが、この病気の特徴だ。
「症状は刺激症状((1)−(3))、閉塞症状((4)−(7))、排尿後症状((8)(9))の順に現れてくる。ただ、肥大の大きさと症状の出現時期や程度は必ずしも比例しない」と話すのは、東京医科歯科大学病院・泌尿器科の増田均講師。
つまり、前立腺の病気の疑いを調べるPSA検査(血液検査)や超音波エコーなどで肥大が分かっても、本人が日常生活で困っていなければ治療を急ぐ必要はない。
【糖尿病は感じない】
だが、「検査だけは40歳を過ぎたら受けてもらいたい」と釘をさす。というのも、肥大症は前立腺の内部の組織(内腺)が増殖するので症状が出やすい。が、もし排尿障害が外側の組織(外腺)が増殖する“がん”による症状だったら、すでに危険な状態だからだ。
「前立腺の大きさのわりにPSA値が高ければ、問題。年齢、PSA、大きさを調べれば、がんの確率が出てきます」
また、糖尿病を発症していると神経をやられる。
普通なら残尿感などで尿道の閉塞に気づくが、糖尿病があると気づきにくい。ただでさえ糖尿病は腎臓の血管に障害(糖尿病腎症)をもたらすが、尿閉で膀胱に尿がたまった状態が続くと一層、腎機能を低下させる。
とくに糖尿病の人は前立腺の肥大には要注意だ。
【7−8割は改善】
前立腺肥大症の治療は、軽症であれば、前立腺の緊張をとる「α1受容体遮断薬」や膀胱の緊張をとる「抗コリン薬」、炎症を抑える生薬などの薬物療法で7−8割は排尿症状が改善する。が、決して前立腺が小さくなるわけではない。
「肥大が大きいほど進行は早く、いずれ尿が出なくなることもある。症状が強くなったら内視鏡を使って電気メスで前立腺を削るなどする『内視鏡手術』を検討することになる」
排尿に元気がなくなったら疑いあり、とりあえず検査だけは受けよう。
★「前立腺肥大症」チェックリスト
(1)2時間以内にもう1度トイレに行きたくなる
(2)会議中でもトイレを我慢できない
(3)就寝中、2回以上トイレで起きる
(4)排尿中に尿が途切れる
(5)尿が出るまで時間がかかり、出てからも長い
(6)尿の勢いが弱く、尿線が細い
(7)排尿するときはいつも息んでする
(8)排尿後、残尿感がある
(9)排尿後、下着に尿が漏れる


2008年12月14日(日)8時0分配信 産経新聞
小説には実体験が描かれている。太田氏は米国で医師国家試験に合格後、国内で勤務医となった。ところが「あまりの激務に」疲れ果てて一度は離職した。“燃え尽きた”主人公はかつての自分そのものだという。
徐々に復帰するつもりでいたが、求めに応じるうち再びハードワークに。全国を飛び回り、飛行機の搭乗回数は今年だけで100回を超えた。休みは月2日しかないそうだ。「静岡の病院は医師2人体制。私が行く36時間だけ、どちらかの先生が休める。沖縄では70代の先生1人が一島のお産を支えている。日本中で産科は崩壊しています」
産科医が減る一因は訴訟のリスクだ、と太田氏はいう。
「いくら医学が進歩しても死亡率はゼロにならない。科学が及ばない部分は存在し続ける。ところが、お産はうまくいって当然という風潮から、医療の責任が問われ始めた」
例えば500人に1人とされる脳性麻痺(まひ)。「原因特定は難しく国が支えるべきだが、日本では医師を訴えなくては救済されない」
現場に衝撃を与えた“モンスター判決”もある。大阪高裁は平成15年、救急患者を救命できなかったとして奈良県立五条病院に対し、遺族に4900万円を支払うよう命じた。「最善を尽くした」とする主張は通らなかった。
もちろん、故意や怠慢による医療事故ならば医師は責任を問われなければならない。「ただ、力が及ばないこともある。万全でなければ、受け入れを制限せざるを得なくなる」。判決後に、救急患者の受け入れ拒否が7倍に跳ね上がった地区もあるという。
無用な刑事訴追を減らす制度を構築する。労働基準法を順守する。この2つが達成されれば「医師は現場に戻る」と太田氏は言い切る。
死亡事故を受けて、文部科学省が打ち出した定員増の対策には懐疑的だ。「医師が逃げた原因に取り組んでいない。劣勢の戦場に兵を送り込んでも、また去るだけでしょう」。厚生労働省に対しては「医師余りの時代がくるといっていたが、医学の進歩が医師の増加を吸収した。循環器内科など昔はなかった科が増えている。一方で産科医は減るばかり。医療再生のため、根本から政策を見直すべきだ」。
問題は根深い。立ち止まっている余裕はない。
1つでも症状が強いようなら可能性がある。2つ以上該当するようなら疑いが強い
*東京医科歯科大学病院・泌尿器科/増田均医師作成
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2009/1/2 がんを追尾して狙い撃ちする最新放射線治療器「サイバーナイフ」 毎日jpより転載
がんを追尾して狙い撃ちする最新放射線治療器「サイバーナイフ」
2009年1月1日 毎日らいふ
今、臓器や機能を温存してがんをピンポイントで攻撃する放射線治療器として注目されているのが「サイバーナイフ」です。麻酔も必要なく、外来での治療も可能です。これまで、日本では脳腫瘍を中心に首から上のがん治療に利用が限られていましたが、ようやく昨年、肝臓や肺のがんにも承認されました。サイバーナイフの治療では世界一の症例数を持つ新緑脳神経外科・横浜サイバーナイフセンター院長の佐藤健吾さんにその利点を聞きました。
◇ピンポイントでがんの病巣に照射
今、がん治療では外科手術に代わる、より体への負担が少ない治療法が求められています。その1つとして、注目されているのが「サイバーナイフ」。ピンポイントでがんを攻撃する放射線治療器です(図1)。
放射線治療は、体にメスを入れたり、臓器を失うことなく治療ができるのが大きな利点です。しかし、放射線は正常細胞も傷害するので、これをどう防ぐかが長い間追究されてきました。例えば、体内のがんに外から放射線を照射すると、その通り道にある細胞にも放射線が影響します。そこで、一般的な放射線治療では、体の周囲から病巣に向かって少量の放射線を20〜30回に分けて照射し、正常細胞への影響をできるだけ少なくしているのです。そのため、ピンポイントで目的の部位に放射線を照射する方法が研究されてきました。その結果生まれたのが、サイバーナイフなど新世代の放射線治療器です。「1990年代には、ガンマナイフやサイバーナイフ、小線源療法など、ピンポイントで放射線を照射することができるようになったのです」と佐藤さんは語っています。
小線源療法は、放射線を出す小さな線源を体内に埋め込み、体の内側から限局された範囲に放射線を照射する方法で、舌がんや前立腺がんなどの治療に用いられています。これに対して、特殊な機器を使ってコンピュータで治療計画を立て、狙った部位に放射線をピンポイントで照射するのが、ガンマナイフとサイバーナイフです。いずれも「ナイフ」と呼ばれるのは、ナイフで切り取るぐらいシャープに標的部位を攻撃できるからです。
◇1センチ以下のズレは自動的に追尾
サイバーナイフは、1994年に米国の脳外科医によって開発された治療器です。簡単にいえば、自動車工場で溶接などに使われていた産業用ロボットのアームにエックス線のビームを発射する小型のリニアックを取り付けた装置です。
産業用ロボットは、小さなネジさえ取り付けるほど精密な動きをします。サイバーナイフのアームも6つの関節を持ち、しなやかに腕を動かしながら、100か所の位置からそれぞれ12方向にエックス線を照射することができます。つまり、計1,200本のエックス線をがんの形に合わせた方向、強さで照射することができるのです。もっとも「実際には1,200本も照射することはなく、30〜200本程度で十分がんをカバーできる」そうです。
アームは、0.2ミリ以下の精密さで同じ位置を照射できるほどのすぐれものです。さらに、わずかな位置のズレも自動的に追尾してエックス線を照射できます。巡航ミサイルと同じ原理で位置情報をキャッチし、1センチ以下のズレであればアームが自動的に標的部位を追尾して照射位置を補正するのだそうです。「それ以上ズレが大きくなると機械が停止するので、人間が直してあらためて治療を開始します」と佐藤さん。そのおかげで、ターゲットをはずすことなく、またじっとしているのが難しい子どもでも麻酔をせずに治療ができるのです。
実際には、例えば脳腫瘍の場合、治療計画のベースになるのはCTです。これにMRIの画像も加えて照射計画を立て、コンピュータにインプットします(図2)。頭部を固定するために、治療前日にはプラスチックのメッシュでできた板を顔に当てて伸ばし、専用のマスクを作ります。さらに枕を作り、当日はこれらを装着して放射線治療を受けます。治療時間は、平均30〜40分前後です。
「3センチ以下の脳腫瘍であれば、1回の治療で終わります」と佐藤さん。ピンポイントで照射できるので、一度に必要量の放射線を照射することが可能です。従来の放射線治療のように、何十日も治療に通わなくてすむのもサイバーナイフの利点です。
◇多くの脳腫瘍はコントロール可能
苦痛が少ないことも大きな長所です。患者さんはベッドに寝ているだけで、麻酔も必要なければ痛みも熱さもありません。この日も、治療が終わると患者さんは何事もなかったかのように立ち上がり、歩いていました。
佐藤さんがサイバーナイフで治療した患者さんの年齢は、2〜95歳。体の負担が少ないので、小さな子どもから高齢者まで治療が可能なのです。
同じピンポイント攻撃でも、ガンマナイフの場合は、半球形の機器に201個の穴が開いていて、ここから1点に向かってガンマ線が照射されます。患者さんは頭部をこの装置に固定されて、治療を受けます。
エックス線もガンマ線も「細胞のDNAを切断してがん細胞の増殖を阻止する」という点では同じです。「1センチ以下の転移性脳腫瘍なら、どちらで治療しても同じだと思います」と佐藤さんは語っています。ただ、ガンマナイフの場合は追尾システムがないので、正確に照射するために、局所麻酔をして頭に金属製のフレームをネジで止めて、しっかりと固定しなければなりません。
その点、サイバーナイフはメッシュの専用マスクを装着するだけですむのも利点。何回かに分けて治療(分割照射)をしても照射位置がずれないので、視神経に近い部位や脊髄に近い部位など微妙な部分にできた腫瘍には、分割照射をして神経を守ることもできます。3センチを超える大きな脳腫瘍でも分割照射で治療ができるといいます。「5センチぐらいまでならば可能です」と佐藤さん。
2005年の導入以来、同センターでサイバーナイフ治療を受けた患者さんは2,100人以上になります。皮膚の日焼けや口内炎などの副作用はありますが、一般の放射線治療に比べればはるかに少ないといいます。照射部位の脱毛も起こりますが、数か月で元に戻るそうです(図3)。
こうした治療のおかげで、転移性脳腫瘍の治療は著しく進歩しました。「私が医師になった80年頃は、脳に転移したら余命半年と言われましたが、今では脳転移で命を落とすことはまずありません」と佐藤さんは語っています。転移性でも良性でも、脳腫瘍は正常の脳神経を圧迫してマヒなどの障害を起こし、ひどくなれば死に至ります。しかし、「ほとんどの脳腫瘍はサイバーナイフでコントロールできます。例えば脳下垂体近くの良性腫瘍は95%がコントロールできている」そうです。車椅子で治療を受けに来た患者さんのマヒが治って歩いて定期検診に来るなど、治療を受けた患者さんの多くで症状が改善しているのです。また、耳下腺のがんで、「メガネが乗る分だけ耳を残して切除しましょう」と言われた患者さんが、サイバーナイフのおかげで耳を失わずにすんだそうです。
日本ではサイバーナイフは転移性や原発性の脳腫瘍、上顎や下顎など口腔のがん、咽頭がん、耳のがん、頸部リンパ節転移など首から上のがん治療に利用されてきました。この部位のがんは、手術で摘出すると変形や機能の損傷が大きいので、放射線治療が積極的に行われています。
ところが、世界では今やサイバーナイフは、体のがんに使われる率のほうが高くなっています。「韓国でも、今は体幹部のがん治療が7割だそうです」と佐藤さん。米国でも2001年に全身での治療が認められ、今ではサイバーナイフ治療の半分以上が体のがん。機器もそれに伴って進歩しているといいます。これに対して、日本では、昨年ようやく肺や肝臓など体のがんへの薬事承認がされたところです。日本の医療は世界標準からかなり立ち遅れているのです。
今のところ、肺がん、肝臓がんは転移がない直径3センチ、3個以下のがんが対象です。治療は、基本的には頭頸部がんと同じで、ベッドに1時間ほど寝ているだけで、数日で終わる予定です。ただし、問題は目印になる金属です。頭頸部の場合は、頭蓋骨など骨を基点に照射位置が計算されますが、体のがんの場合は基点として米粒ほどの純金のマーカーをがんの病巣周囲に打ち込む必要があります。しかし、このマーカーが保険で承認されていないため、「現状では混合診療が認められていないので、サイバーナイフで体幹部のがん治療を受けようとすると自費扱いになってしまう」という何とも中途半端な状態です。
そこで、横浜サイバーナイフセンターでは、まず保険で認められている脊髄の脳動静脈奇形、自費扱いで胸髄と腰髄の骨転移と良性腫瘍の治療から体幹部の治療を開始する予定です。まだ、長期的な治療成績や副作用の問題など検証していく必要はありますが、世界で行われている治療が日本で受けられないという状態は改善してほしいものです。
(取材・文 祢津加奈子)
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2008/12/28 ヘルシーリポート:キノコキトサン メタボの敵、内臓脂肪を燃焼 毎日jpより転載
ヘルシーリポート:キノコキトサン メタボの敵、内臓脂肪を燃焼
2008年12月27日 毎日新聞 東京朝刊

キノコキトサンを摂取する前の内臓脂肪。黒っぽい部分が内臓脂肪=渡邉さん提供

キノコキトサン摂取後の内臓脂肪面積。黒っぽい部分が大きく減少していることが分かる=渡邉さん提供
◇中高年は機能性食品で
高脂血や高血糖、高血圧などを特徴とするメタボリックシンドロームにならないために最も重要なことは肥満防止だ。メタボリックシンドロームが内臓脂肪症候群と呼ばれるように、特におなかの内臓脂肪が増えると要注意だ。肥満防止の基本はバランスのとれた食事と運動だが、キノコに含まれる繊維の一種のキノコキトサンが内臓脂肪の代謝に関係することが分かってきた。【小島正美】
■細胞膜の構成成分
キトサンといえば、一般にはエビやカニの殻から抽出されるキトサンが知られる。実は、エノキタケなどキノコにも植物性繊維のキトサンが含まれる。これがキノコキトサンで、キノコの細胞膜などの構成成分だ。
キトサンを摂取すると、食事に含まれる脂肪を吸着して、便と一緒に排出されるため、脂肪の吸収を抑える働きが知られてきた。
甲殻類キトサンとキノコキトサンのどちらも脂肪吸着の働きをもっているが、最近の研究で、キノコキトサンの方には脂肪を燃焼させる働きがあることが分かってきた。
キノコキトサンと脂肪燃焼の関係などを研究する渡邉泰雄・日本薬科大学薬学部教授(薬理学)は「キノコキトサンが肥満や生活習慣病の予防になるのではないか」とさまざまな試験研究を続けている。
■摂取量の差を解析
そのひとつが、キノコキトサンの摂取で体脂肪率や内臓脂肪が低下するかどうかの試験だ。
男女46人(30〜59歳)を大きく2群に分け、一方にはキノコキトサンのサプリメント、もう一方には本物そっくりの偽のサプリメント(プラセボ群)をそれぞれ12週間摂取してもらい、体重や内臓脂肪の面積、体脂肪率などを比較した。
46人は肥満の指標となる体格指数(BMI)が25以上の肥満タイプの成人。キノコキトサンの摂取量は、1日あたり200ミリグラム、400ミリグラム、800ミリグラムの3群に分けた。どの摂取群の人も、食習慣や運動などは普段と変わらないように指導し、キノコキトサンの摂取量の差が客観的に解析されるようにした。こういう厳密な科学的治験を二重盲検法という。
■1日400ミリグラムで十分
結果はどうだったか。体重の比較では、プラセボ群に変化がなかったのに対し、キノコキトサンの摂取群は試験前に比べ、平均して0・9〜1・8%減少した。
体脂肪率でも、キノコキトサンの摂取群は平均して減少し、キノコキトサンの摂取量が多いほど減少する傾向が見られた。
内臓脂肪の面積でも、キノコキトサンの摂取群は平均して減少した。ただ400ミリグラムと800ミリグラムでは大差はなく、1日あたり400ミリグラムの摂取で十分だと分かった。
■皮下脂肪は変化なく
コンピューター断層撮影(CT)を使った画像解析では、皮下脂肪はほとんど変化しないのに、内臓脂肪の面積は153平方センチメートルから約半分の74平方センチメートルになる例があるなど、内臓脂肪の顕著な減少が数多く見られた。
同じ脂肪でも、メタボリックシンドロームに関係するのは皮下脂肪よりも内臓脂肪だ。渡邉さんは「一般に内臓脂肪は落ちにくい。サプリメントを摂取して、健康な状態のままで3カ月程度で内蔵脂肪が減る結果に驚いた」と話す。
■血糖値下げる作用も
このほか、キノコキトサンには中性脂肪や血糖値を低下させる作用も報告されている。
キノコキトサンのどの成分が脂肪燃焼にかかわっているかの解明は今後の課題だ。脂肪細胞にあるアドレナリン受容体(用語参照)が脂肪燃焼に関係していることが分かってきただけに、渡邉さんは「キノコキトサンがアドレナリン受容体の働きを高め、レプチンやアディポネクチン(用語参照)の働きの低下を抑えることで脂肪燃焼を促しているのではないか」と作用メカニズムを推定している。
植物性のキノコキトサンは、エビやカニにアレルギーのある人でも摂取できる利点がある。渡邉さんは「体脂肪を下げる基本は適正な食事と運動だが、効果の出にくい40歳以上の中高年ではキノコキトサンのような機能性食品の摂取も選択肢のひとつになるのでは」と話している。
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■ことば
◇アドレナリン
副腎髄質ホルモン。交感神経を刺激し、心臓機能の高進、血管を収縮させることで血圧を上昇させるなどの作用がある。アドレナリンが作用するには、アドレナリンを受け取る細胞の側にスイッチの役目を果たす受容体が必要。いくつかある受容体のひとつにβ(ベータ)3受容体がある。脂肪細胞にはアドレナリンβ3受容体があり、脂肪の分解と燃焼にかかわっている。β3受容体の働きが悪いと脂肪の燃焼が悪くなり、肥満や糖尿病になりやすくなる。
◇レプチン
脂肪細胞が分泌するホルモンの一種。血液中のレプチン濃度が高くなると「たくさん食べた」というシグナルが脳に送られ、食欲中枢は抑制され、食欲は落ちる。レプチンはエネルギーの消費を促す働きをもつ。
◇アディポネクチン
脂肪細胞が分泌するホルモンのひとつ。肝臓や筋肉で脂肪を燃焼させ、血糖値を下げる働きがある。肥満になるとアディポネクチンの分泌量が低下する。
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2008/12/27 こころとからだの相談室:睡魔とホルモンの関係 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:睡魔とホルモンの関係
2008年12月26日 毎日らいふ
◇ 質問
生理前から生理中にかけて、強度の眠気に襲われ頭がもうろうとします。最初は、寝不足や疲れによるものかと思っていましたが、いつも月の決まった時期(生理前後1週間ぐらい)に起こる周期的なものだと最近気づきました。周囲からは「居眠りが多い」と非難されることも多々ありますが、どうしようもありません。何か改善する方法はありますか? また、生理と眠気は関係あるのでしょうか? ホルモンの分泌とも関連しているのか、最近特にひどくなったように感じます。特に不眠などの睡眠障害はありません。平均睡眠時間は約5時間です。(47歳、女性)
◇ 回答
お尋ねのケースは「夜間の不眠のない日中の睡魔」とのことですが、過眠と月経をキーワードとした睡眠障害としてとらえることができます。女性の睡眠の質は女性ホルモンの月の分泌リズムや、更年期の女性ホルモンの変動にしたがって影響されます。多角的な検討が必要です。
1つは月経前症候群(Premenstrual Syndrome, PMS)としてのとらえ方です。PMSに伴う睡眠障害では、不眠より過剰睡眠や日中の眠気を訴える人のほうが多く認められます。睡眠障害のほか、うつ、怒りの爆発、イライラ、不安、困惑、社会的引きこもり、乳房の張り、腹部膨満、興味や関心の減退、集中困難、倦怠感、食欲の変化(多くの場合食欲増加)、行動や感情のコントロール不全などが症状として挙げられます。閉経に近づくにつれ症状が強まる人もいます。
一方、睡魔の問題が突出している場合、睡眠障害の観点から月経随伴睡眠障害のうち月経前過眠症の可能性を考えます。やはり女性ホルモンとの関連が指摘されています。
47歳で閉経直前であること、平均睡眠時間が5時間と短いことも考慮すべきでしょう。健康・体力づくり事業財団の調査(1998年)によれば、40〜60代の日本人女性の平均睡眠時間は男性より約30分短く6.5時間程度となっています。この年代の女性が多忙で睡眠時間が確保しにくい点、更年期の睡眠障害などがその理由です。40代後半ともなれば徐々に閉経に向かい、女性ホルモンの変動が起きている時期に当たります。この時期の睡眠障害には夜間の浅眠や早朝覚醒が多く見られます。不眠の自覚はないとのことですが、睡眠時間に個人差はあるものの、やはり少し短いのではないかと気になります。夜間の睡眠が何らかの原因で十分でないために日中に眠気が生じやすくなっており、PMSとあいまって月経前に眠気が強まるという可能性もあります。
最後に、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)も考えておきましょう。SASは夜間に気道閉塞などの呼吸障害で睡眠が妨げられ、日中著しい眠気に襲われる疾患です。閉経前女性には一般にSASは少ないのですが、その大きな理由は女性ホルモンに呼吸中枢を刺激する働きがあるためです。そして閉経すると女性にもSASは増えてきます。閉経周辺期では特に月経前から開始直後に女性ホルモンが最低値になるため、この時期に一致して睡眠時無呼吸となっている可能性があります。いびきがあれば要注意です。
これらはいずれも月経や閉経に関連している状態ですので、まずは婦人科を受診してはどうでしょうか。睡眠障害以外にPMSや更年期症状があれば、これに準じ漢方薬や一部の抗うつ薬、低用量避妊薬、ホルモン補充療法などが適応になります。睡魔が突出していれば睡眠に特化したスリープクリニックの受診がよいでしょう。SASが心配な場合は呼吸器内科や耳鼻科で扱っているところがあります。
最後に1つ、生活の見直しもお勧めします。やはり睡眠時間5時間は少し短いような気がします。
回答者:加茂登志子(東京女子医科大学附属女性生涯健康センター センター長)
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2008/12/23 こころとからだの相談室:蛋白尿について 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:蛋白尿について
2008年12月22日 毎日らいふ
◇ 質問
検診で蛋白尿が出ました。特に体調が悪いわけではないのですが、精密検査を受けるように言われました。どういう病気のときに尿に蛋白が出るのでしょうか。また、体調に異常がなくても精密検査を受けるべきなのでしょうか?(50歳、男性)
◇ 回答
蛋白尿は極端な言い方をしますと、どの年齢でも出ます。しかしそれぞれの年代によって若干蛋白尿のもつ意味が異なってくると考えております。まず10歳代、20歳代くらいまでに検診で見つかる蛋白尿は、国内の場合は、IgA腎症という病気が考えられます。一方、それが30歳代、40歳代あるいは、今回の質問者のように50歳代で蛋白尿が出てきますと、いくつかの疾患を考える必要が出てきます。すなわち腎炎、IgA腎症に加えて、比較的この年代で多いのは膜性腎症、あるいは2次性の疾患に伴う蛋白尿です。膠原病、肝炎、高血圧、腎硬化症、糖尿病によっても出てきますので、一般的にはそれらの病気を考えるべきだと思います。
質問者の勧められた精密検査は恐らく腎生検のことだと思います。何の病気か分からない時に、腎生検で腎臓から組織を取って、蛋白尿の原因がどういうものであるかを調べることになります。また、それ以外の要素、すなわち血尿が出ているとか、あるいは血圧が高いとか、血糖値が高いとかも重要です。
一般的に蛋白尿は激しい運動をしたり、熱があったり、風邪の後では、正常の人でも出る場合があります。したがって検診の時にたまたまそのような状態であると正常の人でも蛋白尿が陽性となります。そこで、蛋白尿が出た場合には、第1段階としてもう一度尿検査をして、本当に蛋白尿が出るのか、さらに潜血反応や、沈渣を見ることによって円柱細胞があるかないかを調べます。この段階で蛋白尿が陽性であり、かつ潜血反応が陽性、さらに円柱成分もあるということになると、さらに詳しい検査が必要になります。
次に1日の尿をためて、どのくらいの蛋白尿が出ているかを調べます。その段階で血液検査を行い、血清クレアチニン、尿素窒素、尿酸、電解質(Na、K、Cl、Ca、P)を調べます。もし1g以上出ていれば、やはり腎生検をする必要が生じてくると思います。しかし1g以下である場合には経過観察でいいかもしれません。特に500mg以下でしたら、私は経過観察で十分だと考えております。
回答者:鈴木洋通(埼玉医科大学腎臓内科教授)
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2008/12/23 医療ナビ:クローン病 消化管に潰瘍できる慢性病。若い患者多く… 毎日jpより転載
医療ナビ:クローン病 消化管に潰瘍できる慢性病。若い患者多く…
2008年12月23日 毎日新聞 東京朝刊
◆クローン病 消化管に潰瘍できる慢性病。若い患者多く、QOL向上が課題に。
◇薬物・栄養療法併用で
◇この10年、患者倍増 食生活の欧米化影響か
京都市の男子学生(22)は浪人中、痔(じ)の症状や口内炎に悩まされた。ある日、予備校の寮で高熱のため倒れた。痔の手術を受けたが、37〜38度の熱が下がらなかった。後に「クローン病」と診断され、1カ月半入院した。聞き慣れない病名に戸惑ったが、飲み薬が効き熱も下がった。海外旅行に行けるほど体調は良くなったが、男性の父親(52)は「慢性病なので、同じような症状を繰り返すのではないかと不安だ。就職に影響しないだろうか」と漏らす。
*
クローン病は小腸や大腸など消化管のあちこちに炎症や傷(潰瘍(かいよう))ができる病気だ。腹痛や下痢、発熱、体重減少などのつらい症状に見舞われる。痔を併発する人も目立つ。1932年に米国のクローン医師が初めて報告し、この名がついた。社会保険中央総合病院(東京都新宿区)の高添正和副院長は「患者のQOL(生活の質)向上を考えることが大切」と訴える。
潰瘍が深く広がると、腸管が狭くなったり、腸に穴が開いたりすることがあり、手術が必要になる。再発しやすく、手術を繰り返す場合もある。10〜20代の若い人に多く発症するのが特徴で、患者数は推定約2万6000人。この10年で倍増した。
同じく腸に炎症が起きる病気に「潰瘍性大腸炎」がある。大腸表面の粘膜全体に広がる点に違いがあるが、若い人に多く、患者が増えている点で共通する。二つの病気は炎症性腸疾患と呼ばれ、医療費が公費助成される難病(特定疾患)に指定されている。
*
腸は口から入ってくる細菌などの外敵から身を守るため、体の免疫細胞の6割が集まる。炎症は、こうした外からの刺激に対する過剰な免疫反応で起こると考えられている。東京医科歯科大の渡辺守教授(消化器内科)は「人によって反応する食べ物の成分や細菌類はさまざまだと推測されている。特定の菌が原因ではないだろう」と話す。食生活の欧米化も影響していると言われるが、原因はよく分かっていない。
治療は薬物療法と栄養療法を組み合わせる。炎症を抑える「5−アミノサリチル酸製剤」、副腎皮質ホルモン剤、免疫調整剤などが処方される。02年に登場した「TNF−α」と呼ばれる炎症性のたんぱく質の働きを抑える点滴剤(商品名レミケード)も使われている。渡辺教授は「レミケードには、肺結核や悪性リンパ腫などの副作用報告もあるが、潰瘍がきれいに改善した人もいる。治療法は進歩している。悲観しないでほしい」と話す。
*
クローン病の症状が悪化すると、腸に負担をかけないために食事の回数や量を減らし、アミノ酸を補う「成分栄養療法」などが併用される。症状が治まっても、悪化させないために脂肪の少ない食事が推奨される。よくかむことも大切だ。
潰瘍性大腸炎の場合は「食事制限は不要で、健康な人と同じ食生活をすればよい」と、渡辺教授は指摘する。人工透析の原理を応用し、炎症を起こす白血球を取り除く治療法もある。【下桐実雅子】
◇治療法や体験談…患者向けに情報誌
クローン病は下痢や腹痛などに悩まされる。通院、入院が必要になり、就労に支障がでる場合がある。病気を持っていても働きやすい職場をつくろうと、00年、クローン病の患者ら5人が出版社「三雲社」(さいたま市、電話048・662・7555)を設立した。炎症性腸疾患の患者向け情報誌「CCJAPAN」を年6回発行し、最新の治療法や読者の体験談、就労や結婚の問題、食事レシピなどを取り上げている。情報提供を通して、全国均一の治療が受けられることを目標にする。串間努代表は「病気とどう暮らしていくかを前向きに考える方向に気持ちを持っていってほしい」と助言する。
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2008/12/19 こころとからだの相談室:ウイルス性疾患予防と漢方薬 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:ウイルス性疾患予防と漢方薬
2008年12月19日 毎日らいふ
◇ 質問
感染性胃腸炎やインフルエンザなどのウイルス性疾患に効く漢方処方はあるのでしょうか? また、日頃の体調管理はもちろんですが、インフルエンザや風邪にかかりにくくする漢方処方はありますか?
◇ 回答
風邪の諸症状を漢方では侵入してきたウイルス(病邪)と免疫力(正気)との間に起こっている邪正相争(じゃせいそうそう)という戦いによって生じるものと考えます。正気が十分に満ちている時には病邪を体内に侵入させない抵抗力が強いために、もしも病邪が侵入した時には『頭痛・肩こり・寒気・発熱』などの風邪の諸症状も強いものになります。
また、風邪をひいたので葛根湯を服用したら気分が悪くなったという方の対応をよくしますが、これは誤治(誤った処方選定)が原因です。というのも、漢方処方を選ぶ際には、どのようなウイルスの侵入だろうが、八綱弁証というものを駆使して病位・病勢・病性を確認して処方を選びますので『この症状にはこれが効く』という処方はありません。ですから思わぬ症状を起こさないためにも『風邪のひき始めだから葛根湯』と安易に考えずに、漢方薬を熟知している薬剤師や医師に相談してから服用するようにしてください。
下記に風邪の症状軽減によく使う漢方薬をご紹介しておきます(表)。
また、受験生を持つ親から漢方薬の中には風邪をひきにくくするものはないですか? とよく相談されますので、風邪の予防方法をいくつかご紹介します。
まずは外邪を体内に侵入させないこと。次に前述したように外邪と戦う正気を高めておくことが大切です。
外邪の侵入を防ぐためには、殺菌力のある粘膜が必要です。外出後のうがいやマスクの着用、室内の加湿などはもちろんですが、抗ウイルス作用が報告されている板藍根(ばんらんこん)やプロポリスなどの常用も効果的です。外邪と戦う正気を高めておく方法としては補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの補気剤という方剤を常用しておくと良いでしょう。
最後に余談ですが、インフルエンザに感染した場合にタミフルという薬を処方されますが、実はタミフルの原料は大茴香(だいういきょう)という生薬の成熟した果実からできているのです。これをみても漢方での風邪予防は有効な手段の1つだと考えています。
回答者:竹花洋史(薬剤師)(八仙堂漢方薬局 古淵店 神奈川県相模原市古淵2−18−3 TEL:042(769)0305 URL: http://www.hassendou.com メール:kanpou@hassendou.com 毎週水曜・日曜定休)
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2008/12/17 地域で支える高齢者医療 (下)健康への関心 住民意識高まる YOMIURI ONLINEより転載

ワクチン接種を勧める清水医師(右、長野県波田町の波田総合病院で)
肺炎で亡くなる65歳以上の高齢者は、2007年に10万6000人に達した。自治体の中には、肺炎を引き起こす細菌に感染するのを予防するワクチンに注目し、接種代の一部を公費で助成する取り組みが広がっている。06年度に開始し、75歳以上の半数近くが接種を終えたという長野県波田(はた)町を訪ねた。(内田健司、写真も)
肺炎予防 ワクチン接種を公費助成
1回で5年以上持続
「まだまだ元気だけど、病気になって迷惑をかけてもいけない。知り合いも打ったと聞いたし……」。麻田弘子さん(77)は今年9月、先延ばしにしてきた肺炎球菌ワクチンを接種した。12月になって、インフルエンザワクチンも接種し、「これで安心」と話した。
肺炎球菌ワクチンの接種は、同町の医療機関では1回6000円。2000円は町が助成するため、窓口で支払うのは4000円だ。2回打つと副作用が強く出る心配もあり、国内では一生に1度しか打てないが、1回接種すれば5年以上免疫が持続するとされている。
町では助成の対象を75歳以上としたが、元気な高齢者も多く、接種を遅らせる人も少なくなかった。これに対し、町の保健師、忠地(ただち)弥生さんらが、「体力のあるうちに肺炎球菌の免疫をしっかりつけておけば、肺炎にかかっても重症化しない」と呼びかけ、接種者は着実に増えてきた。
町が助成を始めたきっかけは、町立波田総合病院(215床)で05年、肺炎が悪化した高齢者の患者でベッドが埋まり、救急患者も受け入れられない事態に直面したことだ。その年、県の救急センター救急部長から転身してきた、清水幹夫・救急総合診療科長が、肺炎の入院患者の年齢分布や経年変化を分析し、75歳を境に入院患者が顕著に増えていたことが分かった。
全員の受診状況把握
清水医師は、高齢者が肺炎で入院すると、1日あたり平均2万8690円の医療費がかかると算出。肺炎球菌ワクチンの接種により、患者が減れば、将来の医療費が抑制されるだけでなく、町民の健康寿命が伸びる効果が期待できることから、町に接種代を助成することを働きかけた。
導入初年度は75歳以上の全員に接種を呼びかけた。07年度以降は、新たに75歳になった人と未接種者を対象に、町は毎年150人分にあたる30万円を予算計上してきた。
町では75歳以上全員の受診状況を把握し、情報が伝わりにくい独り暮らしや高齢者のみの世帯には、民生委員が直接出向いて、ワクチンの接種を勧める。高齢者の介護予防には、口腔(こうくう)ケアも欠かせないとして、非常勤の歯科衛生士が、その年に80歳になる高齢者を戸別訪問して歯磨きなどを指導する取り組みも進めているが、対象者が未接種者だと、ワクチンの効果などを説明している。
約半数が接種
高齢者が、インフルエンザとどちらのワクチンを打ったか勘違いしないよう、本来は季節に関係なく接種できる肺炎球菌ワクチンの接種は、毎年6月から10月の間に限定。これまで対象者1651人中、754人(45・7%)が接種した。
助成開始後、75歳以上で亡くなった町民約200人の死因を見ると、肺炎が20人いるが、未接種者が9割を占め、接種後に肺炎で亡くなる率が低くなっている。
肺炎球菌ワクチンの接種に助成した自治体数は全国で80以上と見られるが、清水医師は「医療機関だけで接種を普及させるのは難しい。ワクチン接種の効果を実感するまでには至っていないが、行政と一体となった取り組みが必要だ。肺炎にかからないようにしようという住民の意識が高まってきた」と手応えを語る。
町では現在、松本市との合併協議を申し込んでいるが、野村睦広住民福祉課長は「高齢者が自分の健康に関心を持ち、肺炎球菌ワクチンを接種することで、生活での安心感が生まれている。これからも助成事業は継続させてほしい」と話している。
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2008/12/17 地域で支える高齢者医療 (上)喘息死ゼロへ 専門医と連携 YOMIURI ONLINEより転載

喘息の治療には、患者にあった器機を選び指導することが大切と話す大林浩幸・東濃厚生病院アレルギー呼吸器科部長(岐阜県瑞浪市の東濃厚生病院で)
高齢な患者に目立つ喘息 や肺炎などの疾病対策に、自治体や医療機関が地域ぐるみで取り組む動きが広がってきた。適切な治療薬で重症化が防げるケースもある。2006年度から国が始めた「喘息死ゼロ作戦」に呼応し、専門医が中心となって、開業医や看護師、薬剤師らと連携して対策に乗り出した現場を訪ねた。(内田健司、写真も)
保健所が研修会
周囲が真っ暗になった今月8日午後7時、岡山県美作 市保健センターに、地元の医師や看護師、薬剤師ら約40人が集まった。美作市など4市町村を管轄する勝英 保健所が主催した研修会で、岡山大学病院の谷本安・助教が、高齢者喘息の実情や、患者にどのように服薬指導すると効果的かなどについて講演。「喘息で亡くなる事例は、病院に運ばれたときは既に心肺停止状態がほとんどだ。悪化しないよう早めの治療強化や、発作を起こした時の家庭での対処法を具体的に指導しておくことが大切だ」などと説明した。
研修会は、岡山県アレルギー疾患特別対策事業の一環で、今年度から県内九つの保健所単位で開かれている。市民講座などによる患者への啓発と並行して、専門医以外の開業医ら医療関係者にも、喘息の治療方法などを知ってもらうのがねらいだ。
厚生労働省の人口動態統計によると、07年に喘息で亡くなったのは2540人と、年々減少傾向にある。しかし、死亡者のうち75歳以上が7割、65歳以上では86%に達し、高齢者対策の必要性が高まっている。都道府県別で喘息死亡率(人口10万人当たり)を見た場合、岡山県は03、04年には、全国ワースト4、5だったことから、07年度から対策に乗り出し、今年2月、医療関係者らと合同で喘息対策検討委員会を設けた。
カード持ち歩き
検討委は、厚生労働省の研究班(主任研究者・大田健帝京大教授)の指針を活用。日本アレルギー学会が作成した喘息治療のガイドラインに沿って、吸入ステロイド薬による長期管理を徹底することを重視している。また患者自身が喘息をコントロールできているかどうかなどを確認するため、直近の4週間で、息切れした回数や、発作止めの薬の服用回数などを記録してもらう方法を推奨。さらに、容体が急変した場合に備えて、治療薬名や注意点などを書き込んで患者が持ち歩く「喘息カード」の普及などを呼びかけている。
喘息は高齢になって発症する患者もいれば、一度症状が改善したと思い込んで治療をやめ、しばらくたって再発した患者もいる。
中国地区の喘息死ゼロ作戦推進委員も務める高橋清・南岡山医療センター院長は「症状が消えても、気管支内に炎症が残ることが多い。薬を使い続けないと、再燃することや、根治しないことを、患者にもよく理解してもらう必要がある」と語る。
重要な器機選定
患者が主体的に治療に参加するようになっても、高齢者ならではの課題もある。吸う力が弱くなって、薬が気管支に行き渡らなかったり、指に力が入らずに吸入器の操作が思い通りに出来なかったりする。
岐阜県瑞浪 市でゼロ作戦に取り組む、東濃厚生病院の大林浩幸アレルギー呼吸器科部長は、処方する医師自身が吸入器などの特徴を熟知し、患者の状態にあった器機を選定する必要性を指摘する。さらに、「主治医の前でちゃんと吸えているか確認しないと、本当に薬を処方したことにはならない。薬局での指導も大切だ」と強調し、地域の薬剤師らを対象とした研修会を開くなど連携を進めている。
岐阜県では、西濃地区で1996年から地域ぐるみの取り組みがスタート。07年以降、運動が全県に広がり、この年の喘息死亡率は全国最低となった。
大林部長は、気管支内に炎症がどの程度残っているか、食塩水を使ってはき出させた痰 を調べ、処方する薬の量を調整する独自の取り組みも進めており、「医療ネットワークの活動をさらに進め、市民にも啓発しながら、まずは地域の喘息死ゼロを実現したい」と話している。
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2008/12/16 医療ナビ:肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。 毎日jpより転載
医療ナビ:肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。
2008年12月16日 毎日新聞 東京朝刊
◆肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。
◇ワクチンで死亡率7割減 インフルエンザの重症化も防ぐ
◇効果は5年…医師ら「国は追加接種認可を」
インフルエンザが流行する季節は肺炎も多発する。肺炎が原因で亡くなる人はがん、心疾患、脳血管疾患に次ぎ、4番目に多い。肺炎で死亡する人の9割以上は65歳以上。高齢者をかかえる家族は、肺炎にならない予防策を取ることが大切だ。
■耐性菌出現で注目
肺炎を起こしている主な原因菌には緑膿(りょくのう)菌や肺炎球菌などがある。緑膿菌は院内感染も起こす。肺炎球菌は鼻の奥にすむ「常在菌」で、体の免疫力が低下すると発熱やせき、たんなどを伴う肺炎になり、死亡する場合もある。インフルエンザに感染していると、肺炎球菌が気管支などに侵入しやすくなり、症状はより重くなる。
肺炎球菌による肺炎の治療ではペニシリン系の抗生物質を使うが、最近は薬が効きにくい耐性菌が現れてきた。そこで注目されているのがワクチン接種だ。毒性をなくした肺炎球菌の一部を注射し、体に抗体をつくらせて重症化を防ぐ。日本では88年に承認された。米国では65歳以上の約6割が接種しているが、日本では5%程度と低い。ワクチン接種した人はしない人に比べ、死亡率は約7割も下がる。複十字病院(東京都清瀬市)の工藤翔二院長は「65歳以上の高齢者はワクチン接種をした方がよい」と事前の予防策を勧める。また、インフルエンザや肺炎治療に詳しい松本慶蔵(けいぞう)・長崎大名誉教授は「ワクチン接種はインフルエンザになったときの重症化を抑える効果もある」と指摘する。
肺炎球菌ワクチンの効果は1回の接種で5年程度持続する。米国では2回の接種が認められているが、日本では安全性や有効性を裏付けるデータが少ないとして、厚生労働省は1回しか認めていない。だが、工藤さんは「接種して5年以上たったら、2回目の接種をした方がより効果的だ」と国に2回目の接種の必要性を訴えている。
■欧米では小児用も
肺炎球菌は肺炎だけでなく中耳炎や髄膜炎などの原因にもなる。免疫力の弱い4〜5歳以下では、血液に入った肺炎球菌が脳や脊髄(せきずい)を覆う髄膜に侵入して炎症を起こす髄膜炎の原因にもなる。日本神経感染症学会の報告によると、日本では年間約1000人の子どもが髄膜炎にかかっていると推定されている。
欧米では子ども専用ワクチンが認められている。2歳未満の専用ワクチンを開発した米製薬企業「ワイス」は昨年9月、厚労省に使用申請したが、まだ承認されていない。普段から、うがいや運動、日光浴などで体の免疫を強くしておくことが必要だ。
■自治体が助成の動き
ここ数年、全国の自治体が住民に接種を促す動きを見せている。
スイカの産地で知られる長野県波田町(人口約1万5000人)は、04年から05年の冬、インフルエンザと肺炎を併発した高齢者が急増し、町の病院に収容できないほどの事態になった。
そこで、06年6月から、75歳以上を対象にワクチン接種への助成を始めた。通常の接種料金は6000円だが、2000円を補助し、自己負担は4000円。半分近い高齢者が接種を受けた。その結果、06年6月以前は、全死亡者のうち肺炎死亡が11〜17%を占めたのに対し、助成後の07年は約6%、今年は約4%(10月1日現在)と肺炎死亡率は大幅に減った。
清水幹夫・波田総合病院救急総合診療科長は「肺炎で入院すると1カ月間の入院費用は1人あたり約86万円もかかる。ワクチン接種で高齢者の入院患者は大きく減った」と経済的な効果も認める。
全国のワクチン接種の平均的な費用は8000円前後だ。東京都渋谷区のように75歳以上は全額補助の例もある。
万有製薬は治療法やワクチン接種の病院紹介などを解説する「肺炎球菌感染症コールセンター」(月〜金曜の9〜17時、0120・66・8910)を来年3月末まで開設している。【小島正美】
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2008/12/14 医師の太田さん、周産期医療のあり方訴える 産科4割減 崩壊の危機 @nifty.comより転載
医師の太田さん、周産期医療のあり方訴える 産科4割減 崩壊の危機
2008年12月14日(日)8時0分配信 産経新聞
妊婦受け入れ拒否が続いたのを機に、周産期医療のあり方が問われている。この20年で、出産できる病院は約6割に減少した。産婦人科医も減り続け、母体搬送の“都府県境超え”は日常茶飯事という。この緊急事態をどう受け止めればいいのか。対策はあるのか。小説『産声が消えていく』(祥伝社)を刊行した医師、太田靖之氏に聞いた。(牛田久美)
深夜の手術室。妊婦の緊急手術を始めたとたん、別の妊婦の容体が急変する。当直医はひとり。「至急、もう1組カイザー(帝王切開)の準備を」−。
小説には実体験が描かれている。太田氏は米国で医師国家試験に合格後、国内で勤務医となった。ところが「あまりの激務に」疲れ果てて一度は離職した。“燃え尽きた”主人公はかつての自分そのものだという。
徐々に復帰するつもりでいたが、求めに応じるうち再びハードワークに。全国を飛び回り、飛行機の搭乗回数は今年だけで100回を超えた。休みは月2日しかないそうだ。「静岡の病院は医師2人体制。私が行く36時間だけ、どちらかの先生が休める。沖縄では70代の先生1人が一島のお産を支えている。日本中で産科は崩壊しています」
産科医が減る一因は訴訟のリスクだ、と太田氏はいう。
「いくら医学が進歩しても死亡率はゼロにならない。科学が及ばない部分は存在し続ける。ところが、お産はうまくいって当然という風潮から、医療の責任が問われ始めた」
例えば500人に1人とされる脳性麻痺(まひ)。「原因特定は難しく国が支えるべきだが、日本では医師を訴えなくては救済されない」
現場に衝撃を与えた“モンスター判決”もある。大阪高裁は平成15年、救急患者を救命できなかったとして奈良県立五条病院に対し、遺族に4900万円を支払うよう命じた。「最善を尽くした」とする主張は通らなかった。
もちろん、故意や怠慢による医療事故ならば医師は責任を問われなければならない。「ただ、力が及ばないこともある。万全でなければ、受け入れを制限せざるを得なくなる」。判決後に、救急患者の受け入れ拒否が7倍に跳ね上がった地区もあるという。
無用な刑事訴追を減らす制度を構築する。労働基準法を順守する。この2つが達成されれば「医師は現場に戻る」と太田氏は言い切る。
死亡事故を受けて、文部科学省が打ち出した定員増の対策には懐疑的だ。「医師が逃げた原因に取り組んでいない。劣勢の戦場に兵を送り込んでも、また去るだけでしょう」。厚生労働省に対しては「医師余りの時代がくるといっていたが、医学の進歩が医師の増加を吸収した。循環器内科など昔はなかった科が増えている。一方で産科医は減るばかり。医療再生のため、根本から政策を見直すべきだ」。
問題は根深い。立ち止まっている余裕はない。
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2008/12/14 特集:シンポジウム「認知症への対応」 予防第一を再認識 毎日jpより転載
特集:シンポジウム「認知症への対応」 予防第一を再認識
2008年12月14日 毎日新聞 東京朝刊
認知症の今日的テーマを明らかにするシンポジウム「認知症への対応」が、今年度も盛岡市(5月20日)、長崎市(7月28日)、和歌山市(10月28日)の各市で開催された。3会場で約1500人の市民らが基調講演などに熱心に耳を傾けた。今年は和歌山市で、社団法人認知症の人と家族の会山梨県支部「あした葉劇団」(平井出設子代表)の演劇が上演され、特別招待された地元の小中学生らが鑑賞した。以下は3会場での基調講演の詳報−−。基調講演から今日的テーマを追った。
■盛岡(5月20日開催)
◆認知症にどう対応するか−−岩手医科大学神経内科学講座准教授・高橋智氏
◇頭を使って脳を鍛錬
日本の高齢者の認知症患者数は、2020年には300万人に達すると予測され、同時にここ十数年で、その疾病構造が大きく変化しています。1970年代には50、60歳代で発症する脳卒中後の認知症が優位で、多少の物忘れがあるお年寄りでも、日常生活に支障がない限り、家族とやさしい地域社会に見守られ、天寿を全うしていました。
近年は軽症のアルツハイマー病患者が激増中です。核家族化と後期高齢者人口の増加により、1人暮らし、夫婦2人暮らしの高齢者世帯が増え、その一方で社会の高度情報化により、家事はもちろん、スーパーでの買い物、さまざまな料金の支払いなど、すべて高齢者自身が行わねばならず、キャッシュカードの暗証番号を忘れるとお金を引き出せない。娘に尋ねようにも携帯電話番号を忘れると連絡できない。このような環境で買い忘れ、払い忘れ、詐欺にだまされるなど、失敗を繰り返すと「社会生活に適応できない」という診断基準に当てはまり、認知症と診断されることになります。昔に比べ、認知機能水準のハードルが格段に高くなっています。
認知症の症状は、記憶力・思考力・判断力といった脳がもともと行っていた働きの障害である「中核症状」と、生き残っている脳が暴れているために起こる「周辺症状」(BPSD)に大別されます。BPSDとは、怒りっぽい、暴力をふるうといった行動及び心理学的症状のことです。中核症状はすべての認知症患者に見られますが、BPSDは全経過を通して見られない人も多い。BPSDは記憶を失い、不安な患者の「今」を心地よいと感じられる介護環境を整えることにより、軽減することが可能です。しかし、適切なケアが行われても、BPSDを完全にコントロールできないこともしばしばです。
このような時、患者の家族背景、ケア環境を考慮したきめ細かな治療法の選択、薬物療法の選択が可能です。認知症の中核症状の非薬物療法の基本は、「頭を使って、脳を鍛える」ことであり、日常生活で気にかけるべき認知症予防の視点としても、楽しみながら脳を使うこと、体を使って脳を活性化すること、肉類を減らして魚中心の食生活を心がけること、などが推奨されています。さらに認知症は治る病気ではありませんが、最近その薬物療法として、病態に即したβセレクターゼ阻害薬やワクチン療法など根治療法の開発も進んでいます。
■長崎(7月28日開催)
◆長寿社会と食生活−−熊本大学文学部地域科学科社会学教授・徳野貞雄氏
◇誰と食べるかが重要
彼は日常、一体どんな食事をしていたのか?−−。彼とは今年6月、東京・秋葉原の歩行者天国で7人もの尊い命を奪った容疑者のことです。事件後に派遣労働者の不安と孤立、オタク世代の性格的特徴など、事件の社会的背景が明らかになりました。しかし、事件を起こす3日前、彼がどのような食事をしていたかについて、誰も関心を持ちません。何を食べていたかではなく、誰と食べていたかです。容易に想像できることは、多分大勢の客のいる店で、ポツンと1人で食べていたのではないか。食卓での友人らとの会話の弾む食事とは、ほど遠い「食べ事(た ごと)」をしていたのではないか、と推測されます。それは、孤食であり、彼の日常の孤立ぶりが最も色濃くにじみ出てきます。
甘い推測かもしれませんが、彼が事件直前に一度でも人と会話の弾む食事をしていたら、あるいはこの事件は回避されていたかもしれません。
食事とは、何を食べるかだけでなく、誰とどのように食べるかが、非常に重要な問題です。現代日本では今、このことが大きく崩れてきているのです。
この「食べ事」や「孤食」の問題は、若者だけでなく高齢者にとっても非常に重要なテーマです。現在、多くの高齢者が水炊きとかすき焼きなどの鍋料理が日常で食べられなくなっている。お金がないわけでもなく、調理技術がないわけでもなく、最大の理由は鍋を囲む子供や家族がいないのです。
また、高齢者1人での外食や総菜のテークアウトも増えています。1人暮らしや夫婦だけの高齢者世帯が急激に増えているからです。高齢化社会の特徴は、単に高齢者の数や比率が増えるだけでなく、家族・世帯が急激に縮小し、若者から年寄りまで暮らしが個人単位でバラバラに分解されることに特徴があるのです。
日本人の食事は、「モノ」は豊かになったが、「ヒト」を軸とした「食べ事」の水準は急激に悪化し、日本人の食生活は貧しくなっています。ここ数年、BSE(牛海綿状脳症)問題や鳥インフルエンザ、中国産ギョーザなどといった食品の安全性を中心に、食と農に関する問題が噴出しています。しかし、それより問題なのは食べる側の「ヒト」、すなわち、誰と一緒に食べるか、高齢者や若者がどのような「食べ事」をしているのかが、大きな社会的テーマとして浮上してきているのです。
■和歌山(10月28日開催)
◆認知症診断の最前線情報−−大阪大学大学院医学系研究科核医学講座教授・畑澤順氏
◇脳機能を画像で解析
認知症は脳の病気です。最近のことを思い出せない、物の置き忘れに代表される「記憶力の低下」、自分の居場所が分からない、時間の認識ができないといった「見当識障害」が主な症状です。進行すると、夜中の徘徊(はいかい)、怒りっぽくなる、大声を出す、物とられ妄想があるなど、本人だけではなく家族を含めた周囲にも迷惑がかかるようになります。
認知症を起こす原因はさまざまです。社会の高齢化の進展に伴い、最近増えてきたのがアルツハイマー型認知症です。この病気の原因はまだよく分かっていません。
アルツハイマー型認知症の発症には、生活習慣や身体的疾患が影響することが分かってきました。アルツハイマー型認知症では、神経細胞の中に「シミ」ができ、脳は萎縮(いしゅく)し徐々に機能が低下します。この病気には、症状が進行するのを遅らせる薬が開発され、医療機関で処方されています。症状が軽い患者さんほど効果があるので、早期に診断し早期に治療を開始することがとても重要です。
認知症の診断はまず、ご本人への問診と簡単な記銘力テストです。本人が物忘れを自覚している場合はほとんどが病的ではありません。付き添ってきたご家族の方のお話が大事な情報になります。次は脳の形の写真(X線CT=コンピューター断層撮影装置、MRI=磁気共鳴画像化装置)を撮ります。これを見て脳腫瘍(しゅよう)や脳卒中がないかどうか、脳が異常に萎縮していないかどうかを調べます。アルツハイマー型認知症の早期には、脳の形の異常はほとんどありません。その後、脳の血流や代謝の写真を撮ります(SPECT=単一光子放射断層撮影、PET=陽電子放射断層撮影)。アルツハイマー型認知症では、側頭葉や頭頂葉の機能が低下することなどが分かってきました。神経細胞間の情報のやりとりがうまくできなくなり記憶力や判断力、人格に障害が表れてきます。
認知症はヒトに備わった高次機能の障害です。脳の機能画像を解析すると、物を覚える力は小学生から高校生の間に急速に成熟します。高校生から成人になるまでの間には情報を統合し判断する力がついてきます。医学研究は、ヒトの脳機能を目に見えるようにするところまで進歩、認知症を早期に診断することができるようになりました。そして、病気の真の原因を解明し、その治療法を開発する挑戦が毎日続いています。
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◇岩手県
総人口約137万5000人。高齢化率は25.8%(全国平均20.8%)で、2年後には27%にまで膨らみ、4人に1人が65歳以上の高齢者で占める。また、この年には65歳から74歳の高齢者より後期高齢者(75歳以上)の人口の割合が多くなると予測されている。認知症高齢者の数の推計は約4万2000人。
◇長崎県
日本の本土最西端に位置、594の離島(居住は73島)を抱える。総人口は約145万3000人。高齢化率は24.8%。認知症高齢者は2万4000人を数え、この数は年々増加、高齢化がピークの27年後には倍近くまで膨らむ。離島が全国一多いという地域特性に加え、人口高齢化への対応が最大の政策課題。
◇和歌山県
世界遺産「熊野古道」で知られる和歌山県の総人口は約104万5000人で、高齢化率25.3%。介護保険の要介護認定者は5万人、認知症高齢者は2万5000人と推計されている。10年前に比べ、総人口は5万人減少しているのに対し、65歳以上の人口が5.8%増となっているのが大きな特徴。
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主催 財団法人ぼけ予防協会、毎日新聞社など
後援 厚生労働省、日本医師会、日本歯科医師会、日本経済団体連合会など
協賛 アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)
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■人物略歴
◇たかはし・さとし
岩手医科大学医学部卒。同講師、助教授(現准教授)などを経て、06年から同大学付属病院医療安全推進室長。専門領域は老年期認知症、脳循環。著書(共著)に「脳血管障害と老年期痴呆」(先端医学社)、「内科学書」(中山書店)など。
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■人物略歴
◇とくの・さだお
九州大学大学院文学研究科博士課程修了。山口大学人文学部助手、広島県立大学助教授などを経て99年から現職。全国約880カ所ある「道の駅」の命名者として知られる。農村社会学などが専門分野。「農村の幸せ、都会の幸せ」(NHK出版)など著書多数。
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■人物略歴
◇はたざわ・じゅん
東北大学医学部卒、同大学院医学研究科修了。イギリス、米国立衛生研究所(NIH)留学、東北大学サイクロトロンRIセンター、秋田県立脳血管研究センター放射線医学研究部長などを経て、02年4月から現職。専門はPETを用いた脳循環・代謝及び脳機能の研究。
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2008/12/9 医療ナビ:小児の医療過誤 問題解決への取り組みは。 毎日jpより転載
医療ナビ:小児の医療過誤 問題解決への取り組みは。
2008年12月9日 毎日新聞 東京朝刊
◆小児の医療過誤 問題解決への取り組みは。
◇情報伝え信頼関係築く 実態理解へ講習会も
医療過誤をめぐる訴訟は年約1000件に達する。医療訴訟にいたる事態が発生したのは患者にとって不幸なだけではない。リスクの高い医療を回避したいと医師不足を招きかねない。特に、小児は医師も予測できない容体の急変を起こしやすく、訴訟になる可能性が高い。問題解決に向けた動きを探った。
11月、福岡市で開かれた小児医療過誤を考えるシンポジウム。小児医療や法医学の専門家、市民ら約60人が参加した。
「子どもは大人のミニチュアではない。そのことへの理解が必要だ」−−。小児の医療過誤に詳しい小林弘幸・順天堂大医療安全推進部長(総合診療科)はこう強調した上で、7歳男児で起きた事例を紹介した。
男児は下腹部の痛みを訴え午前中に開業医を訪れ、鎮痛剤の投与を受けて帰宅した。痛みは治まらず、夜になるとさらに強くなった。再び開業医を訪れて検査すると、睾丸捻転(こうがんねんてん)と判明した。睾丸が何かの拍子にねじれ、睾丸への血管がふさがれ壊死(えし)する病気だ。男児は睾丸の摘出手術を受けた。男児は詳しい症状を説明できないうえに、腹痛にはさまざまな要因がある。診断が遅れた例と言える。
子どもの体内の水分量は大人に比べ少なく発熱や脱水で水を使い切り重症化しやすい。組織は弱く、手術では繊細な技術が必要。乳児は投薬量のミスも起きやすい。子どもは症状を的確に説明できない。その結果、医療過誤の原因になる診断や治療のミスが起きる。親から見ると子どもの症状が突然悪化し、医療過誤を疑ってしまう。
シンポを企画した澤口聡(とし)子(こ)・福岡女学院大教授(小児法医学)は「小児の医療過誤は専門家が少ない。それが、原因特定を難しくし、患者や家族の不満につながっている。この現実を、医師と市民が共有することから始めたい」と説明した。参加者は「対応に悩んでいたので参考になった」と語った。
◇急がれる補償制度の整備
最高裁によると、小児科の訴訟件数は他の診療科に比べ少ない。小児科医と患者の家族の間に、信頼関係が構築されているためとみられる。だが、救急では互いに初対面で、患者の容体も深刻だ。小林さんは「医師が患者や家族への配慮を心がければ訴訟を減らせる。医師と患者、家族の意思疎通が鍵を握る」と話す。
聖マリアンナ医大の北川博昭・医療安全管理対策室長(小児外科)が勧めるのは、米ハーバード大が作成した医療過誤マニュアルの活用だ。特徴は、医師にまず謝罪することを求めている点だ。
北川さんは「ミスの有無は別にして、救命できなかったことや重症化させたことを率直に謝る姿勢が患者や家族の信頼を得る。患者の不信は、どの医師もつらい。互いに納得できる解決ができれば、医師も仕事への意欲を維持できる」と話す。
医療過誤が起きた際の裁判外紛争解決(ADR)システムの整備も注目される。日本では、医師会や弁護士会などが取り組んでいるが、欧米は法律に基づき制度を整備している。特に、ADRと無過失補償制度を組み合わせたフランスの制度は、患者側が十分な補償を受けられる仕組みとして評価されている。
日本小児外科学会は5月、初めて医療安全講習会を開いた。病院での治療事例を開業医に伝え、的確な診断や治療、患者搬送の仕組みを作り、医療過誤を減らすことを目指している。小林さんは「親向けにも市民講座を開き、小児医療の特性と実態を伝えたい」と話す。
ヌノ・ビエイラ国際法医学アカデミー会長は「医療過誤を皆無にすることは難しい。米国では小児の医療訴訟が増加傾向だ。患者に十分補償するシステム、医師側には正確な分析と情報開示を通じた再発防止策の構築を求めたい」と提言する。【永山悦子】
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2008/12/9 こころとからだの相談室:処方せんでもらうかぜ薬と市販のかぜ薬はどう違うのでしょうか? 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:処方せんでもらうかぜ薬と市販のかぜ薬はどう違うのでしょうか?
2008年12月8日 毎日らいふ
◇ 質問
先日、風邪を引いて医師にかかり、総合感冒薬をもらいました。薬局で買った市販の総合感冒薬が家にもあるのですが、医師がくれる総合感冒薬と市販の総合感冒薬にはどのような違いがあるのでしょうか。
◇ 回答
これから冬に入り、感冒の流行期を迎えます。病院・診療所を受診される方や薬局・ドラッグストアでかぜ薬(総合感冒薬)を購入される方が、次第に増えてくるのではないでしょうか。
一度でもドラッグストアに足を運ばれたことのある方はご存じかと思いますが、市販の総合感冒薬はさまざまなメーカーから数多くの製品が販売されています。店舗によっては、壁一面が総合感冒薬ということもあります。医薬品集で調べてみると、現在、市販の総合感冒薬は約1,000品目もあるようです。一方、医師の処方せんでもらう総合感冒薬は数えるほどしかなく、小児用や後発医薬品を含めても20製品もないくらいです。
総合感冒薬は、熱を下げる成分、咳を止める成分、アレルギーを抑える成分など、複数の成分が1錠あるいは1包にまとまっているため、服用の際に非常に便利である半面、症状に対して不要な成分が含まれていたり、成分ごとの量の調節が難しかったり、という問題があります。
一方、医療用医薬品の場合は、医師が患者個人の状態に応じて必要な成分を選び、量を調節して処方することができるよう、多くは1つの製品に1つの成分だけが含まれています。ただし、種類は少ないですが、医療用の総合感冒薬もよく使われています。
さて、ご質問の医療用と一般用総合感冒薬の違いですが、製品そのもので言えば非常に類似しています。個々の成分で見た場合、医療用だけに配合されている成分も一部あるものの、大半の成分は医療用と一般用で同じです。医療用の総合感冒薬に含まれる、アセトアミノフェン(解熱鎮痛成分)やサリチルアミド(解熱鎮痛成分)、マレイン酸クロルフェニラミン(抗アレルギー成分)などは、市販の総合感冒薬でもよく使われている成分です。また、標準的な用量についてもあまり差はないようです。
しかし、医療用医薬品は、医師が患者の状態に応じて処方する医薬品であるため、年齢や症状などを考慮して量の増減が認められていますが、一般用医薬品は用量を勝手に変えることはできません。このように両者の大きな違いは、医療用医薬品と一般用医薬品の本質にあると言えます。
回答者:高橋 智至(薬剤師/日本薬剤師会中央薬事情報センター/薬相談専用電話 03-3353-2251)
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2008/12/7 家の薬:まとめて管理 いつの?誰の?明確に 迷ったら薬剤師に相談 毎日jpより転載
家の薬:まとめて管理 いつの?誰の?明確に 迷ったら薬剤師に相談
2008年12月7日 毎日新聞 東京朝刊
風邪などで体調を崩しやすい季節。救急箱や机の引き出しから薬があふれているのに、症状に合うものがないと慌てることも多い。家庭にある薬の管理や扱いなどは、どうしたらいいのだろう。【木村葉子】
■家庭薬
薬局・薬店で手軽に買える家庭薬は、ちょっと体調を崩した時の強い味方だ。素人が自分で判断して飲み、やめどきも自分で決めることができるように安全性を重視して作られている。幅広い症状に対応できるが、処方薬のような強い効き目はない。症状が軽いうちに飲み始め、3〜5日飲み続けても症状が改善しなければ服用をやめ、受診することが大切だ。
取り扱いはどうしたらよいのか、日本OTC医薬品協会常務理事の西沢元仁さん(59)に聞いた。
保管は冷暗所で、特に小さな子どものいる家庭では子どもの手の届かない場所に置く。箱や引き出しなど1カ所にまとめておくと、いざという時に慌てない。何の薬か分からなくなってしまうので、別の容器には移し替えないようにする。
家庭薬の使用期限はおおむね3年だが、開封したら1年と考えたほうがよい。外箱や袋、説明書などは使い終わるまでとっておく。箱などに開封した日付を書いておき、年に一度は薬の整理をして使用期限を確認する。
捨てるときは、容器から取り出し薬は紙に包み、可燃ごみとして捨てる。目薬などの液体は新聞紙や布などに吸い込ませ、可燃ごみに。エアゾール剤や噴霧剤は容器に書いてある方法で、屋外でガス抜きする。容器や包装は自治体の表示にしたがって分別し、捨てる。
■小児用
子どものいる家庭では、小児用の薬もあると安心だ。「子どもは大人のミニチュアではない」といわれており、体格が大人並みの小学生でも肝臓や腎臓の機能は大人のようには発達していないので、必ず年齢にあった分量を飲ませる。
粉薬など、2分の1や3分の1の量にする場合は、きれいな紙の上に全量出し、ならしてから分け、残ったものは捨てる。カプセルの中身を出したり錠剤を砕いてはいけない。
■処方薬
医師の診察後、処方せんを基に薬局から出される薬はどうすればよいのだろう。日本薬剤師会の藤垣哲彦常務理事(56)に聞いた。
薬は袋から出さず、誰がいつ処方されたものか分かるようにしておく。1人分ずつ箱などに入れておくと間違えにくい。何の薬か分からなくなったものは処分する。
飲み残した薬は、症状と合っているかどうか分からないので、原則としては捨てる。だが、かかりつけの医師の処方で患者も飲み方をよく理解している場合は、緊急措置として1、2回飲むことは許容範囲だ。症状が改善されなければ、診察を受けた方がよい。
いずれにしても、自分で判断せず医師や薬剤師に相談した方が安心だ。
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◇OTC医薬品
Over The Counterの略。医師の処方せんなしに薬局・薬店で買える一般用医薬品で、原則として客と薬剤師がカウンターをはさんで相談したうえで販売される。
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■薬の飲み方
▽薬はコップ1杯の水かぬるま湯で飲む。他の物では薬の成分が変化したり、作用に悪影響を与えるので避ける。
▽薬にもよるが、服用間隔の目安は5〜6時間。飲み忘れても、2回分を一度に飲んではいけない。
▽幼児が薬をこぼしたり吐いたりしたときも、次の服用まで待つ。甘いものに混ぜたくなるが、医師や薬剤師と相談してからにする。
▽症状が改善しても、体内に病原菌が残っている場合もある。3〜4日の処方なら飲み切るようにする。1週間以上薬が出たものは、飲み続けるかどうか医師らに相談するといい。
(日本薬剤師会・藤垣哲彦常務理事の指導による)
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2008/12/5 入浴:全身浴10分、肩こり解消 同時にストレッチで予防効果も 毎日jpより転載
入浴:全身浴10分、肩こり解消 同時にストレッチで予防効果も
2008年12月5日 毎日新聞 東京朝刊
寒く、慌ただしい時期を迎えた。1年の疲れを、心身に感じている人も多いだろう。だからこそ、ゆったりとお風呂につかりたくなる。こりや痛みを解消する効果的な入浴法を紹介する。【田中泰義】
「大学時代は、今以上に頑固な肩こりに悩まされた」と語るのは、自由形やバタフライを専門としていた元鹿屋体育大水泳部主将の須藤明治・国士舘大准教授(運動処方学)だ。
激しい運動で筋肉に過度の疲労が蓄積したのが原因。逆に、運動不足でも血行不良となって肩こりになる。最近はパソコンを使う時間が増え、長時間同じ姿勢を強いられる。その結果、肩の筋肉が緊張して硬くなり血行不良になっているという。
東京ガス都市生活研究所が7月、インターネットを使って首都圏に暮らす20〜60代の750人に聞いたところ、女性では20〜40代で8割、男性では20〜50代の過半数が肩こりを感じていた。
*
須藤准教授が自分の肩こりを緩和したいと考え、注目したのがお風呂やプールだ。水中では浮力によって体にかかる負荷が3分の1程度になる。筋肉は弛緩(しかん)し、血管が広がり血行が促進される。静脈は水圧を受けて心臓に戻る血流量が増え、心臓の負担も軽くなる。
須藤准教授が胸下まで15分間、35度前後のお湯につかった約10人で測定したところ、血圧が10〜30ミリHg下がった。また、肩周辺の血流量が10〜20%増えることも確認できた。
一方、東京ガスは11人を対象に、入浴の仕方(全身浴か半身浴)、湯温(38〜40度)、入浴時間(10〜15分)を変えて、肩の張りを「筋硬度」という指標で測定した。すると、肩こり解消の効果が最も高かった組み合わせは40度、10分間の全身浴で、風呂を出てから少なくとも30分間、肩の筋肉が柔らかくなっていた。入浴が難しければ、ひじから指先までを42度の湯に20分間つけても筋硬度は6%程度下がったという。
須藤准教授は入浴のついでにストレッチを勧める。入浴中の筋活動はリラックスしているため少ない負担で関節を動かすことができ、筋肉や関節の痛みをほとんど感じることがない。さらに、関節の周りを取り巻くように付いている体の内側の筋肉を使うことで関節の可動範囲が広がり、腰痛や肩こりの予防になるという。
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◇入浴効果を高めるコツ
<1>脱衣場と風呂場の気温差をなくす
脱衣場で服を脱いだとき、冷たい空気にさらされると血管が収縮し、そのまま入浴すると体に負担がかかる。脱衣場と風呂場の間のドアを開けておく。
<2>入浴前にコップ1杯の水を飲む
入浴中は200〜300ミリリットルの汗をかく。水分が失われると血液が濃縮して流れが悪くなり、血栓ができる恐れがある。
<3>湯温に注意
42度以上の熱い風呂では血圧が上がるので40度以下のややぬるめが好ましい。ストレッチをするときには入浴時間がやや延びるので35度前後に。
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2008/12/3 脳腫瘍手術 大学・専門に集中 高度な技術 施設限定的に YOMIURI ONLINEより転載
脳腫瘍手術 大学・専門に集中
高度な技術 施設限定的に
(2008年12月2日 読売新聞)
脳腫瘍(しゅよう)には、もともと脳にできるもの(原発性)に加え、肺がんや乳がんなどの転移も2割弱ある。原発性の発症率は、年10万人当たり10〜12人で、悪性と良性があり、部位などによって種類が分かれる。
読売新聞は、脳外科手術を多く行う主な867施設に対し2007年の治療実績をアンケートし、493施設(回答率57%)から回答を得た。一覧表には、手術件数が25件以上の医療機関194施設と、小児(15歳以下)の手術件数が10件以上の施設を掲載した。
原発性脳腫瘍の3割を占める神経膠腫(こうしゅ)は、「神経膠細胞」という脳細胞に腫瘍ができ、手足のまひや言語障害などの症状が出る。
治療の基本は、頭蓋(ずがい)骨を切開し、腫瘍を取り除く手術だ。だが、腫瘍が正常な細胞にしみこむように広がることから、完全に取り除くのは難しい。悪性であることが多く、早期以外では再発しやすい。再手術で切除するか、放射線治療なども行う。
一方、下垂体腺腫、聴神経鞘腫(しょうしゅ)、髄膜腫は、ほとんどが良性だ。手術で摘出できれば、再発の可能性は少ない。
下垂体腺腫は、ホルモンの分泌異常を起こし、顔や手足などが肥大化する「先端巨大症」などを招く。下垂体は、脳の底の方にあるため、手術は鼻から切除器具を入れ、顕微鏡や内視鏡で見ながら取り除く。腫瘍が大きい場合などは、頭蓋骨を切開する手術が行われる。
聴神経の周囲の細胞にできる聴神経鞘腫と、脳を包む髄膜にできる髄膜腫は、聴力低下や耳なり、頭痛、吐き気などの症状を引き起こす。いずれも手術や放射線治療が行われる。腫瘍が小さく症状がなければ、治療をせずに様子をみることもある。
正常な細胞を傷つけることで重大な後遺症を招きかねない脳外科手術には、高度な技術が必要だ。このため、各都道府県ごとに、大学病院や脳外科の専門病院など、限られた施設で、集中的に手術が行われている傾向が見られた。順天堂大病院脳神経外科准教授の石井尚登(ひさと)さんは「年間20〜30件以上手術をしている医療機関が望ましい」と話す。
また、下垂体腺腫や聴神経鞘腫といった、特定の腫瘍の手術を専門的に行っている医療機関もある。
成人の脳腫瘍は、大脳にできることが多いのに対し、小児の場合は、小脳や脳幹に多いという特徴がある。小児の脳の治療経験が豊富な施設は、小児の専門病院や大学病院などに限られており、表でも別に掲載した。(利根川昌紀)
主な医療機関の脳腫瘍治療件数
■ 近畿 |
|---|
A…手術件数 B…神経膠腫 C…下垂体線腫 D…聴神経鞘腫 E…髄膜腫
| 都道府県 | 病院名 | A | B | C | D | E |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 三重 | 山田赤十字 | 52 | 12 | 12 | 5 | 18 |
| 市立四日市 | 46 | 6 | 9 | 2 | 15 | |
| 三重大 | 45 | 13 | 4 | 5 | 6 | |
| 滋賀 | 大津赤十字 | 29 | 5 | 7 | 0 | 10 |
| 京都 | シミズ | 58 | 20 | 2 | 4 | 15 |
| 国・京都医療セ | 35 | 3 | 7 | 0 | 7 | |
| 京都第一赤十字 | 26 | 4 | 2 | 0 | 2 | |
| 大阪 | 富永 | 155 | 31 | 42 | 5 | 55 |
| 北野 | 135 | 12 | 29 | 6 | 23 | |
| 大阪市大 | 132 | 22 | 15 | 15 | 45 | |
| 大阪大 | 125 | 16 | 36 | 6 | 18 | |
| 大阪医大 | 94 | 36 | 7 | 1 | 12 | |
| 国・大阪医療セ | 66 | 9 | 1 | 0 | 12 | |
| 大阪警察 | 54 | 8 | 5 | 2 | 20 | |
| 大阪脳神経外科 | 52 | 11 | 7 | 11 | 11 | |
| 関西医大枚方 | 52 | 10 | 7 | 2 | 30 | |
| 市立豊中 | 47 | 15 | 0 | 1 | 11 | |
| 市立堺 | 43 | 6 | 7 | 2 | 11 | |
| 関西医大滝井 | 43 | 9 | 5 | 0 | 10 | |
| 東大阪市立総合 | 43 | 3 | 9 | 5 | 9 | |
| 馬場記念 | 39 | 1 | 2 | 0 | 0 | |
| 府立急性期・総合医療セ | 39 | 4 | 4 | 1 | 18 | |
| 城山 | 37 | 2 | 3 | 5 | 6 | |
| 大阪厚生年金 | 36 | 7 | 4 | 0 | 5 | |
| 大阪労災 | 32 | 4 | 1 | 4 | 8 | |
| 市立泉佐野 | 31 | 23 | 0 | 1 | 3 | |
| 府済生会野江 | 30 | 3 | 6 | 4 | 9 | |
| 八尾総合 | 28 | 5 | 4 | 2 | 4 | |
都道府県 | 病院名 | A | B | C | D | E |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 兵庫 | 神戸大 | 113 | 15 | 17 | 21 | 26 |
| 兵庫医大 | 111 | 15 | 37 | 5 | 22 | |
| 神戸市立中央市民 | 110 | 8 | 13 | 4 | 19 | |
| 大西脳神経外科 | 76 | 17 | 15 | 7 | 24 | |
| 国・姫路医療セ | 40 | 3 | 10 | 2 | 7 | |
| 加古川市民 | 35 | 2 | 7 | 2 | 12 | |
| 奈良 | 天理よろづ相談所 | 71 | 9 | 5 | 3 | 15 |
| 和歌山 | 県立医大 | 91 | 18 | 14 | 4 | 19 |
「国・」は独立行政法人国立病院機構、「セ」はセンター。「−」は回答なし。沖縄は最多施設を掲載
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2008/11/29 こころとからだの相談室:骨粗しょう症予防にホルモン補充療法を希望したが 毎日jpより転載
こころとからだの相談室:骨粗しょう症予防にホルモン補充療法を希望したが
2008年11月28日 毎日らいふ
◇ 質問
58歳の女性。52歳で閉経しましたが、最近、卵巣の摘出手術を受けました。卵巣から出る女性ホルモンがなくなると骨粗しょう症になりやすいときき、ホルモン補充療法(HRT)を受けたいと婦人科の先生に相談しましたが、もうすぐ60歳なので必要ないと言われました。私のような場合、HRTは対象外なのでしょうか。
◇ 回答
骨を丈夫に保つことは、女性の長い人生の後半期を元気に生きていくための重要なポイントの1つです。しかし、女性の場合、閉経して女性ホルモン・エストロゲンが減るのと合わせて、骨量も急速に減少していきます。その結果、60代に入ると女性では骨粗しょう症や骨折が増え、骨折は寝たきりの原因になることも知られています。
エストロゲンには骨の破壊を防ぎ、カルシウムを骨に蓄える働きがあります。一方、閉経したということは卵巣の働きが終わったということで、その時点でエストロゲンは出なくなった状態。まずは骨密度測定を受けて自分の骨の状態を確かめるところから、対策を考えていく必要があるでしょう。
ホルモン補充療法(HRT)には、足りなくなったエストロゲンを補充して(子宮がある人の場合は子宮内膜を守るために黄体ホルモンを併用)更年期に伴う心身のつらい症状を改善するという目的と合わせて、エストロゲンが関与している体内の各部位の機能を守り生活の質(QOL)を上げるというもう1つの働きがあります。
具体的には、HRTには骨量の減少を抑えて骨粗しょう症を予防する効果が認められているのと合わせて、悪玉コレステロールの低下、血管が硬くなるのを防ぐ、皮膚や粘膜を乾燥から守る、記憶など脳の働きを改善するなどで、多くのデータがあります。こうしたことから、女性にとってはリスクよりベネフィット(利益)が多い治療法として、世界的にも再評価の動きが高まっています。
HRTで乳がんが増えるという不安についても、米国のWHI(Women's Health Initiative)報告のデータを再解析した結果からは、従来言われていたのとは逆に、期間が5年以内なら乳がんは増えないことも明らかになっています。また、始めるタイミングについても閉経後なるべく早い時期(骨や血管がまだよい状態のとき)に始めることが、よい効果につながることも認められています。とはいえ、70歳を越すとリスクが高くなるというデータもあります。
こうしたことから、HRTはなるべく60歳までに始めるのが望ましいとされていますが、これを越えたらやってはいけないというのではなく、個々の患者さんの状態をチェックし、リスクとベネフィットを説明し納得を得た上で行うことがすすめられています。投与方法についても、薬はなるべく低用量に、肝臓に負担をかけない経皮タイプで、天然型のエストロゲンを用いるなど、安全で効果的な方法が提案されてきています。
HRTを希望されるなら、新しい情報を持ち、よく説明してくれる医師に相談しながら、自分に合った方法を見つけていくことが大切です。
しかし、骨を守るにはHRTがすべてではなく、日常生活の中でできる予防対策も大事です。(1)カルシウムの多い、栄養のバランスのとれた食事(2)ウオーキングなど適度な運動の継続(3)戸外で日光に当たる、の3点がその基本とされています。また、骨粗しょう症の治療では、さまざまな有効な薬もあり、広く使われています。
骨に限らず、病気になってからあわてるのでなく、予防に役立つ身近な方法を実践しながらQOLを維持していくことは、これからの長寿社会を生きる女性の心得といえるでしょう。
回答者:安井禮子(NPO法人「メノポーズを考える会」更年期相談対話士・ 医療・健康ジャーナリスト)☆NPO法人「メノポーズを考える会」の電話相談(03・3351・8001)火曜・木曜の午前10時半〜午後4時半。
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2008/11/25 歯:「80歳で20本」残すには。 毎日jpより転載
歯:「80歳で20本」残すには。
2008年11月25日 毎日新聞
(1) 「8020」達成者を訪ねると−−和食中心、よくかんで
台所に立ち、健康茶の用意をする中島茂さん
歯を失う最大の原因は虫歯と歯周病だ。何でもおいしく食べるためには20本以上の歯が必要とされる。だが、厚生労働省の調査(05年)によると、80歳で残っているのは平均約10本。20本以上は5人に1人に過ぎず、寿命の延びに歯の寿命が追いついていない。「80歳になっても自分の歯を20本持とう」を合言葉に、厚労省と日本歯科医師会が始めた「8020(はちまるにいまる)運動」は今年で20年目を迎えた。「8020」達成者を訪ねた。
× ×
親知らずを除いた永久歯は上下計28本。18本以上で、おいしく食べられるのはフランスパンや堅焼きせんべいだが、0〜5本ではバナナやうどんになる。
26本の歯を保つ中島茂さん(85)=埼玉県東松山市=は「小魚やするめ、たくあんもボリボリと、何でもおいしく食べている」と笑う。
毎日午前6時に起き塩で歯ぐきをマッサージする。祖父から伝わる習慣だ。主に玄米や麦飯を食べ、おかずは肉よりイワシやサンマなど魚が中心。野菜の煮物もよく食べる。菓子類など甘い物は食べず、健康茶を毎日沸かして飲んでいる。晩酌には焼酎1合か、ビール1缶。寝るのは午後10時半ごろだ。気を付けているのは「満腹になるまで食べないことと、素材を生かす『素食』が基本」という。
歯を25本持つ塩原俊司さん(85)=同県熊谷市=も1日3食をきちんと取り、ほとんど間食しない。おかずは野菜が中心。こまめにかかりつけの歯科医を受診している。趣味は仲間と囲碁やゴルフを楽しむことだ。
2人に共通するのは、肉は好まず、和食中心のバランスのとれた食事をよくかんで食べていることだ。甘い物を間食せず、規則正しい生活を続けている。趣味を持ち、進んで外に出かけ、人と触れ合うのが好きな点も似ている。フッ素入りの歯磨きを使っている。
訪問調査した埼玉県歯科医師会の藤野悦男・地域保健部副部長は「よくかむと唾液(だえき)の分泌が良くなり、体の免疫力を高め、歯の再石灰化を促す。野菜など繊維質をよくかむと歯の表面の歯(し)垢(こう)(プラーク)が落ちる。2人を見ていると、全身の健康は口の中から始まることがよく分かる」と感心した。
(2) 失う最大の原因は虫歯、歯周病
虫歯は酸で歯の表面のミネラル分が溶け出した状態だ。歯周病は歯を支える骨が溶ける状態だ。特にやっかいなのは歯周病で、虫歯のように痛みなどの自覚症状がなく、気付かないうちに悪化する。
原因は、歯と歯ぐきの間にたまった歯垢の中にいる歯周病菌で、歯を支える組織を少しずつ破壊する。間食が多い▽よくかまずに食べる▽ストレスをためやすい−−などの生活習慣や、健康状態が悪く、抵抗力が落ちていると、歯垢がたまりやすくなる。
高齢者や寝たきりの人の肺に食べ物や唾液が誤って流れ込むことで起こる「誤(ご)嚥(えん)性肺炎」の原因の一つも歯周病と言われている。
歯はあごの骨の発達を促し、脳に刺激を与えて活性化させるなど、多くの役割を果たしている。歯周病で歯を失うと、体全体に大きな影響が及ぶ。
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